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第21章 魔の国編
383話 真実の力
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「っと、いうわけだ。
悪いが、すぐに終わらせてもらうぜ?」
おぉ~、さすがは魔王の一柱にして、獣王国を統べる獣王。
かっこいい!
「すぐに終わらせる? ふっ……ふふふっ! うふっふっふっ!! 」
「むっ」
レオン陛下のこの重圧を。
魔王覇気を真正面から受けてるのに……ルイーナのこの余裕。
「確かにレオン、貴方は強い。
貴方の力を見誤っていたのは認めるわ」
「そりゃどうも」
「けど……実力の全てを。
本当の実力を見せていなかったのは、貴方達だけだと思ったのかしら?」
「ほぉ~ん、お前も本当の実力を隠していたと?」
ま、マジですか……
「当然でしょう?
私は光の使徒のスパイとして、魔王の一柱に名を連ねていたのよ?
貴方達に本当の実力なんて、見せるわけがないじゃない」
確かに、言われてみればスパイだったルイーナが。
教団が仮想敵としていたであろう魔王である、レオン陛下達の前で本来の力を見せてるとは思えない。
うん、それはわかるよ? わかるんだけど!!
それってつまり……全力を出す事なく、ルイーナは魔王の一角に名前を連ねていたってことっ!?
「私のユニークスキル・正直者は、使い勝手が悪いのよ。
嘘を吐けば吐くほどに、ペナルティが科されるというデメリットが存在する」
「ペナルティだと?」
「そう、吐く嘘の大きさ、量、相手によってペナルティの度量は変化するのだけれど……このペナルティによって、私の魔素量は最大で1割、全体の10パーセントまで制限される」
10パーセント……?
「魔王を相手に嘘を吐いていた私の魔素量は、どれだけ制限されていたと思うかしら?」
「そりゃ、当然最大だろうな」
「ふふっ、その通りよ。
でもデメリットだけじゃなくて、ちゃんと大きなメリットも存在するのよ?
それが貴方達にこうして、わざわざ手の内を明かしている理由」
正直者というスキル名で、嘘を吐くとペナルティを負う。
という事は正直に、本当の事を話すと……
「嘘を吐かなければ、なんらかのメリットがある。
そうだな……魔素量が増加するってところか?」
「うふっ、その通りよ。
本当の事を話す度に正直者の権能による恩恵で、私の魔素量は最大で10倍にまで膨れ上がる」
「っ~!?」
んん~っ!? 今なんて!!
き、聞き間違いかな? 今ルイーナが10倍とか、意味不明な事を口走ったような気がするんですけど……
「そして私の正体を明かし、こうしてユニークスキルの説明をした今……私の魔素量は」
ッ────!!!
なんて、重圧。
レオン陛下すら……
「最大の恩恵を受け、本来の10倍」
今までに出会ってきた誰よりも、膨大で圧倒的な魔素量っ!!
「へぇ~、確かにすごい魔素量だが……本来の自身の魔素量の10倍だ。
ろくにコントロールもできなんじゃねぇのか?」
た、確かにレオン陛下の言う通り、本来の自身の魔素量の10倍もの魔素をコントロールするのは至難の業だと思う。
それは、魔王の一角に名を連ね、教団の最高幹部である十使徒が第六使徒であるルイーナと言えども例外じゃないはず。
でも……
「えぇ、確かにこの魔素を完璧にコントロールする事は、私にも不可能。
けれど……コントロールなんてする必要はないのよ」
そう。
これだけ膨大な魔素なら、解き放つだけで大破壊を引き起こす。
いちいち細かいコントロールなんて必要ない。
「うふふっ!」
空中に浮かび上がり、嗜虐的な目でレオン陛下を……私達を見下ろしたルイーナが楽しげに、狂ったような狂気に満ちた笑みを浮かべ……
「圧倒的な力を! 破壊の暴威を知りなさいっ!!」
瞬間──視界が真っ黒に染まる。
大地を穿つ、膨大な魔素の奔流が解き放たれた。
悪いが、すぐに終わらせてもらうぜ?」
おぉ~、さすがは魔王の一柱にして、獣王国を統べる獣王。
かっこいい!
「すぐに終わらせる? ふっ……ふふふっ! うふっふっふっ!! 」
「むっ」
レオン陛下のこの重圧を。
魔王覇気を真正面から受けてるのに……ルイーナのこの余裕。
「確かにレオン、貴方は強い。
貴方の力を見誤っていたのは認めるわ」
「そりゃどうも」
「けど……実力の全てを。
本当の実力を見せていなかったのは、貴方達だけだと思ったのかしら?」
「ほぉ~ん、お前も本当の実力を隠していたと?」
ま、マジですか……
「当然でしょう?
私は光の使徒のスパイとして、魔王の一柱に名を連ねていたのよ?
貴方達に本当の実力なんて、見せるわけがないじゃない」
確かに、言われてみればスパイだったルイーナが。
教団が仮想敵としていたであろう魔王である、レオン陛下達の前で本来の力を見せてるとは思えない。
うん、それはわかるよ? わかるんだけど!!
それってつまり……全力を出す事なく、ルイーナは魔王の一角に名前を連ねていたってことっ!?
「私のユニークスキル・正直者は、使い勝手が悪いのよ。
嘘を吐けば吐くほどに、ペナルティが科されるというデメリットが存在する」
「ペナルティだと?」
「そう、吐く嘘の大きさ、量、相手によってペナルティの度量は変化するのだけれど……このペナルティによって、私の魔素量は最大で1割、全体の10パーセントまで制限される」
10パーセント……?
「魔王を相手に嘘を吐いていた私の魔素量は、どれだけ制限されていたと思うかしら?」
「そりゃ、当然最大だろうな」
「ふふっ、その通りよ。
でもデメリットだけじゃなくて、ちゃんと大きなメリットも存在するのよ?
それが貴方達にこうして、わざわざ手の内を明かしている理由」
正直者というスキル名で、嘘を吐くとペナルティを負う。
という事は正直に、本当の事を話すと……
「嘘を吐かなければ、なんらかのメリットがある。
そうだな……魔素量が増加するってところか?」
「うふっ、その通りよ。
本当の事を話す度に正直者の権能による恩恵で、私の魔素量は最大で10倍にまで膨れ上がる」
「っ~!?」
んん~っ!? 今なんて!!
き、聞き間違いかな? 今ルイーナが10倍とか、意味不明な事を口走ったような気がするんですけど……
「そして私の正体を明かし、こうしてユニークスキルの説明をした今……私の魔素量は」
ッ────!!!
なんて、重圧。
レオン陛下すら……
「最大の恩恵を受け、本来の10倍」
今までに出会ってきた誰よりも、膨大で圧倒的な魔素量っ!!
「へぇ~、確かにすごい魔素量だが……本来の自身の魔素量の10倍だ。
ろくにコントロールもできなんじゃねぇのか?」
た、確かにレオン陛下の言う通り、本来の自身の魔素量の10倍もの魔素をコントロールするのは至難の業だと思う。
それは、魔王の一角に名を連ね、教団の最高幹部である十使徒が第六使徒であるルイーナと言えども例外じゃないはず。
でも……
「えぇ、確かにこの魔素を完璧にコントロールする事は、私にも不可能。
けれど……コントロールなんてする必要はないのよ」
そう。
これだけ膨大な魔素なら、解き放つだけで大破壊を引き起こす。
いちいち細かいコントロールなんて必要ない。
「うふふっ!」
空中に浮かび上がり、嗜虐的な目でレオン陛下を……私達を見下ろしたルイーナが楽しげに、狂ったような狂気に満ちた笑みを浮かべ……
「圧倒的な力を! 破壊の暴威を知りなさいっ!!」
瞬間──視界が真っ黒に染まる。
大地を穿つ、膨大な魔素の奔流が解き放たれた。
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