上 下
425 / 460
第24章 世界会議編

425話 秘訣!

しおりを挟む
「う~ん、そろそろだと思うんだけど……」

 レフィア神聖王国の王城。
 その一室である会議室から転移して、昨日もレオン陛下を出迎えるために来た外壁の上!!

「まだ来ないね」

「うん」

 動くなら会議が始まってすぐにでも、なんらかのアクションがあるかと思ってたんだけど。
 予想が外れちゃったみたいね。

「こほん!  まだ敵は姿を見せていませんが……いつ何が起こるかわかりません。
 みんなもとりあえず、油断だけはしないように!」

 これでよし!
 まったく、Sランク冒険者のリーダーってのも大変だわ。
 まぁもう慣れたけども。

「それじゃあ!  敵に何か動きがあるまで……解散!」

 これが!  これこそが……みんなの、個性の塊と称されるSランク冒険者のリーダーを務める秘訣!!

「了解~、んじゃあ俺はちょっと、王都の様子でも見てくる事にしようかな?」

「あっ!  私も行く!!」

 王都の様子を見る……つまりは王都で開催されているお祭りに行くと言っているロイさん。
 そんなロイさんについて行くと、元気いっぱい満面の笑みを浮かべるフラン先輩。

 この2人は王都の様子を見て、すぐそばで王都の人々を見守る……なんてつもりは、さらさらない。
 めっちゃワクワクした顔をしてるし、単純にお祭りに行きたいだけだな。

「ふふっ、この2人だけだと不安だから、私も一緒について行く事にしますね」

「それでは、私もご同行するとしましょう」

 さすがはイヴさんと、ミルバレッドさん!

「わかりました、お願いします」

 これで王都のお祭りで、ロイさん達が問題を起こす事はない……はず。
 たぶん、きっと、おそらく!  そうだと思いたい。

「それじゃあ、俺は……」

「おい、何を」

「コイツと一緒に、ちょっとギルドに顔を出して来るよ」

「おいっ!  貴様、何を勝手にっ」

「何か異常が起こったらすぐに戻る。
 それじゃあ、また後でな」

「俺はまだ行くとは言ってな……」

「行ってらっしゃい~」

 イェーガーさんと、ズルズルと引きずられて行くシャドウさんを見送って。

「では、私も少し席を外すとしよう」

「わかりました。
 でも……あまり飲みすぎないようにしてくださいね」

 まぁアルマさんは、ロイさんやフラン先輩とは違って分別のついた大人だし。
 大丈夫だとは思うけど。

「はっはっはっ、さすがはソフィーくんだ。
 もちろん、心得ているよ」

 うん、ここはアルマさんを信じよう。

「私はここで少し、ゆっくりとする事にするわ」

「じゃあ私も!」

「右に同じく」

 オネットさん、オラシオさん、ラピストさんはここに残ると。

「そうだな……まぁ俺もここに残って、ゆっくりするとするか」

「っ!?」

 オネットさん達はいいとして、珍しくガルスさんもここに残るだってっ!?

「今日は何か不吉なことでもあるのかな?」

「嬢ちゃん、お前は俺をなんだと思ってるんだ……」

 なんだと思ってるって……それは当然、自由気ままな自由人。
 そして真実はどうであれ、約400年前から伝説と呼ばれている英雄の一人。

 今は序列二位に甘んじてるけど、その気になればルミエ様とも互角以上に渡り合える怪物。
 もとい、非常にあり得ないくらいに、非常識な人だと思ってるけど……

「うん」

 これは可哀想だから黙っていてあげるとしよう。

「いや、うんじゃなくてだな……はぁ……」

 ガルスさんがため息をついてるけど、細かい事は気にしない!
 それで後は……ルミエ様とエレンお兄様は、まぁいつも通り私を見てキャッキャしてるからいいとして。

「フィルはどうする?」

「僕もここに残るよ。
 ソフィーは?」

「当然!  私もここに残るわ!!」

 なにせ、私は自由気ままで個性の塊であるSランク冒険者達のリーダー!
 常識あるまとめ役なのだからっ!!

「ふふっ」

 いや~、さすがは私!
 一体誰が今の私の堂々たる姿を見て、蝶よ花よと育てられる深窓のご令嬢たら公爵令嬢だと思うだろうか?
 もういっそのこと、Sランク冒険者のリーダーを務める秘訣って本でもだそうかな?

 ここ数年の経験で導き出した、Sランク冒険者のみんなのリーダーを務める秘訣。
 それは……個性の塊である、みんなの行動を制限しないということなのだっ!!

「さてと」


 パチンっ!


 初めてあの場所に……特級任務の目的地だった、伝説に謳われる神の国。
 魔法神ティフィア様が治める、悪魔王国ナイトメアに辿り着いたあの日。

 それを目にした、触れた瞬間から私の心をガッツリと掴んで離さない、お気に入りのふかふかクッションを取り出して。
 あとは今朝、ファナに用意してもらったケーキと飲み物の用意をしてっと!

「これでよし!」

 それじゃあ!  私も敵に動きがあるまでは……ちょっと休憩しながら、最終確認でもするとしましょうか!!
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢ですが最強ですよ??

鈴の音
ファンタジー
乙女ゲームでありながら戦闘ゲームでもあるこの世界の悪役令嬢である私、前世の記憶があります。 で??ヒロインを怖がるかって?ありえないw ここはゲームじゃないですからね!しかも、私ゲームと違って何故か魂がすごく特別らしく、全属性持ちの神と精霊の愛し子なのですよ。 だからなにかあっても死なないから怖くないのでしてよw 主人公最強系の話です。 苦手な方はバックで!

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる

遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」 「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」 S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。 村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。 しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。 とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。

公爵家長男はゴミスキルだったので廃嫡後冒険者になる(美味しいモノが狩れるなら文句はない)

音爽(ネソウ)
ファンタジー
記憶持ち転生者は元定食屋の息子。 魔法ありファンタジー異世界に転生した。彼は将軍を父に持つエリートの公爵家の嫡男に生まれかわる。 だが授かった職業スキルが「パンツもぐもぐ」という謎ゴミスキルだった。そんな彼に聖騎士の弟以外家族は冷たい。 見習い騎士にさえなれそうもない長男レオニードは廃嫡後は冒険者として生き抜く決意をする。 「ゴミスキルでも美味しい物を狩れれば満足だ」そんな彼は前世の料理で敵味方の胃袋を掴んで魅了しまくるグルメギャグ。

拝啓、お父様お母様 勇者パーティをクビになりました。

ちくわ feat. 亜鳳
ファンタジー
弱い、使えないと勇者パーティをクビになった 16歳の少年【カン】 しかし彼は転生者であり、勇者パーティに配属される前は【無冠の帝王】とまで謳われた最強の武・剣道者だ これで魔導まで極めているのだが 王国より勇者の尊厳とレベルが上がるまではその実力を隠せと言われ 渋々それに付き合っていた… だが、勘違いした勇者にパーティを追い出されてしまう この物語はそんな最強の少年【カン】が「もう知るか!王命何かくそ食らえ!!」と実力解放して好き勝手に過ごすだけのストーリーである ※タイトルは思い付かなかったので適当です ※5話【ギルド長との対談】を持って前書きを廃止致しました 以降はあとがきに変更になります ※現在執筆に集中させて頂くべく 必要最低限の感想しか返信できません、ご理解のほどよろしくお願いいたします ※現在書き溜め中、もうしばらくお待ちください

最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である

megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。

異世界転生は、0歳からがいいよね

八時
ファンタジー
転生小説好きの少年が神様のおっちょこちょいで異世界転生してしまった。 神様からのギフト(チート能力)で無双します。 初めてなので誤字があったらすいません。 自由気ままに投稿していきます。

公爵家次男はちょっと変わりモノ? ~ここは乙女ゲームの世界だから、デブなら婚約破棄されると思っていました~

松原 透
ファンタジー
異世界に転生した俺は、婚約破棄をされるため誰も成し得なかったデブに進化する。 なぜそんな事になったのか……目が覚めると、ローバン公爵家次男のアレスという少年の姿に変わっていた。 生まれ変わったことで、異世界を満喫していた俺は冒険者に憧れる。訓練中に、魔獣に襲われていたミーアを助けることになったが……。 しかし俺は、失敗をしてしまう。責任を取らされる形で、ミーアを婚約者として迎え入れることになった。その婚約者に奇妙な違和感を感じていた。 二人である場所へと行ったことで、この異世界が乙女ゲームだったことを理解した。 婚約破棄されるためのデブとなり、陰ながらミーアを守るため奮闘する日々が始まる……はずだった。 カクヨム様 小説家になろう様でも掲載してます。

処理中です...