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第14章 白銀の教師編

250話 授業!

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 真っ赤な炎が燃え上がり。
 きらめく水が地面を濡らす。
 白い風の刃が吹き荒れ。
 青白い雷鳴が轟き。
 大地が胎動する。

 世界三大学園の一角であるオルガマギア魔法学園にいくつも訓練場の1つ。
 ここでは今!  多くの生徒達によって……多種多様な、本当に数々の魔法が放たれているっ!!

「うんうん」

 素晴らしい!
 さすがはすさまじい倍率競争を勝ち抜いて、オルガマギア魔法学園に入学を果たした秀才達!  っていったところかな?

 ここにいる生徒達のほとんどが、まだ10代で若いのに……放たれる魔法は威力、精度共にかなりのもの。
 むふふ~!  さすがは私の生徒達!  将来有望だわー!!

「なにニヤニヤしてるの?」

「ニヤっ!?  べ、別にニヤニヤなんてしてないし!」

「はいはい」

「むぅ」

 フィルめ!  なんだその、やれやれって感じの態度はっ!!

「こほん!  しんどくなった人、また怪我をした人はこっちで休んでください。
 他の人達はそのまま続けるように!!」

「「「「「「「「はい!!」」」」」」」」

 うん、良い返事だ。
 さすがにこれだけの……400人近くいると返事もすごい。

「しかし……まさか、本当にこんな授業を実行するとはね」

「当然!」

 現在、この訓練場で行われているのは……生徒同士による一対一の試合!

「魔法も剣術も、確かに訓練は大事だけど……実戦に勝るものはないし、これなら一石二鳥でしょ?」

 私の講義のテーマはズバリ!  実戦能力の向上と、生き残る技術を磨くこと!!
 いくら魔法の知識を持っていようと、熟練した技術があろうとも……実戦で使えなければ意味がないとまではいわないけど、使えるに越したことはない!

 そして、最終的な目標は受講生全員が、転移魔法を習得すること!!
 転移魔法は非常に便利な魔法だけど、その難易度は非常に高い。

 実は上級生でも使えるのは一部の人だけだし、新入生で使える者なんてほとんどいない。
 この実戦形式の試合なら、生徒達の実力の向上に加えてもう一つの目的もこなせて、非常に効率がいいといえる!

 学園の保護結界を使えば、重症者は出ないし。
 これは断じて座学の講義をするのが性に合わないとか、そんな理由で実戦形式の試合を行なっているわけではないのである!!

「魔力量の増加ね」

「いかにも!」

 各々の素質によって上限は違うものの、一般的に魔力は回復する時に僅かに増幅するとされている。
 また、魔力量の向上率は幼少期が最も高く、成人すればほとんど成長が止まってしまう。

 では!  既に自身の素質の限界まで魔力量を上げている場合、もしくは成人してしまっている場合。
 この場合は魔力を増やすことはできないのかというと、一概にはそうとはいい切れないんだけど……

 それはともかく!  いま重要なのは……ギリギリまで使えば使うほど、回復時に魔力が多く増加するということ!
 つまり!  魔力を効率的に伸ばすためには、意図して魔力を限界まで消費し、魔力欠乏症に陥るのが効果的なのだ!!

「いや本当に、わざとギリギリまで魔力を使って魔力欠乏症になる事で、魔力を増やすなんて方法を授業で行うとはね……」

 まぁ、フィルの言わんとすることもわかる。

「でも、これが一番効率がいいんだよ?」

 実際、私もお兄様達との授業で何回も魔力欠乏症になるまで魔法を使ってたわけだし。
 いわば!  これは最年少賢者であるアルトお兄様直伝の修行方法といえる!!

「あはは、まぁ確かにそうかもしれないけどね……」

 まぁ結構な授業をしてる自覚はある。
 でも!  軽度の魔力欠乏症になって、気分が悪くなった生徒のためにこうして休憩所も用意してるし!!
 アフターケアは万全!!  のはず……

「ねぇねぇ!  ソフィア先生!」

「ん?  どうかしましたか?」

「先生は学園の七不思議って知っていますか?」

「学園の七不思議、ですか……」

 本当なら休憩中とはいえ、授業中だし雑談をするのはないかもだけど……生徒とのコミュニケーションも先生の仕事!
 それに!  興味津々って顔でこっちを見てくる、休憩中の生徒達の目を見ちゃうと、授業中に関係ない話をしない!  なんて野暮なことはいえない!!

「ふっふっふ~、もちろんです!
 確かに私は皆さんの先生でもありますけど、その前にこの学園の生徒なんですよ?
 知らないはずがありません!!」
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