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第7章 新人戦編

115話 私の勝ち!!

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「はっ……はっはっはっはっ!」

「む?」

 今度はなに?  なんでこの人、いきなり笑い出してるの??

「いや、ごめんごめん。
 これでも学園に入学する前から僕の名前はちょっとは各国にも知られてたものだから、同じ新入生に僕の事を知らない者がいるとは思っていなかったんだ。
 どうやら、僕は天狗になっていたようだ」

「?  そうなんですか?」

 まぁ、私は全く知らなかったけど……この人の口ぶりからすると学園に入学する前からそれなりの有名人だったようだし、見たところまだまだ15、6歳の子供!
 うんうん、この人が天狗になっちゃうのも仕方ない!!

「挨拶が遅れてしまって申し訳ない、僕の名前はアルフォード・グリモア。
 帝国における魔法の大家、帝国五大公爵家の1つに数えられるグリモア家の三男さ」

「帝国における魔法の大家……」

 そういえば、確か皇帝陛下とご飯を食べたときにそんな話を聞いたような……

「そう、こう見えて僕は推薦入学でね。
 入学試験を免除されてたからAクラス止まりだったけど、一応普通に入学試験を受けていたら主席入学をするだろうって目されていたんだよ?
 まぁ、実際に主席になったのはキミだったわけだけどね」

「そうなんですか?」

 おかしいな……この人、アルフォードさんの口ぶりだと推薦入学だからAクラスになったって感じだけど、私も推薦入学なのに主席なんですけど……

「まぁ、そんな事よりもだ。
 ソフィアさんも、キミ達もあそこを見てごらん」

「ん?」

 あそこ……あっ!

「「「「「?」」」」」

「キミ達が知らないのも無理はない。
 けど、僕は立場上あの御方に何度か直接お会いした事があるんだよ」

 ま、まさかあの人も来ていたとは。

「あの御方こそ四大国が一角にしてレフィア神聖王国と並び超大国と称される帝国。
 ネフェリル帝国の皇帝ショウ・アラキ・ネフェリル陛下その人だよ」

「「「「「っ!?」」」」」

 となると、皇帝陛下の周りに座ってる5人の女性達がかの有名な帝国守護の五姫?

「この学園では外での身分は関係ないとはいえ……帝国貴族の1人として。
 ネフェリル帝国が五大公爵家の者として、さっきも言ったようにあの御方達が観ていらっしゃる前で無様な真似をするわけにはいかないのさ」

「おぉ~!」

 すごい!  現人神と呼ばれる皇帝陛下と、帝国守護の五姫と呼ばれる帝国を守護する5人の妃が。
 帝国が誇る英雄達が勢揃いしてるっ!!

「「「「「……」」」」」

「……ソフィアさん。
 キミ、僕の話を聞いていたかい?」

「はい、もちろんです」

 こんな光景滅多に見れるものじゃないだろうし!  今のうちに目に焼き付けておかないとっ!!

「あっ」

「なっ!?」

 ずっと見てたせいか皇帝陛下に手を振られてしまった。
 う~ん、これは私も手を振り返すべきかな?  いやでも、そんな事をしちゃうと目立っちゃうだろうし……まぁ、別にいいか!

「さてと」

 皇帝陛下に手を振り返して挨拶もしたことですし!
 アルフォードさんはなぜか目を見開いてこっちを凝視してて、他の5人は困惑してるような面持ちだけど……細かいことは気にしない!

「速攻で終わらせないと!」

 なんだかんだでアルフォードさんの話を聞いてて結構時間がかかっちゃってるし。
 なにより……

「っ……速攻で終わらせる?  キミがあの御方達とどんな関係かは知らないけど、手を振ってもらった程度で調子に乗りすぎじゃないかな?
 今ここで本当に主席に相応しい実力者は僕だという事を教えてあげるよ」

 私にはこのあと大事な用事があるのだ!!
 フィルやミラさん達と一緒にお祭りに行くって大事な用事がっ!!

「喰らえ!  爆炎火球っ!!」

 ふむふむ、上位属性である火炎属性魔法。
 炎を圧縮して作った巨大な火球か。

「重力魔法……」

 まっ!  私には通用しないんだけど!!

「薙」

 むふふっ!  これはナルダバートとの戦いのあと、前世の記憶にあるマンガとかを参考に編み出した魔法っ!!
 私を中心に、まるで横薙に振るった剣の斬撃かのように横向きに飛ぶ重力の塊っ!!

「吹き飛べ!」

「なっ!?」


 ────ッ!!


 私に向かって飛来していた巨大な火球が掻き消え!
 魔力を滾らせていたアルフォードさん、他の5人も……訓練場に存在する全てが一瞬で吹き飛ばされ……


 ピシッ……!


 アルフォードさん達の結界に亀裂が走る。

「ふっふっふ~ん!」

 凄まじい重力は空間さえも捻じ曲げる!!
 空間魔法を使いこなせるのならいざ知らず、そんな衝撃に保護結界が耐え切れるはずもない!


 パリィッン!!


「はい、私の勝ち!!」





 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





 ────ッ!!

「ふむ」

 結界で守られてる観客席こっち側にまで。
 それも、特に堅く守られてる個室にまで衝撃が伝わってくるとは。

「ふふ……」

 やるじゃん!  流石はこの私が目を付けただけはある。
 そして!  甘いココ……こほん、大人なブラックな飲み物が入ったティーカップを傾けて一口。
 むふっ!  これぞ優雅な大人の一服。

「お嬢様、本日のおやつはこちらのケーキをご用意しました」

 ケーキっ!

「ん、ありがと」

 さてと……観たいものも観れた事だし、このケーキを食べたらショウの所に挨拶をしに行ってやろうかな?
 むふふっ!  驚愕に目を見開くアイツらの間抜けな顔が目に浮かぶわっ!!
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