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第4章 神聖の試練編
47話 仕事モードです!
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それにしても、素晴らしいお城ですね。
流石に地球にいた時も直接お城に行くことなんて殆どありませんでしたし。
直接見たお城なんて僕達を召喚した王国のお城ぐらい。
アレサレム王国のお城と比べても、その調度品の数々は引けを取ら無い。
下品には感じず、高い品位を感じるこのお城が素晴らしい事だけはわかります。
そんなお城の一室。
お部屋のソファーにちょこんと座って、僕は縮こまっているという訳です。
何故僕が縮こまっているのかと言うと理由は簡単。
巨乳美女さんとモフミミ美女さんの視線が注がれているからに他なりません。
2人もの初対面の人に至近距離で見詰められる……泣きそうです。
「この嬢ちゃんが、九尾の結界を破ったぁ?
本当かよ?」
「ええ、本当ですよ。
九尾殿の結界を破り、転移を発動なさったのはお嬢様です」
「へぇ、こんな嬢ちゃんがねぇ」
このお部屋に入るなり、そんな会話がコレールと巨乳美女さんとの間で取り交わされ。
それ以降、2人が何故か僕を見詰めてくると言う訳です。
かなり気まずい。
気まずいと言うか、居心地が限りなく悪い!
お願いですから、僕の顔を覗き込もうとしないでっ!!
お陰でさっきからずっと縮こまって、俯く事を余儀無くされてます。
まったく、少しは僕の人見知り体質を考慮して欲しいものです。
「それで、黒龍殿どう言った訳かご説明して頂いても?」
モフミミ美女さんが緑茶を一口飲んで、ニッコリと微笑みを浮かべる。
……そう、緑茶!!
僕達の前に出されたのは紛れも無い緑茶!
この世界に来て以来、久しぶりの緑茶を飲んで一息ついていたのです……さっきまではですが。
モフミミ美女さんの言葉を受けて、僕の方を向いたコレールに軽く頷きます。
これで、後はコレールが説明してくれる事でしょう。
どうやら、巨乳美女さんもコレールの話に興味がある様ですね。
僕から離れてくれたので、まさに一石二鳥です!!
「ではお嬢様のお許しが出たので、ご説明させていただきます。
まず初めに、我々3人はお嬢様の従者です」
「従者、ですか?」
「ええ、簡潔に言いますと、私を含めこの場にいる3名はお嬢様の眷属となっております」
「なっ!?」
巨乳美女さんが驚愕を露わに目を見開きました。
まぁ、旧友が突然知らない人の眷属になっていたら驚きますよね、普通。
しかも僕って見た目、幼女だし……
「マジかよっ!?
冷酷無比な黒龍に自由奔放な霊鳥の嬢ちゃんが眷属になってるって時点で驚愕だが。
あのプライドの塊みたいな吸血女王までもがかっ!?」
「驚きました。
まさか、神とまで呼ばれる貴方方が他者の眷属となるとは……」
僕も驚きました。
あの優しいコレールが冷酷無比だったとは……
フェルはわかりますが、オルグイユがプライドの塊。
的を射てますが……今の残念な姿からはとても想像出来ない姿でしょうね。
「お2人はフェル、オルグイユと言う名をお嬢様から授けられ、私自身もコレールという名を授かりました。
ですので、以降私達の事はその様にお呼び下さい」
「わかりました。
では、コレール殿、貴方とフェル殿の事はまだ理解できますが。
オルグイユ殿には既に深淵の大神ウェルスより授けられた名があったと思うのですが?」
「それでしたら……」
「それは私からご説明します」
残念モードから復活を遂げたオルグイユが、何事も無かったような澄ました顔でコレールの言葉を奪いました。
アレを無かった事にしている事実。
確かにプライドが高いのは見て取れますね……
「ルーミエル様は私を眷属にする為に、名の書き換えを行って下さったのです!」
頬を染めて嬉しそうに語るオルグイユに、巨乳美女さんとモフミミ美女さんは再び驚愕を露わに目を見開きました。
吸血鬼の孤高な女王がこれでは恋する乙女にしか見えません。
オルグイユのこんな姿を見ればその反応も当然ですね。
「上書き、それも深淵の大神の名付けを……道理で私の結界をいとも容易く破れる訳です」
「マジかよ……」
名前の上書き。
それは簡単に言えば、以前の名付け親の魔力を上回っている事を意味します。
それが大神の1柱ともなれば、彼女達が驚くのも仕方無い事でしょう。
当事者である僕もちょっと驚いたぐらいですかね。
まぁ実際には、ウェルスの力が目覚めた直後で極限まで低下していた事。
他にも幾つかの条件があったからで、僕の魔力がウェルスを超えてる訳じゃ無いんですけどね。
「ん? ちょっと待てよ、オルグイユって確か深淵の試練の管理者やってなかったか?」
「ええ、貴女の言う通り、私は深淵の試練にて管理者を務めていましたよ」
「おいおい、ちょっと待てよ……管理者を眷属にして、その眷属になったお前がここにいるって事は」
「貴女の想像通りです。
ルーミエル様は私が管理者を務めていた深淵の試練を攻略なさいました。
現在はルーミエル様がダンジョンマスターとして管理者になっています」
「マジかよ……」
う~ん、なんか巨乳美女さんのボキャブラリーが先程から乏しくなってる気がします。
人って本当に驚くと、同じような事をついつい言ってしまうものなんですね。
あっ、でも巨乳美女さんはセルケトって呼ばれてましたし。
人間では無く神なのでしょうか?
う~ん、わかりません。
後でコレールに聞いてみましょう。
ふっ、本人に直接聞け無いのが、人見知りヒキニートの悲しいサガですね。
「なる程、大体の事情はわかりました。
では、この場に来た目的はやはり」
「ええ、この迷宮の攻略になります」
僕が召喚された勇者の1人とか、男だったとか、まだまだ細かい僕自身の事情はありますけどね。
しかしまぁ、それを今僕が説明するのは不可能に近い。
それに一応はコレールの説明に納得してくれた様なので良しとしましょう。
「では、ルーミエルさん」
真面目な顔をしてモフミミ美女さんが、突然僕の名前を呼びました。
そんな真剣な表情をされると、流石に俯く訳には行きませんね。
ここから先は僕も真剣にお仕事モードで行くとしましょう。
そうすれば一時的にとは言え、人見知りを抑え込む事が出来ますからね。
「この迷宮、神聖の試練攻略を認めるにあたり、管理者として条件が2つあります」
「わかりました、聞きましょう」
「ふふふ、1つ目は強さの証明です。
そうですね、セルケトと戦ってもらうとしましょう。
彼女はこう見えても十万年前の対戦にて多くの敵を打ち倒した強者ですからね」
まぁ、妥当な条件ですね。
コレール達と同格の存在相手に殺さないよう闘うのは骨が折れそうです。
滅光魔法は勿論禁止ですしね。
まぁ、こう言った時のことも想定して新しい魔法を開発したんですけど。
問題は普通に僕が勝てるかどうかって点です。
まぁ、なる様になるでしょう。
もし負けても殺される事は無い……と信じたいですね。
「わかりました。
2つ目の条件とは?」
「それは、1つ目の条件をクリア出来ればお教えしましょう」
2つ目の条件が分からないこの状況は僕が不利。
しかし、主導権を握っているのは向こうですし、ここは従うほかありませんね。
「では、早速外に移動しましょう」
肯定の意味を持って頷くと、モフミミ美女さんは柔らかい笑みを浮かべてそう言い放ちました。
外に移動、つまりあの草原にて戦闘を行うと言う事ですか?
それもコレール達と同等の力を持った存在と?
もし、もし仮にそんな事をすれば、あの美しい草原は……
僕の脳裏にチラつくのはお昼寝候補の1つだった場所。
見るも無残な焼け野原と化した姿……それは許せません!!
「場所はこちらで用意しましょう。
コレールお願いしますね」
「お嬢様の御心のままに」
コレールはそう答えると、一度指を鳴らす。
すると、一瞬にして僕たちの視界に白い四角の空間が作り出されました。
「では、行くとしましょう」
流石に地球にいた時も直接お城に行くことなんて殆どありませんでしたし。
直接見たお城なんて僕達を召喚した王国のお城ぐらい。
アレサレム王国のお城と比べても、その調度品の数々は引けを取ら無い。
下品には感じず、高い品位を感じるこのお城が素晴らしい事だけはわかります。
そんなお城の一室。
お部屋のソファーにちょこんと座って、僕は縮こまっているという訳です。
何故僕が縮こまっているのかと言うと理由は簡単。
巨乳美女さんとモフミミ美女さんの視線が注がれているからに他なりません。
2人もの初対面の人に至近距離で見詰められる……泣きそうです。
「この嬢ちゃんが、九尾の結界を破ったぁ?
本当かよ?」
「ええ、本当ですよ。
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「へぇ、こんな嬢ちゃんがねぇ」
このお部屋に入るなり、そんな会話がコレールと巨乳美女さんとの間で取り交わされ。
それ以降、2人が何故か僕を見詰めてくると言う訳です。
かなり気まずい。
気まずいと言うか、居心地が限りなく悪い!
お願いですから、僕の顔を覗き込もうとしないでっ!!
お陰でさっきからずっと縮こまって、俯く事を余儀無くされてます。
まったく、少しは僕の人見知り体質を考慮して欲しいものです。
「それで、黒龍殿どう言った訳かご説明して頂いても?」
モフミミ美女さんが緑茶を一口飲んで、ニッコリと微笑みを浮かべる。
……そう、緑茶!!
僕達の前に出されたのは紛れも無い緑茶!
この世界に来て以来、久しぶりの緑茶を飲んで一息ついていたのです……さっきまではですが。
モフミミ美女さんの言葉を受けて、僕の方を向いたコレールに軽く頷きます。
これで、後はコレールが説明してくれる事でしょう。
どうやら、巨乳美女さんもコレールの話に興味がある様ですね。
僕から離れてくれたので、まさに一石二鳥です!!
「ではお嬢様のお許しが出たので、ご説明させていただきます。
まず初めに、我々3人はお嬢様の従者です」
「従者、ですか?」
「ええ、簡潔に言いますと、私を含めこの場にいる3名はお嬢様の眷属となっております」
「なっ!?」
巨乳美女さんが驚愕を露わに目を見開きました。
まぁ、旧友が突然知らない人の眷属になっていたら驚きますよね、普通。
しかも僕って見た目、幼女だし……
「マジかよっ!?
冷酷無比な黒龍に自由奔放な霊鳥の嬢ちゃんが眷属になってるって時点で驚愕だが。
あのプライドの塊みたいな吸血女王までもがかっ!?」
「驚きました。
まさか、神とまで呼ばれる貴方方が他者の眷属となるとは……」
僕も驚きました。
あの優しいコレールが冷酷無比だったとは……
フェルはわかりますが、オルグイユがプライドの塊。
的を射てますが……今の残念な姿からはとても想像出来ない姿でしょうね。
「お2人はフェル、オルグイユと言う名をお嬢様から授けられ、私自身もコレールという名を授かりました。
ですので、以降私達の事はその様にお呼び下さい」
「わかりました。
では、コレール殿、貴方とフェル殿の事はまだ理解できますが。
オルグイユ殿には既に深淵の大神ウェルスより授けられた名があったと思うのですが?」
「それでしたら……」
「それは私からご説明します」
残念モードから復活を遂げたオルグイユが、何事も無かったような澄ました顔でコレールの言葉を奪いました。
アレを無かった事にしている事実。
確かにプライドが高いのは見て取れますね……
「ルーミエル様は私を眷属にする為に、名の書き換えを行って下さったのです!」
頬を染めて嬉しそうに語るオルグイユに、巨乳美女さんとモフミミ美女さんは再び驚愕を露わに目を見開きました。
吸血鬼の孤高な女王がこれでは恋する乙女にしか見えません。
オルグイユのこんな姿を見ればその反応も当然ですね。
「上書き、それも深淵の大神の名付けを……道理で私の結界をいとも容易く破れる訳です」
「マジかよ……」
名前の上書き。
それは簡単に言えば、以前の名付け親の魔力を上回っている事を意味します。
それが大神の1柱ともなれば、彼女達が驚くのも仕方無い事でしょう。
当事者である僕もちょっと驚いたぐらいですかね。
まぁ実際には、ウェルスの力が目覚めた直後で極限まで低下していた事。
他にも幾つかの条件があったからで、僕の魔力がウェルスを超えてる訳じゃ無いんですけどね。
「ん? ちょっと待てよ、オルグイユって確か深淵の試練の管理者やってなかったか?」
「ええ、貴女の言う通り、私は深淵の試練にて管理者を務めていましたよ」
「おいおい、ちょっと待てよ……管理者を眷属にして、その眷属になったお前がここにいるって事は」
「貴女の想像通りです。
ルーミエル様は私が管理者を務めていた深淵の試練を攻略なさいました。
現在はルーミエル様がダンジョンマスターとして管理者になっています」
「マジかよ……」
う~ん、なんか巨乳美女さんのボキャブラリーが先程から乏しくなってる気がします。
人って本当に驚くと、同じような事をついつい言ってしまうものなんですね。
あっ、でも巨乳美女さんはセルケトって呼ばれてましたし。
人間では無く神なのでしょうか?
う~ん、わかりません。
後でコレールに聞いてみましょう。
ふっ、本人に直接聞け無いのが、人見知りヒキニートの悲しいサガですね。
「なる程、大体の事情はわかりました。
では、この場に来た目的はやはり」
「ええ、この迷宮の攻略になります」
僕が召喚された勇者の1人とか、男だったとか、まだまだ細かい僕自身の事情はありますけどね。
しかしまぁ、それを今僕が説明するのは不可能に近い。
それに一応はコレールの説明に納得してくれた様なので良しとしましょう。
「では、ルーミエルさん」
真面目な顔をしてモフミミ美女さんが、突然僕の名前を呼びました。
そんな真剣な表情をされると、流石に俯く訳には行きませんね。
ここから先は僕も真剣にお仕事モードで行くとしましょう。
そうすれば一時的にとは言え、人見知りを抑え込む事が出来ますからね。
「この迷宮、神聖の試練攻略を認めるにあたり、管理者として条件が2つあります」
「わかりました、聞きましょう」
「ふふふ、1つ目は強さの証明です。
そうですね、セルケトと戦ってもらうとしましょう。
彼女はこう見えても十万年前の対戦にて多くの敵を打ち倒した強者ですからね」
まぁ、妥当な条件ですね。
コレール達と同格の存在相手に殺さないよう闘うのは骨が折れそうです。
滅光魔法は勿論禁止ですしね。
まぁ、こう言った時のことも想定して新しい魔法を開発したんですけど。
問題は普通に僕が勝てるかどうかって点です。
まぁ、なる様になるでしょう。
もし負けても殺される事は無い……と信じたいですね。
「わかりました。
2つ目の条件とは?」
「それは、1つ目の条件をクリア出来ればお教えしましょう」
2つ目の条件が分からないこの状況は僕が不利。
しかし、主導権を握っているのは向こうですし、ここは従うほかありませんね。
「では、早速外に移動しましょう」
肯定の意味を持って頷くと、モフミミ美女さんは柔らかい笑みを浮かべてそう言い放ちました。
外に移動、つまりあの草原にて戦闘を行うと言う事ですか?
それもコレール達と同等の力を持った存在と?
もし、もし仮にそんな事をすれば、あの美しい草原は……
僕の脳裏にチラつくのはお昼寝候補の1つだった場所。
見るも無残な焼け野原と化した姿……それは許せません!!
「場所はこちらで用意しましょう。
コレールお願いしますね」
「お嬢様の御心のままに」
コレールはそう答えると、一度指を鳴らす。
すると、一瞬にして僕たちの視界に白い四角の空間が作り出されました。
「では、行くとしましょう」
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