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第10章 アレサレム戦争編
158話 覚悟を決めるしか無いようです!
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それは、魂に恐怖を植え付けるかの様な光景。
周りに仲間はいるが、物に触れる事も、その人物に語りかける事も出来ず、目に見えるだけの立体映像の様なモノ。
しかし、それは、ただの創作では無いと断言できる現実感を伴って勇者達に確かな恐怖を抱かせた。
最初に見えたのは、殺意を顕に槍を構える兵士達と愉悦に歪んだアレサレム国王の顔。
そして辿り着いたのは闇の中。
1メートル先も見えない漆黒の世界。
背後には目に見えない透明な壁が聳え立ち、群れでの等級が災禍級とされるヘルハウンドが襲い来る。
その後も地上に現れればまた即座に神災級に認定されるだろう骸の王。
アラクネにヒュドラ、神話にすら語られる神獣……
ホログラム。
触れる事も出来ず、触れられる事も無いと頭では理解していても自然と恐怖で足が竦み、体が震える。
それはまさに地獄と呼ぶに相応しい光景だった……
「あっ! ふっふっふ……」
「どうか、したの?」
「いえいえ、何でもありませんよ」
美しい銀髪の幼女が我慢出来ないと言った様子でニヤニヤと笑みを漏らす。
そして……
「どうですか! フルハウスですっ!!」
ババッン!! と効果音がつきそうな勢いで言い放った。
しかし、現実は甘く無い。
「エル、あまい」
「えっ? そっ、そんなバカなっ!!
嘘でしょう? 嘘ですよねっ!?」
「これが、現実」
「ロイヤルストレートフラッシュなんてチート…これがビギナーズラックですか……」
銀髪の幼女は打ちのめされた様に膝から地面に崩れ落ちた。
「ふっ! これでおやつは、吾のモノ」
悔しそうに四つん這いになている銀髪の幼女に赤髪の幼女がペタンコの胸を張って勝ち誇る。
「うっ…そ、それだけは……」
「賭けは、絶対」
「そ、そんな……」
赤髪の幼女の無慈悲な言葉に銀髪の幼女の顔が絶望に染まる。
「仕方ない。
ナデナデしていいなら、無かった事に、してもいい」
「本当ですかっ!?」
「ん、吾に、二言は無い」
「いいです! いいです! 好きなだけナデナデしていいです!!
フェル大好きですっ!!」
銀髪の幼女ことルーミエルは、赤髪の幼女ことフェルに満面の笑みを浮かべて抱きついた。
フェルの腰に抱きついているルーミエルは、フェルがまんざらでも無い笑みを浮かべている事に気づか無い。
ちょろ過ぎる幼女であった。
「俺達は何を見せられてるんだ……?」
伊波 光輝……ルーミエルの壮絶な過去の記憶を見せられ、彼女の言葉が本当なのだと理解させられた。
だからこそ、真剣に、命を、自身の全てをもって向き合おうと覚悟を決めて……目が覚めて、目の前で繰り広げられる光景に対しての稲垣のその呟きは真理と言えた。
「起きたのかい?
今は話し掛けない方がいいですよ。
フェル様にゴミを見る様な冷たい眼差しで睨まれたいのなら別ですけどね」
ルーミエルが心底嬉しそうにフェルに抱きつき、フェルはそんなルーミエルの事を撫で回す。
そんな光景を唖然と見つめていた勇者達に向かってユリウスは苦笑いを浮かべて見せた。
「ん? あれ、皆さん起きていたのですか?」
フェルに撫でられ続けること数分。
不意に視線を感じて、その方向をむくと、勇者達がこっちをガン見していました。
「こ、これでは何の為に彼等の意識を記憶の世界に飛ばしたのか分からないじゃないですか……」
十剣の皆んなも微笑ましげに勇者達と一緒になってこっちを見てますし。
は、恥ずかしい……!
でも、フェルには好きなだけって言っちゃいましたしね。
仕方ありません、ここは覚悟を決めるしか無いようです!!
「えっと、僕の言ってる事、信じてもらえましたか?」
「あ、あぁ。
あのステータスはちょっと信じられないけど、話していた内容の方は」
「なら結構です。
じゃあ後はアレサレム軍の将校さん達と一緒に説明しましょう。
アレサレム王国の王都の現状をね」
ふっ、勇者達も困惑しているようですね。
果たしてそれは僕の言葉にか、それとも現在進行形でフェルに撫でられている事に対してでしょうか?
まぁ、どちらにしても、このまま周囲の視線を黙殺して仕事をこなすと言う覚悟を決めた僕には関係のない事ですけどねっ!!
周りに仲間はいるが、物に触れる事も、その人物に語りかける事も出来ず、目に見えるだけの立体映像の様なモノ。
しかし、それは、ただの創作では無いと断言できる現実感を伴って勇者達に確かな恐怖を抱かせた。
最初に見えたのは、殺意を顕に槍を構える兵士達と愉悦に歪んだアレサレム国王の顔。
そして辿り着いたのは闇の中。
1メートル先も見えない漆黒の世界。
背後には目に見えない透明な壁が聳え立ち、群れでの等級が災禍級とされるヘルハウンドが襲い来る。
その後も地上に現れればまた即座に神災級に認定されるだろう骸の王。
アラクネにヒュドラ、神話にすら語られる神獣……
ホログラム。
触れる事も出来ず、触れられる事も無いと頭では理解していても自然と恐怖で足が竦み、体が震える。
それはまさに地獄と呼ぶに相応しい光景だった……
「あっ! ふっふっふ……」
「どうか、したの?」
「いえいえ、何でもありませんよ」
美しい銀髪の幼女が我慢出来ないと言った様子でニヤニヤと笑みを漏らす。
そして……
「どうですか! フルハウスですっ!!」
ババッン!! と効果音がつきそうな勢いで言い放った。
しかし、現実は甘く無い。
「エル、あまい」
「えっ? そっ、そんなバカなっ!!
嘘でしょう? 嘘ですよねっ!?」
「これが、現実」
「ロイヤルストレートフラッシュなんてチート…これがビギナーズラックですか……」
銀髪の幼女は打ちのめされた様に膝から地面に崩れ落ちた。
「ふっ! これでおやつは、吾のモノ」
悔しそうに四つん這いになている銀髪の幼女に赤髪の幼女がペタンコの胸を張って勝ち誇る。
「うっ…そ、それだけは……」
「賭けは、絶対」
「そ、そんな……」
赤髪の幼女の無慈悲な言葉に銀髪の幼女の顔が絶望に染まる。
「仕方ない。
ナデナデしていいなら、無かった事に、してもいい」
「本当ですかっ!?」
「ん、吾に、二言は無い」
「いいです! いいです! 好きなだけナデナデしていいです!!
フェル大好きですっ!!」
銀髪の幼女ことルーミエルは、赤髪の幼女ことフェルに満面の笑みを浮かべて抱きついた。
フェルの腰に抱きついているルーミエルは、フェルがまんざらでも無い笑みを浮かべている事に気づか無い。
ちょろ過ぎる幼女であった。
「俺達は何を見せられてるんだ……?」
伊波 光輝……ルーミエルの壮絶な過去の記憶を見せられ、彼女の言葉が本当なのだと理解させられた。
だからこそ、真剣に、命を、自身の全てをもって向き合おうと覚悟を決めて……目が覚めて、目の前で繰り広げられる光景に対しての稲垣のその呟きは真理と言えた。
「起きたのかい?
今は話し掛けない方がいいですよ。
フェル様にゴミを見る様な冷たい眼差しで睨まれたいのなら別ですけどね」
ルーミエルが心底嬉しそうにフェルに抱きつき、フェルはそんなルーミエルの事を撫で回す。
そんな光景を唖然と見つめていた勇者達に向かってユリウスは苦笑いを浮かべて見せた。
「ん? あれ、皆さん起きていたのですか?」
フェルに撫でられ続けること数分。
不意に視線を感じて、その方向をむくと、勇者達がこっちをガン見していました。
「こ、これでは何の為に彼等の意識を記憶の世界に飛ばしたのか分からないじゃないですか……」
十剣の皆んなも微笑ましげに勇者達と一緒になってこっちを見てますし。
は、恥ずかしい……!
でも、フェルには好きなだけって言っちゃいましたしね。
仕方ありません、ここは覚悟を決めるしか無いようです!!
「えっと、僕の言ってる事、信じてもらえましたか?」
「あ、あぁ。
あのステータスはちょっと信じられないけど、話していた内容の方は」
「なら結構です。
じゃあ後はアレサレム軍の将校さん達と一緒に説明しましょう。
アレサレム王国の王都の現状をね」
ふっ、勇者達も困惑しているようですね。
果たしてそれは僕の言葉にか、それとも現在進行形でフェルに撫でられている事に対してでしょうか?
まぁ、どちらにしても、このまま周囲の視線を黙殺して仕事をこなすと言う覚悟を決めた僕には関係のない事ですけどねっ!!
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