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第15章 訪問者編

276話 拘束させてもらいます!!

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 マリア先生が展開している学園の結界を破壊し、私の久しぶりだった平穏な日常をぶち壊してくれた犯人。
 大剣を肩に担いで不敵な笑みを浮かべる、真紅の髪と瞳をした美少女。

「ふむ」

 見たところ、歳の頃は15から16歳ってところだけど。
 さっきの一撃のあの威力!  とても見た目通りの少女の持つ力じゃない。

 エリート中のエリートであるオルガマギア魔法学園の生徒はもちろん、教師陣ですらさっきの一撃に耐えられる人が果たしてどれほどいるか。

「まぁ、もっとも……」

「まだまだ行くよっ!」

 真紅の襲撃班の姿が書き換えて……


 ドゴッ──!!


 背後から袈裟懸けに振り下ろされた大剣を受け止める!

「うそっ!」  

「この程度の攻撃なんて、私には通用しませんけどね!」

 確かにスピードも威力も超一流!
 並の者なら反応することもできずに両断……というよりかは叩き潰されそうだけど。
 とにかく!  一撃で敗北を喫するだろう。

 だがしかしっ!!
 さっきは様子見も兼ねて、受け止めると同時に背後に飛んで威力を殺したけど……この程度ならその場から微動だにせずに受け止められるのだよ!!

「それに……」

「っ!!」

 受け止めていた大剣を、氷冷の太刀の腹を滑らせて受け流し!

「これだけじゃありませんよ?」

 そのまま回転して背後に回りこんで……体制を崩して無防備な背中を一閃っ!!


 ギィッンッ!!


「うっ……!」

 弾き飛ばされたとはいえ、今のに反応して身の丈ほどもある大剣で私の一閃を受け止めるとは。

「ちょっとキミ!  そんな身体なのに、どんな力してるのっ!?
 この私が吹っ飛ばされるなんて!!」

 まぁ襲撃者さんが驚くのもムリはない。
 筋トレもしっかりしてるはずなのに……腕も足もお腹周りも細くてザ・貴族令嬢ってスタイルだもん。
 自分でいうのもなんだけど、私のスタイルはすごくいい。

 認めよう、確かに素の私の力は弱い。
 そりゃあ普通の貴族令嬢達と比べれば強いだろうけど、腕相撲をしてもお兄様達にもフィルにも勝てない。
 だけど……私には身体強化という魔法があるっ!!

 この身体強化を駆使することによって、私の身体能力は飛躍的に向上するっ!!
 それこそ世間一般で人類最強の一角と呼ばれる、Sランク冒険者に相応しい身体能力に!

「けど!  私だってまだまだ全力じゃないんだからっ!」


 ドゴォッ!!


 振り下ろされる大剣を受け止め……

「ヒュー!  やっるぅ~!!」

 流れるような綺麗な動作で放たれる垂直切りを受け流す。

「はぁっ!!」

 声を上げながら身の丈ほどもある大剣からは考えられないような速度の連撃を、その場から一歩も動かずに捌き切るっ!!

「っ~!  うっそ!!
 全部捌かれたっ!?」

「この程度なら何度やっても無意味です。
 それよりも、私の質問に答えてください……学園の結界を破壊したのは貴女ですよね?」

「そっ!  あの結界を破壊したのは私達だよ。
 しかし……今のでも傷一つつけられないどころか、一歩もその場から動かすことすらできないなんて。
 キミ、本当にやるね!」

「ふっ」

 当然!  この私を誰だと心得るっ!!
 私はこのオルガマギア魔法学園の生徒にして教師、そきて第一魔塔に所属する大魔道士!!
 さらには最年少Sランク冒険者だったり!

 他にもつい先日は到達者という称号を獲得し、世界に認められし真の強者の仲間入りを果たしたりと!
 色々と肩書きを持ってるけど……孤高の悪役令嬢!  ソフィア・ルスキューレとは私のことなのだよ!!

「ここは魔法の学園だって聞いてたのに、まさかこんな実力者がいるなんて。
 キミは何者なの?」

「私はこの学園の生徒にして教師。
 最年少Sランク冒険者でもある白銀のソフィーです」

「へっ?  生徒にして教師??
 い、いや!  ちょっと持って!  それ以前に最年少Sランク冒険者って……!?」

「こほん、とにかく!  貴女のことは拘束させてもらいます!!」
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