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第10章 英雄台頭編
178話 向かう先
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「っ!!」
な、なに!? なんでみんな一斉に、こっちを凝視してくるのっ!?
いやまぁ、目立つのは嫌いじゃないよ?
嫌いじゃないけど……いきなりどよめいて、息を呑むようにして凝視されると反応に困るんですけど!
ど、どうすれば……
い、いや! 落ち着くのだ私っ!
私は未来の悪役令嬢たるソフィア・ルスキューレ! そして今は、魔王の一角を打ち倒したAランク冒険者ソフィーなのだ!!
「ふぅ~」
この程度のことで取り乱す私ではない!
うんうん! 改めて考えてみると、こうして注目されるのは至極当然のこと。
なにせ……この私が、ソフィア・ルスキューレが! 冒険者ソフィーが注目されないはずがない!
つまり! 私は堂々としていれば問題なし!!
「ふふ~ん!」
普通のご令嬢なら、こんなに多くの冒険者に注目されれば、怯えちゃうかもしれないけど……私はお父様やお兄様達で、注目されることには慣れている!
さぁ! 思う存分、私に見惚れるがいいわっ!!
「ソフィーさん、どうぞこちらへ」
っと、そうだった。
こんなことをしている場合じゃない! 私はSランク冒険者になるためにきたんだったわ。
「わかりました!」
「アレが例の?」
「本当にあんな子供が?」
「見た感じ強そうには見えないが……」
し、失礼な!
そこの男3人組! なにやらコソコソと話してるけど……しっかりと聞こえてるんだからねっ!!
「むぅ」
確かに私はまだ10歳の子供だけども。
まだまだチビで、見た目に威厳がないってのもわかるけども……
「見た目で判断するなんて、愚の骨頂です」
「まったくです……あれで自身をスーパールーキーと嘯いてるのだから嘆かわしい」
お、おおぅ、ミレーネさんが辛辣だわ。
「しかし、ご安心を。
彼らは最近地方のギルドから来たばかりの新人、すぐにソフィーさんの凄さを知る事になるでしょうから」
「?」
それってどういう……
「えぇ、それはもうすぐに」
その意味深なセリフはなに!?
い、いや……ミレーネさんの笑顔には、お母様と同じいい知れない迫力がある。
うん、やっぱり下手に首を突っ込むのはやめておこう。
触らぬ神に祟りなしっていうし……これは決して、不敵な笑みを浮かべてるミレーネさんにビビってるわけではないのだ!!
「ほほう、テメェらは我らがソフィーちゃんの実力を疑うのか?」
「……へ?」
んん~? ちょっと待って、今変な言葉が聞こえた気がするんですけど!
さっきの3人組の前に仁王立ちしてるムッキムキな人……あの人今、私のことを我らがソフィーちゃんとかいわなかったっ!?
「え、いや……」
「だって……なぁ?」
「まだガキだし……」
「……どうやら、テメェらとは一度じっくりと話し合う必要があるようだな。
おい」
「任せろ!」
「もう準備はできてるわ!」
「よし、連れて行け」
「えっ! ちょっ!?」
「なにをっ!!」
「く、来るなっ……」
……なに、今の?
「あの……ミレーネさん?
今のはいったい……」
仁王立ちしてた冒険者を筆頭にした男女を問わない結構な人数の冒険者によって、3人組が力ずくで引きずられるようにして連行されていったんだけど……
「彼らはソフィーさんのファンクラブの会員です」
「ふぁっ!?」
ふぁ、ファンクラブっ!?
「先程の3人もすぐにファンクラブの会員に……こほん、このギルドにおけるルールを教育される事でしょう」
こ、怖っ! なにこれ!?
なんかちょっと久しぶりにギルドに来てみれば、ギルドが変なことになってるんですけど!!
ミレーネさんは苦笑いしてるし、なにやらもう慣れた様子だけど。
私のファンクラブなんて、いったいいつ……というか、誰がそんなものを……
「まぁソフィーさんが驚くのもわかります。
あのファンクラブ、実はエレン様とアルト様がソフィーさんの冒険者活動を円滑にするために設立なされた組織でして」
お兄様達が……
「なるほど……」
うん、そういわれると妙に納得できちゃったわ。
「一応クランという形ですので、ギルドとしてもどうする事もできず。
気がつけば、この王都支部のみならずイストワール王国内で最大規模のクランになっていたんです」
「……なんか、すみません」
本当にもう! お兄様達がご迷惑をお掛けして申し訳ありませんっ!!
「いえ、そのおかげで冒険者の実力も上がっている上に、冒険者間での問題も減少しているので、ギルドとしてもありがたかはあるのですが……」
「それならいいのですが……」
ん? いいのかな?
「さて、到着しましたよ。
ギルドマスター、ソフィーさんが来られました」
「入ってくれ」
ミレーネさんが扉を開けた先、ギルドマスターの執務室にてなにやら書類に目を通しているグレンさん。
うん、こうして見るとグレンさんがちゃんとギルドマスターに見えるわ。
「ソフィーちゃん、今何か失礼な事を考えただろ?」
「べ、別にそんなことはないですよ!?」
「……まぁ、いい。
じゃあソフィーちゃんも来た事だし、早速行くとしようか」
「行く?」
行くって、どこにですか?
Sランク冒険者になるために必要な推薦状は昨日、既にルミエ様が用意してくれたけど。
「ソフィーちゃんに……昨日の説明をちゃんと聞いてなかったな?」
「へっ?」
いや、私に限ってそんなことは……
『まぁ、昨日はずっとはしゃいでたし。
あの様子だと、グレンの話を聞いてなくても不思議じゃないわね』
「うっ……」
ルミエ様まで!
「Sランクに昇格するにあたって、行かないとダメな場所があるんだよ」
「行かないとダメ場所……」
「そう! ソフィーちゃんとルミエ様が、これから向かう先は冒険者の総本山。
冒険者ギルド本部だ」
な、なに!? なんでみんな一斉に、こっちを凝視してくるのっ!?
いやまぁ、目立つのは嫌いじゃないよ?
嫌いじゃないけど……いきなりどよめいて、息を呑むようにして凝視されると反応に困るんですけど!
ど、どうすれば……
い、いや! 落ち着くのだ私っ!
私は未来の悪役令嬢たるソフィア・ルスキューレ! そして今は、魔王の一角を打ち倒したAランク冒険者ソフィーなのだ!!
「ふぅ~」
この程度のことで取り乱す私ではない!
うんうん! 改めて考えてみると、こうして注目されるのは至極当然のこと。
なにせ……この私が、ソフィア・ルスキューレが! 冒険者ソフィーが注目されないはずがない!
つまり! 私は堂々としていれば問題なし!!
「ふふ~ん!」
普通のご令嬢なら、こんなに多くの冒険者に注目されれば、怯えちゃうかもしれないけど……私はお父様やお兄様達で、注目されることには慣れている!
さぁ! 思う存分、私に見惚れるがいいわっ!!
「ソフィーさん、どうぞこちらへ」
っと、そうだった。
こんなことをしている場合じゃない! 私はSランク冒険者になるためにきたんだったわ。
「わかりました!」
「アレが例の?」
「本当にあんな子供が?」
「見た感じ強そうには見えないが……」
し、失礼な!
そこの男3人組! なにやらコソコソと話してるけど……しっかりと聞こえてるんだからねっ!!
「むぅ」
確かに私はまだ10歳の子供だけども。
まだまだチビで、見た目に威厳がないってのもわかるけども……
「見た目で判断するなんて、愚の骨頂です」
「まったくです……あれで自身をスーパールーキーと嘯いてるのだから嘆かわしい」
お、おおぅ、ミレーネさんが辛辣だわ。
「しかし、ご安心を。
彼らは最近地方のギルドから来たばかりの新人、すぐにソフィーさんの凄さを知る事になるでしょうから」
「?」
それってどういう……
「えぇ、それはもうすぐに」
その意味深なセリフはなに!?
い、いや……ミレーネさんの笑顔には、お母様と同じいい知れない迫力がある。
うん、やっぱり下手に首を突っ込むのはやめておこう。
触らぬ神に祟りなしっていうし……これは決して、不敵な笑みを浮かべてるミレーネさんにビビってるわけではないのだ!!
「ほほう、テメェらは我らがソフィーちゃんの実力を疑うのか?」
「……へ?」
んん~? ちょっと待って、今変な言葉が聞こえた気がするんですけど!
さっきの3人組の前に仁王立ちしてるムッキムキな人……あの人今、私のことを我らがソフィーちゃんとかいわなかったっ!?
「え、いや……」
「だって……なぁ?」
「まだガキだし……」
「……どうやら、テメェらとは一度じっくりと話し合う必要があるようだな。
おい」
「任せろ!」
「もう準備はできてるわ!」
「よし、連れて行け」
「えっ! ちょっ!?」
「なにをっ!!」
「く、来るなっ……」
……なに、今の?
「あの……ミレーネさん?
今のはいったい……」
仁王立ちしてた冒険者を筆頭にした男女を問わない結構な人数の冒険者によって、3人組が力ずくで引きずられるようにして連行されていったんだけど……
「彼らはソフィーさんのファンクラブの会員です」
「ふぁっ!?」
ふぁ、ファンクラブっ!?
「先程の3人もすぐにファンクラブの会員に……こほん、このギルドにおけるルールを教育される事でしょう」
こ、怖っ! なにこれ!?
なんかちょっと久しぶりにギルドに来てみれば、ギルドが変なことになってるんですけど!!
ミレーネさんは苦笑いしてるし、なにやらもう慣れた様子だけど。
私のファンクラブなんて、いったいいつ……というか、誰がそんなものを……
「まぁソフィーさんが驚くのもわかります。
あのファンクラブ、実はエレン様とアルト様がソフィーさんの冒険者活動を円滑にするために設立なされた組織でして」
お兄様達が……
「なるほど……」
うん、そういわれると妙に納得できちゃったわ。
「一応クランという形ですので、ギルドとしてもどうする事もできず。
気がつけば、この王都支部のみならずイストワール王国内で最大規模のクランになっていたんです」
「……なんか、すみません」
本当にもう! お兄様達がご迷惑をお掛けして申し訳ありませんっ!!
「いえ、そのおかげで冒険者の実力も上がっている上に、冒険者間での問題も減少しているので、ギルドとしてもありがたかはあるのですが……」
「それならいいのですが……」
ん? いいのかな?
「さて、到着しましたよ。
ギルドマスター、ソフィーさんが来られました」
「入ってくれ」
ミレーネさんが扉を開けた先、ギルドマスターの執務室にてなにやら書類に目を通しているグレンさん。
うん、こうして見るとグレンさんがちゃんとギルドマスターに見えるわ。
「ソフィーちゃん、今何か失礼な事を考えただろ?」
「べ、別にそんなことはないですよ!?」
「……まぁ、いい。
じゃあソフィーちゃんも来た事だし、早速行くとしようか」
「行く?」
行くって、どこにですか?
Sランク冒険者になるために必要な推薦状は昨日、既にルミエ様が用意してくれたけど。
「ソフィーちゃんに……昨日の説明をちゃんと聞いてなかったな?」
「へっ?」
いや、私に限ってそんなことは……
『まぁ、昨日はずっとはしゃいでたし。
あの様子だと、グレンの話を聞いてなくても不思議じゃないわね』
「うっ……」
ルミエ様まで!
「Sランクに昇格するにあたって、行かないとダメな場所があるんだよ」
「行かないとダメ場所……」
「そう! ソフィーちゃんとルミエ様が、これから向かう先は冒険者の総本山。
冒険者ギルド本部だ」
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