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第23章 世界会議編・序章

416話 残りの一国

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「ふぅ~」

 優雅に足を組み替えながらココアを一口飲んで、軽く伸びをして一息。

「さて」

 会議は踊る、されど進まず。
 な~んて、事はなく!  順調に会議は進んでるわけだけど……

「ここまでの話をまとめると、みんなの所でも教団の襲撃があったと」

 今回、各国の護衛としてレフィア神聖王国に来たのは、私とフィルを含めて8人。
 私とフィル、ロイさんとミルバレッドさん、オネットさんとフラン先輩、アルマさんとラピストさんの計4組。

「あったね。
 俺の護衛先でも、数回に渡って襲撃を受けた」

「まぁ、大した相手ではありませんでしたけどね」

「私達の所もだよ!
 ねっ、オネット」

「えぇ、計4回の襲撃を受けました」

「我々もフランくん達の所と同じくだ」

「ん」

 なるほど、なるほど。
 私達が護衛を引き受けた4カ国が、教団からの襲撃を受けたと。

「ふふふっ」

 教団の襲撃を受けた4組。
 私とフィルが護衛を務めた、イストワール王国。
 ロイさんとミルバレッドさんが護衛をした、アクムス王国。
 オネットさんとフラン先輩が護衛をした、ヴァリエ騎士王国。
 アルマさんとラピストさんが護衛をした、教国。

「予想通り、だったというわけですね」

 そう!  今回の世界会議に関する、各国王族や首脳陣の移動を狙った教団の襲撃。
 それを私達はある程度、予測していたのであるっ!!

 アクムス王国は四大国が一角で、その地位に恥じないだけの戦力を有している。
 とはいえ、現人神と称される皇帝陛下をはじめ、帝国守護の五姫を有するネフェリル帝国。

 そんなネフェリル帝国と並んで、超大国と称されるレフィア神聖王国。
 大賢者たるマリア先生の、魔導学園都市王国。
 他3国と比べると戦力面は劣る……というか、常識的だし。

 ヴァリエ騎士王国と教国は四大国には届かないまでも、大国と呼べる国といえるけど……その戦力はアクムス王国と同等。
 そして近年注目を集めているとはいえ、中堅国家であるイストワール王国は言わずもがな!

 てなわけで、あの日に全てを。
 世界の真実や、教団の真なる目的も知って、教団の次なる一手をある程度予測できるようになった。
 だから今回は、私達Sランク冒険者が護衛を務めていたのだ!!

「しかし……ソフィーちゃん達8人以外は、教団の拠点やら下部組織を潰して回ってたわけだが。
 他の国の連中は襲われなかったのか?」

 イェーガーさんのいう通り、私達8人以外は教団の拠点や下部組織を潰してて、誰も護衛にはついていない。
 だからその懸念は尤もといえる。

「この4カ国以外にも、教団の襲撃を受けた国が4つありました。
 まぁ、だからって心配する必要は一切ないんですけど」

 なにせ……

「教団の襲撃を受けたのは、四大国に名を連ねるネフェリル帝国、魔導学園都市王国。
 そして冒険者ギルド協会総本部、中央都市アバン」

「あぁ、なるほど。
 それは確かに、心配をする必要は一切ないね」

 まぁ、冒険者ギルド協会総本部は正確には国ではないんだけど、この3国に関しては、私達が護衛をするまでもない。
 なんせネフェリル帝国には、現人神ショウ・アラキ・ネフェリル皇帝陛下。
 そして伝説の英雄である、帝国守護の五姫が。

 魔導学園都市王国には、大賢者である女王マリア先生。
 そしてこれまた、伝説の英雄である冒険者パーティー星屑の剣のメンバーである、紅蓮の魔女ターニャ・ポルヴェレ様を筆頭とする十四賢者が。

 冒険者ギルド協会総本部にも、冒険者ギルド協会総括グランドマスターのガルドさん。
 副総括サブマスターであるクリスティアさんが。
 悔しいけど私達よりも、強い人達がいるわけだしね。

「それよりも問題なのは……どこの襲撃も下っ端の有象無象によるもの。
 残り4人の最高幹部である十使徒はもちろん、幹部クラスの者も1人もいなかったって事です」

 つまり、今回の移動を狙った教団の襲撃は、まったく本気じゃなかったわけだ。

「明日からは世界会議が開始されますし、教団があの程度の襲撃で手を引くとは思えませんからね。
 各自、油断しないように!」

「あの~、司令官殿」

「むっ」

 司令官殿……また、ロイさんったら懲りずに、また私を揶揄おうと。
 ふふふっ、いいでしょう!  なってやろうじゃないですか!!

「1つ聞きたいんだが、俺達が護衛した4カ国以外にも襲撃を受けた国は4つ。
 帝国と魔導学園都市王国、ギルド本部はいいとして、あと1つは……」

 おっ、やっぱり気になりますよね!

「それは……」

 その時、王都レ・フィーアの街から喧騒が湧き起こる。

「ふふっ、実際に見た方がいいですよ。
 私が口で言っても、そう簡単には信じられないでしょうから」

 なにせ……残りの一国はあの国!

「さぁ、ご挨拶しに行きましょうか」

 八魔王が一柱ヒトリ
 獣魔王レオン陛下が治める、獣王国ビスバロニスなのだから!!
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