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第23章 世界会議編・序章
414話 到着! レフィア神聖王国!!
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「よっ、と」
馬車から軽やかに降りて……
「んぅ~!」
伸びをして、体の凝りを解きほぐす!
本当なら公爵令嬢として、仮とはいえ王太子の婚約者として、絶対にあり得ない行動なんだけど。
従者の方や、先に降りた男性にエスコートされながら優雅に降りなきゃダメなんだけども!
細かい事は気にしないっ!!
だって! 今の私は……社交界で月の女神と称される天才令嬢、ソフィア・ルスキューレ公爵令嬢ではなく!
トレードマークである純白の仮面をつけた、Sランク冒険者〝白銀〟のソフィーなのだからっ!!
「ソフィー、いきなり馬車から飛び降りたら危ないよ」
「そうよ、ソフィーちゃん。
それに淑女たる者、ちゃんと殿方にエスコートしてもらわないと」
「むむむ~」
あとほんの2週間で同い年なのに、数ヶ月誕生日が早いからって、いつも保護者みたいに小言を言ってくるフィルはともかく。
フローラ様にも注意されてしまった。
「だって……久しぶりに長時間の馬車移動で疲れたんだもん」
仕方ないじゃんか!
確かに私は公爵令嬢ですし? 冒険者をしていない普段は、通に馬車を使って移動はしている。
でも! それは長くても数時間程度の話!!
最近……というか、ここ10年ほど長距離の移動はそのほとんどが転移魔法によるものだったのだ!
それなのに突然2週間も馬車にゆられるなんて、心身ともに疲弊して当然じゃんか!!
目的地に到着したという達成感と開放感から、馬車から即座に降りて伸びをしながら新鮮な空気を味わだちゃうのも仕方ないと思うわけだよ。
よって! これは致し方ない事なのである!! それに……
「まぁまぁ、2人ともそのくらいに。
ソフィーは護衛として、いち早く外に出て私達の安全を確認してくれたんだよね?」
「そう! その通りです!!」
さすがはエルヴァンおじさん! わかってますね!!
「護衛としての仕事をしっかりと遂行してくれたんだ。
優秀な護衛がいて助かるよ、ありがとうソフィー」
パチンとウインクしてくるエルヴァンおじさん。
アイコンタクトで例の件は黙っていてほしいと言っているのが見て取れる。
「むふふ」
もう~、仕方ないですね。
仕方ないから途中の街で、夜中にこっそりと宿を抜け出して酒場でお酒を飲んでいた件は私の心のうちにしまっておいてあげましょうっ!!
「むふふっ」
「ふふふっ」
「貴方達ね……」
「はぁ……」
エルヴァンおじさんと若干悪い顔で笑い合ってると、フローラ様には呆れたようなジト目で見られ。
フィルにはため息を疲れちゃったけど……
「こほん! まぁ、何はともあれ! 何事もなく無事に到着できて何よりですね!!」
「いやいや、何事もって……」
「道中、十数回に渡って教団の襲撃があったのだけれど……」
「ソフィー、それは流石に……」
あ、あれ? おかしいな。
なぜかフィルとフローラ様、そしてエルヴァンおじさんにも。
3人全員から呆れたような目で、ツッコまれちゃったんですけど。
「そ、そんな事より!」
気まずいっ! なんとかして話題を逸らさなければっ!!
「イストワール王国国王エルヴァン・エル・イストワール陛下、王妃フローラ・エル・イストワール陛下。
そして護衛や従者の皆々様、ようこそお越しくださいました」
私にとって気まずくて、よろしくない状況を打破するかの如く、そう言って優雅に一礼したシンプルなドレスのような制服に身を包んだ綺麗な紫の髪のご令嬢……
「私は皆様の滞在先である離宮へご案内させていただきます、王太子殿下が補佐官の1人。
エミリーと申します、どうぞよろしくお願いします」
「エミリーさんっ!!」
「ふふっ、ソフィー様、お久しぶりです。
丁度2週間ぶりですね」
「はい! 今回もお世話になります」
「ふふふ、ソフィー様がお好きなココアもご用意しておりますよ」
「えっ! 本当ですか!
ありがとうございます!」
さすがはエミリーさん、できる人だわ!!
「では、皆様こちらへ」
「わかりました!」
「あはは……エミリー嬢、お願いするよ」
っと、私とした事が、こう言う時は国王であるエルヴァンおじさんが返事をするべきだったのに、ついついいつもの調子で返事をしちゃった。
「ちょっと、ソフィーちゃん!
どうしてレフィア神聖王国の王太子殿下の補佐官なんてお方とお知り合いなの!?」
「そうだぞ、ソフィー!
まさか王太子殿下とも交流が!?」
「えっ、あ、はい。
この国の王太子殿下……とはお友達でして、よくお邪魔してお茶をしているんですよ」
まぁ、その王太子殿下っていうのは、そこにいるフィルなんだけど。
「「……」」
あれ? 黙り込んじゃって、お2人ともどうかしたのかな?
「「ソフィー」」
「は、はい!」
「「後で話があります」」
なぜか、ニッコリと。
それはもう有無を言わさない圧がたっぷりな、いい笑顔で告げられてしまったんですけどっ!!
馬車から軽やかに降りて……
「んぅ~!」
伸びをして、体の凝りを解きほぐす!
本当なら公爵令嬢として、仮とはいえ王太子の婚約者として、絶対にあり得ない行動なんだけど。
従者の方や、先に降りた男性にエスコートされながら優雅に降りなきゃダメなんだけども!
細かい事は気にしないっ!!
だって! 今の私は……社交界で月の女神と称される天才令嬢、ソフィア・ルスキューレ公爵令嬢ではなく!
トレードマークである純白の仮面をつけた、Sランク冒険者〝白銀〟のソフィーなのだからっ!!
「ソフィー、いきなり馬車から飛び降りたら危ないよ」
「そうよ、ソフィーちゃん。
それに淑女たる者、ちゃんと殿方にエスコートしてもらわないと」
「むむむ~」
あとほんの2週間で同い年なのに、数ヶ月誕生日が早いからって、いつも保護者みたいに小言を言ってくるフィルはともかく。
フローラ様にも注意されてしまった。
「だって……久しぶりに長時間の馬車移動で疲れたんだもん」
仕方ないじゃんか!
確かに私は公爵令嬢ですし? 冒険者をしていない普段は、通に馬車を使って移動はしている。
でも! それは長くても数時間程度の話!!
最近……というか、ここ10年ほど長距離の移動はそのほとんどが転移魔法によるものだったのだ!
それなのに突然2週間も馬車にゆられるなんて、心身ともに疲弊して当然じゃんか!!
目的地に到着したという達成感と開放感から、馬車から即座に降りて伸びをしながら新鮮な空気を味わだちゃうのも仕方ないと思うわけだよ。
よって! これは致し方ない事なのである!! それに……
「まぁまぁ、2人ともそのくらいに。
ソフィーは護衛として、いち早く外に出て私達の安全を確認してくれたんだよね?」
「そう! その通りです!!」
さすがはエルヴァンおじさん! わかってますね!!
「護衛としての仕事をしっかりと遂行してくれたんだ。
優秀な護衛がいて助かるよ、ありがとうソフィー」
パチンとウインクしてくるエルヴァンおじさん。
アイコンタクトで例の件は黙っていてほしいと言っているのが見て取れる。
「むふふ」
もう~、仕方ないですね。
仕方ないから途中の街で、夜中にこっそりと宿を抜け出して酒場でお酒を飲んでいた件は私の心のうちにしまっておいてあげましょうっ!!
「むふふっ」
「ふふふっ」
「貴方達ね……」
「はぁ……」
エルヴァンおじさんと若干悪い顔で笑い合ってると、フローラ様には呆れたようなジト目で見られ。
フィルにはため息を疲れちゃったけど……
「こほん! まぁ、何はともあれ! 何事もなく無事に到着できて何よりですね!!」
「いやいや、何事もって……」
「道中、十数回に渡って教団の襲撃があったのだけれど……」
「ソフィー、それは流石に……」
あ、あれ? おかしいな。
なぜかフィルとフローラ様、そしてエルヴァンおじさんにも。
3人全員から呆れたような目で、ツッコまれちゃったんですけど。
「そ、そんな事より!」
気まずいっ! なんとかして話題を逸らさなければっ!!
「イストワール王国国王エルヴァン・エル・イストワール陛下、王妃フローラ・エル・イストワール陛下。
そして護衛や従者の皆々様、ようこそお越しくださいました」
私にとって気まずくて、よろしくない状況を打破するかの如く、そう言って優雅に一礼したシンプルなドレスのような制服に身を包んだ綺麗な紫の髪のご令嬢……
「私は皆様の滞在先である離宮へご案内させていただきます、王太子殿下が補佐官の1人。
エミリーと申します、どうぞよろしくお願いします」
「エミリーさんっ!!」
「ふふっ、ソフィー様、お久しぶりです。
丁度2週間ぶりですね」
「はい! 今回もお世話になります」
「ふふふ、ソフィー様がお好きなココアもご用意しておりますよ」
「えっ! 本当ですか!
ありがとうございます!」
さすがはエミリーさん、できる人だわ!!
「では、皆様こちらへ」
「わかりました!」
「あはは……エミリー嬢、お願いするよ」
っと、私とした事が、こう言う時は国王であるエルヴァンおじさんが返事をするべきだったのに、ついついいつもの調子で返事をしちゃった。
「ちょっと、ソフィーちゃん!
どうしてレフィア神聖王国の王太子殿下の補佐官なんてお方とお知り合いなの!?」
「そうだぞ、ソフィー!
まさか王太子殿下とも交流が!?」
「えっ、あ、はい。
この国の王太子殿下……とはお友達でして、よくお邪魔してお茶をしているんですよ」
まぁ、その王太子殿下っていうのは、そこにいるフィルなんだけど。
「「……」」
あれ? 黙り込んじゃって、お2人ともどうかしたのかな?
「「ソフィー」」
「は、はい!」
「「後で話があります」」
なぜか、ニッコリと。
それはもう有無を言わさない圧がたっぷりな、いい笑顔で告げられてしまったんですけどっ!!
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