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第12章 アクムス王国編
230話 愛子の力
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「ギュォォッ!!!」
何度も、何度も、何度も……執拗にクラーケンの死体に繰り返される海竜の攻撃。
「これは……」
まるでビーチにいる私達のことなんて、目に入っていないって感じだ。
「ギュォッ!!」
まぁそれでも、さすがは海の覇者と称される海竜。
ここまで攻撃の余波が届いてるから、非常に危ないことには変わりないんだけども。
「ギュゥ! ギュォォ!!」
余波はフィルが結界を展開して、防いでくれてるからいいとして……なんだろう、この感じ。
なんというか……さっきからあの海竜の激しい怒りと、深い悲しみがないまぜになった感情が伝わってくるような……
「やっぱりソフィーにも感じられるようね、あの海竜の気持ちが」
やっぱり勘違いじゃないんだ!
「ルミエ様、これって……」
「ふふっ、ソフィーが加護を持っているからよ」
「なるほど……」
つまり私にあの海竜の感情がわかるのは、ルミエ様の加護のおかげってわけか。
でも……そうなると魔法神の試練にいた水竜や、大海の試練にいた水竜の感情は伝わってこなかったのはなんでなんだろ?
「それはその子達がまだ幼かったからね。
流石に今のソフィーではまだ、小さく微弱な感情までは感じ取れないのよ」
ほほう。
今のってことはつまり、いずれはあの可愛い水竜達の気持ちもわかるようになると!
「愛子はその加護を授けた存在の種族や、その系譜にあたる存在、眷属とも心を通わせるって言われてるからね。
ルミ……白竜王の加護を持つソフィーなら、竜種と心を通わせることで、その感情がわかっても不思議じゃないよ」
「へぇ~」
そうなんだ、さすがは私の相棒たるフィル! 物知りだわ~。
しかし……さすがはルミエ様の加護だわっ!
まさかルミエ様の加護に、竜眼以外にそんな力まであったなんて!!
「へぇ~って、まさか知らなかったの?」
「ぅっ……」
だ、だって! 王子妃教育でも王妃教育でも、愛子は大切にしないとダメだってことしか教わらなかったんだもん!!
「ソフィー……前から思っていたけど、ソフィーは自分の力に対して無頓着すぎる」
「そ、そんなことない!」
今でもほとんど毎日、寝る前にステータスを確認してるし。
自分の実力はちゃんと把握してる! はず……
「本当に?」
「うっ」
そ、そういわれると不安に……
「僕も手伝うから、今日の夜からちゃんと確認するよ? いいね?」
「……はい」
おかしい、このパーティーのリーダーは私のはずなのに。
まずい! この微妙な、なんともいえない空気をどうにかしなければ!!
「こほん! とにかく、今はあの海竜をどうにかしないと!!」
このままずっと暴れられたら、いずれ王都フェニルにも被害が及んじゃうだろうし。
「とはいえ……」
どうしたものか。
下手に手を出して、今はクラーケンに向いてる怒りが、こっちに向けられたら目も当てられない。
「う~ん」
「ふふっ、それじゃあここはソフィーに活躍してもらうとしましょうか」
「えっ?」
私ですか?
「ルミエ様、それってどういう……」
「竜種の愛子であるソフィーならできるはずよ。
あの海竜の怒りを鎮めることが」
何度も、何度も、何度も……執拗にクラーケンの死体に繰り返される海竜の攻撃。
「これは……」
まるでビーチにいる私達のことなんて、目に入っていないって感じだ。
「ギュォッ!!」
まぁそれでも、さすがは海の覇者と称される海竜。
ここまで攻撃の余波が届いてるから、非常に危ないことには変わりないんだけども。
「ギュゥ! ギュォォ!!」
余波はフィルが結界を展開して、防いでくれてるからいいとして……なんだろう、この感じ。
なんというか……さっきからあの海竜の激しい怒りと、深い悲しみがないまぜになった感情が伝わってくるような……
「やっぱりソフィーにも感じられるようね、あの海竜の気持ちが」
やっぱり勘違いじゃないんだ!
「ルミエ様、これって……」
「ふふっ、ソフィーが加護を持っているからよ」
「なるほど……」
つまり私にあの海竜の感情がわかるのは、ルミエ様の加護のおかげってわけか。
でも……そうなると魔法神の試練にいた水竜や、大海の試練にいた水竜の感情は伝わってこなかったのはなんでなんだろ?
「それはその子達がまだ幼かったからね。
流石に今のソフィーではまだ、小さく微弱な感情までは感じ取れないのよ」
ほほう。
今のってことはつまり、いずれはあの可愛い水竜達の気持ちもわかるようになると!
「愛子はその加護を授けた存在の種族や、その系譜にあたる存在、眷属とも心を通わせるって言われてるからね。
ルミ……白竜王の加護を持つソフィーなら、竜種と心を通わせることで、その感情がわかっても不思議じゃないよ」
「へぇ~」
そうなんだ、さすがは私の相棒たるフィル! 物知りだわ~。
しかし……さすがはルミエ様の加護だわっ!
まさかルミエ様の加護に、竜眼以外にそんな力まであったなんて!!
「へぇ~って、まさか知らなかったの?」
「ぅっ……」
だ、だって! 王子妃教育でも王妃教育でも、愛子は大切にしないとダメだってことしか教わらなかったんだもん!!
「ソフィー……前から思っていたけど、ソフィーは自分の力に対して無頓着すぎる」
「そ、そんなことない!」
今でもほとんど毎日、寝る前にステータスを確認してるし。
自分の実力はちゃんと把握してる! はず……
「本当に?」
「うっ」
そ、そういわれると不安に……
「僕も手伝うから、今日の夜からちゃんと確認するよ? いいね?」
「……はい」
おかしい、このパーティーのリーダーは私のはずなのに。
まずい! この微妙な、なんともいえない空気をどうにかしなければ!!
「こほん! とにかく、今はあの海竜をどうにかしないと!!」
このままずっと暴れられたら、いずれ王都フェニルにも被害が及んじゃうだろうし。
「とはいえ……」
どうしたものか。
下手に手を出して、今はクラーケンに向いてる怒りが、こっちに向けられたら目も当てられない。
「う~ん」
「ふふっ、それじゃあここはソフィーに活躍してもらうとしましょうか」
「えっ?」
私ですか?
「ルミエ様、それってどういう……」
「竜種の愛子であるソフィーならできるはずよ。
あの海竜の怒りを鎮めることが」
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