上 下
161 / 460
第9章 学園交流会編

161話 邂逅

しおりを挟む
「ん~!  着いたぁ~!!」

 大陸中に、世界中にその名を轟かせる、最高峰の教育機関とされる3つの学園。
 俗にいう世界三大学園!!

 伝説に謳われる英雄である大賢者マリア先生が学園長を務める、世界最高峰の魔法研究機関。
 こと魔法についてなら他の追随を許さない、魔導学園都市王国のオルガマギア魔法学園。

 最古の現役Sランク冒険者にして、マリア先生と同様に冒険王と称される英雄でもあるガルスさんが学園長を務め。
 騎士王国に存在する、戦闘技術に特化したオルガラミナ武術学園。

 そして……私達が今立っているここ!
 単純な魔法、戦闘における知識や実力では他2校に劣るけど、総じて全ての水準が高い最難関校。
 四大国が一角にして、ネフェリル帝国と並んで超大国と称されるレフィア神聖王国に存在する王立神聖レフィア学園!!

「いいリアクションだね」

「ふふっ、はいでるソフィーちゃんも可愛いわ!」

 もう、フィルもミラさんも反応薄すぎ!
 てか、なんで2人とも私に対してコメントするの?  普通ここはもっと、ここが王立神聖レフィア学園っ!!  みたいな反応するところじゃないのっ!?

 いや、フィルはまだいい。
 問題なのは……微笑ましそうな顔で私のことをみて、可愛い可愛いっていってるミラさん達っ!!

 ここには……この王立神聖レフィア学園の広場には、当然クラスのみんなだけじゃなくて他校の。
 王立神聖レフィア学園とオルガラミナ武術学園の人達も大勢いるのにっ!  恥ずかしすぎるからやめてぇっ!!

「まったく……何をやってるの?  貴方達、早く行くわよ」

 マ、マリア先生っ!!

「あはは、いやぁ今日もこのクラスはいつも通りだね」

 フィルめぇ~、他人事だと思って……

「むぅ~」

「ごめんごめん、ほらそんな顔をしないで」

「そもそも!  フィルもなんでそんな淡白な反応なの?」

 なに、いいリアクションだねって!
 もっと、三大学園の中でも最難関とされる王立神聖レフィア学園にきたことに対する感動はないの!?

「そう言われてもね……だってマリア先生の転移魔法で一瞬だよ?
 さすがに長旅を経てやっと辿り着いた!  みたいな気分にはなれないよ」

 そ、それは、そうかもしれないけどさぁ。

『ふふっ、そういえば一月前に家に帰った時も、転移魔法で一瞬だったのに同じような反応をしてたわね』

 ル、ルミエ様っ!?  な、なにを……

「へぇ~、そうだったんですか」

『えぇ、それはもう可愛らしかったわよ?』

「あはは、それは見れなくて残念です」

「……」

 やめてっ!  恥ずかしいからこれ以上は本当にやめてっ!!
 というかフィル!  今はたまたま誰も聞いてなかったようだけど……ミラさんですらルミエ様の存在は知らないのに、ルミエ様と普通に会話してたら変人になるからなっ!!

「ふふふ」

 せいぜい、1人で見えない誰かと話す変人と呼ばれるがいい!

「ん?  どうかした?」

「別に~」

 むふふっ!  私に恥ずかしい思いをさせたフィルには教えてあげない!!

「さぁ、着いたわよ」

 むむっ、恥ずかしい思いをしてる間に、いつの間にか目的地に着いちゃった!
 この機会に王立神聖レフィア学園を、じっくり見学しようと思ってたのにぃっ!!

「まぁまぁ、そう落ち込まないで」

「っ……」

 誰のせいだと!

「それよりほら」

 それよりって……

「おぉ~」

「さすがは世界三大学園の交流会。
 僕達オルガマギア魔法学園、オルガラミナ武術学園、王立神聖レフィア学園、世界三大学園の生徒達が、ここまで一堂に会してる光景は壮観だね」

「確かに」

 なにせ、この講堂にいるのは全員が三大学園の生徒。
 つまり、凄まじい倍率を勝ち抜いた、次世代を担う秀才達なわけだし。

「ん?」

「ソフィーちゃん、どうかしたの?」

「あっ、ミラさん」

 よかった、さっきまでずっとヘレンさんとか、セリナさんを始めとしたクラスのみんなで私のことで盛り上がってたけど……やっとあの恥ずかしい公開処刑をやめてくれた。

「いえ、なんかちょっとこう……うまくいえないですけど、変な感じが……」

 この感覚は……

『っ!?』

 ルミエ様?

「ちょっ、なんで貴女がここに……」

 マリア先生もいきなりどうし……

「ふむ、暇つぶし?
 それに、ここは、私の狩場」

「はぁ……本当に貴女は……」

 マリア先生と話してる人から……白銀の髪に紫の瞳、私と同じ色をした、私よりも小さいこの人から伝わってくるこの感じ。
 さっきの変な違和感と同じ……この人はいったい……

「ん?」

 あっ、ばっちり目が合っちゃった!

「ふふっ、私はレフィー。
 初めまして、私のソフィア」
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢ですが最強ですよ??

鈴の音
ファンタジー
乙女ゲームでありながら戦闘ゲームでもあるこの世界の悪役令嬢である私、前世の記憶があります。 で??ヒロインを怖がるかって?ありえないw ここはゲームじゃないですからね!しかも、私ゲームと違って何故か魂がすごく特別らしく、全属性持ちの神と精霊の愛し子なのですよ。 だからなにかあっても死なないから怖くないのでしてよw 主人公最強系の話です。 苦手な方はバックで!

サキュバスの眷属になったと思ったら世界統一する事になった。〜おっさんから夜王への転身〜

ちょび
ファンタジー
萌渕 優は高校時代柔道部にも所属し数名の友達とわりと充実した高校生活を送っていた。 しかし気付けば大人になり友達とも疎遠になっていた。 「人生何とかなるだろ」 楽観的に考える優であったが32歳現在もフリーターを続けていた。 そしてある日神の手違いで突然死んでしまった結果別の世界に転生する事に! …何故かサキュバスの眷属として……。 転生先は魔法や他種族が存在する世界だった。 名を持つものが強者とされるその世界で新たな名を授かる優。 そして任せられた使命は世界の掌握!? そんな主人公がサキュバス達と世界統一を目指すお話しです。 お気に入りや感想など励みになります! お気軽によろしくお願いいたします! 第13回ファンタジー小説大賞エントリー作品です!

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる

遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」 「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」 S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。 村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。 しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。 とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。

公爵家長男はゴミスキルだったので廃嫡後冒険者になる(美味しいモノが狩れるなら文句はない)

音爽(ネソウ)
ファンタジー
記憶持ち転生者は元定食屋の息子。 魔法ありファンタジー異世界に転生した。彼は将軍を父に持つエリートの公爵家の嫡男に生まれかわる。 だが授かった職業スキルが「パンツもぐもぐ」という謎ゴミスキルだった。そんな彼に聖騎士の弟以外家族は冷たい。 見習い騎士にさえなれそうもない長男レオニードは廃嫡後は冒険者として生き抜く決意をする。 「ゴミスキルでも美味しい物を狩れれば満足だ」そんな彼は前世の料理で敵味方の胃袋を掴んで魅了しまくるグルメギャグ。

拝啓、お父様お母様 勇者パーティをクビになりました。

ちくわ feat. 亜鳳
ファンタジー
弱い、使えないと勇者パーティをクビになった 16歳の少年【カン】 しかし彼は転生者であり、勇者パーティに配属される前は【無冠の帝王】とまで謳われた最強の武・剣道者だ これで魔導まで極めているのだが 王国より勇者の尊厳とレベルが上がるまではその実力を隠せと言われ 渋々それに付き合っていた… だが、勘違いした勇者にパーティを追い出されてしまう この物語はそんな最強の少年【カン】が「もう知るか!王命何かくそ食らえ!!」と実力解放して好き勝手に過ごすだけのストーリーである ※タイトルは思い付かなかったので適当です ※5話【ギルド長との対談】を持って前書きを廃止致しました 以降はあとがきに変更になります ※現在執筆に集中させて頂くべく 必要最低限の感想しか返信できません、ご理解のほどよろしくお願いいたします ※現在書き溜め中、もうしばらくお待ちください

最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である

megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。

異世界転生は、0歳からがいいよね

八時
ファンタジー
転生小説好きの少年が神様のおっちょこちょいで異世界転生してしまった。 神様からのギフト(チート能力)で無双します。 初めてなので誤字があったらすいません。 自由気ままに投稿していきます。

処理中です...