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第14章 白銀の教師編
254話 見つけちゃった?
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おばっ、おおおおばけがっ!
おばけの手が私の肩にぃっ!?
「ちょっ、ソフィー!?」
ど、どうすれば! いや、落ち着け私。
そもそもこの手は本当におばけのものなのか? そう断言するのは早計というもの!!
確かに、確かに今この校舎には人間は私以外にいない。
犯人もまだ来てないみたいだし。
けど……もしかしたら! 人間以外のなにかはいるかもしれないじゃん!!
あれ? んんっ? それって結局おばけってことなんじゃ……!?
「どっ、どうすれば!」
ここは振り返って確認するべきなんだろうけど……もし振り返って、そこにおばけがいた場合。
そんなのトラウマ確定じゃん! というか怖くてそんなのはムリっ!! ならば、取れる選択肢は1つ!!
「転移っ!」
誰もいない教室から、一瞬にして視界が切り替わる。
当然! 肩に置かれていた手もなくなったわけで……
「ふっ、ふふふ、見たか!
たとえ誰であろうと、おばけだろうと私の転移にはついて来れない!!」
仮にもSランク冒険者の!
孤高の悪役令嬢たる私にとって、あの程度の死地を脱することなんて容易いのだよ!!
「ふぅ~」
それに! これは逃げたわけじゃない!
うんうん、ファナ達の心配を……お嬢様は怖がりだから、深夜の学園に1人で行くなんてやめた方がいいって、心配するファナ達を大丈夫って押し切って来たのだ。
そんな私がおばけ如きにビビったり、怖がったりして逃げるわけがない!!
そう! これは戦略的撤退であって、断じて逃げたわけじゃないのである!!
ここは私とフィルとミラさん、3人だけが知っている秘密基地。
まぁマリア先生には速攻でバレたし、ルミエ様はいつも私と一緒にいるから、厳密には3人だけじゃないんだけど。
とにかく! この秘密基地は学園の地下に存在する、一部の授業でも使われてる七大迷宮・大罪と学園の中間地点に位置する。
ここなら今回の事件を引き起こしていると思われる犯人も、深夜の校舎を徘徊するおばけも入ってこれない。
「よし!」
さっきは不意打ちをくらってちょっとだけ取り乱しちゃったけど、ここで一度体制を整えて反撃にでてやるわっ!
トン
「……ほぇ?」
今トンって、肩にトンって……
「っ~!!」
な、なんでっ! どうしてっ!?
ここには特殊な結界が展開してあって、たとえこの場所を突き止めても、私とフィルとミラさんとマリア先生とルミエ様しか入れないはずなのにっ!!
「まったく、ちょっと落ち着い……」
「ひゃぁぁぁあ!!」
こ、これがおばけの能力っ!?
やばい、足に力が……
「うぅっ……!」
私のバカ!
どうして1人で来ちゃったの!! いや、それ以前にどうしてこんな作戦を提案しちゃったのっ!?
「はっ!」
そうだ! 全力で魔力を解き放って、私の肩に手を置いてるなにかを吹き飛ばしちゃえばいい……
「ソフィー!!」
「っ!!」
こ、この声はっ!!
「ソフィー、ちょっと落ち着い……」
「フィ、フィル~!!」
「うわっ」
あぁ~、フィルだ。
フィルに抱きついてると、フィルの匂いがして落ち着く。
「あはは……そんなに怖いなら、素直に怖いって言えばいいのに」
「だってぇ……Sランク冒険者なのに、おばけが怖いなんて恥ずかしいんだもん」
「あらら、これは本当に怖がってるね。
いつもなら怖がってる事を認めないソフィーが、素直におばけが怖いって認めるとは……」
「ぐすっ」
今回の作戦は私が提案したものだけど……もうやだ、帰りたい。
今すぐふかふかなベッドで、ルミエ様を抱きしめて、ファナに抱きしめられながら眠りたい。
「ほら、そんなに泣かないで。
とりあえず学園に戻らないと……立てる?」
「むり、腰が抜けちゃった。
あと……学園に転移で戻るのは危険すぎる! またいつどこからあのおばけが出没するかっ!!」
「あはは……わかったよ。
じゃあ肩をかすから、歩いて学園まで戻ろう。
それならまだ、おばけに対して心の準備ができるでしょ?」
「うん……わかった」
学園とその下にある七大迷宮・大罪との中間地点にあるここから、学園まで歩いて帰るには10分ほどかかるし。
その時間があればもうちょっと落ち着く事ができる……それになりより、今はフィルが一緒にいる!!
「あと、さっきからソフィーが言ってるおばけって、多分だけど僕のことだからね?
じゃあ、行こうか」
「うん……うん?」
ちょ、ちょっと待って!
「フィル、今なんて……?」
もしかして、おばけの正体がフィルだっていわなかった?
「さっ! 行くよ」
「ちょっと待って!」
ニッコリと笑みを浮かべたフィルが秘密基地の扉を開け放ち……
「いか、ないと……」
「早く、行かないと……」
「……ねぇ、フィル」
「なに?」
「今の見た?」
「見た」
なにやら呟きながら下の方へ……七大迷宮へと続く坂道を降っていく、オルガマギア魔法学園の制服を着た2人の男女。
「これは……」
もしかして、事件の原因を見つけちゃった?
「よし! フィル、あの2人の後を尾行するわよ!!」
おばけの手が私の肩にぃっ!?
「ちょっ、ソフィー!?」
ど、どうすれば! いや、落ち着け私。
そもそもこの手は本当におばけのものなのか? そう断言するのは早計というもの!!
確かに、確かに今この校舎には人間は私以外にいない。
犯人もまだ来てないみたいだし。
けど……もしかしたら! 人間以外のなにかはいるかもしれないじゃん!!
あれ? んんっ? それって結局おばけってことなんじゃ……!?
「どっ、どうすれば!」
ここは振り返って確認するべきなんだろうけど……もし振り返って、そこにおばけがいた場合。
そんなのトラウマ確定じゃん! というか怖くてそんなのはムリっ!! ならば、取れる選択肢は1つ!!
「転移っ!」
誰もいない教室から、一瞬にして視界が切り替わる。
当然! 肩に置かれていた手もなくなったわけで……
「ふっ、ふふふ、見たか!
たとえ誰であろうと、おばけだろうと私の転移にはついて来れない!!」
仮にもSランク冒険者の!
孤高の悪役令嬢たる私にとって、あの程度の死地を脱することなんて容易いのだよ!!
「ふぅ~」
それに! これは逃げたわけじゃない!
うんうん、ファナ達の心配を……お嬢様は怖がりだから、深夜の学園に1人で行くなんてやめた方がいいって、心配するファナ達を大丈夫って押し切って来たのだ。
そんな私がおばけ如きにビビったり、怖がったりして逃げるわけがない!!
そう! これは戦略的撤退であって、断じて逃げたわけじゃないのである!!
ここは私とフィルとミラさん、3人だけが知っている秘密基地。
まぁマリア先生には速攻でバレたし、ルミエ様はいつも私と一緒にいるから、厳密には3人だけじゃないんだけど。
とにかく! この秘密基地は学園の地下に存在する、一部の授業でも使われてる七大迷宮・大罪と学園の中間地点に位置する。
ここなら今回の事件を引き起こしていると思われる犯人も、深夜の校舎を徘徊するおばけも入ってこれない。
「よし!」
さっきは不意打ちをくらってちょっとだけ取り乱しちゃったけど、ここで一度体制を整えて反撃にでてやるわっ!
トン
「……ほぇ?」
今トンって、肩にトンって……
「っ~!!」
な、なんでっ! どうしてっ!?
ここには特殊な結界が展開してあって、たとえこの場所を突き止めても、私とフィルとミラさんとマリア先生とルミエ様しか入れないはずなのにっ!!
「まったく、ちょっと落ち着い……」
「ひゃぁぁぁあ!!」
こ、これがおばけの能力っ!?
やばい、足に力が……
「うぅっ……!」
私のバカ!
どうして1人で来ちゃったの!! いや、それ以前にどうしてこんな作戦を提案しちゃったのっ!?
「はっ!」
そうだ! 全力で魔力を解き放って、私の肩に手を置いてるなにかを吹き飛ばしちゃえばいい……
「ソフィー!!」
「っ!!」
こ、この声はっ!!
「ソフィー、ちょっと落ち着い……」
「フィ、フィル~!!」
「うわっ」
あぁ~、フィルだ。
フィルに抱きついてると、フィルの匂いがして落ち着く。
「あはは……そんなに怖いなら、素直に怖いって言えばいいのに」
「だってぇ……Sランク冒険者なのに、おばけが怖いなんて恥ずかしいんだもん」
「あらら、これは本当に怖がってるね。
いつもなら怖がってる事を認めないソフィーが、素直におばけが怖いって認めるとは……」
「ぐすっ」
今回の作戦は私が提案したものだけど……もうやだ、帰りたい。
今すぐふかふかなベッドで、ルミエ様を抱きしめて、ファナに抱きしめられながら眠りたい。
「ほら、そんなに泣かないで。
とりあえず学園に戻らないと……立てる?」
「むり、腰が抜けちゃった。
あと……学園に転移で戻るのは危険すぎる! またいつどこからあのおばけが出没するかっ!!」
「あはは……わかったよ。
じゃあ肩をかすから、歩いて学園まで戻ろう。
それならまだ、おばけに対して心の準備ができるでしょ?」
「うん……わかった」
学園とその下にある七大迷宮・大罪との中間地点にあるここから、学園まで歩いて帰るには10分ほどかかるし。
その時間があればもうちょっと落ち着く事ができる……それになりより、今はフィルが一緒にいる!!
「あと、さっきからソフィーが言ってるおばけって、多分だけど僕のことだからね?
じゃあ、行こうか」
「うん……うん?」
ちょ、ちょっと待って!
「フィル、今なんて……?」
もしかして、おばけの正体がフィルだっていわなかった?
「さっ! 行くよ」
「ちょっと待って!」
ニッコリと笑みを浮かべたフィルが秘密基地の扉を開け放ち……
「いか、ないと……」
「早く、行かないと……」
「……ねぇ、フィル」
「なに?」
「今の見た?」
「見た」
なにやら呟きながら下の方へ……七大迷宮へと続く坂道を降っていく、オルガマギア魔法学園の制服を着た2人の男女。
「これは……」
もしかして、事件の原因を見つけちゃった?
「よし! フィル、あの2人の後を尾行するわよ!!」
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