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第26章 神魔衝突編

455話 観戦準備

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「っ~……えっ?」

 ちょっ!  ええっ!?
 何これ?  いま何が起こったの!?

「あはは……さすがですね」

「これは……」

 フィルにエレンお兄様。

「いったい何が……」

「うそっ!?」

「マジかよ……」

「凄まじいですね……」

「おいおい、マジか!」

「びっくり、した」

「本当に!」

「これはこれは」

「ふむ……」

「あの国の方々は……」

 イヴさん、ロイさん、ミルバレッドさん、イェーガーさん、ラピストさん、オラシオさん、シャドウさん、アルマさん、オネットさん!
 みんなもここにっ!!

「ここは……」

 王都の外壁の上みたいだけど……これってレフィーちゃんに、それも別々の場所にいた私達Sランク冒険者全員を、同じ場所に転移されたってことっ!?

「はぁ……まったく、お母様は」

「自由気ままというか、なんというかだな」

 ルミエ様とガルスさんはなんでそんなに落ち着いて……って!

「何やってるんですかっ!?」

 座り心地が良さそうなソファーにテーブル、飲み物と食べ物までっ!!
 というか!  そんなのどこから用意したんですかっ!?

「何って、観戦する準備に決まってるじゃねぇか」

「観戦する準備って……」

「ふふっ、ソフィーも早くこっちにいらっしゃい」

「……」

 なんなの?  ルミエ様とガルスさんの、この落ち着きようは!
 今まさに上空で!  私たちの目の前で……神話に語られる400年前の大戦が再現されようとしているのにっ!!

「心配しなくても大丈夫よ。
 ソフィーもだけど、フィルとエレン、あの場にいた貴方達は見たでしょう?
 お母様のあの貌を」

「それは……見ましたけど」

 さっきの女神アナスタシアに向かって、アイツは私の獲物って言った時のレフィーちゃんの顔。
 基本的にいつも無表情で、ちょっとだけ口角が上がったりする程度だけど……

 とっても、心底嬉しそうな表情。
 それなのになぜかゾッとするような、生物としての本能が、魂の根底から恐怖を感じるような……レフィーちゃんの笑顔。

「はっきり言って、お母様の強さは異常よ。
 お母様と同等に渡り合えるのはお父様くらいだし、ましてや勝てるのなんて……」

「この私、くらいだね!」

「っ!?  ネ、ネフェリアス様っ!!」

 いつの間に私の背後にっ!?

「久しぶりだね、ソフィーくん。
 さてと!  また前みたいにイタズラをしたいところだけど、悪魔ちゃんが怖いからそれはやめておくとして……このくらいでいいかな?」

 瞬間──

「これはっ……!!」

 ほんの一瞬。
 常人はもちろん、超一流とされるAランク冒険者でも、それどころか一年前の私達Sランク冒険者ですら気づけない程の刹那……

 ネフェリアス様から計り知れない魔素エネルギーが放たれて、王都を……それ以上に広大な、私では感知しきれない範囲を包み込んだ。

「まさか……今のは神域、ですか?」

「おっ!  さすがは悪魔ちゃんの愛子だね。
 その通り!  悪魔ちゃんはもちろんだけど、アナスタシアもかつて主神の地位にいた存在だからね。
 あの2人が本気でやり合うとなると……」

 なると……?

「大陸……というか、この世界そのものが、ちょっとマズイ事になる可能性が高い。
 だからとりあえず、この大陸を私の神域で覆って保護したんだよ」

 世界そのもの、とりあえず大陸……さすがに話の規模が大きすぎて……

「っと、そろそろ始まるみたいだね。
 ほら、キミ達も早く座って!  楽しむ悪魔ちゃんの……悪魔ちゃんとアナスタシアの戦いを観戦しようじゃないか!!」
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