94 / 460
第5章 魔王襲来編
94話 私だったの!?
しおりを挟む
「1週間……!」
なるほど、だからお母様達のこの反応か……うん、それなら納得だわ。
さすがにそんなに寝込んでたなんて予想外だった!!
「ふふっ、その様子だと大丈夫そうだけど、とりあえず診察するわよ」
「わかりました」
しかし、まさか1週間も寝込んじゃうなんて!
無断でダンジョンに行って、心配をかけちゃったばかりなのに……また心配をかけてしまった……
「さて……そういう訳だから、男共は外に出てなさい」
「「「っ!?」」」
「何をそんなに驚いているのかしら?
いくら家族といってもソフィーちゃんは女の子なんだから当然でしょう」
「なっ!? マリア様、貴女はやっと目覚めて心細い思いをしているソフィーの側から離れろと言うのですかっ!?」
「そんなっ! いくら師匠でも横暴ですよっ!?」
「ソフィー、いきなり診察なんて不安かもしれないけど安心して。
お兄様達がソフィーの側についてるからな!」
当然のようにベッド横に寄せた椅子に座ってるし、これからマリア先生に診察してもらう私の部屋に居座るつもりじゃん!
けどまぁ……うん、これでこそ過保護で残念なお父様とお兄様達だ。
「あの……大丈夫なので部屋の外で待っていて欲しいです」
「「「ッ!?」」」
えっ、いや、そんな息を呑みながら驚愕に目を見開かれても困るんですけど……
「だ、だが……」
「早く外に出なさい!」
「「「……はい」」」
おぉ~、お母様の一喝でトボトボとお父様達が部屋の外に出て行った。
さすがはお母様だわ。
でも、あんなにしょんぼりされると、なにか悪いことをしてるようでちょっと罪悪感を感じる……
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「こほん……それでマリア様、ソフィーの容態はどうだったのでしょうか?」
「「……」」
診察が終わって、部屋に入ってきてもらったら……なんでそんなに深刻そうな雰囲気!?
「……別に何も問題は無かったわよ。
ただ、まだ完全に蓄積されたダメージが抜け切ってないようだから、暫くは安静にした方が良いとは思うけれど」
「「「ハァ~……」」」
息ピッタリで心底安心したような感じの安堵の溜息を吐いてるし、部屋を出たあとでいったいどんな話をしてたのやら……
「う~ん」
「ソフィーちゃん、どうかしたの?」
「お母様……いえ、ただどうしてあの状態から助かったのか不思議で」
ナルダバートに貫かれたお腹の傷。
内臓もぐちゃぐちゃになってたはずだし、アレは確実に致命傷だったはず。
血も流し過ぎてたのに……あの状態からどうやって助かったのか謎だわ。
「どうやら気を失っていたせいか、記憶が少し混濁しているようね」
「っ! ルミエ様っ!!」
よかった。
お母様達と一緒に来てくれなかったから、私が寝てる間になにかあったのかと思った。
「ふふっ、遅くなってごめんね。
ちょっと苦情を言いに行ってたのよ」
苦情?
「それより、もう大丈夫なの?」
「はい、まだ蓄積されたダメージ? が抜け切ってないようで、ちょっと身体が重いですけど、もう元気です!!」
「ルミエ様、記憶の混濁とは?
ソフィーちゃんは大丈夫なのでしょうか!?」
「ユリアナ、少し落ち着いて。
あの時、ソフィーは気を失っていたでしょう? だから、しっかりと記憶が継承されなかっただけよ」
「あの……」
あのときって?
「私が気を失ったあとにいったいなにがあったのですか?
それに、あの後どうなったのかも気になります」
「そうね、ソフィーが気を失った直後から説明するとなると……」
えっ? なに?
ルミエ様だけじゃなくて、お母様もお父様もお兄様まで一気に表情が曇ったんだけど!?
なにこの、まるで誰かが亡くなっちゃったかのようなシリアスな雰囲気!
あれ? そういえば、皇帝陛下とガルスさんがいないけど……ま、まさかっ!?
「ソフィーちゃん」
「は、はい!」
「心して聞いてほしいのだけど……実はあの後……」
ま、まさか本当に……
「ソフィーちゃんは一度死んだの」
「……ほぇ?」
死んだ? 誰が? 私が??
私が、一度死んだ……
「えぇっ!?」
死んじゃったのは皇帝陛下とガルスさんの2人じゃなくて、私だったのっ!?
なるほど、だからお母様達のこの反応か……うん、それなら納得だわ。
さすがにそんなに寝込んでたなんて予想外だった!!
「ふふっ、その様子だと大丈夫そうだけど、とりあえず診察するわよ」
「わかりました」
しかし、まさか1週間も寝込んじゃうなんて!
無断でダンジョンに行って、心配をかけちゃったばかりなのに……また心配をかけてしまった……
「さて……そういう訳だから、男共は外に出てなさい」
「「「っ!?」」」
「何をそんなに驚いているのかしら?
いくら家族といってもソフィーちゃんは女の子なんだから当然でしょう」
「なっ!? マリア様、貴女はやっと目覚めて心細い思いをしているソフィーの側から離れろと言うのですかっ!?」
「そんなっ! いくら師匠でも横暴ですよっ!?」
「ソフィー、いきなり診察なんて不安かもしれないけど安心して。
お兄様達がソフィーの側についてるからな!」
当然のようにベッド横に寄せた椅子に座ってるし、これからマリア先生に診察してもらう私の部屋に居座るつもりじゃん!
けどまぁ……うん、これでこそ過保護で残念なお父様とお兄様達だ。
「あの……大丈夫なので部屋の外で待っていて欲しいです」
「「「ッ!?」」」
えっ、いや、そんな息を呑みながら驚愕に目を見開かれても困るんですけど……
「だ、だが……」
「早く外に出なさい!」
「「「……はい」」」
おぉ~、お母様の一喝でトボトボとお父様達が部屋の外に出て行った。
さすがはお母様だわ。
でも、あんなにしょんぼりされると、なにか悪いことをしてるようでちょっと罪悪感を感じる……
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「こほん……それでマリア様、ソフィーの容態はどうだったのでしょうか?」
「「……」」
診察が終わって、部屋に入ってきてもらったら……なんでそんなに深刻そうな雰囲気!?
「……別に何も問題は無かったわよ。
ただ、まだ完全に蓄積されたダメージが抜け切ってないようだから、暫くは安静にした方が良いとは思うけれど」
「「「ハァ~……」」」
息ピッタリで心底安心したような感じの安堵の溜息を吐いてるし、部屋を出たあとでいったいどんな話をしてたのやら……
「う~ん」
「ソフィーちゃん、どうかしたの?」
「お母様……いえ、ただどうしてあの状態から助かったのか不思議で」
ナルダバートに貫かれたお腹の傷。
内臓もぐちゃぐちゃになってたはずだし、アレは確実に致命傷だったはず。
血も流し過ぎてたのに……あの状態からどうやって助かったのか謎だわ。
「どうやら気を失っていたせいか、記憶が少し混濁しているようね」
「っ! ルミエ様っ!!」
よかった。
お母様達と一緒に来てくれなかったから、私が寝てる間になにかあったのかと思った。
「ふふっ、遅くなってごめんね。
ちょっと苦情を言いに行ってたのよ」
苦情?
「それより、もう大丈夫なの?」
「はい、まだ蓄積されたダメージ? が抜け切ってないようで、ちょっと身体が重いですけど、もう元気です!!」
「ルミエ様、記憶の混濁とは?
ソフィーちゃんは大丈夫なのでしょうか!?」
「ユリアナ、少し落ち着いて。
あの時、ソフィーは気を失っていたでしょう? だから、しっかりと記憶が継承されなかっただけよ」
「あの……」
あのときって?
「私が気を失ったあとにいったいなにがあったのですか?
それに、あの後どうなったのかも気になります」
「そうね、ソフィーが気を失った直後から説明するとなると……」
えっ? なに?
ルミエ様だけじゃなくて、お母様もお父様もお兄様まで一気に表情が曇ったんだけど!?
なにこの、まるで誰かが亡くなっちゃったかのようなシリアスな雰囲気!
あれ? そういえば、皇帝陛下とガルスさんがいないけど……ま、まさかっ!?
「ソフィーちゃん」
「は、はい!」
「心して聞いてほしいのだけど……実はあの後……」
ま、まさか本当に……
「ソフィーちゃんは一度死んだの」
「……ほぇ?」
死んだ? 誰が? 私が??
私が、一度死んだ……
「えぇっ!?」
死んじゃったのは皇帝陛下とガルスさんの2人じゃなくて、私だったのっ!?
0
お気に入りに追加
1,673
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢ですが最強ですよ??
鈴の音
ファンタジー
乙女ゲームでありながら戦闘ゲームでもあるこの世界の悪役令嬢である私、前世の記憶があります。
で??ヒロインを怖がるかって?ありえないw
ここはゲームじゃないですからね!しかも、私ゲームと違って何故か魂がすごく特別らしく、全属性持ちの神と精霊の愛し子なのですよ。
だからなにかあっても死なないから怖くないのでしてよw
主人公最強系の話です。
苦手な方はバックで!
異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!
夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。
ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。
そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。
視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。
二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。
*カクヨムでも先行更新しております。
“絶対悪”の暗黒龍
alunam
ファンタジー
暗黒龍に転生した俺、今日も女勇者とキャッキャウフフ(?)した帰りにオークにからまれた幼女と出会う。
幼女と最強ドラゴンの異世界交流に趣味全開の要素をプラスして書いていきます。
似たような主人公の似たような短編書きました
こちらもよろしくお願いします
オールカンストキャラシート作ったら、そのキャラが現実の俺になりました!~ダイスの女神と俺のデタラメTRPG~
http://www.alphapolis.co.jp/content/cover/402051674/
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。
拝啓、お父様お母様 勇者パーティをクビになりました。
ちくわ feat. 亜鳳
ファンタジー
弱い、使えないと勇者パーティをクビになった
16歳の少年【カン】
しかし彼は転生者であり、勇者パーティに配属される前は【無冠の帝王】とまで謳われた最強の武・剣道者だ
これで魔導まで極めているのだが
王国より勇者の尊厳とレベルが上がるまではその実力を隠せと言われ
渋々それに付き合っていた…
だが、勘違いした勇者にパーティを追い出されてしまう
この物語はそんな最強の少年【カン】が「もう知るか!王命何かくそ食らえ!!」と実力解放して好き勝手に過ごすだけのストーリーである
※タイトルは思い付かなかったので適当です
※5話【ギルド長との対談】を持って前書きを廃止致しました
以降はあとがきに変更になります
※現在執筆に集中させて頂くべく
必要最低限の感想しか返信できません、ご理解のほどよろしくお願いいたします
※現在書き溜め中、もうしばらくお待ちください
公爵家長男はゴミスキルだったので廃嫡後冒険者になる(美味しいモノが狩れるなら文句はない)
音爽(ネソウ)
ファンタジー
記憶持ち転生者は元定食屋の息子。
魔法ありファンタジー異世界に転生した。彼は将軍を父に持つエリートの公爵家の嫡男に生まれかわる。
だが授かった職業スキルが「パンツもぐもぐ」という謎ゴミスキルだった。そんな彼に聖騎士の弟以外家族は冷たい。
見習い騎士にさえなれそうもない長男レオニードは廃嫡後は冒険者として生き抜く決意をする。
「ゴミスキルでも美味しい物を狩れれば満足だ」そんな彼は前世の料理で敵味方の胃袋を掴んで魅了しまくるグルメギャグ。
前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります
京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。
なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。
今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。
しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。
今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。
とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる