最強幼女は惰眠を求む! 〜神々のお節介で幼女になったが、悠々自適な自堕落ライフを送りたい〜

フウ

文字の大きさ
上 下
127 / 375
第8章 世界樹決戦編

127話 遊びましょうか?

しおりを挟む
「ここは?
 エルフ共の国がない。
 いや、それ以前に周囲の光景が全く……」

「ここは、僕が特別に作った異世界です」

 上空からそう声をかけると、漸く僕達の存在に気がついた様で。
 バッと凄い勢いでこちらを見上げ、そして目を見開いて固まってしまいました。
 う~ん、挨拶しただけなのにこんな反応をされるとは。

 僕としては『貴様の仕業かっ!  許さんぞ!!』的な反応を密かに期待していたのですが……残念です。

「何故貴女がここに……それに何なんその格好は?」

「あっ、もしかしてこの翼の事ですか?」

 なる程、だからあの反応ですか。
 確かにそう言われてみれば、顔見知りが突然大きな翼を生やして現れたら驚きますよね。

「世界を1から作るのは膨大な魔力を用いますからね。
 翼を出していた方が緻密な魔力制御が楽なんですよ」

 決して、翼があった方がカッコイイからではありません!!
 ま、まぁ、ちょっとはカッコイイからって理由もありますけど……

「世界を、作った……?
 何をバカな事を」

「では、コイツの相手は僕がするので、皆んなは世界樹に囚われている人達の救出に向かって下さい」

 ガッツリと無視してやりました。
 だって、そんな事を一々説明するのは面倒くさいです。
 こう言う人って、絶対僕が神能とか説明しても信じてくれないタイプです。

「かしこまりました。
 魔教団の者共は如何なさいますか?」

「う~ん、取り敢えず捕まえて何処かに纏めておいて下さい」

「かしこまりました」

「では、任せましたよ」

 コレールを中心にして整列していた皆んなが一瞬にして姿を消しました。

 まぁ、実際は星天魔法で消し飛んだ場所から高速で中に入って行っただけですけど。
 ディベルにはまるで消えた様に見えた事でしょう。
 何せネルウァクス帝国が世界に誇る十剣ですら、今の皆んなの動きを目で追う事は出来ませんし。

「貴女は……お前達は一体何者なんですか?」

「僕達は、秘密結社ナイトメア〝深淵から世界を覗く者〟」

「ナイトメア……聞いた事がありませんね」

 まぁ、それはそうでしょうね。
 だって、表立って何かした訳じゃないですし。

「しかし、悪夢とはよく言ったものですねぇ。
 私にとって、この光景はまさしく悪夢という訳ですかぁ。
 ですが、オイタが過ぎましたねぇ。
 不壊である世界樹を破壊し、あまつさえ世界を作る!  いやぁ、実に愉快な演出でしたよ!!」

 やっぱり、全く信じてません。
 こう言うマッドサイエンティストって、自身の理解を超える出来事は絶対に受け入れようとしないんですよね。
 まぁ、お約束ってやつですね。

「この光景は幻ですか?
 これほど大規模な幻を作り出すとは、流石ですねぇ。
 あぁ!  安心して下さいねぇ。
 貴女方が死んでも、その知識は私がしっかりと有効活用してあげますので!!」

「えっと……うん、まぁ頑張ってください」

「フフフ、強がらなくても良いのですよぉ?
 前回は大した準備もしていませんでしたが、ここは魔教団の拠点の1つ!!
 どうやって、この場を突き止めたのかは知りませんが、貴女に勝機は万に一つも無いのですからぁ!」

 そう言って、ディベルが懐から1つのモノクルを取り出して見せる。

「これは私が開発した、魔鏡という物でしてねぇ。
 これを使えば、対象の魔力を視覚化し、見る事が出来るのです。
 さぁ、貴女の魔力量はどれ程でしょうねぇ?」

 ニヤリと笑みを浮かべて、声高に説明してくれたモノクルを自身の片目に掛け……笑顔が凍りつきました。

「こ、これは何だっ!?」

「どんな風に見えましたか?」

「そ、そうです。
 故障していたのでしょう、そうに違いありません!!」

 無視されました。
 まぁ、僕もさっき無視したのでおあいこですけど……

「さてと、貴方には色々と聞きたい事がありますが……皆んなが戻ってくるまで僕と遊びましょうか?」

 ディベルには、これまでに弄ばれた人や、世界樹に囚われている人達の報いを受けてもらわなければなりませんからね。

「遊び、ですか?」

「はい、遊びです。
 そうですね……取り敢えず、踊って下さい」

 そう告げると同時に、時間差をつけて極細の滅光を放つ。

「ぎゃぁあっ!?」

「実はですね、僕これでも結構怒ってるんですよ?
 おっと次は右、そして左っと」

「じ、死ぬぅっ!!」

「大丈夫です。
 しっかりと回復させてあげますから」

 言葉通り身体中穴だらけ、血塗れになっていたディベルを綺麗に全快させてあげました。

「さてと、では第二幕と行きましょうか」

 そう言って微笑み掛けてやると……

「ひっ!!  もう許して下さいっ!!」

「貴方はそう言った人達をどうしましたか?」

 僕のその言葉に、彼はその顔に絶望の色を浮かべました。
しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました

向原 行人
ファンタジー
 僕、カーティスは由緒正しき賢者の家系に生まれたんだけど、十六歳のスキル授与の儀で授かったスキルは、まさかのゴミスキルだった。  実の父から家の恥だと言われて勘当され、行く当ても無く、着いた先はゴミだらけの古代遺跡。  そこで打ち捨てられていたゴミが話し掛けてきて、自分は古代兵器で、助けて欲しいと言ってきた。  なるほど。僕が得たのはゴミと意思疎通が出来るスキルなんだ……って、嬉しくないっ!  そんな事を思いながらも、話し込んでしまったし、連れて行ってあげる事に。  だけど、僕はただゴミに協力しているだけなのに、どこかの国の騎士に襲われたり、変な魔法使いに絡まれたり、僕を家から追い出した父や弟が現れたり。  どうして皆、ゴミが欲しいの!? ……って、あれ? いつの間にかゴミスキルが成長して、ゴミの修理が出来る様になっていた。  一先ず、いつも一緒に居るゴミを修理してあげたら、見知らぬ銀髪美少女が居て……って、どういう事!? え、こっちが本当の姿なの!? ……とりあえず服を着てっ!  僕を命の恩人だって言うのはさておき、ご奉仕するっていうのはどういう事……え!? ちょっと待って! それくらい自分で出来るからっ!  それから、銀髪美少女の元仲間だという古代兵器と呼ばれる美少女たちに狙われ、返り討ちにして、可哀想だから修理してあげたら……僕についてくるって!?  待って! 僕に奉仕する順番でケンカするとか、訳が分かんないよっ! ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

クラス転移したからクラスの奴に復讐します

wrath
ファンタジー
俺こと灞熾蘑 煌羈はクラスでいじめられていた。 ある日、突然クラスが光輝き俺のいる3年1組は異世界へと召喚されることになった。 だが、俺はそこへ転移する前に神様にお呼ばれし……。 クラスの奴らよりも強くなった俺はクラスの奴らに復讐します。 まだまだ未熟者なので誤字脱字が多いと思いますが長〜い目で見守ってください。 閑話の時系列がおかしいんじゃない?やこの漢字間違ってるよね?など、ところどころにおかしい点がありましたら気軽にコメントで教えてください。 追伸、 雫ストーリーを別で作りました。雫が亡くなる瞬間の心情や死んだ後の天国でのお話を書いてます。 気になった方は是非読んでみてください。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

S級パーティを追放された無能扱いの魔法戦士は気ままにギルド職員としてスローライフを送る

神谷ミコト
ファンタジー
【祝!4/6HOTランキング2位獲得】 元貴族の魔法剣士カイン=ポーンは、「誰よりも強くなる。」その決意から最上階と言われる100Fを目指していた。 ついにパーティ「イグニスの槍」は全人未達の90階に迫ろうとしていたが、 理不尽なパーティ追放を機に、思いがけずギルドの職員としての生活を送ることに。 今までのS級パーティとして牽引していた経験を活かし、ギルド業務。ダンジョン攻略。新人育成。そして、学園の臨時講師までそつなくこなす。 様々な経験を糧にカインはどう成長するのか。彼にとっての最強とはなんなのか。 カインが無自覚にモテながら冒険者ギルド職員としてスローライフを送るである。 ハーレム要素多め。 ※隔日更新予定です。10話前後での完結予定で構成していましたが、多くの方に見られているため10話以降も製作中です。 よければ、良いね。評価、コメントお願いします。励みになりますorz 他メディアでも掲載中。他サイトにて開始一週間でジャンル別ランキング15位。HOTランキング4位達成。応援ありがとうございます。 たくさんの誤字脱字報告ありがとうございます。すべて適応させていただきます。 物語を楽しむ邪魔をしてしまい申し訳ないですorz 今後とも応援よろしくお願い致します。

処理中です...