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第5章 瀑水の試練編
79話 邂逅です!
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「あの、やっぱり下ろして欲しいのですが……」
お風呂に……じゃなくて、エントランスで騒いでいる連中の元に向かっていると言うのに……
メルヴィーに抱っこされていると言う事実。
下ろしてくださいって言ったら、聖母のような笑顔で一言。
『ダメです』
これでは、抱っこされたまま、因縁の人達の元に!!
普段であれば、抱っこされるのは一向に構わないのですが。
流石に、あの人達に会うのに抱っこされていては、ちょっと格好が付かない。
そして何より恥ずかしい!!
尤も、向こうが僕に気づく事は多分無いでしょうけど……
恥ずかしい事は恥ずかしい!!
先程から幾度となくメルヴィーを見上げ、目をウルウルさせてお願いしているのに……
「いくらお嬢様のお願いでも、ダメなものはダメです!」
くっ、撃沈しました。
しかしこれは、マズイ事になりました!
そろそろ、本当にどうにかしないとエントランスに着いてしまいそうです!!
こうなっては致し方ありません。
ふっふっふ! 遂にこの僕を本気にしてしまった様ですね!!
「ふざけんなよっ!
俺達を誰だと思ってるんだ!?」
「で、ですから只今、お客様にご確認中ですので少々お待ち下さいと、先程から……」
エントランスに響き渡る怒声と、ホテル従業員の困った様な声。
そんな声が、別世界の事の様に聞こえてきます。
ええ、そうですよ! 諦めましたよ!!
幾度となくメルヴィー達を陥落させてきたお願いをしても。
メルヴィーは頑なに、下ろしてはくれませんでしたよっ!
あぁっ! もうエントランスが目の前にっ!!
廊下を抜けると、そこはエントランスの左右にある階段を登った場所。
下を見ればローブを着た3人組が、ホテル従業員さんに食って掛かっているのがよく見える~。
「あっ」
背後から押し寄せる重圧。
空間の重力は増し、温度は低下した様に錯覚する程のプレッシャー。
メルヴィーも含め、エンヴィー以外の全員から薄っすらと魔力が立ち昇る。
突然すぎて、エンヴィーがちょっと戸惑ってますね。
それにしても、皆んな流石です。
神獣と呼ばれ、神話に語られる力を持つ皆んなの今の姿は壮観の一言に尽きます!
何時もは、常に眠たそうにしているフェルですら、迷宮で初めて対峙した頃の様な凄まじい存在感!!
「では、まずは私が話を聞いてまいりますので、お嬢様達はここでお待ちに」
「イヤです! 僕達も一緒に行きます」
商会を立ち上げた以上、余程のバカでなければ、どの道いつかは邂逅する事になります。
早いか、遅いかの違いでしかありません。
「承知いたしました。
ですが、話は私が致しますよ?」
これは譲れない、といった様子のコレールに頷きを返す。
ニッコリと一度微笑み……
「では……先程から騒がしいようですが、どうかしたのですか?」
困った様子の職員に声をかけました。
コレールの姿を見て、ホッとしたよう様子の職員さん。
そして、その隣で驚いたような顔をしている3人組。
逆に、今の今まで僕達の事に気が付いていなかった事に驚きです。
さっきからずっと、コレール達から濃密な気配が発せられているのに……
こんな人達に任せてしまって本当に大丈夫なのか心配になりますが……
うん、多分この3人が特別弱いって事にしておきましょう。
そうこう思案しているうちに、抱っこされた状態で階段を降り、職員さんに並び立つ。
ふむ、この3人の視線……非常に気持ち悪くて不愉快ですね。
「お前らがこのホテルを貸し切ってるって奴らだな?」
「支配人、この騒ぎは一体?
それにこの者達は?」
おぉー、清々しいまでのスルーですね!
そして、彼らの対応をしていたのがホテルの支配人だと言う新事実!!
「じ、実はですね」
「あぁ? 何無視してんだよお前!」
「俺達に、余り舐めた態度を取らない方が身のためだぞ?」
支配人さんを遮って、威嚇するように魔力を放つ3人。
これは……脅迫でしょうか?
皆んなが纏っている魔力に比べれば、そよ風みたいな物です。
小さい子供が、背伸びしている様でちょっと微笑ましくすらあります。
「まぁ、そう威圧するなって。
俺達、英雄の威圧を向けられたら、一般人は喋る事も出来無くなるからな」
ニヤニヤしながらそう言う君は!
あの時、事態を面倒にしてくれたA君じゃないか!
いや、それはどうでもいいけど……英雄?
「連れが悪いな。
でも、お前の態度も確かに悪かったぜ?
それにしても、この俺達を知らないなんて……可哀想な田舎者か?」
なんて、失礼な奴でしょうか!
商会に連絡して、コイツら3人を出禁にしてしまいましょうか?
「まぁいい。
見ての通り、俺達は異世界から召喚された勇者。
先日の海竜襲撃から、この王都を救った英雄だ!」
「えっ!?」
思わず驚愕の声を表に出してしまいました。
まぁ、前半部分は知っていましたけど。
まさか、本当に自分達がアレをやったと思っているとは……
僕達の驚いた様子を見て気を良くしたのか、ニヤニヤ顔になる勇者3人組。
端的言ってウザいし、キモい。
「それで、その勇者が何の用です?」
「はぁ、お前まだ分かって無いのか?
見たところ、何処ぞの貴族みたいだけど」
残念ながら僕達は貴族でもなんでも無い。
まぁ、面倒だし、一々教えたりはしませんけど。
「俺達は勇者だぜ?
俺達を怒らせると、どうなるのか教えてやってもいいんだぞ?」
「俺達がその気になれば、貴族家1つ潰すくらい簡単にできるからな」
楽しそうに笑う勇者様(笑)達。
ここまで増長するとは……うーん、アレメネス王国の行く末が心配だ。
「さて事の重大さを理解してくれたところで! お前らには、特別にチャンスをやるよ」
ニヤリと口角を吊り上げ、僕達を舐め回すように向けて来る視線。
さっきもですけど、気持ち悪い。
ちょっと反射的に滅光魔法を打ちそうになっちゃいました。
それにチャンスって。
まぁ大体予想は付きますけど……
「お前ら、俺達の女になれ」
「そうすれば、今よりもいい思いをさせてやるぜ?」
「2人ほどガキもいるが……まぁそれはそれで有りだしな」
などと次々と爆弾発言を落とし……
テンプレ発言キタァー!!
ちょっとテンションが上がりました!
お風呂に……じゃなくて、エントランスで騒いでいる連中の元に向かっていると言うのに……
メルヴィーに抱っこされていると言う事実。
下ろしてくださいって言ったら、聖母のような笑顔で一言。
『ダメです』
これでは、抱っこされたまま、因縁の人達の元に!!
普段であれば、抱っこされるのは一向に構わないのですが。
流石に、あの人達に会うのに抱っこされていては、ちょっと格好が付かない。
そして何より恥ずかしい!!
尤も、向こうが僕に気づく事は多分無いでしょうけど……
恥ずかしい事は恥ずかしい!!
先程から幾度となくメルヴィーを見上げ、目をウルウルさせてお願いしているのに……
「いくらお嬢様のお願いでも、ダメなものはダメです!」
くっ、撃沈しました。
しかしこれは、マズイ事になりました!
そろそろ、本当にどうにかしないとエントランスに着いてしまいそうです!!
こうなっては致し方ありません。
ふっふっふ! 遂にこの僕を本気にしてしまった様ですね!!
「ふざけんなよっ!
俺達を誰だと思ってるんだ!?」
「で、ですから只今、お客様にご確認中ですので少々お待ち下さいと、先程から……」
エントランスに響き渡る怒声と、ホテル従業員の困った様な声。
そんな声が、別世界の事の様に聞こえてきます。
ええ、そうですよ! 諦めましたよ!!
幾度となくメルヴィー達を陥落させてきたお願いをしても。
メルヴィーは頑なに、下ろしてはくれませんでしたよっ!
あぁっ! もうエントランスが目の前にっ!!
廊下を抜けると、そこはエントランスの左右にある階段を登った場所。
下を見ればローブを着た3人組が、ホテル従業員さんに食って掛かっているのがよく見える~。
「あっ」
背後から押し寄せる重圧。
空間の重力は増し、温度は低下した様に錯覚する程のプレッシャー。
メルヴィーも含め、エンヴィー以外の全員から薄っすらと魔力が立ち昇る。
突然すぎて、エンヴィーがちょっと戸惑ってますね。
それにしても、皆んな流石です。
神獣と呼ばれ、神話に語られる力を持つ皆んなの今の姿は壮観の一言に尽きます!
何時もは、常に眠たそうにしているフェルですら、迷宮で初めて対峙した頃の様な凄まじい存在感!!
「では、まずは私が話を聞いてまいりますので、お嬢様達はここでお待ちに」
「イヤです! 僕達も一緒に行きます」
商会を立ち上げた以上、余程のバカでなければ、どの道いつかは邂逅する事になります。
早いか、遅いかの違いでしかありません。
「承知いたしました。
ですが、話は私が致しますよ?」
これは譲れない、といった様子のコレールに頷きを返す。
ニッコリと一度微笑み……
「では……先程から騒がしいようですが、どうかしたのですか?」
困った様子の職員に声をかけました。
コレールの姿を見て、ホッとしたよう様子の職員さん。
そして、その隣で驚いたような顔をしている3人組。
逆に、今の今まで僕達の事に気が付いていなかった事に驚きです。
さっきからずっと、コレール達から濃密な気配が発せられているのに……
こんな人達に任せてしまって本当に大丈夫なのか心配になりますが……
うん、多分この3人が特別弱いって事にしておきましょう。
そうこう思案しているうちに、抱っこされた状態で階段を降り、職員さんに並び立つ。
ふむ、この3人の視線……非常に気持ち悪くて不愉快ですね。
「お前らがこのホテルを貸し切ってるって奴らだな?」
「支配人、この騒ぎは一体?
それにこの者達は?」
おぉー、清々しいまでのスルーですね!
そして、彼らの対応をしていたのがホテルの支配人だと言う新事実!!
「じ、実はですね」
「あぁ? 何無視してんだよお前!」
「俺達に、余り舐めた態度を取らない方が身のためだぞ?」
支配人さんを遮って、威嚇するように魔力を放つ3人。
これは……脅迫でしょうか?
皆んなが纏っている魔力に比べれば、そよ風みたいな物です。
小さい子供が、背伸びしている様でちょっと微笑ましくすらあります。
「まぁ、そう威圧するなって。
俺達、英雄の威圧を向けられたら、一般人は喋る事も出来無くなるからな」
ニヤニヤしながらそう言う君は!
あの時、事態を面倒にしてくれたA君じゃないか!
いや、それはどうでもいいけど……英雄?
「連れが悪いな。
でも、お前の態度も確かに悪かったぜ?
それにしても、この俺達を知らないなんて……可哀想な田舎者か?」
なんて、失礼な奴でしょうか!
商会に連絡して、コイツら3人を出禁にしてしまいましょうか?
「まぁいい。
見ての通り、俺達は異世界から召喚された勇者。
先日の海竜襲撃から、この王都を救った英雄だ!」
「えっ!?」
思わず驚愕の声を表に出してしまいました。
まぁ、前半部分は知っていましたけど。
まさか、本当に自分達がアレをやったと思っているとは……
僕達の驚いた様子を見て気を良くしたのか、ニヤニヤ顔になる勇者3人組。
端的言ってウザいし、キモい。
「それで、その勇者が何の用です?」
「はぁ、お前まだ分かって無いのか?
見たところ、何処ぞの貴族みたいだけど」
残念ながら僕達は貴族でもなんでも無い。
まぁ、面倒だし、一々教えたりはしませんけど。
「俺達は勇者だぜ?
俺達を怒らせると、どうなるのか教えてやってもいいんだぞ?」
「俺達がその気になれば、貴族家1つ潰すくらい簡単にできるからな」
楽しそうに笑う勇者様(笑)達。
ここまで増長するとは……うーん、アレメネス王国の行く末が心配だ。
「さて事の重大さを理解してくれたところで! お前らには、特別にチャンスをやるよ」
ニヤリと口角を吊り上げ、僕達を舐め回すように向けて来る視線。
さっきもですけど、気持ち悪い。
ちょっと反射的に滅光魔法を打ちそうになっちゃいました。
それにチャンスって。
まぁ大体予想は付きますけど……
「お前ら、俺達の女になれ」
「そうすれば、今よりもいい思いをさせてやるぜ?」
「2人ほどガキもいるが……まぁそれはそれで有りだしな」
などと次々と爆弾発言を落とし……
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