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第2章 幼女誕生編
27話 最も重要な事ですわ!!
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ネルウァクス帝国の帝都。
つい先日、冒険者ギルドの屋根が突然吹き飛び、近隣の森が突如として焼失すると言う大事件が巻き起こったのだが……
現在帝都ではちょっとした騒ぎが起こっていた。
とは言っても、それは地球で言うところの芸能人を街中で見つけた時のような騒ぎ。
道を歩くたった1人の存在に道行く人々は思わず二度見し、その美貌に見惚れる。
艶やかに輝き、歩く度にゆらりと揺れる白い長髪。
どこか吸い込まれるかの様な紅い瞳に透き通る様な白い肌。
まるで子供に読み聞かせる物語に登場するお姫様のように華奢で可憐な幼女と言っても良い程幼い少女。
彼女が通り過ぎた後では、何処かの貴族や王族のお方ではないか? と帝都では騒ぎが起こっていたのだ。
そして帝都の人々からの視線を一身に受けている幼女はと言うと……
「はぁ、さっきから、この視線は少し気になりますね。
だから嫌だったのです」
1人静かに愚痴を漏らしていた。
しかし、その姿でさえ帝都の人々には微笑ましいものに写っているので、どうしようもない。
「むぅ、まぁいいでしょう。
でも何故ここまで注目されるのでしょうか?」
僕には、ここまで人の注目を集める覚えは何一つとして無いのですけどね。
「やっぱり選択を間違えたかもしれませんね」
そして今日何回目になるのか分からない溜め息をつく。
「そもそも、あの時の選択が間違いでした。
やっぱり、あんな事するべきでは無かったのです。
そうすれば、僕がこんな風に逃げる必要は無かったのですから」
そう、俺が……いえ僕が、俺を殺すと言った時……
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「主様の御心のままに」
コレールは普段と変わらない様子で静かにそう一礼し。
「ふふふ、私もコレールと同じに御座います」
オルグイユは妖艶な笑みを浮かべながらカーテシーで一礼する、そしてフェルは……
「コウキ、死んじゃうの?
もう、会えないの?」
と、目尻に涙を浮かべて聞いてくる。
フェルにそんな事を言われたら、決めた覚悟がブレそうにな……って、別に本当に死ぬわけじゃないですからね!
「あぁ、そのすみません。
俺の言い方が悪かったですね、別に死ぬ訳では無いので安心してください」
今にも溢れそうな程浮かべた涙を優しく拭って、フェルの頭を優しく撫でる。
「また、会える?」
「ええ、いつでも会えますよ。
だから泣かないで下さい」
「ん、わかった」
安心した様に、無気力な顔に微笑みを浮かべて抱きついてきます。
まぁ泣か無いでいてくれているので良しとしましょう。
それにしてもフェルはやっぱり子供ですよね。
フェルもコレールやオルグイユと一緒で神代から生きているはずなのに、どうしてなのでしょうか?
これはまた後でコレールとオルグイユに聞いてみるとしましょう。
「さてと、さっきは説明が足りませんでしたね。
これから俺がするのは……性別を変える事です」
「性別を変える、ですか?」
「そうです、俺はこれから性別を変えようと思います」
「成る程、ですから“俺は俺を殺す”ですか。
しかし、本当にそんな事が可能なのでしょうか?」
「まぁ、オルグイユの疑問はもっともでしょう。
神獣と呼ばれるコレールやオルグイユ、フェルにも性別は存在しますし、男神・女神と言うからには神も例外ではありません」
実際に会いましたし。
神ですら性別に縛られているのはまず間違い無いでしょう。
「けどまぁ、結論から言うと可能です。
尤も、俺以外に出来る人がいるのかは分かりませんが、少なくとも俺には出来ます」
と言うか、俺には結構簡単に出来てしまうのです。
そもそも種族を買う事が出来る俺が性別を買う事が出来ないはずがありません。
何せ、性別を買うのは種族を買うよりも安いですし。
結構簡単に性別を変える事ができてしまうと言う訳です。
「そして、打開策としてはもう一つ。
俺の肌の色や顔を変えると言うのがありますが。
性別を変えるよりも難易度が少し高い上に、こちらの方がノワールと俺が同一人物だとバレる可能性が高いと言うデメリットがあります」
「確かにそうでしょう。
しかし性別を変えても、肌の色や瞳の色でバレる可能性があるのでは無いでしょうか?」
「まぁ確かに、性別を変えても肌の色と瞳の色は変わりません。
正体がバレる可能性は無くとも吸血鬼と疑われる可能性はありますね。
しかし、それも鑑定などのスキルで態と改竄したステータスを見せればいいだけです。
こっちの方が結果的に上手く行く可能性は高いと言う訳です」
「確かにコウキ様の仰る通り……出過ぎた事を申しました、お許し下さい」
そう言って頭を下げるオルグイユ。
この前も謝らなくていいって言ったのですけど……
「それよりも他に気になる事は無いですか?」
「私には御座いません」
コレールは俺の前に紅茶の入ったカップを置きながらそう答える。
「私も御座いません」
「ん、吾も無い」
「そうですか」
ここで論破してくれるのであれば、この最終手段を使わずに済んだのですが……世の中、そんなに甘くは無いようですね。
「ではこれからは表の顔では女として、裏の顔では男とします」
「全ては主様の御心のままに」
「先程は気になる点はないと言いましたが、2つ気になる事がありましたわ」
「何でしょうか?」
「はい、1つ目はお名前についてです。
女性となるのであれば、女性用のお名前が必要かと思います」
「確かに女性でコウキという名前は少し違和感がありますね……わかりました、後ほど考えましょう。
それでもう1つは?」
「はい、それは……」
「それは?」
「女の子になったコウキ様が、どのような可愛い女の子になるのかと言う事ですわ!」
妖艶な笑みを浮かべて少し頬を赤らめたオルグイユは言い放ちました。
論破してくれるのかと言う俺の希望を打ち砕きながら……
「そ、そうですか」
「はい! 最も重要な事ですわ!!」
「フェルはどうでしょうか?」
興奮しているオルグイユは放置して、フェルに最後の希望をかけたのですが…
「ん、コウキがいいならそれで良い」
「そうですか……
わかりました、では早速終わらせるとしましょう」
等価交換で性別を買うのに必要な対価は、種族を買うのに必要であった対価の十分の一。
つまりは金貨にして1000枚です。
種族を買う時にも思いましたが。
平民では不可能にしても、貴族や大商人であれば払う事が出来る程度の対価と言うのはどうなのでしょうね。
(等価交換)
今回は表示される画面の中からステータスの項目を選択。
そして、その中から性別の項目を……
《性別を変更するために対価として金貨1000枚が必要です》
(魔物の死体を対価に設定、消費)
《…対価を設定、必要量に到達を確認しました》
(決済)
《対価の支払いを確認しました。
またのご利用をお待ちしております》
その言葉を最後に視界が真っ白に染まりました。
つい先日、冒険者ギルドの屋根が突然吹き飛び、近隣の森が突如として焼失すると言う大事件が巻き起こったのだが……
現在帝都ではちょっとした騒ぎが起こっていた。
とは言っても、それは地球で言うところの芸能人を街中で見つけた時のような騒ぎ。
道を歩くたった1人の存在に道行く人々は思わず二度見し、その美貌に見惚れる。
艶やかに輝き、歩く度にゆらりと揺れる白い長髪。
どこか吸い込まれるかの様な紅い瞳に透き通る様な白い肌。
まるで子供に読み聞かせる物語に登場するお姫様のように華奢で可憐な幼女と言っても良い程幼い少女。
彼女が通り過ぎた後では、何処かの貴族や王族のお方ではないか? と帝都では騒ぎが起こっていたのだ。
そして帝都の人々からの視線を一身に受けている幼女はと言うと……
「はぁ、さっきから、この視線は少し気になりますね。
だから嫌だったのです」
1人静かに愚痴を漏らしていた。
しかし、その姿でさえ帝都の人々には微笑ましいものに写っているので、どうしようもない。
「むぅ、まぁいいでしょう。
でも何故ここまで注目されるのでしょうか?」
僕には、ここまで人の注目を集める覚えは何一つとして無いのですけどね。
「やっぱり選択を間違えたかもしれませんね」
そして今日何回目になるのか分からない溜め息をつく。
「そもそも、あの時の選択が間違いでした。
やっぱり、あんな事するべきでは無かったのです。
そうすれば、僕がこんな風に逃げる必要は無かったのですから」
そう、俺が……いえ僕が、俺を殺すと言った時……
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「主様の御心のままに」
コレールは普段と変わらない様子で静かにそう一礼し。
「ふふふ、私もコレールと同じに御座います」
オルグイユは妖艶な笑みを浮かべながらカーテシーで一礼する、そしてフェルは……
「コウキ、死んじゃうの?
もう、会えないの?」
と、目尻に涙を浮かべて聞いてくる。
フェルにそんな事を言われたら、決めた覚悟がブレそうにな……って、別に本当に死ぬわけじゃないですからね!
「あぁ、そのすみません。
俺の言い方が悪かったですね、別に死ぬ訳では無いので安心してください」
今にも溢れそうな程浮かべた涙を優しく拭って、フェルの頭を優しく撫でる。
「また、会える?」
「ええ、いつでも会えますよ。
だから泣かないで下さい」
「ん、わかった」
安心した様に、無気力な顔に微笑みを浮かべて抱きついてきます。
まぁ泣か無いでいてくれているので良しとしましょう。
それにしてもフェルはやっぱり子供ですよね。
フェルもコレールやオルグイユと一緒で神代から生きているはずなのに、どうしてなのでしょうか?
これはまた後でコレールとオルグイユに聞いてみるとしましょう。
「さてと、さっきは説明が足りませんでしたね。
これから俺がするのは……性別を変える事です」
「性別を変える、ですか?」
「そうです、俺はこれから性別を変えようと思います」
「成る程、ですから“俺は俺を殺す”ですか。
しかし、本当にそんな事が可能なのでしょうか?」
「まぁ、オルグイユの疑問はもっともでしょう。
神獣と呼ばれるコレールやオルグイユ、フェルにも性別は存在しますし、男神・女神と言うからには神も例外ではありません」
実際に会いましたし。
神ですら性別に縛られているのはまず間違い無いでしょう。
「けどまぁ、結論から言うと可能です。
尤も、俺以外に出来る人がいるのかは分かりませんが、少なくとも俺には出来ます」
と言うか、俺には結構簡単に出来てしまうのです。
そもそも種族を買う事が出来る俺が性別を買う事が出来ないはずがありません。
何せ、性別を買うのは種族を買うよりも安いですし。
結構簡単に性別を変える事ができてしまうと言う訳です。
「そして、打開策としてはもう一つ。
俺の肌の色や顔を変えると言うのがありますが。
性別を変えるよりも難易度が少し高い上に、こちらの方がノワールと俺が同一人物だとバレる可能性が高いと言うデメリットがあります」
「確かにそうでしょう。
しかし性別を変えても、肌の色や瞳の色でバレる可能性があるのでは無いでしょうか?」
「まぁ確かに、性別を変えても肌の色と瞳の色は変わりません。
正体がバレる可能性は無くとも吸血鬼と疑われる可能性はありますね。
しかし、それも鑑定などのスキルで態と改竄したステータスを見せればいいだけです。
こっちの方が結果的に上手く行く可能性は高いと言う訳です」
「確かにコウキ様の仰る通り……出過ぎた事を申しました、お許し下さい」
そう言って頭を下げるオルグイユ。
この前も謝らなくていいって言ったのですけど……
「それよりも他に気になる事は無いですか?」
「私には御座いません」
コレールは俺の前に紅茶の入ったカップを置きながらそう答える。
「私も御座いません」
「ん、吾も無い」
「そうですか」
ここで論破してくれるのであれば、この最終手段を使わずに済んだのですが……世の中、そんなに甘くは無いようですね。
「ではこれからは表の顔では女として、裏の顔では男とします」
「全ては主様の御心のままに」
「先程は気になる点はないと言いましたが、2つ気になる事がありましたわ」
「何でしょうか?」
「はい、1つ目はお名前についてです。
女性となるのであれば、女性用のお名前が必要かと思います」
「確かに女性でコウキという名前は少し違和感がありますね……わかりました、後ほど考えましょう。
それでもう1つは?」
「はい、それは……」
「それは?」
「女の子になったコウキ様が、どのような可愛い女の子になるのかと言う事ですわ!」
妖艶な笑みを浮かべて少し頬を赤らめたオルグイユは言い放ちました。
論破してくれるのかと言う俺の希望を打ち砕きながら……
「そ、そうですか」
「はい! 最も重要な事ですわ!!」
「フェルはどうでしょうか?」
興奮しているオルグイユは放置して、フェルに最後の希望をかけたのですが…
「ん、コウキがいいならそれで良い」
「そうですか……
わかりました、では早速終わらせるとしましょう」
等価交換で性別を買うのに必要な対価は、種族を買うのに必要であった対価の十分の一。
つまりは金貨にして1000枚です。
種族を買う時にも思いましたが。
平民では不可能にしても、貴族や大商人であれば払う事が出来る程度の対価と言うのはどうなのでしょうね。
(等価交換)
今回は表示される画面の中からステータスの項目を選択。
そして、その中から性別の項目を……
《性別を変更するために対価として金貨1000枚が必要です》
(魔物の死体を対価に設定、消費)
《…対価を設定、必要量に到達を確認しました》
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