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第6章 フェーニル王国編
90話 流石と言うべきでしょうか?
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イヴァル王が、神獣の神を言ったあたりで思わず眉をひそめてしまいました。
「その反応。
やはりか……」
僕の様子を見てイヴァル王は確信を深めた様ですね。
本来であれば大失態なのですが。
まさか、イヴァル王からそんなワードが出てくるなんて想定出来る訳が無いのでこれは仕方ありませんね。
「コレール」
「ご安心下さい、既に我々とこの三名の除いて防音結界を展開しています」
流石、行動が速いですね。
どうやら残念王子にも作用していますね。
突然何も聞こえなくなった事に戸惑って、キョロキョロと周囲をせわしなく見渡しています。
まぁ突然、耳が聞こえなくなれば混乱するのも当然ですか。
どうやら、コレールも残念王子に対しては相当鬱憤が溜まっていたようですね……
はぁー、現実逃避はやめてお仕事といきましょうか。
まさか2日も連続で働く事になるとは……
「一応、最後まで話を聞きましょう」
「昨日の様子からまさかとは思っていたが……やはりルーミエル嬢の方がコレール殿よりも立場が上なのだな」
それについてはノーコメントですね。
僕としては皆んなとは家族として対等でいたいのです。
とは言え、眷属と主という関係性が有るのも事実ですしね。
そんな訳で、無駄話はいいから早く話せと、視線で促す。
いつもの僕からは想像もできない行為ですが。
イヴァル王のせいで2日も連続で働く羽目になったので、仕方無いです。
僕、今ちょっとイライラしています。
そもそも、ヒキニートである僕が仕事をする事自体おかしいと思いませんか?
僕は思いますっ!
そんな僕が、連日働かされれば態度が大きくなるのも仕方無い事なのです!!
「で、では続きを話させてもらおう」
ジト目で睨んでいると、イヴァル王が何故か顔を少し赤くして目を逸らしました。
フッ! この僕の鋭い眼光にイヴァル王も屈した様ですね!!
「ふふふ、ではルーミエルお嬢様は私の膝の上で聞きましょうね」
内心勝ち誇っていると、そんな事を言って突然アヴァリスに抱き上げられてしまいました。
これでは、格好がつかないので困るのですが……
う~ん、考えてみれば、どの道僕の見た目では格好なんてつかないので別にいいでしょう。
「帝都近くに突如として現れた神獣と呼ばれる黒龍と霊鳥。
そして同日に帝都で、ノワールと名乗るの人物が冒険者ギルド帝都支部で起こした騒ぎ。
すぐさま帝国により情報統制がしかれましたが、噂と言う物は何処かから出てくるものです」
商業と文化の中心地である、フェーニルであればそう言った情報を得るのも容易いと言う事ですね。
「それに、いくら帝国が情報を隠蔽しようとも、焦土に変えられた草原だけは隠しきれませんからね」
まぁ当然ですね。
何せコレールは森を丸々1つ燃やし尽くしてしまいましたから……
「尤も、冒険者ギルドでの出来事を知っている者はそうは居ないでしょうけね。
ともあれ、その2つの出来事を知っていれば、その関連性を疑うのは当然です」
それもそうでしょうけど。
どうして、そこから僕達に行き着くのでしょうか?
「そして、その少し後から急速すぎるリーヴ商会の成長。
こじつけではありますが、それも神獣が関わっているとすれば説明がつきます」
実際には僕の権能が占める部分が大きいのですが。
神獣であれば、と思うのも納得ですね。
ですが、それではイヴァル王が言うようにこじつけに過ぎません。
国王であるイヴァル王が傘下に下ると言う事は、国そのものが属国すると言う事に他ならない。
ごじつけで踏み切るには、リスクが大きすぎます。
「尤も、これは憶測の域を出ていませんでした。
しかし昨日のアレックとの決闘の際、オルグイユ殿が仰った〝人間風情が〟と言う言葉で確証はありませんが確信はしました」
確かに言っていましたね。
しかし、たったそれだけの事でこんな申し出をするとは……本来であればバカだと断じるのですが。
これが何と当たっちゃってるんですよね。
「もし仮に、イヴァル王が言った事が事実だったとして。
我々の傘下に降る事に何のメリットがあるのですか?」
「第一に貴女方と敵対せずに済みます。
昨日の決闘で分かりましたが、貴女方ならオルグイユ殿1人でもフェーニルを落とす事くらい容易いでしょう」
容易いかどうかは分かりませんが……この国の最高戦力がアレックさんであるならば可能でしょうね。
「そして、ルーミエル嬢は昨日、選ぶのは誰でも良いと言った。
つまりは、あなた方全員がオルグイユ殿と同等の力を持ってるという事です」
まさか、そんなところで揚げ足を取られるとは……いやはや、流石はフェーニルを統べる王ですね。
「その様な方々と争う程、俺は愚かではありません。
仮にそうなれば、無駄な犠牲を出すだけで、フェーニルは確実に滅びるでしょう。
抗ってもどうしようもないのであれば、服従を選びます。
それで他国から侮られようが、俺のプライド如きで国が存続するのならば安いものでしょう」
「なるほど……そこまで考えての申し出ですか。
流石と言うべきでしょうか? その覚悟と思想は賞賛に値します。
まさか、それだけの情報で、その答えに行き着くとは思っていませんでしたよ」
「ではやはり、貴女方リーヴ商会は」
「えぇ、帝国での2つの騒動に関連がありますよ。
それに我々が全員、オルグイユと同程度の力を持つのも事実です。
それは認めましょう。
ですが、我々がその申し出を受けるメリットはありませんよね?
賭けがある以上、そんな事をする必要はありません」
「確かに、昨日の賭けがある以上。
我々を傘下に加えようと、そうでなかろうが大した違いは無いでしょう」
その通りです。
昨日の賭けがある限り、僕達のフェーニルでの地位はそう簡単には揺るが無い。
一商会の傘下に着く何んて言えば、貴族連中から反感を買うのは必至。
はっきり言ってデメリットが遥かに大きいです。
「ですからこれは俺の我儘です。
貴女方に着いた方が、フェーニルは今まで以上に発展を遂げるでしょうし。
何より、そっちの方が面白そうですかね」
面白い、ですか。
国王としてそれはどうかと思いますが……自分の好きな事を貫く、その姿勢は嫌いじゃありません。
ですが……
「残念ですが。
そちらの第一王子の様に、種族の違いで差別をする様な人達と仲良くするつもりはありません」
「その反応。
やはりか……」
僕の様子を見てイヴァル王は確信を深めた様ですね。
本来であれば大失態なのですが。
まさか、イヴァル王からそんなワードが出てくるなんて想定出来る訳が無いのでこれは仕方ありませんね。
「コレール」
「ご安心下さい、既に我々とこの三名の除いて防音結界を展開しています」
流石、行動が速いですね。
どうやら残念王子にも作用していますね。
突然何も聞こえなくなった事に戸惑って、キョロキョロと周囲をせわしなく見渡しています。
まぁ突然、耳が聞こえなくなれば混乱するのも当然ですか。
どうやら、コレールも残念王子に対しては相当鬱憤が溜まっていたようですね……
はぁー、現実逃避はやめてお仕事といきましょうか。
まさか2日も連続で働く事になるとは……
「一応、最後まで話を聞きましょう」
「昨日の様子からまさかとは思っていたが……やはりルーミエル嬢の方がコレール殿よりも立場が上なのだな」
それについてはノーコメントですね。
僕としては皆んなとは家族として対等でいたいのです。
とは言え、眷属と主という関係性が有るのも事実ですしね。
そんな訳で、無駄話はいいから早く話せと、視線で促す。
いつもの僕からは想像もできない行為ですが。
イヴァル王のせいで2日も連続で働く羽目になったので、仕方無いです。
僕、今ちょっとイライラしています。
そもそも、ヒキニートである僕が仕事をする事自体おかしいと思いませんか?
僕は思いますっ!
そんな僕が、連日働かされれば態度が大きくなるのも仕方無い事なのです!!
「で、では続きを話させてもらおう」
ジト目で睨んでいると、イヴァル王が何故か顔を少し赤くして目を逸らしました。
フッ! この僕の鋭い眼光にイヴァル王も屈した様ですね!!
「ふふふ、ではルーミエルお嬢様は私の膝の上で聞きましょうね」
内心勝ち誇っていると、そんな事を言って突然アヴァリスに抱き上げられてしまいました。
これでは、格好がつかないので困るのですが……
う~ん、考えてみれば、どの道僕の見た目では格好なんてつかないので別にいいでしょう。
「帝都近くに突如として現れた神獣と呼ばれる黒龍と霊鳥。
そして同日に帝都で、ノワールと名乗るの人物が冒険者ギルド帝都支部で起こした騒ぎ。
すぐさま帝国により情報統制がしかれましたが、噂と言う物は何処かから出てくるものです」
商業と文化の中心地である、フェーニルであればそう言った情報を得るのも容易いと言う事ですね。
「それに、いくら帝国が情報を隠蔽しようとも、焦土に変えられた草原だけは隠しきれませんからね」
まぁ当然ですね。
何せコレールは森を丸々1つ燃やし尽くしてしまいましたから……
「尤も、冒険者ギルドでの出来事を知っている者はそうは居ないでしょうけね。
ともあれ、その2つの出来事を知っていれば、その関連性を疑うのは当然です」
それもそうでしょうけど。
どうして、そこから僕達に行き着くのでしょうか?
「そして、その少し後から急速すぎるリーヴ商会の成長。
こじつけではありますが、それも神獣が関わっているとすれば説明がつきます」
実際には僕の権能が占める部分が大きいのですが。
神獣であれば、と思うのも納得ですね。
ですが、それではイヴァル王が言うようにこじつけに過ぎません。
国王であるイヴァル王が傘下に下ると言う事は、国そのものが属国すると言う事に他ならない。
ごじつけで踏み切るには、リスクが大きすぎます。
「尤も、これは憶測の域を出ていませんでした。
しかし昨日のアレックとの決闘の際、オルグイユ殿が仰った〝人間風情が〟と言う言葉で確証はありませんが確信はしました」
確かに言っていましたね。
しかし、たったそれだけの事でこんな申し出をするとは……本来であればバカだと断じるのですが。
これが何と当たっちゃってるんですよね。
「もし仮に、イヴァル王が言った事が事実だったとして。
我々の傘下に降る事に何のメリットがあるのですか?」
「第一に貴女方と敵対せずに済みます。
昨日の決闘で分かりましたが、貴女方ならオルグイユ殿1人でもフェーニルを落とす事くらい容易いでしょう」
容易いかどうかは分かりませんが……この国の最高戦力がアレックさんであるならば可能でしょうね。
「そして、ルーミエル嬢は昨日、選ぶのは誰でも良いと言った。
つまりは、あなた方全員がオルグイユ殿と同等の力を持ってるという事です」
まさか、そんなところで揚げ足を取られるとは……いやはや、流石はフェーニルを統べる王ですね。
「その様な方々と争う程、俺は愚かではありません。
仮にそうなれば、無駄な犠牲を出すだけで、フェーニルは確実に滅びるでしょう。
抗ってもどうしようもないのであれば、服従を選びます。
それで他国から侮られようが、俺のプライド如きで国が存続するのならば安いものでしょう」
「なるほど……そこまで考えての申し出ですか。
流石と言うべきでしょうか? その覚悟と思想は賞賛に値します。
まさか、それだけの情報で、その答えに行き着くとは思っていませんでしたよ」
「ではやはり、貴女方リーヴ商会は」
「えぇ、帝国での2つの騒動に関連がありますよ。
それに我々が全員、オルグイユと同程度の力を持つのも事実です。
それは認めましょう。
ですが、我々がその申し出を受けるメリットはありませんよね?
賭けがある以上、そんな事をする必要はありません」
「確かに、昨日の賭けがある以上。
我々を傘下に加えようと、そうでなかろうが大した違いは無いでしょう」
その通りです。
昨日の賭けがある限り、僕達のフェーニルでの地位はそう簡単には揺るが無い。
一商会の傘下に着く何んて言えば、貴族連中から反感を買うのは必至。
はっきり言ってデメリットが遥かに大きいです。
「ですからこれは俺の我儘です。
貴女方に着いた方が、フェーニルは今まで以上に発展を遂げるでしょうし。
何より、そっちの方が面白そうですかね」
面白い、ですか。
国王としてそれはどうかと思いますが……自分の好きな事を貫く、その姿勢は嫌いじゃありません。
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