最強幼女は惰眠を求む! 〜神々のお節介で幼女になったが、悠々自適な自堕落ライフを送りたい〜

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第11章 深淵の試練攻防戦編

175話 お茶会ですねっ!

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「おぉ~、見事なまでに勘違いしてくれましたね」

 深淵の試練の深層にあるナイトメア本部の特別会議室。
 ちょっと改造して、円卓に内蔵されているディスプレイを操作すると壁が収納されてガラス張りの一室に大変身!
 何という事でしょう!  匠の技によって殺風景だった会議室でしたが情報局の巨大スクリーンを見れる司令室に早変わりですっ!!

 そして現在、その巨大スクリーンに映し出されているのは魔教団の最高幹部の1人であろう黒髪の少年。
 狂ったような笑みを浮かべるハスルート君と、深淵の試練に途切れる事なく飲み込まれて行く魔教団の兵士達。

「ここまで狙い通りに事が運ぶと、逆にちょっと怖いくらいですけど。
 まぁ、僕の計画が完璧すぎたって事ですね!」

「ん、流石エル、撫でてあげ……」

「流石です、ルーミエル様っ!」

「うぐっ!」

 オルグイユがフェルの声を遮ったと思ったら、突然視界が……く、苦しい……
 この弾力、この柔らかさ、そしてこの破壊力!!
 もはや、これは兵器ですっ!!

「ぷはっ!  オルグイユ…ちょっと苦しいです」

 いくら呼吸する必要が無いと言っても、普段は普通に呼吸してますし、思いっきり抱き締められると流石に苦しいです。

「も、申し訳ありませんっ!」

 皆んなの視線に気付いたのか、恥ずかしそうに顔を赤くしてそう言いながらも、オルグイユは僕の事は離さずに抱っこする様にして膝の上に座らされました。

「お嬢様、お飲み物は如何ですか?」

「え?  じゃあ、温かいココアがいいです」

「承知致しました。
 ご一緒にチョコレートケーキは如何ですか?」

 チョコレート、ケーキ……ぽかぽかのココアに甘いチョコレートのケーキ。
 す、凄まじい誘惑です!  先程のオルグイユ以上の兵器と言っても過言ではありませんっ!!

 しかし、この場にはウェスル帝とイヴァル王を筆頭とするネルウァクス帝国勢とフェーニル王国勢がいますし。
 ここで子供っぽくケーキを食べる訳には……ただでさえこの外見で威厳がありませんし。
 やはり、ここは秘密結社ナイトメアのボスとして威厳を!

「じゃ、じゃあ……欲しいです」

「そう仰ると思って、最高級のチョコレートを使用した甘さ高めの一品をご用意致しました」

「なっ!  こ、これは……!!」

 いつの間にかメルヴィーの隣にあったカートの上に乗せられている見事な逸品!
 滑らかでありながら濃厚で上品なカカオの香り、素晴らしい!
 芸術と呼べる見事なチョコレートケーキですっ!!

「そうだっ、良い事を思いつきました!
 お茶会をしましょう!  皆んなでリーナとミーナの活躍を観戦するのです!!」

 ふっふっふ!  我ながら素晴らしい提案ですね。
 そうすれば、このシリアスな展開の中で僕だけがケーキを頬張るって言う事態を回避出来ます!!

「いや、しかし……」

「ん!  それは妙案。
 皆んなで、お茶会……ふふ、後でエンヴィーとグラトニーに、自慢する」

 うわぁ、フェルが悪い顔してます……けど、あの2人が残念がる顔が目に見える様です!
 僕も一緒に自慢してやりましょうっ!!

「ははは、流石に可哀想じゃねぇか?」

「ふふふ、いいじゃ無いですか。
 楽しそうですよ?」

「確かに、コレール様には申し訳ありませんが……あの2人は何かと適当ですからね。
 いい薬になるでしょう」

 リュグズールは苦笑いを浮かべてますけど、反対はせず。
 アヴァリスも楽しげに笑ってますし、メルヴィーは反対どころか乗り気です。
 オルグイユは僕を膝に乗せたままニコニコですし、ノアとシアも苦笑いを浮かべてるだけで反対は無し。
 さっきイヴァル王が何か言おうとしてましたが、当然黙殺しますし……

「じゃあ、決定ですねっ!
 ふふふ、これで躊躇う事なくケーキが食べれます……あっ、そろそろリーナとミーナが接敵しますよっ!!」

 いつの間にか、各階層に等分して強制転移させた総勢50万と言う魔教団の軍勢。
 その内の約10万がリーナとミーナが率いる狼獣軍団が待機する大部屋……ボス部屋へと足を踏み入れようとしていました。

「しかし、本当にあの子達に任せてしまっても大丈夫なのですか?
 彼女達と、2人が率いる軍団の凄まじさは知っていますが……」

「心配ですか?」

 不安げな表情で頷くとアスティーナ。
 他の十剣のメンバーや大賢者グラウスさんに、フェーニル王国総騎士団長であるアレックさんも何処か浮かない表情。

 まぁ、この場にいる人はリーナとミーナの過去を知っていますからね。
 まだ子供である彼女達だけに10万もの魔教団をぶつけるのは酷だと考えるのも当然でしょう。
 しかし……

「大丈夫ですよ。
 魔教団は後悔するでしょうね、僕達の力を読み間違えた事を、僕達を敵に回した事を。
 そして何より、リーナとミーナの2人が率いる狼獣軍団に当たってしまった事をね」
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