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第20章 ゲーム進行編
354話 接敵
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「ふぅ~」
ダメダメ、冷静にならないと。
犯罪組織・影の騎士がやってきたことを考えると、今すぐにでもヤツらの拠点を叩き潰してやりたいところだけど。
ここで私が動けば、セドリック達に私達の存在がバレちゃう可能性が高いし。
そして何より……ヤツら影の騎士は、魔王がバックについている犯罪組織。
乙女ゲームでは最後の最後に通信用の魔水晶で魔王に宣戦布告をするだけで、魔王本人がこの場に出てくる事はない。
けど下手に私が介入してしまうと、乙女ゲームとは違って魔王が出張ってくるかもしれない。
そうなったら非常にまずい。
乙女ゲームでは魔王は1人だけだったし、この世界における影の騎士の裏にいる魔王が誰なのかは知らないけど……魔王は全員が強大な力を持っている。
「なるほど、事前にソフィーから話は聞いていたけど……反吐が出るね」
「フィル」
「わかってる。
感情に任せて行動するようなヘマはしないよ」
昔戦ったナルダバートに勝てたのは、ナルダバートが私を下に見て油断していたから。
多分今でも本気でやり合ったら、どっちが勝つのかわからないだろうし。
霊峰ニュクスに住う全ての吸血鬼の頂点に君臨する、吸血鬼の女王である鮮血姫ルーナにも……あの時のルーナ様となら互角に戦う自信はあるけど、本気を出されれば多分まだまだ及ばない。
もし仮にこの場に魔王が出張ってきた場合、それでも負けるつもりは一切ないけど!
レフィア神聖王国の王都であるレ・フィーアにどれだけの被害が出るのかわからない。
ここは努めて冷静に。
感情に任せて影の騎士の拠点を潰したりするんじゃなくて、陰ながらのサポートに徹する!
予定通り、私達のする事は変わらない。
「ちょっと我慢してね。
すぐに治してあげるから!」
ボロボロで倒れた少年にエマが回復魔法をかける、ここまでは乙女ゲーム通り。
となると次は……
「フィル、一応周囲の警戒は怠らないようにね」
「誰に言ってるのさ」
戯けたように笑いながら肩をすくめてるけど……確かに愚問だったわね。
なんたってフィルは私と同じ、人類最強の一角!
この世界に15人しかいないSランク冒険者の1人、〝光天〟なわけだし。
「うぅ……」
「安心して、もう大丈夫だから」
「あぁ、もう安全だよ」
「しかしこの子の傷は一体……」
「いや、それ以前になんでこんな場所に子供が1人でいるんだ?」
「きな臭いですね……」
うめきながらも、ゆっくりと目を開いた少年に微笑みかけるエマと、そんなエマの肩を抱きながら優しく微笑むセドリック。
そして周囲を警戒しながらも意見を交わす他3人。
「あっ、あの……」
「ゆっくりでいいからお姉さん達に教えてくれる? 一体何が……」
戸惑っている少年に、エマが優しく語りかけ……
「っと、いたいた」
「っ!!」
エマの言葉を遮って通路の奥から聞こえてきた声に、少年が息を呑み、怯えたように肩を揺らして身をすくめる。
「あ? なんだこのガキどもは」
「さぁな、まっコイツが誰だろうと関係ねぇ」
「それもそうだ! クックック、しっかしバカだねぇ。
俺達から逃げられるとでも思ってたのか?」
「ったく、わざと逃したくせに何を言ってやがる」
「あっ、バレてた?」
「当然だろ、実験体があそこから逃げ出せるわけがないからな」
「悪い悪い。
けど……一瞬の希望を抱いてから絶望する顔が面白くてよぉ~」
「ほどほどにしておけよ?」
「わかってるって」
などと楽しげに話しながら、通路の奥から姿を表したのは……黒い騎士のような制服に身を包んだ2人の男。
「なんだ貴様らは……?」
セドリックが2人を鋭く見据え……
「あ? それを知ってどうする?
どうせそこの実験体も、お前らもここで死ぬのによ」
「ひっ……」
「「「「「っ!!」」」」」
男の片割の言葉に……放たれた鋭い殺気に少年がくぐもった悲鳴をあげて、セドリック達が息を呑んで身構える。
「まぁいいか、特別に教えてやるよ。
俺達は偉大なりしお方に仕えし秘密結社・影の騎士」
そう、コイツらがこの12階層にて拠点を構え。
拉致してきた子供達を使って、非道な人体実験を行なっている犯罪組織・影の騎士のメンバー。
しかも、この2人は……
「その中でも第九席と第八席に名を連ねる幹部様だ!」
影の騎士の中でもリーダーと3人の最高幹部に注ぐ実力を誇る5人の幹部。
つまりはトップクラスの実力者!!
ダメダメ、冷静にならないと。
犯罪組織・影の騎士がやってきたことを考えると、今すぐにでもヤツらの拠点を叩き潰してやりたいところだけど。
ここで私が動けば、セドリック達に私達の存在がバレちゃう可能性が高いし。
そして何より……ヤツら影の騎士は、魔王がバックについている犯罪組織。
乙女ゲームでは最後の最後に通信用の魔水晶で魔王に宣戦布告をするだけで、魔王本人がこの場に出てくる事はない。
けど下手に私が介入してしまうと、乙女ゲームとは違って魔王が出張ってくるかもしれない。
そうなったら非常にまずい。
乙女ゲームでは魔王は1人だけだったし、この世界における影の騎士の裏にいる魔王が誰なのかは知らないけど……魔王は全員が強大な力を持っている。
「なるほど、事前にソフィーから話は聞いていたけど……反吐が出るね」
「フィル」
「わかってる。
感情に任せて行動するようなヘマはしないよ」
昔戦ったナルダバートに勝てたのは、ナルダバートが私を下に見て油断していたから。
多分今でも本気でやり合ったら、どっちが勝つのかわからないだろうし。
霊峰ニュクスに住う全ての吸血鬼の頂点に君臨する、吸血鬼の女王である鮮血姫ルーナにも……あの時のルーナ様となら互角に戦う自信はあるけど、本気を出されれば多分まだまだ及ばない。
もし仮にこの場に魔王が出張ってきた場合、それでも負けるつもりは一切ないけど!
レフィア神聖王国の王都であるレ・フィーアにどれだけの被害が出るのかわからない。
ここは努めて冷静に。
感情に任せて影の騎士の拠点を潰したりするんじゃなくて、陰ながらのサポートに徹する!
予定通り、私達のする事は変わらない。
「ちょっと我慢してね。
すぐに治してあげるから!」
ボロボロで倒れた少年にエマが回復魔法をかける、ここまでは乙女ゲーム通り。
となると次は……
「フィル、一応周囲の警戒は怠らないようにね」
「誰に言ってるのさ」
戯けたように笑いながら肩をすくめてるけど……確かに愚問だったわね。
なんたってフィルは私と同じ、人類最強の一角!
この世界に15人しかいないSランク冒険者の1人、〝光天〟なわけだし。
「うぅ……」
「安心して、もう大丈夫だから」
「あぁ、もう安全だよ」
「しかしこの子の傷は一体……」
「いや、それ以前になんでこんな場所に子供が1人でいるんだ?」
「きな臭いですね……」
うめきながらも、ゆっくりと目を開いた少年に微笑みかけるエマと、そんなエマの肩を抱きながら優しく微笑むセドリック。
そして周囲を警戒しながらも意見を交わす他3人。
「あっ、あの……」
「ゆっくりでいいからお姉さん達に教えてくれる? 一体何が……」
戸惑っている少年に、エマが優しく語りかけ……
「っと、いたいた」
「っ!!」
エマの言葉を遮って通路の奥から聞こえてきた声に、少年が息を呑み、怯えたように肩を揺らして身をすくめる。
「あ? なんだこのガキどもは」
「さぁな、まっコイツが誰だろうと関係ねぇ」
「それもそうだ! クックック、しっかしバカだねぇ。
俺達から逃げられるとでも思ってたのか?」
「ったく、わざと逃したくせに何を言ってやがる」
「あっ、バレてた?」
「当然だろ、実験体があそこから逃げ出せるわけがないからな」
「悪い悪い。
けど……一瞬の希望を抱いてから絶望する顔が面白くてよぉ~」
「ほどほどにしておけよ?」
「わかってるって」
などと楽しげに話しながら、通路の奥から姿を表したのは……黒い騎士のような制服に身を包んだ2人の男。
「なんだ貴様らは……?」
セドリックが2人を鋭く見据え……
「あ? それを知ってどうする?
どうせそこの実験体も、お前らもここで死ぬのによ」
「ひっ……」
「「「「「っ!!」」」」」
男の片割の言葉に……放たれた鋭い殺気に少年がくぐもった悲鳴をあげて、セドリック達が息を呑んで身構える。
「まぁいいか、特別に教えてやるよ。
俺達は偉大なりしお方に仕えし秘密結社・影の騎士」
そう、コイツらがこの12階層にて拠点を構え。
拉致してきた子供達を使って、非道な人体実験を行なっている犯罪組織・影の騎士のメンバー。
しかも、この2人は……
「その中でも第九席と第八席に名を連ねる幹部様だ!」
影の騎士の中でもリーダーと3人の最高幹部に注ぐ実力を誇る5人の幹部。
つまりはトップクラスの実力者!!
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