最強幼女は惰眠を求む! 〜神々のお節介で幼女になったが、悠々自適な自堕落ライフを送りたい〜

フウ

文字の大きさ
上 下
36 / 375
第3章 帝国ギルド編

36話 実験開始です!

しおりを挟む
 目の前に存在するのは、地球では伝説上の存在とされ創作上の存在。
 硬い鱗を持ち、その翼は大空を飛翔し、その一撃は人間など一瞬にして肉塊に化す。

 そう、それはドラゴン!
 今目の前にて、そのドラゴンが元気に空を飛び回っているのです!!

 冒険者ギルドの応接室にてドラゴンを見てみたいと主張した直後、流石にそれは……と、エメルさんが反対しました。

 それに対して、コレールとエメルさんとの間で一悶着ありましたが。
 最終的にはコレールを説得する事は不可能と判断したエメルさんが折れました。
 そして、無事にドラゴン関連の依頼を受注する事に成功したのです!

 まぁ、その間、僕はケーキとの壮絶な格闘を繰り広げていた訳ですけど。
 そんな経緯を経て、ドラゴンを初めて目にした感動は確かにあります、けど……思っていた程ではありませんでしたね、非常に残念です。

 ドラゴンを見れるって舞い上がってましたけど、今にして思うと竜の完全な上位存在である龍。
 コレールを見ているのだから、竜を見て物足りなく思うのも当然の事です。

 今にも襲って来そうなドラゴン、先日コレールが仕留めたと言う火竜。
 確かにその姿に力強さは感じますが、その身体はコレールよりも小さく、コレールの様な見るものを圧倒する優雅さも存在しません。

 どうしてもコレールと比べれば見劣りする。
 はっきり言って、コレールの二番煎じ感が凄まじいと言う訳です。

 タイミング良く、竜の緊急討伐依頼などあるはずも無い。
 だから常に出されている、竜の素材を集めるための依頼を受けて、態々こんな遠い場所まで来たと言うのに……非常に残念です。

 因みに、今いる場所は帝都から馬車で片道二週間程度の位置にある岩山。
 この岩山には数多くの竜が生息しており、人外魔境と言っていい場所です。

 まぁ、僕達はコレールの転移と言うズルをしているので、まだ帝都を出て30分程度ですけど。
 僕達の後を追って来ていたギルド員さんには、少し可哀想な事をしてしまったかも知れません。

 うまく撒いたと思いますけど……まぁ、最悪の場合見られても別に構わないんですけど。
 転移魔法を使える人は珍しいですが、全くいない訳じゃ無いですしね。

「むぅ……」

「如何なされましたか?」

 竜に対する期待を裏切られて、軽くショックを受けていると、コレールが心配そうに聞いて来ました。

 これはいい機会です。
 この気持ちは誰かに聞いてもらうべきでしょう。

 膨れ上がった期待を見事に裏切られた、この悲しみを誰かと共有して少しでも軽くしたいですからね!

「非常に残念です、竜は一体どれ程素晴らしいのだろうと期待していたのですが……
 はっきり言ってコレールの方がカッコいいですし、何というか肩透かしを食らった様な気持ちなのです!!
 僕のこの悲しみをわかってくれますか?」

「わ、私の方が……か、カッコいい……
 ふふふ、そうでしょうとも!
 お嬢様の深い悲しみ、心中お察し致します。
 アレらはお嬢様を悲しませ、更にはお嬢様を前に服従の姿勢も見せぬ愚かな者です。
 私が始末してご覧に入れましょう」

「う~ん……あの竜は僕が仕留めます。
 今の僕の力がどれ程通用するのか見極めたいですからね」

 とは言え、本当に一体だけで足りるのでしょうか?
 この依頼はずっと出されてる様ですし……

「しかし、そうですね。
 依頼は火竜一体の素材の納品ですが、それ以上でも買い取るとありました……
 僕は色々と試したい事があるので、その間に出来るだけ火竜を討伐して欲しいのですが」

「御意に、必ずやお嬢様のご期待に添える結果をご覧に入れましょう」

「では、よろしくお願いしますね」

 僕がそう言うと、コレールは嬉々としてその場から姿を消しました。
 転移ってやっぱり便利ですよね。

「さて、実験開始です!」

 う~ん、見た感じだと火竜に滅光魔法は過剰でしょう。
 取り敢えず、身体と刀に魔力を纏わせての強化。
 これでどれ程、通用するか試してみましょう。

「では、行きますよ」




 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




 結果から言って、僕ってやっぱり結構強いんじゃないでしょうか?

 既に息絶えて横たわっている火竜との戦闘を通して僕が抱いた感想がこれです。
 はっきり言って、火竜はかなり弱かったです。
 地下迷宮でアッサリと勝ったヒュドラよりも弱かったですね。

 刀魔闘術を用いて魔力を纏った斬撃を飛ばしただけで、スパッと綺麗に翼を切り裂きましたからね。
 アレには流石に驚きました。

 まぁ、強さ的に言えば、地下迷宮で初めに遭遇したワンちゃんと五分と言ったところでしょう。

 まぁ火竜と言っても所詮は災厄級。
 B級冒険者であれば十分に太刀打ち出来る程度の強さですからね。

 やはり、自分が強いなんて過信する訳には行きませんね。
 この程度の事が出来る人なんて、それこそ星の数程いるでしょうからね。

「やっぱり、僕には攻撃手段が少ないですね……後で各属性魔法を買っておくとしましょう」

 さて、コレールはどこに行ってしまったのでしょうか?
 テンプレを奪われた怒りはまだ収まってませんし。
 こっちから呼ぶのは何と言うか……僕のプライドが許しません。

 よって、コレールが戻ってくるまで、この場所で待たなければなら無いのですが…暇ですね。

 火竜は既に仕留めましたし、近くに他に竜はいない様ですし……
 まぁ、仮にいたとしても、無駄な殺生はしたくないので、特にどうする事もありませんが。

「う~ん、各属性魔法は後で買うとして……滅光魔法以外のオリジナル魔法の開発でもするとしましょうか!」

 どんなのが良いかなぁ……地球の様々な知識を持っているから、イメージは立てやすいと思うのですが。

 取り敢えず、威力重視でいくと超新星爆発が最も凄いですかね?
 まぁ、あんなの出来るとはとても思えませけど。

 ブラックホールみたいな物は既に暗黒魔法で再現出来ますし。
 尤も、威力で言えば本物には遠く届きませんが……

 メジャーな物で言えばあとは……やっぱり核ですね。
 人類が作り上げた、その気になれば星すらも破壊する叡智の結晶。

 とは言え、これも火系統の魔法で再現出来そうですね。
 他にも噴火、地震、竜巻、全て各属性系統で再現可能です。

 となれば、やっぱりアレしか無い様ですね!
 核すらも遥かに上回る破壊力を誇り。
 過去に地球の生物を大量絶滅に追い込んだとされる、自然現象。

「さてと、実験開始といきましょう!!」
しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラス転移したからクラスの奴に復讐します

wrath
ファンタジー
俺こと灞熾蘑 煌羈はクラスでいじめられていた。 ある日、突然クラスが光輝き俺のいる3年1組は異世界へと召喚されることになった。 だが、俺はそこへ転移する前に神様にお呼ばれし……。 クラスの奴らよりも強くなった俺はクラスの奴らに復讐します。 まだまだ未熟者なので誤字脱字が多いと思いますが長〜い目で見守ってください。 閑話の時系列がおかしいんじゃない?やこの漢字間違ってるよね?など、ところどころにおかしい点がありましたら気軽にコメントで教えてください。 追伸、 雫ストーリーを別で作りました。雫が亡くなる瞬間の心情や死んだ後の天国でのお話を書いてます。 気になった方は是非読んでみてください。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました

向原 行人
ファンタジー
 僕、カーティスは由緒正しき賢者の家系に生まれたんだけど、十六歳のスキル授与の儀で授かったスキルは、まさかのゴミスキルだった。  実の父から家の恥だと言われて勘当され、行く当ても無く、着いた先はゴミだらけの古代遺跡。  そこで打ち捨てられていたゴミが話し掛けてきて、自分は古代兵器で、助けて欲しいと言ってきた。  なるほど。僕が得たのはゴミと意思疎通が出来るスキルなんだ……って、嬉しくないっ!  そんな事を思いながらも、話し込んでしまったし、連れて行ってあげる事に。  だけど、僕はただゴミに協力しているだけなのに、どこかの国の騎士に襲われたり、変な魔法使いに絡まれたり、僕を家から追い出した父や弟が現れたり。  どうして皆、ゴミが欲しいの!? ……って、あれ? いつの間にかゴミスキルが成長して、ゴミの修理が出来る様になっていた。  一先ず、いつも一緒に居るゴミを修理してあげたら、見知らぬ銀髪美少女が居て……って、どういう事!? え、こっちが本当の姿なの!? ……とりあえず服を着てっ!  僕を命の恩人だって言うのはさておき、ご奉仕するっていうのはどういう事……え!? ちょっと待って! それくらい自分で出来るからっ!  それから、銀髪美少女の元仲間だという古代兵器と呼ばれる美少女たちに狙われ、返り討ちにして、可哀想だから修理してあげたら……僕についてくるって!?  待って! 僕に奉仕する順番でケンカするとか、訳が分かんないよっ! ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

S級パーティを追放された無能扱いの魔法戦士は気ままにギルド職員としてスローライフを送る

神谷ミコト
ファンタジー
【祝!4/6HOTランキング2位獲得】 元貴族の魔法剣士カイン=ポーンは、「誰よりも強くなる。」その決意から最上階と言われる100Fを目指していた。 ついにパーティ「イグニスの槍」は全人未達の90階に迫ろうとしていたが、 理不尽なパーティ追放を機に、思いがけずギルドの職員としての生活を送ることに。 今までのS級パーティとして牽引していた経験を活かし、ギルド業務。ダンジョン攻略。新人育成。そして、学園の臨時講師までそつなくこなす。 様々な経験を糧にカインはどう成長するのか。彼にとっての最強とはなんなのか。 カインが無自覚にモテながら冒険者ギルド職員としてスローライフを送るである。 ハーレム要素多め。 ※隔日更新予定です。10話前後での完結予定で構成していましたが、多くの方に見られているため10話以降も製作中です。 よければ、良いね。評価、コメントお願いします。励みになりますorz 他メディアでも掲載中。他サイトにて開始一週間でジャンル別ランキング15位。HOTランキング4位達成。応援ありがとうございます。 たくさんの誤字脱字報告ありがとうございます。すべて適応させていただきます。 物語を楽しむ邪魔をしてしまい申し訳ないですorz 今後とも応援よろしくお願い致します。

処理中です...