282 / 460
第15章 訪問者編
282話 いまなんて……?
しおりを挟む
「いま、いきなり……」
「こんな事って……」
まぁ……フラン先輩とオネットさんが唖然としちゃうのも無理はない。
だって本当に突然、一切なんの前兆もなく転移して現れたわけだし。
転移魔法を使うと、本来は転移先の空間に存在する魔素が前兆として揺れ動く。
たとえそれがどれだけ熟練した者でも、私やアルトお兄様でもそれは変わらない。
転移先の空間に存在する魔素をどれだけ動かさずに転移するか、それで転移魔法における術者の技巧が見て取れるといってもいい。
熟練した者であればあるほど、魔素の動きは小さくなる。
けどそれはあくまでも小さくなるだけであって、ゼロになるわけではない。
よって! Sランク冒険者として優れた感知力を誇るであろうフラン先輩達が、突然現れたレヴィア様達に驚くのは至極当然!!
「ふふっ」
だがしかしっ! ルミエ様やマリア先生。
そして……七魔公と称される悪魔公たるレヴィア様やベル様は、まったく魔素を動かさずに転移することができる!!
レヴィア様とベル様いわく! 精神生命体にして自らの魔力によって肉体を構築する悪魔族は、この世界で最も魔法の扱いに長けた種族!!
そしてレヴィア様達クラスともならば、当然のように魔素すらも支配下に置いているのだとか。
つまり! 周囲の魔素を完全に支配下に置いているレヴィア様達には、まったく魔素を動かさずに転移することなんて容易いであるっ!!
私も初めてこの話を聞いたときは、それはもうびっくりし……
「ん?」
ちょっと待って。
周囲の魔素を支配下に置けば、なんの前兆もなく転移することができるってことは……今の私なら、その気になればできるんじゃ……
「ふふっ、その通りですよ」
「っ!! マジですかっ!?」
本当ですか! レヴィア様っ!?
「えぇ、もちろん。
まぁ尤も、多少の練習は必要でしょうけど……ソフィーちゃんなら、すぐにできるようになると思いますよ」
「っ~!!」
「ふふふ~! 今日はソフィーちゃんが到達者になったお祝いも兼ねてるんだよ~!
プレゼントも期待しててね~!!」
「レヴィア様、ベル様!
ありがとうございますっ!!」
確かにレヴィア様もベル様もよく遊びに来てくれるけど、お2人揃って来ることはあまりないから不思議に思ってたけど……まさか私が到達者になったことを知って、わざわざお祝いに来てくれてたなんて!!
「ちょっと今、聞き捨てならない事が聞こえたんだけれど……」
「ふふっ、2人の言ってる事は事実よ」
「あの、到達者ってなんなんですか?」
「まぁいいわ。
到達者については……後でソフィーちゃんから直接聞きなさい。
今はそれよりも……」
「ちょっとなんの話をしてるのかはわからなけど、貴方達だれっ!?」
「はっ!」
わ、私としたことが、ついついこの状況のことを失念していた!
なんらかの因縁があって悪魔を追う悪魔狩りであるフラン先輩とオネットさん、そして大悪魔であるレヴィア様とベル様が同じ室内で対面しちゃった!!
「ど、どうすれば……」
「あら、貴女達は見ない顔ですが……なるほど、人間にしてはそこそこ強い方ですね」
「う~ん、フィルくんと同等くらい?」
「マリアさん、この方達は?」
「Sランク冒険者の2人で、貴女達に用があって来そうよ」
「ちょっ!」
マリア先生っ!? なにをいってるんですかっ!!
「初めまして、私はオネット。
七色の魔女と呼ばれるSランク冒険者です。
それでこちらが……」
「フランです!
私も破炎って二つ名で呼ばれてる、Sランク冒険者です!!」
「七色の魔女に破炎……あぁ、悪魔狩りをされているSランク冒険者の方ですか」
「おっ、私達のことを知ってるの?」
「もちろんです」
よかった。
さすがは聡明なレヴィア様! これならレヴィア様とベル様が悪魔の中でも、最高位に位置する悪魔公だってことがフラン先輩達にバレる心配は……
「私はレヴィア。
いと尊き御方にお仕えする七魔公が一柱にして、悪魔界を統べる大悪魔に数えられる伯爵位の悪魔公です」
「「「えっ……」」」
レ、レヴィア様、いまなんて……?
「同じく~! いと尊き御方にお仕えする七魔公の一柱で、子爵位の悪魔公です~。
よろしくお願いしますね~!」
「悪魔公……」
「貴女達が、悪魔……」
ベル様まで!?
「「っ!!」」
あぁ、もうっ! なんでバラしちゃうんですかっ!!
「こんな事って……」
まぁ……フラン先輩とオネットさんが唖然としちゃうのも無理はない。
だって本当に突然、一切なんの前兆もなく転移して現れたわけだし。
転移魔法を使うと、本来は転移先の空間に存在する魔素が前兆として揺れ動く。
たとえそれがどれだけ熟練した者でも、私やアルトお兄様でもそれは変わらない。
転移先の空間に存在する魔素をどれだけ動かさずに転移するか、それで転移魔法における術者の技巧が見て取れるといってもいい。
熟練した者であればあるほど、魔素の動きは小さくなる。
けどそれはあくまでも小さくなるだけであって、ゼロになるわけではない。
よって! Sランク冒険者として優れた感知力を誇るであろうフラン先輩達が、突然現れたレヴィア様達に驚くのは至極当然!!
「ふふっ」
だがしかしっ! ルミエ様やマリア先生。
そして……七魔公と称される悪魔公たるレヴィア様やベル様は、まったく魔素を動かさずに転移することができる!!
レヴィア様とベル様いわく! 精神生命体にして自らの魔力によって肉体を構築する悪魔族は、この世界で最も魔法の扱いに長けた種族!!
そしてレヴィア様達クラスともならば、当然のように魔素すらも支配下に置いているのだとか。
つまり! 周囲の魔素を完全に支配下に置いているレヴィア様達には、まったく魔素を動かさずに転移することなんて容易いであるっ!!
私も初めてこの話を聞いたときは、それはもうびっくりし……
「ん?」
ちょっと待って。
周囲の魔素を支配下に置けば、なんの前兆もなく転移することができるってことは……今の私なら、その気になればできるんじゃ……
「ふふっ、その通りですよ」
「っ!! マジですかっ!?」
本当ですか! レヴィア様っ!?
「えぇ、もちろん。
まぁ尤も、多少の練習は必要でしょうけど……ソフィーちゃんなら、すぐにできるようになると思いますよ」
「っ~!!」
「ふふふ~! 今日はソフィーちゃんが到達者になったお祝いも兼ねてるんだよ~!
プレゼントも期待しててね~!!」
「レヴィア様、ベル様!
ありがとうございますっ!!」
確かにレヴィア様もベル様もよく遊びに来てくれるけど、お2人揃って来ることはあまりないから不思議に思ってたけど……まさか私が到達者になったことを知って、わざわざお祝いに来てくれてたなんて!!
「ちょっと今、聞き捨てならない事が聞こえたんだけれど……」
「ふふっ、2人の言ってる事は事実よ」
「あの、到達者ってなんなんですか?」
「まぁいいわ。
到達者については……後でソフィーちゃんから直接聞きなさい。
今はそれよりも……」
「ちょっとなんの話をしてるのかはわからなけど、貴方達だれっ!?」
「はっ!」
わ、私としたことが、ついついこの状況のことを失念していた!
なんらかの因縁があって悪魔を追う悪魔狩りであるフラン先輩とオネットさん、そして大悪魔であるレヴィア様とベル様が同じ室内で対面しちゃった!!
「ど、どうすれば……」
「あら、貴女達は見ない顔ですが……なるほど、人間にしてはそこそこ強い方ですね」
「う~ん、フィルくんと同等くらい?」
「マリアさん、この方達は?」
「Sランク冒険者の2人で、貴女達に用があって来そうよ」
「ちょっ!」
マリア先生っ!? なにをいってるんですかっ!!
「初めまして、私はオネット。
七色の魔女と呼ばれるSランク冒険者です。
それでこちらが……」
「フランです!
私も破炎って二つ名で呼ばれてる、Sランク冒険者です!!」
「七色の魔女に破炎……あぁ、悪魔狩りをされているSランク冒険者の方ですか」
「おっ、私達のことを知ってるの?」
「もちろんです」
よかった。
さすがは聡明なレヴィア様! これならレヴィア様とベル様が悪魔の中でも、最高位に位置する悪魔公だってことがフラン先輩達にバレる心配は……
「私はレヴィア。
いと尊き御方にお仕えする七魔公が一柱にして、悪魔界を統べる大悪魔に数えられる伯爵位の悪魔公です」
「「「えっ……」」」
レ、レヴィア様、いまなんて……?
「同じく~! いと尊き御方にお仕えする七魔公の一柱で、子爵位の悪魔公です~。
よろしくお願いしますね~!」
「悪魔公……」
「貴女達が、悪魔……」
ベル様まで!?
「「っ!!」」
あぁ、もうっ! なんでバラしちゃうんですかっ!!
0
お気に入りに追加
1,673
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢ですが最強ですよ??
鈴の音
ファンタジー
乙女ゲームでありながら戦闘ゲームでもあるこの世界の悪役令嬢である私、前世の記憶があります。
で??ヒロインを怖がるかって?ありえないw
ここはゲームじゃないですからね!しかも、私ゲームと違って何故か魂がすごく特別らしく、全属性持ちの神と精霊の愛し子なのですよ。
だからなにかあっても死なないから怖くないのでしてよw
主人公最強系の話です。
苦手な方はバックで!
異世界転生!俺はここで生きていく
おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。
同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。
今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。
だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。
意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった!
魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。
俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。
それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ!
小説家になろうでも投稿しています。
メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。
宜しくお願いします。
異世界転生 転生後は自由気ままに〜
猫ダイスキー
ファンタジー
ある日通勤途中に車を運転していた青野 仁志(あおの ひとし)は居眠り運転のトラックに後ろから追突されて死んでしまった。
しかし目を覚ますと自称神様やらに出会い、異世界に転生をすることになってしまう。
これは異世界転生をしたが特に特別なスキルを貰うでも無く、主人公が自由気ままに自分がしたいことをするだけの物語である。
小説家になろうで少し加筆修正などをしたものを載せています。
更新はアルファポリスより遅いです。
ご了承ください。
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
拝啓、お父様お母様 勇者パーティをクビになりました。
ちくわ feat. 亜鳳
ファンタジー
弱い、使えないと勇者パーティをクビになった
16歳の少年【カン】
しかし彼は転生者であり、勇者パーティに配属される前は【無冠の帝王】とまで謳われた最強の武・剣道者だ
これで魔導まで極めているのだが
王国より勇者の尊厳とレベルが上がるまではその実力を隠せと言われ
渋々それに付き合っていた…
だが、勘違いした勇者にパーティを追い出されてしまう
この物語はそんな最強の少年【カン】が「もう知るか!王命何かくそ食らえ!!」と実力解放して好き勝手に過ごすだけのストーリーである
※タイトルは思い付かなかったので適当です
※5話【ギルド長との対談】を持って前書きを廃止致しました
以降はあとがきに変更になります
※現在執筆に集中させて頂くべく
必要最低限の感想しか返信できません、ご理解のほどよろしくお願いいたします
※現在書き溜め中、もうしばらくお待ちください
公爵家長男はゴミスキルだったので廃嫡後冒険者になる(美味しいモノが狩れるなら文句はない)
音爽(ネソウ)
ファンタジー
記憶持ち転生者は元定食屋の息子。
魔法ありファンタジー異世界に転生した。彼は将軍を父に持つエリートの公爵家の嫡男に生まれかわる。
だが授かった職業スキルが「パンツもぐもぐ」という謎ゴミスキルだった。そんな彼に聖騎士の弟以外家族は冷たい。
見習い騎士にさえなれそうもない長男レオニードは廃嫡後は冒険者として生き抜く決意をする。
「ゴミスキルでも美味しい物を狩れれば満足だ」そんな彼は前世の料理で敵味方の胃袋を掴んで魅了しまくるグルメギャグ。
最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。
異世界転生は、0歳からがいいよね
八時
ファンタジー
転生小説好きの少年が神様のおっちょこちょいで異世界転生してしまった。
神様からのギフト(チート能力)で無双します。
初めてなので誤字があったらすいません。
自由気ままに投稿していきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる