238 / 460
第13章 動き出す運命編
238話 運命が動き出す
しおりを挟む
イストワール王立学園の入学式。
溜まりに溜まっていたセドリックに対する愚痴も、リアットさんに話すことができただけではなく……
もはや見慣れてしまったメイド服ではなく。
王族の専用席でウェルバーと一緒に、綺麗なドレスを着て座ってる可愛いミネルバも見れた!!
とまぁ、私的には非常に有意義な入学式がつつがなく終わり。
各自引率の先生に従って、教室に移動することになったんだけど……
「ふふふ、これから5年間ソフィア嬢と一緒に学べると思うと、楽しみですね」
「ええ、そうですね」
私は全然楽しみじゃないですけどね!!
はぁ……どうしてこんなことに? 本当なら今頃、リアットさんと話に花を咲かせながら移動してたはずなのに……
現実は当然のように私をエスコートしつつ、爽やかな笑顔を浮かべるセドリック。
そして、そんなセドリックっと私の後ろをついてくる側近の3人。
侯爵家の嫡男にして、宰相令息でもあるオズワルド・アイビー。
腹黒メガネの姿が見えないから、もしかしてなんらかの要因で入学しなかったのかな?
なんて期待したけど、そんな都合のいいことはなく。
どうやら新入生総代として答辞をするセドリックのために入学式の準備を手伝っていたとのこと。
まぁ今は別にオズワルドのことはどうでもいい!
重要なのは私がセドリックにエスコートされていて、その周りを側近が固めているという事実のみ!!
「……」
「ん? そんなに私の顔を見つめて、どうかしたかな?」
見つめてないしっ!!
「いえ、なんでもありませんわ」
非常~に居心地が悪いんですけど。
いやまぁ婚約者だから、私のエスコートをするのは不自然じゃないんだけども……
爽やかな笑顔を浮かべるセドリックを見て、頬を染めながらキャッキャと盛り上がってるご令嬢達。
騙されたらダメだからね!?
確かにセドリックの容姿は整ってる。
さすがは攻略対象の1人にして、乙女ゲームのメインヒーローなだけはある。
けど……本当に顔だけだから!!
王族らしくファナ達には横暴だし、なにをいっても自分の都合のいいように脳内変換するストーカーだからっ! っていいたい、いいたいけど……
「本当に大丈夫ですか?」
「ふふっ、ご心配ならさず」
さすがにそれはいえないんだよな~。
「本当ですか? 先程から気分が優れなさそうですが……私の前では無理をする必要はありませんよ?」
「いえ、少し考えごとをしていただけで、本当になんともありませんから」
しいていえば、この状況のせいです。
はぁ……まだ聖女エマも召喚されてないのに、前途多難な学園生活になる気がするわ……
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「もうすぐです」
美しい女神像の前に設置された円卓を囲う10の席。
そのうち最も女神像に近い位置に座る、純白のローブに身を包んだ人物が焦がれるような声音で……
「我ら十使徒を一度ならず、二度三度と退けた実力と幸運。
流石は特異点たる愛子、運命に守られし者といったところでしょうか?」
何もかもが白く厳かな空気に包まれた空間。
他9つの空席を眺めながら男は1人、しかしながら誰かに語りかけるように独り言を呟く。
「あぁ、我らが真なる神よ……もうすぐです。
もうすぐ貴方様の、そしてこの私の宿願が叶う!」
バサァ
「皆を、我が同志達を招集しなければ」
男が席から立ち上がった拍子に、純白のローブから白い翼が覗き……
「もうしばらくお待ちください。
来るべき日は近い……ついに、ついに運命が動き出す」
その場所には最初から誰もいなかったかのように、舞い落ちた白い羽だけを残して男の姿が掻き消えた。
溜まりに溜まっていたセドリックに対する愚痴も、リアットさんに話すことができただけではなく……
もはや見慣れてしまったメイド服ではなく。
王族の専用席でウェルバーと一緒に、綺麗なドレスを着て座ってる可愛いミネルバも見れた!!
とまぁ、私的には非常に有意義な入学式がつつがなく終わり。
各自引率の先生に従って、教室に移動することになったんだけど……
「ふふふ、これから5年間ソフィア嬢と一緒に学べると思うと、楽しみですね」
「ええ、そうですね」
私は全然楽しみじゃないですけどね!!
はぁ……どうしてこんなことに? 本当なら今頃、リアットさんと話に花を咲かせながら移動してたはずなのに……
現実は当然のように私をエスコートしつつ、爽やかな笑顔を浮かべるセドリック。
そして、そんなセドリックっと私の後ろをついてくる側近の3人。
侯爵家の嫡男にして、宰相令息でもあるオズワルド・アイビー。
腹黒メガネの姿が見えないから、もしかしてなんらかの要因で入学しなかったのかな?
なんて期待したけど、そんな都合のいいことはなく。
どうやら新入生総代として答辞をするセドリックのために入学式の準備を手伝っていたとのこと。
まぁ今は別にオズワルドのことはどうでもいい!
重要なのは私がセドリックにエスコートされていて、その周りを側近が固めているという事実のみ!!
「……」
「ん? そんなに私の顔を見つめて、どうかしたかな?」
見つめてないしっ!!
「いえ、なんでもありませんわ」
非常~に居心地が悪いんですけど。
いやまぁ婚約者だから、私のエスコートをするのは不自然じゃないんだけども……
爽やかな笑顔を浮かべるセドリックを見て、頬を染めながらキャッキャと盛り上がってるご令嬢達。
騙されたらダメだからね!?
確かにセドリックの容姿は整ってる。
さすがは攻略対象の1人にして、乙女ゲームのメインヒーローなだけはある。
けど……本当に顔だけだから!!
王族らしくファナ達には横暴だし、なにをいっても自分の都合のいいように脳内変換するストーカーだからっ! っていいたい、いいたいけど……
「本当に大丈夫ですか?」
「ふふっ、ご心配ならさず」
さすがにそれはいえないんだよな~。
「本当ですか? 先程から気分が優れなさそうですが……私の前では無理をする必要はありませんよ?」
「いえ、少し考えごとをしていただけで、本当になんともありませんから」
しいていえば、この状況のせいです。
はぁ……まだ聖女エマも召喚されてないのに、前途多難な学園生活になる気がするわ……
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「もうすぐです」
美しい女神像の前に設置された円卓を囲う10の席。
そのうち最も女神像に近い位置に座る、純白のローブに身を包んだ人物が焦がれるような声音で……
「我ら十使徒を一度ならず、二度三度と退けた実力と幸運。
流石は特異点たる愛子、運命に守られし者といったところでしょうか?」
何もかもが白く厳かな空気に包まれた空間。
他9つの空席を眺めながら男は1人、しかしながら誰かに語りかけるように独り言を呟く。
「あぁ、我らが真なる神よ……もうすぐです。
もうすぐ貴方様の、そしてこの私の宿願が叶う!」
バサァ
「皆を、我が同志達を招集しなければ」
男が席から立ち上がった拍子に、純白のローブから白い翼が覗き……
「もうしばらくお待ちください。
来るべき日は近い……ついに、ついに運命が動き出す」
その場所には最初から誰もいなかったかのように、舞い落ちた白い羽だけを残して男の姿が掻き消えた。
0
お気に入りに追加
1,673
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢ですが最強ですよ??
鈴の音
ファンタジー
乙女ゲームでありながら戦闘ゲームでもあるこの世界の悪役令嬢である私、前世の記憶があります。
で??ヒロインを怖がるかって?ありえないw
ここはゲームじゃないですからね!しかも、私ゲームと違って何故か魂がすごく特別らしく、全属性持ちの神と精霊の愛し子なのですよ。
だからなにかあっても死なないから怖くないのでしてよw
主人公最強系の話です。
苦手な方はバックで!
異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!
夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。
ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。
そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。
視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。
二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。
*カクヨムでも先行更新しております。
黄金蒐覇のグリード 〜力と財貨を欲しても、理性と対価は忘れずに〜
黒城白爵
ファンタジー
とある異世界を救い、元の世界へと帰還した玄鐘理音は、その後の人生を平凡に送った末に病でこの世を去った。
死後、不可思議な空間にいた謎の神性存在から、異世界を救った報酬として全盛期の肉体と変質したかつての力である〈強欲〉を受け取り、以前とは別の異世界にて第二の人生をはじめる。
自由気儘に人を救い、スキルやアイテムを集め、敵を滅する日々は、リオンの空虚だった心を満たしていく。
黄金と力を蒐集し目指すは世界最高ランクの冒険者。
使命も宿命も無き救世の勇者は、今日も欲望と理性を秤にかけて我が道を往く。
※ 更新予定日は【月曜日】と【金曜日】です。
※第301話から更新時間を朝5時からに変更します。
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
拝啓、お父様お母様 勇者パーティをクビになりました。
ちくわ feat. 亜鳳
ファンタジー
弱い、使えないと勇者パーティをクビになった
16歳の少年【カン】
しかし彼は転生者であり、勇者パーティに配属される前は【無冠の帝王】とまで謳われた最強の武・剣道者だ
これで魔導まで極めているのだが
王国より勇者の尊厳とレベルが上がるまではその実力を隠せと言われ
渋々それに付き合っていた…
だが、勘違いした勇者にパーティを追い出されてしまう
この物語はそんな最強の少年【カン】が「もう知るか!王命何かくそ食らえ!!」と実力解放して好き勝手に過ごすだけのストーリーである
※タイトルは思い付かなかったので適当です
※5話【ギルド長との対談】を持って前書きを廃止致しました
以降はあとがきに変更になります
※現在執筆に集中させて頂くべく
必要最低限の感想しか返信できません、ご理解のほどよろしくお願いいたします
※現在書き溜め中、もうしばらくお待ちください
公爵家長男はゴミスキルだったので廃嫡後冒険者になる(美味しいモノが狩れるなら文句はない)
音爽(ネソウ)
ファンタジー
記憶持ち転生者は元定食屋の息子。
魔法ありファンタジー異世界に転生した。彼は将軍を父に持つエリートの公爵家の嫡男に生まれかわる。
だが授かった職業スキルが「パンツもぐもぐ」という謎ゴミスキルだった。そんな彼に聖騎士の弟以外家族は冷たい。
見習い騎士にさえなれそうもない長男レオニードは廃嫡後は冒険者として生き抜く決意をする。
「ゴミスキルでも美味しい物を狩れれば満足だ」そんな彼は前世の料理で敵味方の胃袋を掴んで魅了しまくるグルメギャグ。
最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。
異世界王女に転生したけど、貧乏生活から脱出できるのか
片上尚
ファンタジー
海の事故で命を落とした山田陽子は、女神ロミア様に頼まれて魔法がある世界のとある国、ファルメディアの第三王女アリスティアに転生!
悠々自適の贅沢王女生活やイケメン王子との結婚、もしくは現代知識で無双チートを夢見て目覚めてみると、待っていたのは3食草粥生活でした…
アリスティアは現代知識を使って自国を豊かにできるのか?
痩せっぽっちの王女様奮闘記。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる