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第11章 深淵の試練攻防戦編
170話 交渉を始めましょうか?
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「でもまぁ、ひとまず魔教団は置いておくとして、これで釣れてくれると嬉しいですね」
「はい……」
はい、と言いつつ全く納得していない様子のオルグイユ。
大人の美女なのに子供みたいに拗ねてますね。
「もう、オルグイユも納得してくれたじゃ無いですか!
それに、不本意ながらこうするのが最も効率がいいんです……多分。
メルヴィーもそう思いますよね?」
「恐れながら、今回はオルグイユ様と同意見、私は反対でした」
うっ、何時に無くメルヴィーが辛辣です。
しかもこの感じ……
「も、もしかして怒ってますか?」
「いいえ。
ふふふ、我々の制止を振り切って出て行かれたからと言って私がお嬢様に怒るなどと」
や、やっぱり怒ってます!
一見優しげな微笑みを浮かべているところが逆に怖いっ!!
「だって、後々僕達の事を利用しようとする貴族が出て来たら面倒……厄介ですし。
僕はこの外見ですから、侮られる事は初めからわかりきってます。
それなら、僕自身を餌にして面倒そうな貴族達を炙り出した方が楽じゃ無くて、効率がいいのです!」
何だかんだで、地下でもイヴァル王とウェスル帝に従いましたからね。
野心を抱くバカな貴族達は、僕の事を御し易い子供だと考えてくれる事でしょう。
「ですが、人間如きがルーミエル様の事を侮るなど……」
「ええ、殺意が湧きます」
本日も吸血鬼2人が物騒ですね。
まぁ、僕の事以外にもこの城に漂う殺された吸血鬼達の残滓の影響もあるのでしょう。
僕自身も元は吸血鬼ですし、イライラが凄いですからね。
2人のストレスは理解できます。
「そうだ!
じゃあ後で、十剣の皆んなを鍛えてあげればいいのでは?
十剣の皆んなは必死の修行、オルグイユ達は気分転換が出来て一石二鳥! まさにウィンウィンです!!」
「えっ!?」
「そ、それは……」
ユリウスとアスティーナが驚いた様に声を上げ……控室の扉がノックされました。
「やっと来た様ですね。
まぁ、こっちに向かっているのは知ってましたけど」
いやぁー、それにしてもユリウスもアスティーナもここまで喜んでくれるとは。
我ながらいい仕事をしてしまった様ですね!!
「失礼します」
自分の手腕に関心している間にコレールが控室の扉を開け、そう言って入って来たのは稲垣を筆頭とした勇者達。
そして……
「来ると思っていましたよ。
お久しぶりですね、山口先生」
戦場には出ていなかった非戦闘系の能力を持つ元クラスメイト達と元担任、山口先生が入って来ました。
「本当に……伊波君、なんですか?」
「元、ですけどね。
今の僕の名前はルーミエルです」
「よかった……てっきりもう死んでしまったとばかり……」
何やらデジャブですね。
まぁ突然、土下座をかまされるよりかは遥かにマシですけど。
「生きていますよ。
まぁ、死にそうにはなりましたが」
「そう、ですか……。
本当に、ごめんない!」
前言撤回です。
土下座されなくても、突然謝罪されたら一緒です!!
「えっと」
「私は担任として伊波君を、貴女を守る事が出来ませんでした……教師失格です」
ここまで思い詰められると、こっちがどうすれば良いのか困ってしまいます。
ただでさえ極度の人見知りで、元クラスメイトと言えど殆ど初対面の視線に晒されて結構辛いのに……
「そ、その、飛ばされる時も言いましたけど、先生のせいじゃ無いです。
まぁアルビノのせいじゃ無くて魔教団のせいだった訳ですけど。
取り敢えず、先生は悪くありません!」
口足らずなりに頑張った!
後でメルヴィー達に褒めてもらわなくては、そしてご褒美におやつを貰わなくてはなりませんねっ!!
「ありがとう。
ええっと……貴女と再会出来た事を神様に感謝しないといけませんね」
いやいや、そんな必要は全く無いと思います。
なんたって、僕が追放された要因の一つは僕の事を考慮していなかった大神達にある訳ですしね。
寧ろフォルクレスとアフィリスは山口先生に謝るべきじゃ無いでしょうか?
今度ちょっとお説教してやらねばなりませんね!!
「先生、そろそろ」
「そう、ですね」
稲垣と山口先生が何やら意味深なやり取りをしてますけど、まぁ当然あの事ですね。
「宝玉に飲み込まれた日高の事ですね?」
勇者達全員が神妙な表情になり、稲垣と山口先生が静かに頷きました。
まぁ、そうですよね。
この状況下で他の用事で尋ねて来たら驚きです。
僕としては山口先生の謝罪云々よりもこっちの話し合いの方がやり易いので非常に助かります。
お仕事モードですね!
「では早速、交渉を始めるとしましょうか?」
「はい……」
はい、と言いつつ全く納得していない様子のオルグイユ。
大人の美女なのに子供みたいに拗ねてますね。
「もう、オルグイユも納得してくれたじゃ無いですか!
それに、不本意ながらこうするのが最も効率がいいんです……多分。
メルヴィーもそう思いますよね?」
「恐れながら、今回はオルグイユ様と同意見、私は反対でした」
うっ、何時に無くメルヴィーが辛辣です。
しかもこの感じ……
「も、もしかして怒ってますか?」
「いいえ。
ふふふ、我々の制止を振り切って出て行かれたからと言って私がお嬢様に怒るなどと」
や、やっぱり怒ってます!
一見優しげな微笑みを浮かべているところが逆に怖いっ!!
「だって、後々僕達の事を利用しようとする貴族が出て来たら面倒……厄介ですし。
僕はこの外見ですから、侮られる事は初めからわかりきってます。
それなら、僕自身を餌にして面倒そうな貴族達を炙り出した方が楽じゃ無くて、効率がいいのです!」
何だかんだで、地下でもイヴァル王とウェスル帝に従いましたからね。
野心を抱くバカな貴族達は、僕の事を御し易い子供だと考えてくれる事でしょう。
「ですが、人間如きがルーミエル様の事を侮るなど……」
「ええ、殺意が湧きます」
本日も吸血鬼2人が物騒ですね。
まぁ、僕の事以外にもこの城に漂う殺された吸血鬼達の残滓の影響もあるのでしょう。
僕自身も元は吸血鬼ですし、イライラが凄いですからね。
2人のストレスは理解できます。
「そうだ!
じゃあ後で、十剣の皆んなを鍛えてあげればいいのでは?
十剣の皆んなは必死の修行、オルグイユ達は気分転換が出来て一石二鳥! まさにウィンウィンです!!」
「えっ!?」
「そ、それは……」
ユリウスとアスティーナが驚いた様に声を上げ……控室の扉がノックされました。
「やっと来た様ですね。
まぁ、こっちに向かっているのは知ってましたけど」
いやぁー、それにしてもユリウスもアスティーナもここまで喜んでくれるとは。
我ながらいい仕事をしてしまった様ですね!!
「失礼します」
自分の手腕に関心している間にコレールが控室の扉を開け、そう言って入って来たのは稲垣を筆頭とした勇者達。
そして……
「来ると思っていましたよ。
お久しぶりですね、山口先生」
戦場には出ていなかった非戦闘系の能力を持つ元クラスメイト達と元担任、山口先生が入って来ました。
「本当に……伊波君、なんですか?」
「元、ですけどね。
今の僕の名前はルーミエルです」
「よかった……てっきりもう死んでしまったとばかり……」
何やらデジャブですね。
まぁ突然、土下座をかまされるよりかは遥かにマシですけど。
「生きていますよ。
まぁ、死にそうにはなりましたが」
「そう、ですか……。
本当に、ごめんない!」
前言撤回です。
土下座されなくても、突然謝罪されたら一緒です!!
「えっと」
「私は担任として伊波君を、貴女を守る事が出来ませんでした……教師失格です」
ここまで思い詰められると、こっちがどうすれば良いのか困ってしまいます。
ただでさえ極度の人見知りで、元クラスメイトと言えど殆ど初対面の視線に晒されて結構辛いのに……
「そ、その、飛ばされる時も言いましたけど、先生のせいじゃ無いです。
まぁアルビノのせいじゃ無くて魔教団のせいだった訳ですけど。
取り敢えず、先生は悪くありません!」
口足らずなりに頑張った!
後でメルヴィー達に褒めてもらわなくては、そしてご褒美におやつを貰わなくてはなりませんねっ!!
「ありがとう。
ええっと……貴女と再会出来た事を神様に感謝しないといけませんね」
いやいや、そんな必要は全く無いと思います。
なんたって、僕が追放された要因の一つは僕の事を考慮していなかった大神達にある訳ですしね。
寧ろフォルクレスとアフィリスは山口先生に謝るべきじゃ無いでしょうか?
今度ちょっとお説教してやらねばなりませんね!!
「先生、そろそろ」
「そう、ですね」
稲垣と山口先生が何やら意味深なやり取りをしてますけど、まぁ当然あの事ですね。
「宝玉に飲み込まれた日高の事ですね?」
勇者達全員が神妙な表情になり、稲垣と山口先生が静かに頷きました。
まぁ、そうですよね。
この状況下で他の用事で尋ねて来たら驚きです。
僕としては山口先生の謝罪云々よりもこっちの話し合いの方がやり易いので非常に助かります。
お仕事モードですね!
「では早速、交渉を始めるとしましょうか?」
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