最強幼女は惰眠を求む! 〜神々のお節介で幼女になったが、悠々自適な自堕落ライフを送りたい〜

フウ

文字の大きさ
上 下
168 / 375
第10章 アレサレム戦争編

168話 無慈悲な処刑です

しおりを挟む
「では、コレール」

 僕の呼び掛けに柔らかい微笑みを浮かべたコレールが頷きを返す。
 そんなコレールの前には神妙な面持ちなアレサレム貴族達。
 まぁ神妙なのも当然ですね、だって国王自ら魔教団だって自供しちゃいましたし。

 魔教団と戦い、世界を守る正義を語っておきながらその実、国王自身が魔教団の最高幹部。
 勇者を召喚し魔教団と前線に立って戦っていると言う名目で各国から様々な融通を図ってもらい、多額の寄付まで受けている……

 実質、諸各国を巻き込んだ詐欺ですからね、実に悪辣な手段と言えます。
 もはや国際的な批判は免れず、それどころか国民達の暴動すら十分にあり得る。
 そりゃもう内心ガクブルしている事でしょう。 

 でもまぁ、ぶっちゃけどうでもいいですし、後はコレールにお任せ!  ですね。
 何たって今は転移で謁見の間に戻り、硬い玉座にお気に入りクッションを挟んで凄まじく心地いい。
 もはやコレクッションは凶器です!  これ程までに強烈に眠りへ誘うとは……恐ろしい子っ!

「では、これより魔教団の処罰を執り行います。
 我らが主様のお言葉に耳を傾けなさい!」

 ……え?
 今なんて言いました?  何で皆んな僕の事を見ているのでしょうか?
 やめて欲しいです、僕こう見えても超絶人見知りするシャイなんですよ!
 コレール、さっきの頷きは何だったんですかっ!?

「うぅ……はぁ、わかりました。
 さっさと終わらせて、帰って寝るとしましょう」

 ニッコリ微笑みを崩さないコレールに見つめられて、拒否できる強者がいるなら見てみたいですね、まったく。

「と言う訳なので、まずは幹部でも何でもない一般団員達の処罰ですね。
 う~ん、そうですね……さっきの天の声さんも言っていましたが、実は以前に魔教団の支部を1つ潰した事があるんです。
 その時の魔教団員は僕が作った世界に閉じ込めてるんですけど、お前達にはそこに行ってもらうとしましょう」

 有象無象の為に態々、新しい処罰を考えるのは面倒ですし、今後も幹部でも何でもない一般団員は皆んなあの世界に行ってもらうとしましょう。
 まぁ餓死するのはちょっと可哀想ですけど、彼等が吸血鬼にしていた様に身体中を切り刻まれるよりかは遥かにマシでしょう。

「じゃあ、そう言う事なので、取り敢えず地下の捕縛が完了するまで本部にて監視しておいて下さい」

「承知致しました」

 これで後は有能なコレールがどうにかしてくれる事でしょう。
 有能なのに、何故か僕の意図が伝わらなかったですけど、有能なのに。

「次は宰相さん及び、ルナン王の側近である数名、宮廷料理長です。
 さて、何か申し開きはありますか?」

「騙されてはならんっ!
 誇り高き王国貴族ともあろう者が、その様な野蛮人共やどこの馬の骨とも知らぬ小娘の戯言に踊らされるでないわっ!!」

「では、貴方は魔教団ではないと?」

「ふん、当然だ。
 私にこの様な仕打ち、奴隷に落として娼館行きになる事は覚悟するがいい!」

「そうですか。
 では、僕がルナン王宛に送ったこの映像は何なのでしょうか?」

 謁見の間の中央で再生されるのは、ルナン王と宰相さん達が執務室で吸血鬼の血を飲む映像。
 宰相さんもこれは予想外だった様ですね、間抜けな顔で唖然と黙り込みました。

「続いて王族からは第一王女であるサリア王女と第一王子であるアレス王子の2人が魔教団の幹部ですね?」

 何十人もの吸血鬼を虐殺して勇者召喚を断行した時の召喚者であるサリア王女は何処からどう見ても黒。
 ルナン王の跡を継ぐ王位継承権第一位のアレス王子も当然黒です。

「第二王女、第二王子、第三王子に関しては抵抗されると怪我をさせてしまいかねないので拘束させてもらっただけで、魔教団との関与は一切ありませんでした。
 暴れないと約束できるのであれば、今すぐ解放しましょう」

 そう言うと、僕の方を見ながらコクコクと首を縦に振る3人。
 ユリウスに目配せすると、コレールとは違ってちゃんと僕の意図を理解してくれた様で、彼等を縛っていた拘束を解除してくれました。

「貴方達には後ほど同盟の主君達から話があるでしょうから、十剣の側を離れずに待っていて下さい」

「かしこまりました」

「承知しました」

 第二王女マリアと第二王子ハートルが、怯える幼い第三王子ペルムを庇う様にして一礼すると、ユリウスの後をついて脇に寄ってくれました。

 うんうん、こうやって素直に動いてくれると円滑に進んで楽でいいですね。
 是非とも現在進行形で僕の事を物凄い形相で睨み付けてる第一王子、第一王女の2人にも見習ってもらいたいです……まぁ、無理でしょうけど。

「因みに、これが2人が魔教団幹部だと言う証拠です」

 先程と同様に謁見の間の中央に、ディベルや魔教団員達の記憶から再生した映像を流す。
 証拠としては十分でしょう。

「さて、お前達への処罰ですが。
 お前達が吸血鬼の血を弄び娯楽の様に殺す理由、その目的は不老不死だそうですね」

 実際には吸血鬼の血液に不老不死の効果なんて一切ありませんけど。
 まぁ地球でも似たような伝承ってありましたけどね。

「喜んで下さい、お前達には永遠の命をあげましょう」

 僕の神能を駆使すれば、他人を不老不死にする事すら可能ですからね。
 我ながらもう人間やめてますね……

「腕を切断されても、身体が真っ二つになっても、全身の血を吸い尽くされても……次の瞬間には元通りです。
 まぁ当然、痛覚はそのままですけど。
 そうですね、魔物が蠢く魔境で千年経てば解放して一般団員達と同じ世界に送ってあげましょう」

 我ながら無慈悲な処刑ですけど……まぁ自業自得です。
 不老不死と聞いて愉悦の表情さえ浮かべていた魔教団幹部達は自分の辿る未来を思い浮かべて一気に青ざめました。
しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました

向原 行人
ファンタジー
 僕、カーティスは由緒正しき賢者の家系に生まれたんだけど、十六歳のスキル授与の儀で授かったスキルは、まさかのゴミスキルだった。  実の父から家の恥だと言われて勘当され、行く当ても無く、着いた先はゴミだらけの古代遺跡。  そこで打ち捨てられていたゴミが話し掛けてきて、自分は古代兵器で、助けて欲しいと言ってきた。  なるほど。僕が得たのはゴミと意思疎通が出来るスキルなんだ……って、嬉しくないっ!  そんな事を思いながらも、話し込んでしまったし、連れて行ってあげる事に。  だけど、僕はただゴミに協力しているだけなのに、どこかの国の騎士に襲われたり、変な魔法使いに絡まれたり、僕を家から追い出した父や弟が現れたり。  どうして皆、ゴミが欲しいの!? ……って、あれ? いつの間にかゴミスキルが成長して、ゴミの修理が出来る様になっていた。  一先ず、いつも一緒に居るゴミを修理してあげたら、見知らぬ銀髪美少女が居て……って、どういう事!? え、こっちが本当の姿なの!? ……とりあえず服を着てっ!  僕を命の恩人だって言うのはさておき、ご奉仕するっていうのはどういう事……え!? ちょっと待って! それくらい自分で出来るからっ!  それから、銀髪美少女の元仲間だという古代兵器と呼ばれる美少女たちに狙われ、返り討ちにして、可哀想だから修理してあげたら……僕についてくるって!?  待って! 僕に奉仕する順番でケンカするとか、訳が分かんないよっ! ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

クラス転移したからクラスの奴に復讐します

wrath
ファンタジー
俺こと灞熾蘑 煌羈はクラスでいじめられていた。 ある日、突然クラスが光輝き俺のいる3年1組は異世界へと召喚されることになった。 だが、俺はそこへ転移する前に神様にお呼ばれし……。 クラスの奴らよりも強くなった俺はクラスの奴らに復讐します。 まだまだ未熟者なので誤字脱字が多いと思いますが長〜い目で見守ってください。 閑話の時系列がおかしいんじゃない?やこの漢字間違ってるよね?など、ところどころにおかしい点がありましたら気軽にコメントで教えてください。 追伸、 雫ストーリーを別で作りました。雫が亡くなる瞬間の心情や死んだ後の天国でのお話を書いてます。 気になった方は是非読んでみてください。

追放されたギルドの書記ですが、落ちこぼれスキル《転写》が覚醒して何でも《コピー》出来るようになったので、魔法を極めることにしました

遥 かずら
ファンタジー
冒険者ギルドに所属しているエンジは剣と魔法の才能が無く、文字を書くことだけが取り柄であった。落ちこぼれスキル【転写】を使いギルド帳の筆記作業で生計を立てていた。そんなある日、立ち寄った勇者パーティーの貴重な古代書を間違って書き写してしまい、盗人扱いされ、勇者によってギルドから追放されてしまう。 追放されたエンジは、【転写】スキルが、物やスキル、ステータスや魔法に至るまで何でも【コピー】できるほどに極められていることに気が付く。 やがて彼は【コピー】マスターと呼ばれ、世界最強の冒険者となっていくのであった。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

処理中です...