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第4章 神聖の試練編
59話 遂にやって来ましたか…
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騎士団が駆けつけると言ったアクシデント……
今にして思えば、皇帝も住まう帝都内にて、普通じゃあり得ない程莫大な魔力が感知されたら騒動になるのは当たり前ですね。
結局、店舗内を見て回った後、騎士団の皆さんは謝罪を述べて帰って行きましたが。
あの騎士さん達には、申し訳ない事をしてしまいました。
しかし、まぁそれ以外に特筆すべきアクシデントもなく。
僕が商会を作り上げ、お店をオープンしてから早3ヶ月。
僅か数分で突然現れた店舗。
その後の騎士団の騒動で悪目立ちしてお客様が来てくれるか心配していたのですが……
蓋を開けてみれば、なんと! 初日から大盛況。
商品がさらに話題を呼んでの大繁盛!!
どうやら懸念通り、突然現れた建物については相当な話題になっていた様です。
庶民だけでなく貴族の間でも……よって、帝都民の興味の的になっていたと言う訳です。
しかも、騎士団の方達が騒動を起こしてしまった事を申し訳なく思っていたらしく。
僕達の商会の事を宣伝してくれていた様ですね。
そのお陰か反響が反響を呼び。
僅か1ヶ月後には第2店舗をオープン。
3ヶ月経った現在、帝国内に全部で5つの支店を展開しています。
今ある5店舗にて販売しているのは、米や小麦、大麦などに加え肉や魚と言った食材。
石鹸やシャンプー、ボディーソープなどと言った日常消耗品だけ。
あとはレストランを営業したり、貴族や皇城には直接様々な品を卸しています。
と言うのも、一般的に店舗で売り出した場合、転売の危険性をコレールが指摘したからです。
皆んなも賛同しましたし。
取り敢えず商会が軌道にのるまでは、調味料などの品だけ。
転売された場合のダメージが大きい物は店舗では販売しない事になったと言う訳です。
そんな訳で、農業に使える肥料なども販売していません。
尤も、それはもう少しすれば解禁する予定になっていますが。
お店の店員は主に竜人の皆んなが担ってくれていて、他の皆んなは主に迷宮の本部にて何故かメイドや執事になっています。
どうやら、呼び出された後にコレール達によって従者としての教育が施されたらしく。
今となっては竜人の皆んなも含め、全員が皇城でも十分通用するレベルに至っています。
因みに、本部が深淵の試練にある。
更には、僕がダンジョンマスターである事を最大限利用して、ダンジョンで戦闘訓練を行っているのですが。
僕はあまり詳しく知らませんが、商会で表舞台に立つには幾つかの条件があるらしく。
少し聞いた話によると、最低でも表ステージの最下層ボスを単独で討伐出来なければならないそうです。
〝等価交換〟を魔水晶に込める。
それは、商会が上手く行っている事からも分かるように成功したと言えるでしょう。
しかし、僕が使った場合の権能を完全に再現する事は出来ず、制限ができてしまいました。
幾つかある制限のうち、最も大きなものがスキルを買う事が出来ない点です。
魔水晶にて買うことが出来るのは実体のある物のみ。
当然、僕の様に種族を買う事なんて出来るはずもありません。
他にも使用者にも制限が出来ました。
尤も、この制限はコレール達が決めた事で、僕が後から付け足したものです。
等価交換の魔水晶を使う事が出来るのはナイトメア最高幹部であるコレール達の内、過半数の許しが出された者に限られます。
それ以外の人が等価交換の魔水晶を使おうとしても何も起きないと言う訳です。
「お嬢様、こちらにいらしたのですね」
唐突にそんな声が聞こえてきて、その方に視線を向けると……如何にもなメイド服に身を包んだ女性が立っていました。
「むぅ、見つかってしまいましたか……流石ですね、メルヴィー」
僕のところまでやって来たメイド姿の女性。
メルヴィーは綺麗に一礼すると、僕をスッと抱え上げました。
「あっ」
膝の上から転げ落ちてしまった存在に思わず声を漏れる。
脇の下に手を入れて、子供に高い高いをする様な感じで持ち上げられる。
華奢なメルヴィーの見た目からは意外に写る光景。
しかしながら、それも当たり前と言えるでしょう。
何せメルヴィーのその正体は、単騎で一国をも滅ぼす事も出来る力を持つと言われる原種吸血鬼なのですから!!
「勿論です。
私はお嬢様の専属メイド長ですので。
それにしても、シアにノア、貴方達も何をやっているのですか、まったく……」
僕を地面に降ろしながら微笑みを浮かべるメルヴィー。
そして僕がいた場所に目を向けて、呆れた様に呟きため息を漏らす。
因みに、メルヴィーが僕を持ち上げて地面に立たせたのは僕が埋もれていたからです。
そう! 僕はついさっきまで二匹の白狐に、もふもふ天国に埋もれていたのですっ!!
「だって! だって仕方ないじゃないですか!!
メルヴィー様だって、お嬢様に懇願されたら断れますか!?」
「シアの言う通りです。
お嬢様が抱きついて来て、私達の事を見上げてくるのですよ!
断れるはずがありません!!」
白いきめ細かな長髪を揺らす2人。
人の姿になった白狐の双子の姉妹で、活発な妹であるシアと上品で落ち着いた姉のノア。
僕の専属メイドの2人です。
そして何より、僕が溺れていたもふもふ天国の正体でもあるのです!!
ぐふふ、もふもふな尻尾が揺れています!
「そ、それは……」
そんな2人の言葉に口ごもるメルヴィー。
はっ!? これはマズイ状況なのではないでしょうか?
もしこれが原因で3人の仲が拗れてしまう、なんて事になってしまったら……
まっ、マズイです! これはどうにかしなければ!!
「……ケンカしたら、ダメですよ?」
「「「お、お嬢様ぁ!!」」」
すると、どう言う事でしょうか? いきなり3人に抱きつかれてしまいました。
まぁこれは、これで居心地がいいので構いませんが。
「コホン、ご報告がございます」
暫くして、何事も無かったかの様にメルヴィーが改まってそう言って来ました。
そうですか……遂にこの時がやって来ましたか。
「では?」
「はい、ダンジョン深淵の試練より勇者達がもう少しで帰還いたします」
今にして思えば、皇帝も住まう帝都内にて、普通じゃあり得ない程莫大な魔力が感知されたら騒動になるのは当たり前ですね。
結局、店舗内を見て回った後、騎士団の皆さんは謝罪を述べて帰って行きましたが。
あの騎士さん達には、申し訳ない事をしてしまいました。
しかし、まぁそれ以外に特筆すべきアクシデントもなく。
僕が商会を作り上げ、お店をオープンしてから早3ヶ月。
僅か数分で突然現れた店舗。
その後の騎士団の騒動で悪目立ちしてお客様が来てくれるか心配していたのですが……
蓋を開けてみれば、なんと! 初日から大盛況。
商品がさらに話題を呼んでの大繁盛!!
どうやら懸念通り、突然現れた建物については相当な話題になっていた様です。
庶民だけでなく貴族の間でも……よって、帝都民の興味の的になっていたと言う訳です。
しかも、騎士団の方達が騒動を起こしてしまった事を申し訳なく思っていたらしく。
僕達の商会の事を宣伝してくれていた様ですね。
そのお陰か反響が反響を呼び。
僅か1ヶ月後には第2店舗をオープン。
3ヶ月経った現在、帝国内に全部で5つの支店を展開しています。
今ある5店舗にて販売しているのは、米や小麦、大麦などに加え肉や魚と言った食材。
石鹸やシャンプー、ボディーソープなどと言った日常消耗品だけ。
あとはレストランを営業したり、貴族や皇城には直接様々な品を卸しています。
と言うのも、一般的に店舗で売り出した場合、転売の危険性をコレールが指摘したからです。
皆んなも賛同しましたし。
取り敢えず商会が軌道にのるまでは、調味料などの品だけ。
転売された場合のダメージが大きい物は店舗では販売しない事になったと言う訳です。
そんな訳で、農業に使える肥料なども販売していません。
尤も、それはもう少しすれば解禁する予定になっていますが。
お店の店員は主に竜人の皆んなが担ってくれていて、他の皆んなは主に迷宮の本部にて何故かメイドや執事になっています。
どうやら、呼び出された後にコレール達によって従者としての教育が施されたらしく。
今となっては竜人の皆んなも含め、全員が皇城でも十分通用するレベルに至っています。
因みに、本部が深淵の試練にある。
更には、僕がダンジョンマスターである事を最大限利用して、ダンジョンで戦闘訓練を行っているのですが。
僕はあまり詳しく知らませんが、商会で表舞台に立つには幾つかの条件があるらしく。
少し聞いた話によると、最低でも表ステージの最下層ボスを単独で討伐出来なければならないそうです。
〝等価交換〟を魔水晶に込める。
それは、商会が上手く行っている事からも分かるように成功したと言えるでしょう。
しかし、僕が使った場合の権能を完全に再現する事は出来ず、制限ができてしまいました。
幾つかある制限のうち、最も大きなものがスキルを買う事が出来ない点です。
魔水晶にて買うことが出来るのは実体のある物のみ。
当然、僕の様に種族を買う事なんて出来るはずもありません。
他にも使用者にも制限が出来ました。
尤も、この制限はコレール達が決めた事で、僕が後から付け足したものです。
等価交換の魔水晶を使う事が出来るのはナイトメア最高幹部であるコレール達の内、過半数の許しが出された者に限られます。
それ以外の人が等価交換の魔水晶を使おうとしても何も起きないと言う訳です。
「お嬢様、こちらにいらしたのですね」
唐突にそんな声が聞こえてきて、その方に視線を向けると……如何にもなメイド服に身を包んだ女性が立っていました。
「むぅ、見つかってしまいましたか……流石ですね、メルヴィー」
僕のところまでやって来たメイド姿の女性。
メルヴィーは綺麗に一礼すると、僕をスッと抱え上げました。
「あっ」
膝の上から転げ落ちてしまった存在に思わず声を漏れる。
脇の下に手を入れて、子供に高い高いをする様な感じで持ち上げられる。
華奢なメルヴィーの見た目からは意外に写る光景。
しかしながら、それも当たり前と言えるでしょう。
何せメルヴィーのその正体は、単騎で一国をも滅ぼす事も出来る力を持つと言われる原種吸血鬼なのですから!!
「勿論です。
私はお嬢様の専属メイド長ですので。
それにしても、シアにノア、貴方達も何をやっているのですか、まったく……」
僕を地面に降ろしながら微笑みを浮かべるメルヴィー。
そして僕がいた場所に目を向けて、呆れた様に呟きため息を漏らす。
因みに、メルヴィーが僕を持ち上げて地面に立たせたのは僕が埋もれていたからです。
そう! 僕はついさっきまで二匹の白狐に、もふもふ天国に埋もれていたのですっ!!
「だって! だって仕方ないじゃないですか!!
メルヴィー様だって、お嬢様に懇願されたら断れますか!?」
「シアの言う通りです。
お嬢様が抱きついて来て、私達の事を見上げてくるのですよ!
断れるはずがありません!!」
白いきめ細かな長髪を揺らす2人。
人の姿になった白狐の双子の姉妹で、活発な妹であるシアと上品で落ち着いた姉のノア。
僕の専属メイドの2人です。
そして何より、僕が溺れていたもふもふ天国の正体でもあるのです!!
ぐふふ、もふもふな尻尾が揺れています!
「そ、それは……」
そんな2人の言葉に口ごもるメルヴィー。
はっ!? これはマズイ状況なのではないでしょうか?
もしこれが原因で3人の仲が拗れてしまう、なんて事になってしまったら……
まっ、マズイです! これはどうにかしなければ!!
「……ケンカしたら、ダメですよ?」
「「「お、お嬢様ぁ!!」」」
すると、どう言う事でしょうか? いきなり3人に抱きつかれてしまいました。
まぁこれは、これで居心地がいいので構いませんが。
「コホン、ご報告がございます」
暫くして、何事も無かったかの様にメルヴィーが改まってそう言って来ました。
そうですか……遂にこの時がやって来ましたか。
「では?」
「はい、ダンジョン深淵の試練より勇者達がもう少しで帰還いたします」
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