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第7章 新人戦編

112話 開幕

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『大変長らくお待たせいたしました!
 これより、出場者の入場が始まりますっ!!
 まず入場するのはFクラスからの出場者!!』

「「「「「「「「「「──!!!」」」」」」」」」」


 おぉ~、すごく盛り上がってる。
 控え室のここまで、観客の歓声が響いてきた!

「さすがはオルガマギア魔法学園だね」

「うんうん!  さすがはオルガマギア魔法学園!!」

「そういえば、ソフィーちゃんとフィルはオルガマギア魔法学園の新人戦を観るのは初めてだったわね。
 まだまだこんなモノじゃないわよ!!」

「おぉ~!  さすがはミラさん!!
 物知りです!」

「ふふ!  私は観客として毎年この新人戦に参加してたからね。
 オルガマギア魔法学園の新人戦といえば世界的にも有名だし、年に一回のお祭りみたいなものよ!」

「お祭り!」

「もう屋台とかもいっぱいあって凄いのよ?  まぁ、今回は出場選手として参加するわけだし。
 流石にお祭りとして楽しむ余裕はないかもしれないけど」

「そ、そうですよね……」

 ミラさんのいう通り、今回私達は観客としてではなく、出場選手の1人として新人戦に参加するわけだし。
 みんなと一緒にお祭りを楽しむ余裕も時間もない……んだろうけどフィルやミラさん、お友達と一緒にお祭り……

「あはは……わかりやすく落ち込むね。
 まぁ、新人戦は予選と決勝の2日間に分けて行われるんだし、心配しなくてもお祭りを楽しむ時間はあるよ」

「ほ、本当っ!?」

「ふふっ、まっ!  ソフィーちゃんとフィルは私達の中でも魔力量、技量共にずば抜けてるし、私も予選くらいは軽く突破してみせるわ!
 他のみんなは後で聞かないとわからないけど、今日の予選が終わればみんなでお祭りに行きましょ!!」

「~っ!  はいっ!!」

 やったぁっ!  みんなでお祭りっ!!

「にゅふふっ!」


『では、最後にSクラスの入場です!』


 っと、お祭りの話をしてる間に私達の番だ!

「じゃあみんな、行くわよ!」

 あの……ミラさん?
 張り切ってるところ悪いのですが、なぜに私と手を繋いでるんですか?
 いやまぁ、別にミラさんと手を繋ぐのはいいんだよ?

 いいんだけど……世界的に大きな注目を集めているこの新人戦には各国の重鎮を始め観客席には大勢の観客がいて、さらには魔法で国内の各地に中継されてるらしいし。
 さすがにミラさんと手を繋いだまま入場するのは恥ずかしい……

「ん?  ソフィーちゃん、どうかした?」

 ……こんな満面の笑みを向けられたら、恥ずかしいから手を離してほしいとはいえない!
 ま、まぁ!  私とミラさんは友達なわけだし!  手を繋ぐのくらいは別に普通だよね!!

 うんうん!  けど、入場か~。
 まぁ、入場といっても別に前世の記憶にある運動会とか、体育祭とかみたいにみんなで整列して行進なんかはしなくて、この魔法陣の上に乗ってるだけだけど……

「ふむ」

 なんでもない感じに設置されてるし、FからAクラスまでの出場者は特に気にすることなく普通に使ってたけど……転移魔法の魔法陣とか何気に高度な魔法が駆使されてる!

 新人戦の入場のためだけにこんな高度な転移魔法陣を使うなんて、さすがはオルガマギア魔法学園!!
 この魔法陣に乗っておけば、あとは勝手に魔法陣が起動して……


「「「「「「「「「「──!!!」」」」」」」」」」


 訓練場の指定の位置に一瞬で転移!
 そして私達の転移と同時にボワっと派手に立ち昇る火柱に、観客達の凄まじい歓声っ!!

「では、これより新人戦を開始するわ!」


 パチン!


「っ!!」

 やっと私達の入場と共に立ち昇った火柱が収まったと思ったら……今度は壇上に立ったマリア先生が指を鳴らした瞬間、花火が打ち上がって、一瞬で訓練場の空間が拡張されて広くなった!?
 これがオルガマギア魔法学園の新人戦……

「むふふっ!」

 楽しくなってきたっ!!
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