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第24章 世界会議編
433話 鍵
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「ふむ」
協力、ね。
確かに私達が戦うとなれば……いくらフィルの結界があるとはいえ、勝敗以前に多かれ少なかれ周囲に被害が出る事は確実。
しかもここは四大国が一角、超大国と称されるレフィア神聖王国の王都レ・フィーア。
人口は万を優に超えて、10万にすら達するほどの大都市っ!!
ここで私達が衝突すれば、その被害は甚大なものとなるのは火を見るより明らか!
つまり、ミカエルの提案は悪くない。
悪くないんだけど……
「具体的に聞かせてもらえますか?」
そう簡単に、この私を説得できると思わないことねっ!!
むふふっ、社交界で月の女神と呼ばれ、名を馳せる私の華麗なる交渉術を見せてやるわ!
「もちろんです。
ソフィア・ルスキューレさん、そしてSランク冒険者の皆様は特異点たる愛子、その意味をご存知ですか?」
特異点たる愛子。
それは教団の連中が、私のことを呼ぶ時に使う呼称。
そして恐らくは……
現在は認識を阻害されてるから、ほとんどの人が忘れてるけど……魔神と恐れ、畏れられる魔王。
レオン陛下達、八魔王……
まぁ今は不死の呪王ナルダバートことドレイクさんと、教団のスパイで真実を冠する第六使徒でもあった灰燼の魔女ルイーナを除いて六柱だけど。
とにかくっ! そんな魔王達の頂点に君臨する、最強にして最古の魔王であり。
悪魔王国ナイトメアの女王にして、全ての魔を司る女神こと、世間では魔法神ティフィア様として知られる存在。
竜神にして悪魔王国ナイトメアの国王で、魔法神様の旦那様でもあるファルニクス様。
他にも七魔公の皆様やマリア先生とかから説明を受けたけど、名前だけはどうしてもノイズが走って聞き取れないから、私も暫定的に魔法神ティフィア様って呼んでるけど。
特異点たる愛子とは、そんな魔法神ティフィアの加護を持つ者を指す呼び名であり。
ルイーナを始め、連中が私を殺さずに捉えようとしてた事から、教団の目的を達するために必要となると思われる存在。
「えぇ、多少なら知っていますよ」
「それは何より。
ではもうわかっているとは思いますが……皆様が考えている通り、我らの目的を達するためには特異点たる愛子の存在が不可欠です」
やっぱり。
「続けてください」
「だからこそ、我らはソフィア・ルスキューレさん、特異点たる愛子である貴女の身柄を捕えようとしていました。
しかし……貴女に、貴女方に協力していただけるのなら、わざわざ戦う必要はありません」
それはそうだけど……
「我らはただ、目的を……400年に渡る宿願を叶えたいだけ。
貴女方と戦う気はないのです」
教団の目的、ね。
「教団……失礼しました、光の使徒の目的は、貴方達がいっている真なる神。
400年前の聖魔大戦において敗北し、封印された者……かつての主神、女神アナスタシアの復活ですよね?」
「その通りです」
これは悪魔王国で話を聞いて、ある程度予測してたから別に驚く事は何もないんだけど。
「それになぜ、特異点たる愛子……私の存在が必要となるのでしょうか?」
ファルニクス様から聞いた話によると、かの女神は魔法神ティフィア様の手によって別の世界。
かの女神を捕えるためだけに創造された、異世界に封印されているらしい。
神とはいえ、敵を捕えておくためだけに、丸々一つの世界を創造しちゃうなんてヤバすぎる話しだけど。
その囚われし女神を解放するために、なぜ私が必要なのか。
それが謎なんだよね~。
「我らが真なる神……アナスタシア様が囚われている世界は特殊なもので、いかに最高位天使である熾天使たる私でも干渉する事ができません。
しかし忌々しい悪魔の加護を持つ貴女だけは例外です」
という事はつまり……
「つまりソフィア・ルスキューレさん、貴女は……特異点たる愛子である貴女は、かの者が創造した世界に干渉できる、唯一の鍵なのですよ」
協力、ね。
確かに私達が戦うとなれば……いくらフィルの結界があるとはいえ、勝敗以前に多かれ少なかれ周囲に被害が出る事は確実。
しかもここは四大国が一角、超大国と称されるレフィア神聖王国の王都レ・フィーア。
人口は万を優に超えて、10万にすら達するほどの大都市っ!!
ここで私達が衝突すれば、その被害は甚大なものとなるのは火を見るより明らか!
つまり、ミカエルの提案は悪くない。
悪くないんだけど……
「具体的に聞かせてもらえますか?」
そう簡単に、この私を説得できると思わないことねっ!!
むふふっ、社交界で月の女神と呼ばれ、名を馳せる私の華麗なる交渉術を見せてやるわ!
「もちろんです。
ソフィア・ルスキューレさん、そしてSランク冒険者の皆様は特異点たる愛子、その意味をご存知ですか?」
特異点たる愛子。
それは教団の連中が、私のことを呼ぶ時に使う呼称。
そして恐らくは……
現在は認識を阻害されてるから、ほとんどの人が忘れてるけど……魔神と恐れ、畏れられる魔王。
レオン陛下達、八魔王……
まぁ今は不死の呪王ナルダバートことドレイクさんと、教団のスパイで真実を冠する第六使徒でもあった灰燼の魔女ルイーナを除いて六柱だけど。
とにかくっ! そんな魔王達の頂点に君臨する、最強にして最古の魔王であり。
悪魔王国ナイトメアの女王にして、全ての魔を司る女神こと、世間では魔法神ティフィア様として知られる存在。
竜神にして悪魔王国ナイトメアの国王で、魔法神様の旦那様でもあるファルニクス様。
他にも七魔公の皆様やマリア先生とかから説明を受けたけど、名前だけはどうしてもノイズが走って聞き取れないから、私も暫定的に魔法神ティフィア様って呼んでるけど。
特異点たる愛子とは、そんな魔法神ティフィアの加護を持つ者を指す呼び名であり。
ルイーナを始め、連中が私を殺さずに捉えようとしてた事から、教団の目的を達するために必要となると思われる存在。
「えぇ、多少なら知っていますよ」
「それは何より。
ではもうわかっているとは思いますが……皆様が考えている通り、我らの目的を達するためには特異点たる愛子の存在が不可欠です」
やっぱり。
「続けてください」
「だからこそ、我らはソフィア・ルスキューレさん、特異点たる愛子である貴女の身柄を捕えようとしていました。
しかし……貴女に、貴女方に協力していただけるのなら、わざわざ戦う必要はありません」
それはそうだけど……
「我らはただ、目的を……400年に渡る宿願を叶えたいだけ。
貴女方と戦う気はないのです」
教団の目的、ね。
「教団……失礼しました、光の使徒の目的は、貴方達がいっている真なる神。
400年前の聖魔大戦において敗北し、封印された者……かつての主神、女神アナスタシアの復活ですよね?」
「その通りです」
これは悪魔王国で話を聞いて、ある程度予測してたから別に驚く事は何もないんだけど。
「それになぜ、特異点たる愛子……私の存在が必要となるのでしょうか?」
ファルニクス様から聞いた話によると、かの女神は魔法神ティフィア様の手によって別の世界。
かの女神を捕えるためだけに創造された、異世界に封印されているらしい。
神とはいえ、敵を捕えておくためだけに、丸々一つの世界を創造しちゃうなんてヤバすぎる話しだけど。
その囚われし女神を解放するために、なぜ私が必要なのか。
それが謎なんだよね~。
「我らが真なる神……アナスタシア様が囚われている世界は特殊なもので、いかに最高位天使である熾天使たる私でも干渉する事ができません。
しかし忌々しい悪魔の加護を持つ貴女だけは例外です」
という事はつまり……
「つまりソフィア・ルスキューレさん、貴女は……特異点たる愛子である貴女は、かの者が創造した世界に干渉できる、唯一の鍵なのですよ」
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