上 下
451 / 460
第26章 神魔衝突編

451話 教えてあげる

しおりを挟む
「えっ?  えっ!?」

 ど、どういうことっ!?
 なんでレフィーちゃんがここにっ!!

「やはり、貴女の仕業でしたか」

 忌々しそうに話す女神アナスタシアの視線の先にいるのは……レフィーちゃん。
 当然のように、女神アナスタシアと対峙するみたい空に浮いてるけど、それはまぁ別にいい。

 レフィーちゃんは世界三大学園の妖精だもん。
 子猫サイズになったルミエ様をお膝の上に強制転移できちゃうほどだし、レフィーちゃんが空に浮いてる程度では今更驚かない。

 その程度では驚かないけど……今の女神アナスタシアのこのセリフ。
 貴女の仕業ってことは、まさか!  さっき女神アナスタシアを止めたのはレフィーちゃんってことっ!?

「うふふっ、お久しぶりです。
 まさかこうしてまた、貴女と対面できる日が来るとは思っておりませんでした」

 ガルスさんにも同じようなことを言ってたけど、女神アナスタシアとレフィーちゃんは面識が?

「原初の悪魔にして、悪魔族デーモンの頂点に君臨する彼らの神。
 全ての魔を司る……魔神レフィー」

「……へっ?」

 い、いまなんて?
 原初の悪魔?  悪魔族の頂点に君臨する神?
 レフィーちゃんが……魔神?

「確かに貴女は強い、それも圧倒的に。
 ですが……今の私を、かつての私と同じと考えてもらっては困ります。
 あの時は貴女に遅れをとりましたが、今度はそうは……」

「ソフィー、久しぶり」

「えっと……」

 思いっきり女神アナスタシアを無視して、私の目の前まで転移してきちゃったんだけど……いいのかな?

「むっ、ソフィー?
 どうか、したの?」

 あっ、かわいい……抱きしめたい!

「ふふっ、どうもしないですよ」

「怪我は、ない?」

「見ての通りです!」

「ん、ならいい」

 やっぱりレフィーちゃんはかわいい!
 あぁ~、自然と手がわきわきしちゃう……!
 こんな状況だから我慢してるけど、本当ならすぐにでも抱きしめたいわっ!!

「ソフィー……」

「はっ!」

 わ、私としたことが!
 この声音、後ろでフィルがちょっと呆れたような顔をしてる気がするけど……うん、後ろは振り返らないでおこう。

「こ、こほん!  それよりも、レフィーちゃん!
 どうしてここに?  それに女神アナスタシアが言ってる事って……!」

「ソフィーが混乱するのも無理はないわ。
 今のこの状況を完璧に把握しているのは、悪魔王国の住民を除いてこの大陸全土でもほんの数名だもの」

「ルミエ様……」

「こうしてアナスタシアも復活したわけだし……もうそろそろ、いいんじゃないかしら?
 ねぇ、お母様」

「……えっ?」

 ル、ルミエ様?  いまお母様って……

「どうせ、この状況もお母様の掌の上。
 全て計画通りなんでしょう?」

「ん、当然!」

 えっ?  えぇっ!?

「ちょ、ちょっと待ってくださいっ!
 まさか……」

 レフィーちゃんがルミエ様のお母様っ!?
 それって!  それってつまり!!

「レフィーちゃんが……魔法神ティフィア様!?」

「ん、その通り!
 ソフィーにも、他の人間達にも、教えてあげる」


 パチンっ!


 レフィーちゃんが、軽く指を打ち鳴らす音が鳴り響いた……
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢ですが最強ですよ??

鈴の音
ファンタジー
乙女ゲームでありながら戦闘ゲームでもあるこの世界の悪役令嬢である私、前世の記憶があります。 で??ヒロインを怖がるかって?ありえないw ここはゲームじゃないですからね!しかも、私ゲームと違って何故か魂がすごく特別らしく、全属性持ちの神と精霊の愛し子なのですよ。 だからなにかあっても死なないから怖くないのでしてよw 主人公最強系の話です。 苦手な方はバックで!

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

拝啓、お父様お母様 勇者パーティをクビになりました。

ちくわ feat. 亜鳳
ファンタジー
弱い、使えないと勇者パーティをクビになった 16歳の少年【カン】 しかし彼は転生者であり、勇者パーティに配属される前は【無冠の帝王】とまで謳われた最強の武・剣道者だ これで魔導まで極めているのだが 王国より勇者の尊厳とレベルが上がるまではその実力を隠せと言われ 渋々それに付き合っていた… だが、勘違いした勇者にパーティを追い出されてしまう この物語はそんな最強の少年【カン】が「もう知るか!王命何かくそ食らえ!!」と実力解放して好き勝手に過ごすだけのストーリーである ※タイトルは思い付かなかったので適当です ※5話【ギルド長との対談】を持って前書きを廃止致しました 以降はあとがきに変更になります ※現在執筆に集中させて頂くべく 必要最低限の感想しか返信できません、ご理解のほどよろしくお願いいたします ※現在書き溜め中、もうしばらくお待ちください

公爵家長男はゴミスキルだったので廃嫡後冒険者になる(美味しいモノが狩れるなら文句はない)

音爽(ネソウ)
ファンタジー
記憶持ち転生者は元定食屋の息子。 魔法ありファンタジー異世界に転生した。彼は将軍を父に持つエリートの公爵家の嫡男に生まれかわる。 だが授かった職業スキルが「パンツもぐもぐ」という謎ゴミスキルだった。そんな彼に聖騎士の弟以外家族は冷たい。 見習い騎士にさえなれそうもない長男レオニードは廃嫡後は冒険者として生き抜く決意をする。 「ゴミスキルでも美味しい物を狩れれば満足だ」そんな彼は前世の料理で敵味方の胃袋を掴んで魅了しまくるグルメギャグ。

最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である

megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。

異世界転生は、0歳からがいいよね

八時
ファンタジー
転生小説好きの少年が神様のおっちょこちょいで異世界転生してしまった。 神様からのギフト(チート能力)で無双します。 初めてなので誤字があったらすいません。 自由気ままに投稿していきます。

【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!

暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい! 政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。

公爵家次男はちょっと変わりモノ? ~ここは乙女ゲームの世界だから、デブなら婚約破棄されると思っていました~

松原 透
ファンタジー
異世界に転生した俺は、婚約破棄をされるため誰も成し得なかったデブに進化する。 なぜそんな事になったのか……目が覚めると、ローバン公爵家次男のアレスという少年の姿に変わっていた。 生まれ変わったことで、異世界を満喫していた俺は冒険者に憧れる。訓練中に、魔獣に襲われていたミーアを助けることになったが……。 しかし俺は、失敗をしてしまう。責任を取らされる形で、ミーアを婚約者として迎え入れることになった。その婚約者に奇妙な違和感を感じていた。 二人である場所へと行ったことで、この異世界が乙女ゲームだったことを理解した。 婚約破棄されるためのデブとなり、陰ながらミーアを守るため奮闘する日々が始まる……はずだった。 カクヨム様 小説家になろう様でも掲載してます。

処理中です...