181 / 460
第10章 英雄台頭編
181話 もう1人
しおりを挟む
窓から差し込む光を背に、黒い革張りの椅子に腰掛け。
広々とした机に肘をついて、顔の前で両手を組合む。
まさに威風堂々! 一国の国王にも劣らない空気を身に纏う人物……
「この人が……」
最古の現役Sランク冒険者にして、約400年前の聖魔大戦において活躍した英雄。
冒険王と称されるガルスさんとも張り合う、ガッチリとしたこの体格! この重圧!!
「統括」
全ての冒険者達の頂点に位置する人。
各国の各街に存在する、全ての冒険者ギルドを束ねる人物っ!
冒険者ギルドという、強大な武略を保有する超多国籍機関を統べる男っ!!
「おぉ~!」
さすがは冒険者ギルドの頂点に立つ人物! めちゃくちゃカッコいいっ!!
あっ、でも副統括のクリスティアさんとは違ってエルフじゃないんだ。
「……統括」
「何かね?」
っ~! 冒険者ギルドの頂点に君臨する2人の会話っ!!
い、いったいどんな会話を──
「なにを格好をつけているのですか?」
「へ?」
んん~? ク、クリスティアさん……??
「そうよ、気持ち悪いからやめてくれるかしら?」
「ルミエの言う通りです。
似合わない事はしない方でください、ちょっと鳥肌が立ちました」
し、辛辣っ!!
ルミエ様もクリスティアさんも辛辣っ!!
しかも……2人ともまるでゴミでも見るかのような、すさまじく冷たい目をしてるし……
「ちょっ、お前らなぁ……」
あ、あれ? 怒って、ない?
「ったく、最初の印象が大事だって言い出したのはクリスティア、お前だろ?」
「だからといって、何故そうなるのですか?
こうも言ったはずですよね? 貴方はただでさえ見た目に威圧感があるのですから、可能な限り紳士的に出迎えてくださいと」
「いや、だからこうしてだな……」
「ですから、私のアドバイスを受けて何故こうなるのですか?」
「それは、その……」
これは……いったいどういうことなの?
というか、私達は……私は今! なにを見せられてるのっ!?
「ふふっ、実はあの2人は夫婦なのよ」
「へぇ~」
冒険者ギルド頂点に立つ統括であるガルドさんと、副統括のクリスティアさんってご夫婦なんだ……
「へっ? ふ、夫婦っ!?」
「そうよ。
まぁ見ての通り、すっかりに尻に敷かれてるんだけど……ああ見えて、ガルドは愛妻家で有名なのよ?」
「ほぇ~」
まさか冒険者ギルドの頂点に立つお2人が、ご夫婦だったとは……知らなかったわ。
「ちょ、ちょっと待ってください!
ルミエ様っ! それって本当なんですかっ!?」
「統括と副統括のお2人がっ!?」
「あら、知らなかったの?」
「そういえば……お前達に言った事はなかったか?」
「言われてみれば、伝えていなかったかもしれませんね」
「で、では……」
「あぁ、クリスティアは俺の妻だ」
お、俺の妻宣言っ!!
「まぁこっちではあまり知られてないようだし、無理もないわね。
あの2人が夫婦なのは、紛れもない事実よ」
ま、まさかこの目で、生で俺の妻宣言を見ることになろうとは!!
な、なんか見てはいけないモノを、見ちゃってるような気がしてきた……
あ、あれだ! お兄様達のお部屋に忍び込ん……こほん、お邪魔して読んだ小説によると。
ここからクリスティアさんと、ガルドさんが見つめ合って!
お、おおお大人な! だ、男女の一時がっ!!
「とまぁ、無駄話はこのくらいにしてだ。
本題に入ろう……と、言いたいところだが、実はまだ1人来てなくてな」
「皆様こちらへ。
もうすぐ到着するはずですが、もう1人が到着されるまでお茶にしましょう。
さぁ、ソフィーさんも」
「ひゃ、ひゃい! 私はなにも見てませんからね!!」
「「「「……」」」」
あ、あれ? なにこの変な空気は……
「ふふっ、可愛いから黙ってたけど、それはソフィーの勘違い」
「へ?」
「流石に人前でソフィーが想像してるような事はしないわ」
「っ~!!」
「どんな想像をしてたのかは知らないが……まっ、そういうわけだ」
「ふふっ、さぁソフィーさんもこちらへどうぞ」
「は、はい……」
ま、まさかただの勘違いだったとは!
は、恥ずかしい!!
「酷いですね。
僕を待ってくれても良かったのに……」
「っ!?」
な、なんで! この声は……!!
「たく、やっと来たか。
遅刻だぞ」
「あはは、申し訳ありません。
ちょっと下で絡まれまして……やぁ、ソフィー、2日ぶりだね」
「フィルっ!!」
広々とした机に肘をついて、顔の前で両手を組合む。
まさに威風堂々! 一国の国王にも劣らない空気を身に纏う人物……
「この人が……」
最古の現役Sランク冒険者にして、約400年前の聖魔大戦において活躍した英雄。
冒険王と称されるガルスさんとも張り合う、ガッチリとしたこの体格! この重圧!!
「統括」
全ての冒険者達の頂点に位置する人。
各国の各街に存在する、全ての冒険者ギルドを束ねる人物っ!
冒険者ギルドという、強大な武略を保有する超多国籍機関を統べる男っ!!
「おぉ~!」
さすがは冒険者ギルドの頂点に立つ人物! めちゃくちゃカッコいいっ!!
あっ、でも副統括のクリスティアさんとは違ってエルフじゃないんだ。
「……統括」
「何かね?」
っ~! 冒険者ギルドの頂点に君臨する2人の会話っ!!
い、いったいどんな会話を──
「なにを格好をつけているのですか?」
「へ?」
んん~? ク、クリスティアさん……??
「そうよ、気持ち悪いからやめてくれるかしら?」
「ルミエの言う通りです。
似合わない事はしない方でください、ちょっと鳥肌が立ちました」
し、辛辣っ!!
ルミエ様もクリスティアさんも辛辣っ!!
しかも……2人ともまるでゴミでも見るかのような、すさまじく冷たい目をしてるし……
「ちょっ、お前らなぁ……」
あ、あれ? 怒って、ない?
「ったく、最初の印象が大事だって言い出したのはクリスティア、お前だろ?」
「だからといって、何故そうなるのですか?
こうも言ったはずですよね? 貴方はただでさえ見た目に威圧感があるのですから、可能な限り紳士的に出迎えてくださいと」
「いや、だからこうしてだな……」
「ですから、私のアドバイスを受けて何故こうなるのですか?」
「それは、その……」
これは……いったいどういうことなの?
というか、私達は……私は今! なにを見せられてるのっ!?
「ふふっ、実はあの2人は夫婦なのよ」
「へぇ~」
冒険者ギルド頂点に立つ統括であるガルドさんと、副統括のクリスティアさんってご夫婦なんだ……
「へっ? ふ、夫婦っ!?」
「そうよ。
まぁ見ての通り、すっかりに尻に敷かれてるんだけど……ああ見えて、ガルドは愛妻家で有名なのよ?」
「ほぇ~」
まさか冒険者ギルドの頂点に立つお2人が、ご夫婦だったとは……知らなかったわ。
「ちょ、ちょっと待ってください!
ルミエ様っ! それって本当なんですかっ!?」
「統括と副統括のお2人がっ!?」
「あら、知らなかったの?」
「そういえば……お前達に言った事はなかったか?」
「言われてみれば、伝えていなかったかもしれませんね」
「で、では……」
「あぁ、クリスティアは俺の妻だ」
お、俺の妻宣言っ!!
「まぁこっちではあまり知られてないようだし、無理もないわね。
あの2人が夫婦なのは、紛れもない事実よ」
ま、まさかこの目で、生で俺の妻宣言を見ることになろうとは!!
な、なんか見てはいけないモノを、見ちゃってるような気がしてきた……
あ、あれだ! お兄様達のお部屋に忍び込ん……こほん、お邪魔して読んだ小説によると。
ここからクリスティアさんと、ガルドさんが見つめ合って!
お、おおお大人な! だ、男女の一時がっ!!
「とまぁ、無駄話はこのくらいにしてだ。
本題に入ろう……と、言いたいところだが、実はまだ1人来てなくてな」
「皆様こちらへ。
もうすぐ到着するはずですが、もう1人が到着されるまでお茶にしましょう。
さぁ、ソフィーさんも」
「ひゃ、ひゃい! 私はなにも見てませんからね!!」
「「「「……」」」」
あ、あれ? なにこの変な空気は……
「ふふっ、可愛いから黙ってたけど、それはソフィーの勘違い」
「へ?」
「流石に人前でソフィーが想像してるような事はしないわ」
「っ~!!」
「どんな想像をしてたのかは知らないが……まっ、そういうわけだ」
「ふふっ、さぁソフィーさんもこちらへどうぞ」
「は、はい……」
ま、まさかただの勘違いだったとは!
は、恥ずかしい!!
「酷いですね。
僕を待ってくれても良かったのに……」
「っ!?」
な、なんで! この声は……!!
「たく、やっと来たか。
遅刻だぞ」
「あはは、申し訳ありません。
ちょっと下で絡まれまして……やぁ、ソフィー、2日ぶりだね」
「フィルっ!!」
0
お気に入りに追加
1,673
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢ですが最強ですよ??
鈴の音
ファンタジー
乙女ゲームでありながら戦闘ゲームでもあるこの世界の悪役令嬢である私、前世の記憶があります。
で??ヒロインを怖がるかって?ありえないw
ここはゲームじゃないですからね!しかも、私ゲームと違って何故か魂がすごく特別らしく、全属性持ちの神と精霊の愛し子なのですよ。
だからなにかあっても死なないから怖くないのでしてよw
主人公最強系の話です。
苦手な方はバックで!
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
公爵家長男はゴミスキルだったので廃嫡後冒険者になる(美味しいモノが狩れるなら文句はない)
音爽(ネソウ)
ファンタジー
記憶持ち転生者は元定食屋の息子。
魔法ありファンタジー異世界に転生した。彼は将軍を父に持つエリートの公爵家の嫡男に生まれかわる。
だが授かった職業スキルが「パンツもぐもぐ」という謎ゴミスキルだった。そんな彼に聖騎士の弟以外家族は冷たい。
見習い騎士にさえなれそうもない長男レオニードは廃嫡後は冒険者として生き抜く決意をする。
「ゴミスキルでも美味しい物を狩れれば満足だ」そんな彼は前世の料理で敵味方の胃袋を掴んで魅了しまくるグルメギャグ。
拝啓、お父様お母様 勇者パーティをクビになりました。
ちくわ feat. 亜鳳
ファンタジー
弱い、使えないと勇者パーティをクビになった
16歳の少年【カン】
しかし彼は転生者であり、勇者パーティに配属される前は【無冠の帝王】とまで謳われた最強の武・剣道者だ
これで魔導まで極めているのだが
王国より勇者の尊厳とレベルが上がるまではその実力を隠せと言われ
渋々それに付き合っていた…
だが、勘違いした勇者にパーティを追い出されてしまう
この物語はそんな最強の少年【カン】が「もう知るか!王命何かくそ食らえ!!」と実力解放して好き勝手に過ごすだけのストーリーである
※タイトルは思い付かなかったので適当です
※5話【ギルド長との対談】を持って前書きを廃止致しました
以降はあとがきに変更になります
※現在執筆に集中させて頂くべく
必要最低限の感想しか返信できません、ご理解のほどよろしくお願いいたします
※現在書き溜め中、もうしばらくお待ちください
最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。
異世界転生は、0歳からがいいよね
八時
ファンタジー
転生小説好きの少年が神様のおっちょこちょいで異世界転生してしまった。
神様からのギフト(チート能力)で無双します。
初めてなので誤字があったらすいません。
自由気ままに投稿していきます。
公爵家次男はちょっと変わりモノ? ~ここは乙女ゲームの世界だから、デブなら婚約破棄されると思っていました~
松原 透
ファンタジー
異世界に転生した俺は、婚約破棄をされるため誰も成し得なかったデブに進化する。
なぜそんな事になったのか……目が覚めると、ローバン公爵家次男のアレスという少年の姿に変わっていた。
生まれ変わったことで、異世界を満喫していた俺は冒険者に憧れる。訓練中に、魔獣に襲われていたミーアを助けることになったが……。
しかし俺は、失敗をしてしまう。責任を取らされる形で、ミーアを婚約者として迎え入れることになった。その婚約者に奇妙な違和感を感じていた。
二人である場所へと行ったことで、この異世界が乙女ゲームだったことを理解した。
婚約破棄されるためのデブとなり、陰ながらミーアを守るため奮闘する日々が始まる……はずだった。
カクヨム様 小説家になろう様でも掲載してます。
【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる