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第4章 神聖の試練編
60話 さすがコレール!!
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深淵の試練から勇者一行が帰還する。
そろそろだとは思っていましたが。
「そうですか、勇者達が……
わかりました、皆んなを特別会議室に呼んでもらえますか?」
「承知致しました」
お手本のような一礼をしたメルヴィーが、黒い霧の様になって消え去った。
「お嬢様、こちらを」
「ありがとうございます」
メルヴィーを見送り、ノアに差し出された外套を受け取り身に付ける。
この外套にはナイトメアのシンボルマークが描かれており、本部に張り巡らされている結界のキーにもなっています。
しかも、魔力を用いた個人認証機能が付与されおり。
本人以外が使おうとして魔力を流すと、塵となって崩れ去る自壊機能も完備と云う徹底ぶり。
本来であれば僕か最高幹部である眷属達の内1人が、結界を通過するための識別登録をする予定だったのですが……
流石にあの人数を見て、僕の心がポッキリと折れてしまいました。
ハッキリ言って面倒くさかったのです!
「では、2人とも行きますよ」
当たり前の様に僕が展開した転移魔法陣の中にいる2人。
流石は専属メイドですね。
内心感心しながら、僕達はこの場から転移しました。
転移先はいつかの会議室。
オルグイユとフェルが幹部会議ように作り上げたこの場所は、特別会議室と命名されています。
「皆んな速かったですね」
白を基調としたこの会議室には、既に眷属の皆んなが集まっていました。
因みに、僕の椅子が上座あり。その左右にフェルとコレール。
更にその隣にオルグイユとアヴァリスが腰掛けています。
そして一番奥にリュグズールと言う形になっているのですが。
これは僕の眷属となった順番だそうです。
コレール達眷属全員で話し合っていましたが、その際アヴァリスとリュグズールの間でどちらが上か揉めに揉めたようで。
結局最後は、リュグズールがジャンケンで負けてとても悔しがっていました。
「おっ、待ってたぜ、お嬢!」
四つん這いになって悔しがるリュグズールを思い出していると……椅子に腰掛けているリュグズールがいい笑顔で声をかけてきました。
今のこの凛々しい雰囲気からは、あの悔しがり様は誰にも想像出来ないでしょうね。
いつの間にか合流していたメルヴィーが、僕の席にある椅子をさり気なく引く。
礼を言いつつ席に着きました。
「では、早速ですが、緊急会議を始めたいと思います」
僕が席に着くと同時に。会議の進行役であるコレールがそう会議の口火を切る。
「本日の議題ですが。
深淵の試練・表ステージを攻略していた勇者一行が地上へと帰還するとの情報が入りました」
「へぇ、勇者ってぇと、お嬢を見捨てたって言う」
「ルーミエルお嬢様に酷い事をした愚か者どもですね」
リュグズールとアヴァリスが黒い笑みを浮かべながら呟きを漏らす。
怖いですね……
「彼らは別に何もしていませんよ。
僕を追放したのはアレサレム王国ですので」
うんうん、勘違いはよくありません。
僕を一方的に追放したのは王国の人たちであって勇者の皆さんに非はありませんからね。
「お嬢、確かに追放したのは王国の奴らかもしらねぇけどさ。
勇者達はお嬢が追放されそうになってるのに何もしなかったんだぜ?」
「ん、見て見ぬ振りも、同罪」
リュグズールは納得いかないようで、フェルまでもが同調する。
「むぅ、オルグイユ……」
「お二人の仰る通りです。
ルーミエル様を見殺しにしようとするなんて万死に値します!!」
この場を納めてもらおうと声をかけたのですが……オルグイユは仰々しく両手を広げて言い放ちました。
これはダメですね。
「皆さんの仰る通りです。
ルーミエルお嬢様を蔑ろした子達にはお仕置きが必要です」
恐る恐る視線を向ければ、オルグイユに同意しているアヴァリスがいました。
いつもは優しいアヴァリスの微笑みが怖く感じます。
仕方……ありませんね。
罰はアレが良いコレが良いと紛糾する4人を、横目に最終手段に打って出る決断を下す。
「……コレール」
「何で御座いましょうか、お嬢様」
「どうにかして下さい」
「承知致しました」
コレールの両手に魔力が……高位の魔物を消し飛ばせる程の魔力が収縮して行き……
パァッッツン!!
凄まじい轟音がコレールの両手から鳴り響く。
魔力を含んだ轟音は衝撃波を生み。
お仕置きの内容に紛糾していた4人は揃って椅子から転げ落ちる。
因みに、瞬時にメルヴィーが僕の耳を塞ぎ。
ノアとシアがフワモフな尻尾で衝撃波から守ってくれたので、僕に被害は一切ありませんでした。
「いきなり、何をする?」
「そうですよコレール殿」
「びっくりするじゃねぇか!」
「ルーミエル様がお怪我をされたらどうするのですか!?」
「お静かに」
突然の事に言い募る4人を、コレールはその一言だけで黙らせる。
有無を言わせぬ一喝ってやつですね!
今のコレールには口答えをしてはならないと思わせるオーラを感じます。
凄い威厳です、さすがコレール!!
「会議が進みませんので、騒ぐのは終わってからにした下さい。
あと、お嬢様がお怪我なさる心配は御座いません」
鋭い視線で告げるコレールに、4人はただ頷く事しかできませんでした。
「では、緊急会議を再開します」
その4人を見て満足気に一度頷く。
静まり返った特別会議室にコレールの声が、今日最も良く響き渡りました。
そろそろだとは思っていましたが。
「そうですか、勇者達が……
わかりました、皆んなを特別会議室に呼んでもらえますか?」
「承知致しました」
お手本のような一礼をしたメルヴィーが、黒い霧の様になって消え去った。
「お嬢様、こちらを」
「ありがとうございます」
メルヴィーを見送り、ノアに差し出された外套を受け取り身に付ける。
この外套にはナイトメアのシンボルマークが描かれており、本部に張り巡らされている結界のキーにもなっています。
しかも、魔力を用いた個人認証機能が付与されおり。
本人以外が使おうとして魔力を流すと、塵となって崩れ去る自壊機能も完備と云う徹底ぶり。
本来であれば僕か最高幹部である眷属達の内1人が、結界を通過するための識別登録をする予定だったのですが……
流石にあの人数を見て、僕の心がポッキリと折れてしまいました。
ハッキリ言って面倒くさかったのです!
「では、2人とも行きますよ」
当たり前の様に僕が展開した転移魔法陣の中にいる2人。
流石は専属メイドですね。
内心感心しながら、僕達はこの場から転移しました。
転移先はいつかの会議室。
オルグイユとフェルが幹部会議ように作り上げたこの場所は、特別会議室と命名されています。
「皆んな速かったですね」
白を基調としたこの会議室には、既に眷属の皆んなが集まっていました。
因みに、僕の椅子が上座あり。その左右にフェルとコレール。
更にその隣にオルグイユとアヴァリスが腰掛けています。
そして一番奥にリュグズールと言う形になっているのですが。
これは僕の眷属となった順番だそうです。
コレール達眷属全員で話し合っていましたが、その際アヴァリスとリュグズールの間でどちらが上か揉めに揉めたようで。
結局最後は、リュグズールがジャンケンで負けてとても悔しがっていました。
「おっ、待ってたぜ、お嬢!」
四つん這いになって悔しがるリュグズールを思い出していると……椅子に腰掛けているリュグズールがいい笑顔で声をかけてきました。
今のこの凛々しい雰囲気からは、あの悔しがり様は誰にも想像出来ないでしょうね。
いつの間にか合流していたメルヴィーが、僕の席にある椅子をさり気なく引く。
礼を言いつつ席に着きました。
「では、早速ですが、緊急会議を始めたいと思います」
僕が席に着くと同時に。会議の進行役であるコレールがそう会議の口火を切る。
「本日の議題ですが。
深淵の試練・表ステージを攻略していた勇者一行が地上へと帰還するとの情報が入りました」
「へぇ、勇者ってぇと、お嬢を見捨てたって言う」
「ルーミエルお嬢様に酷い事をした愚か者どもですね」
リュグズールとアヴァリスが黒い笑みを浮かべながら呟きを漏らす。
怖いですね……
「彼らは別に何もしていませんよ。
僕を追放したのはアレサレム王国ですので」
うんうん、勘違いはよくありません。
僕を一方的に追放したのは王国の人たちであって勇者の皆さんに非はありませんからね。
「お嬢、確かに追放したのは王国の奴らかもしらねぇけどさ。
勇者達はお嬢が追放されそうになってるのに何もしなかったんだぜ?」
「ん、見て見ぬ振りも、同罪」
リュグズールは納得いかないようで、フェルまでもが同調する。
「むぅ、オルグイユ……」
「お二人の仰る通りです。
ルーミエル様を見殺しにしようとするなんて万死に値します!!」
この場を納めてもらおうと声をかけたのですが……オルグイユは仰々しく両手を広げて言い放ちました。
これはダメですね。
「皆さんの仰る通りです。
ルーミエルお嬢様を蔑ろした子達にはお仕置きが必要です」
恐る恐る視線を向ければ、オルグイユに同意しているアヴァリスがいました。
いつもは優しいアヴァリスの微笑みが怖く感じます。
仕方……ありませんね。
罰はアレが良いコレが良いと紛糾する4人を、横目に最終手段に打って出る決断を下す。
「……コレール」
「何で御座いましょうか、お嬢様」
「どうにかして下さい」
「承知致しました」
コレールの両手に魔力が……高位の魔物を消し飛ばせる程の魔力が収縮して行き……
パァッッツン!!
凄まじい轟音がコレールの両手から鳴り響く。
魔力を含んだ轟音は衝撃波を生み。
お仕置きの内容に紛糾していた4人は揃って椅子から転げ落ちる。
因みに、瞬時にメルヴィーが僕の耳を塞ぎ。
ノアとシアがフワモフな尻尾で衝撃波から守ってくれたので、僕に被害は一切ありませんでした。
「いきなり、何をする?」
「そうですよコレール殿」
「びっくりするじゃねぇか!」
「ルーミエル様がお怪我をされたらどうするのですか!?」
「お静かに」
突然の事に言い募る4人を、コレールはその一言だけで黙らせる。
有無を言わせぬ一喝ってやつですね!
今のコレールには口答えをしてはならないと思わせるオーラを感じます。
凄い威厳です、さすがコレール!!
「会議が進みませんので、騒ぐのは終わってからにした下さい。
あと、お嬢様がお怪我なさる心配は御座いません」
鋭い視線で告げるコレールに、4人はただ頷く事しかできませんでした。
「では、緊急会議を再開します」
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