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第13章 動き出す運命編

241話 弩級の問題児

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「にゅふふ~」

「ソフィー……だらしない顔になってるよ?
 それににゅふふって……」

「ふふっ、でもそんなソフィーちゃんも可愛いわ~!」

「いやまぁ、それは否定しませんけど。
 一応ソフィーは教師って立場でもあるんだから、そんなだらしない顔をしてたら生徒達にナメられるよ?」

「むっ」

 失敬な!  一応とはなんだ、一応とは!!
 私はオルガマギア魔法学園の学園長にして、四大国が一角に数えられる魔法大国!
 魔導学園都市王国の女王陛下でもあるマリア先生直々に、特別名誉教授に任命された立派な教師なんだから!!

「こほん!  フィルくん、先生である私にそんなことをいってもいいのかね?」

「うわぁ……横暴だ」

「ふふ~ん、この通り!  私だってやろうと思えば偉そうな先生を演じられるんだよ?
 それに……私の実力もわからずに、私のことをナメる人にはナメさせておけばいい」

 だって……

「あとで力で黙らせればいいだけだもん!」

 この学園では外での地位も身分も関係ない!  実力こそ全てなのである!!
 調子に乗ってる貴族出身のお坊ちゃまなんて、けちょんけちょんにしてやるわ!

「そもそもSランク冒険者にナメてかかる人なんていないと思うけど……」

「確かに……」

 まっミラさんのいう通り、これでも私はSランク冒険者として有名だし?
 私をナメてかかってくる人なんていないかもしれないけど……それならそれで問題ない。

 とにかく!  イストワール王国では王城でも、王立学園でも常に完璧な公爵令嬢として。
 第一王子の婚約者であり、未来の王妃に相応しい言動を求められる。

 だから素ですごせるのは、お家公爵邸だけなんだけど……ここでは違う!!
 ここオルガマギア魔法学園では、学園内で知り得た情報を許可なく漏洩してはならないってルールがある。

 それもただのルールじゃなくて、契約魔法で縛られた破ることのできないルールが!
 つまりっ!  この学園の中だったら、周囲の目を気にすることなく素ですごせるのである!!

「ふむむっ!」

「あら、ソフィアさん」

「あっ!  カミラさん、おはようございます」

「おはようございます。
 しかし……相変わらずギリギリね」

「生徒会長!  そうなんですよ。
 ソフィーちゃんが全然来ないから、私達も心配で……」

 ちょっ!  ミラさん!?

「ミラさん、私はもう生徒会長では……」

「いえ!  私達にとって、カミラ先輩はずっと生徒会長です!!」

 それはわかる!
 私達が入学したときに生徒会長だったカミラさんには……色々と迷惑をかけちゃった自覚がある。

 魔法の実験で教室を吹き飛ばしちゃったときとか、フィルとの手合わせで訓練場を半壊させちゃったときとか。
 なにかと問題を起こしては、カミラさんは後始末を手伝ってくれた。

 今では私と同じく、マリア先生の第一魔塔に所属する魔導士で、オルガマギア魔法学園の先生の1人だけど。
 私達にとって生徒会長といえば、カミラさんだもんね!

「まぁ貴方達という弩級の問題児のおかげで、どんな生徒も問題児に見えなったのは認めるけど」

「「「……」」」

 ま、まずい!  今カミラさんと目を合わせたらまずいっ!
 なんとかこの話題を逸らさなければ!!

「そ、それより!  今日は楽しみにしててくださいね!!」

「露骨に話を逸らしたわね」

「そ、そんなことありませんよ?
 とにかく!  入学式が始まっちゃいますし、そろそろ中に入りましょうか!!」

 今年の主席入学者であるリアットさんの答辞も聞かないとだし!!
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