最強幼女は惰眠を求む！ 〜神々のお節介で幼女になったが、悠々自適な自堕落ライフを送りたい〜

第７章 火炎の試練編

99話 旅行第２弾ですね！

「それで、どうでしたか？」

　ナイトメア本部にある特別会議室。
　その楕円形の円卓の最奥にある席に座った僕は開口一番そう聞きました。

　毎回の事ですが、やっぱり僕がこの部屋に来たときには既にみんな席についていましたからね……これじゃあ僕が遅刻したみたいです。

　ちょっとでも威厳を出すために、机に肘を着き、左右の指を顔の前で組んで、シリアスな雰囲気を醸そうとはしていますが……
　机の下では、足がぷらーんってなってますし、威厳もクソも無いですね……

「はい、諸国連合の国々を合わせて１２か国ほど」

「かなり多いですね～」

　それにしても、報告毎に一々立ち上がらなくてもいいのに。
　コレールは真面目ですね。
　しかしこの一ヶ月でナイトメアの一部署であるリーヴ商会に接触を図って来た国が１２か国もあるとは……

　まぁ、銀行という画期的な制度をフェーニル国内で一任され。
　短期間で頭角を現し。
　今やネルウァクス帝国内で８割以上のシェアを図る商会ってだけでも接触する理由は十分でしょう。

　しかも、今回はそれに加えて軽く転移魔法の事などの噂を流しておいたので、各国のこの食いつきも当然と言えますね。

「各国の貴族、商人を合わせればこの比ではありません。
　軽く数百にも及びます」

　そ、そう言われるとコレールには頭が上がりません。
　多分、と言うか絶対にコレール無しではナイトメアはまわりませんね。

「やっぱり、僕もちょっとは手伝った方が……」

「いえ、お嬢様のお手を煩わせる訳にはいきません。
　それに、お嬢様から仰せつかった仕事をこなす事は我ら眷属の誇りですので」

　うぅ、やっぱり……
　以前もコレールのあまりの仕事量に、手伝う事を申し出なのですが、頑なに僕に仕事を譲ってくれないんですよね。

　ナイトメアは決してブラックな組織では無いので、ナイトメアの構成員には全員に週休二日取る事を厳守！
　構成員の皆んなは、その休みを使ってフェーニルや帝都に遊びに行ったり、しっかりとリフレッシュしてくれているのですが……

　コレールだけはいつも仕事をしているんですよね。
　休みの２日以外は本当に不眠不休なんじゃ無いかと思うほどですし、その休みも常に僕の側にいますからね……悩ましい問題です。
　しかし！  僕には奥の手があるのです！！

「ま、まぁ意外と多くの国が接触を図ってきた様ですが。
　あの国も接触してきたのですよね？」

　僕の言葉を受けて、待ってましたとばかりにニヤリと笑みを浮かべる一同。

「ならばやる事は１つ！
　接触してきた他の国も無視はできませんが……取り敢えず、旅行第２弾ですね！
　行き先は勿論、温泉の国・アルテット公国ですっ！！」

　足が全くついていない豪奢な椅子に踏ん反り返って宣言を言い放つ！
　ふっふっふ！  コレールが休んでくれないのであれば、無理やり理由をつけて休ませればいいのですよっ！！