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第8章 王都動乱編

135話 その理由は……

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「あ、あのぉ~」

 こ、これはいったいどういう状況なのっ!?

「可愛い~!」

「もう!  ソフィアさんが戸惑ってますよ!」

「でも、可愛いから仕方ないです」

「確かに」

「ふふふ、みんながごめんなさいね」

 お父様とお母様と手を繋いでリビングに入ったら……なぜかボロボロな姿の皇帝陛下がいて。
 内心驚きながらも、ルスキューレ公爵令嬢として!  優雅で気品に満ちた孤高な未来の悪役令嬢として相応しい完璧な所作で挨拶したのに……

 気がついたら、皇帝陛下と一緒にいた帝国守護の五姫。
 皇帝陛下のお妃様である5人が!  皇帝陛下と共に伝説に語られる英雄が目のまえにっ!!
 い、いったいどうすれば……

「流石は世界に名高い英雄。
 帝国守護の五姫の方々ですね!  我らがソフィーちゃんの可愛さがわかるとは!!」

「あぁ、あの方々とはいい関係が築けそうだ」

「ふふふっ、アルト見て!  あたふたしているソフィーちゃんも可愛いですね!」

「ちょっと可哀想だけど……ソフィーの可愛さは止まるところを知らないね」

 お兄様!  それにディアお姉様にフィアナお姉様も微笑ましそうに見てないで助けてくださいっ!!

「うぅ~」

 こうなったらお父様とお母様にっ……

「リア、見たかい?」

「えぇ、もちろん」

「あぁ!  私達の天使が可愛すぎてツラい……どうしてソフィーはあんなに可愛くて尊いんだ!!」

「ルミエ様」

「わかってるわよ。
 憧れの英雄に対面して、嬉しいけどどうすればいいのかわからずに戸惑ってるソフィーの姿はしっかりと録画しているわ」

 い、いや!  まだ私にはファナとルーがっ!!

「ふふっ」

「ん!」

 いやなに、頑張って!  って感じの雰囲気を醸し出してるのっ!?
 だ、誰でもいいから助け舟を出してぇっ!!

「ソル、シャルル、アヤ、ヒュー、ユミル。
 ソフィーが困ってるからそのくらいで」

「っ!」

 こ、皇帝陛下~っ!

「むぅ~ショウ兄がいうなら仕方ないね。
 ソフィーちゃん!  びっくりさせちゃってごめんね!」

「はぁ、だから言ったでしょう?
 ソフィアさん、この子達がいきなり申し訳ありませんでした」

「あらら、怒られちゃったね。
 いきなりすみませんでした」

「兄様……ソフィーちゃん、ごめんなさい」

「ソフィーさん、驚かせてしまってごめんなさいね」

「い、いえ!」

 帝国守護の五姫の皆様に謝られちゃったっ!!
 これはこれで、どうすればいいのかわからない……!

「あはは、そう言えばソフィーがみんなに直接会うのは初めてだったね。
 紹介するよ、まずはソル」

「こんにちは!」

 元気一杯って感じの金髪の美少女がソル様。

「こっちはシャルル」

「お初にお目にかかります」

 さっきから他の方々を諌めてくれてた、めっちゃ礼儀正しい水色の髪の美女がシャルル様。

「それで……」

「初めまして!  アヤです」

 明るい笑みを浮かべる赤色の髪をした18歳くらいの美少女がアヤ様。

「こっちがヒュー」

「ヒューだよ、よろしく」

 私よりもちょっとだけ年上っぽい外見の黒髪の美少女がヒュー様。

「で、最後にユミル」

「ふふっ、よろしくお願いします」

 柔らかな笑みを浮かべる茶髪の美女がユミル様。

「この5人が私の妃。
 帝国守護の五姫だよ」

 す、すごい!  目のまえに!  本当に私の目のまえに帝国守護の五姫の方々がっ!!

「えっと、その……ソフィア・ルスキューレです!
 よ、よろしくお願いしますっ!」

 けど……なるほど。
 これでやっと、ルミエ様達が皇帝陛下のことをロリコンだっていってた理由がわかった。

 帝国守護の五姫の方々は皇帝陛下と同じく、約400年間も帝国を守り続けている英雄だけど……ソル様は14歳くらい、ヒュー様は11、2歳くらいの外見をしてるからロリコンって呼ばれてたわけか。

「ふむふむ、なるほど~」

「いや!  何かまた誤解されてそうだから一応言っておくけど、ソルもヒューも!
 5人全員がちゃんと成人してるからねっ!?」

 ま、まぁ、性癖は人それぞれだし!

「こほん、それより!  その……昨日から気になっていたんですけど、皇帝陛下はどうしてそのようなお姿に?」

 帝国の守護神!  現人神と称される皇帝陛下がボロボロになった理由。
 ミラさんは痴情のもつれっていってたけど……

「あぁ、これね……実はとある方の機嫌を損ねてしまってね」

「と、とある方……」

 皇帝陛下をこんなにボロボロにできる方って……いや!  それよりも機嫌を損ねたって!

「やっぱり痴情のもつれ……?」

「ちょっ!  どんな勘違いしてるのっ!?
 そうじゃなくて、ちょっと挨拶するのが遅れちゃって拗ね……」

「すね?」

「とにかく、その方の機嫌を損ねちゃってお叱りを受けたって結果だよ」

 て、帝国の守護神たる皇帝陛下がお叱りを……その方っていったい……

「まぁ、私の話はこのくらいにして……本題に入ろうか」

「本題、ですか?」

「そう、私達がここにいる理由だけど、ソフィーが帰ってくる原因になった今この国で起こっている権力争い。
 その背後に教団が……ちょっと厄介な連中が絡んでる可能性が出てきてね。
 それで、お叱りを受けた後、その方の指示で私達がソフィーのところに派遣されたんだよ」
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