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第10章 英雄台頭編
175話 今回のお客様
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イストワール王国が王都ノリアナにある我が家。
ルスキューレ公爵邸のお庭に転移した瞬間……お父様達の声が聞こえて、強い衝撃と共に視界が真っ黒に染まる。
「……」
うん、まぁこうなることは予想してたよ?
なにせ私を溺愛する、ちょっと残念なお父様とお兄様達だもん。
今日このくらいの時間に帰ることは昨日の夜に伝えてあったし、私を出迎えるために待ち構えていたことは想像に難くない。
でも……
「貴方達ね」
「「「ッ!!」」」
優雅で優しい微笑みを浮かべながら、私を出迎えたお母様……我が家の真の支配者であるお母様の前で、これはよろしくない。
「ソフィーちゃんが帰って来て、嬉しいのはわかります。
しかし……挨拶もなく、いきなり抱きしめるとは何事ですか!」
「「「うっ……」」」
うんうん! まったくもってその通り!!
別にお父様達に抱きしめられるのがイヤってことはないし、抱きしめられること自体はいいのだ。
問題なのは……いきなり、それもお屋敷の中じゃなくて外だということ!
さすがにちょっと恥ずかしいし、いきなりだとびっくりする。
お母様の鶴の一声で、お父様達も放してくれる。
ここまでが大まかないつもの流れなわけだけど……うん、しょんぼりしてるお父様達はかわいそうだけど、お母様に怒られてちょっと顧みてください!!
「ユリアナだって、この前は私達と一緒になってソフィーを抱きしめて……」
あっ、お父様それをいっちゃ……
「なにか?」
「いえ! なんでもありませんっ!!」
お父様……いやまぁ、その気持ちはわかるけども。
ニッコリ微笑んでるはずなのに、有無をいわせない笑みを浮かべるお母様には逆らえないもんね。
「家族とはいえ、貴方達は殿方でソフィーちゃんは女の子なのよ?
ちょっとは自制心というものを身につけなさい」
「「「はい……」」」
お母様に叱られて、しょんぼり肩を落としてるお父様達。
この3人を見てルスキューレ公爵家の当主と、世間では天才と称され世界中にその名前を轟かせる公爵令息だとは誰も思わないだろうな~。
「さて……ソフィーちゃん、お帰りなさい」
「はい、ただ今戻りました」
「ふふっ、さぁおいで」
「お母様!」
むふふっ! 私としたことが、笑顔で腕を広げたお母様についつい抱きついちゃったけど……やっぱりお母様はいいにおいがして、こうしてると落ち着く。
「ふふっ、やっぱりソフィーちゃんは甘えん坊さんね」
「むぅ~、お母様! からかわないでください!!」
「あら、ごめんなさい。
ソフィーちゃんが可愛かったからつい」
「こほん! ソフィー、お帰り。
とりあえず中へ入ろうか」
あっ、お父様が復活した。
「フィアナやディア嬢も待ってるしね」
「それに、ソフィーの客もいるしな」
お客様? なるほど、だからお姉様達はここにいなかったわけか。
「じゃあ、行きましょうか」
「えっ、はい」
というか、お母様、お父様もいつのまにか私の手を?
いやまぁ、別にいいんだけども……私にお客様か~。
前回は皇帝陛下と帝国守護の五姫、伝説の英雄だったけど……今回は誰だろ?
「来たわね。
お帰りなさい、ソフィーちゃん」
「ふふっ、お帰りなさい」
フィアナお姉様! ディアお姉様!
「ただいま戻りました」
「こちらは、ソフィーちゃんのお客様」
まさかお客様がこの人だとは……でもなんでこの人が公爵邸に?
「エレン達から今日帰ってくると聞いてね。
待っていたよ、ソフィーちゃん」
「ここイストワール王国王都ノリアナの冒険者ギルドのギルドマスター、グレン殿よ」
ルスキューレ公爵邸のお庭に転移した瞬間……お父様達の声が聞こえて、強い衝撃と共に視界が真っ黒に染まる。
「……」
うん、まぁこうなることは予想してたよ?
なにせ私を溺愛する、ちょっと残念なお父様とお兄様達だもん。
今日このくらいの時間に帰ることは昨日の夜に伝えてあったし、私を出迎えるために待ち構えていたことは想像に難くない。
でも……
「貴方達ね」
「「「ッ!!」」」
優雅で優しい微笑みを浮かべながら、私を出迎えたお母様……我が家の真の支配者であるお母様の前で、これはよろしくない。
「ソフィーちゃんが帰って来て、嬉しいのはわかります。
しかし……挨拶もなく、いきなり抱きしめるとは何事ですか!」
「「「うっ……」」」
うんうん! まったくもってその通り!!
別にお父様達に抱きしめられるのがイヤってことはないし、抱きしめられること自体はいいのだ。
問題なのは……いきなり、それもお屋敷の中じゃなくて外だということ!
さすがにちょっと恥ずかしいし、いきなりだとびっくりする。
お母様の鶴の一声で、お父様達も放してくれる。
ここまでが大まかないつもの流れなわけだけど……うん、しょんぼりしてるお父様達はかわいそうだけど、お母様に怒られてちょっと顧みてください!!
「ユリアナだって、この前は私達と一緒になってソフィーを抱きしめて……」
あっ、お父様それをいっちゃ……
「なにか?」
「いえ! なんでもありませんっ!!」
お父様……いやまぁ、その気持ちはわかるけども。
ニッコリ微笑んでるはずなのに、有無をいわせない笑みを浮かべるお母様には逆らえないもんね。
「家族とはいえ、貴方達は殿方でソフィーちゃんは女の子なのよ?
ちょっとは自制心というものを身につけなさい」
「「「はい……」」」
お母様に叱られて、しょんぼり肩を落としてるお父様達。
この3人を見てルスキューレ公爵家の当主と、世間では天才と称され世界中にその名前を轟かせる公爵令息だとは誰も思わないだろうな~。
「さて……ソフィーちゃん、お帰りなさい」
「はい、ただ今戻りました」
「ふふっ、さぁおいで」
「お母様!」
むふふっ! 私としたことが、笑顔で腕を広げたお母様についつい抱きついちゃったけど……やっぱりお母様はいいにおいがして、こうしてると落ち着く。
「ふふっ、やっぱりソフィーちゃんは甘えん坊さんね」
「むぅ~、お母様! からかわないでください!!」
「あら、ごめんなさい。
ソフィーちゃんが可愛かったからつい」
「こほん! ソフィー、お帰り。
とりあえず中へ入ろうか」
あっ、お父様が復活した。
「フィアナやディア嬢も待ってるしね」
「それに、ソフィーの客もいるしな」
お客様? なるほど、だからお姉様達はここにいなかったわけか。
「じゃあ、行きましょうか」
「えっ、はい」
というか、お母様、お父様もいつのまにか私の手を?
いやまぁ、別にいいんだけども……私にお客様か~。
前回は皇帝陛下と帝国守護の五姫、伝説の英雄だったけど……今回は誰だろ?
「来たわね。
お帰りなさい、ソフィーちゃん」
「ふふっ、お帰りなさい」
フィアナお姉様! ディアお姉様!
「ただいま戻りました」
「こちらは、ソフィーちゃんのお客様」
まさかお客様がこの人だとは……でもなんでこの人が公爵邸に?
「エレン達から今日帰ってくると聞いてね。
待っていたよ、ソフィーちゃん」
「ここイストワール王国王都ノリアナの冒険者ギルドのギルドマスター、グレン殿よ」
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