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第3章 冒険者登録編

42話 緊急依頼っ!!

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 グレンさんもミレーネさんも微妙な表情になってるけど……どうかしたのかな?

「ソフィー、口調が戻ってるわよ」

「あっ!」

 う~ん、ちょっと気を抜くと冒険者らしからぬ、ですます口調になってしまう。
 ミステリアスでカッコいい、謎の仮面冒険者たる私としては由々しき事態だわ!  こうなったらもういっそのこと、口調はいつも通りでいこうかな?

 けど納得だわ!
 グレンさんとミレーネさんの反応は、私の口調が行ったり来たりしてて統一されてないからこその反応だったと見たっ!!

「私もミステリアスでカッコいい、クールな謎の仮面冒険者のイメージを壊さないように頑張らないと!」

「「えっ……?」」

 あ、あれ?
 グレンさん、ミレーネさん?

「えっと……ソフィーちゃん、一応聞くけどミステリアスでカッコいい、クールな謎の冒険者って……」

「もちろん、私のことですけど?」

「……なるほど」

「……そうですか」

 へっ?  な、なにっ?
 なんかわからないけど、めっちゃ微妙な雰囲気になってるんだけど!?

「ふふふ、よしよし。
 可愛いわよ、ソフィー」

 ルミエ様……このなんともいえない空気をどうにかしようとしてくれるのは嬉しいんですけど。
 人前で頭を撫でられるのはちょっと恥ずかしい……!

「こほん、まぁ何にせよ、白竜……ルミエ様の帝都出現については俺にできる事は何もないし、この件はこれで一件落着だな」

「そうですね」

 えっ?  一件落着なの?

「それで、基本説明はどこまで進んでるんだ?」

「まだ冒険者ランクの事しか説明できてません」

「まぁ、あんな話が出て来れば仕方ないな」

 そういえば、冒険者になるにあたっての基本説明を受けてたんだった。
 まぁ尤も!  既に大体知ってるんだけど!!

「あとは魔物の危険度ランクと、迷宮ダンジョンの説明ですよね?」

「そうです、よくご存知ですね」

「ふふん!」

「ソフィーさんの言う通り、冒険者と同様に魔物にも危険度によってランクが付けられています。
 上から順にS、特A、A、B、C、D、E、Fの8つに分けられており、特にCランク以上はSランクを天災級、特Aは災禍級、Aから上位のBは厄災級、他のBとCは災害級と呼ばれます」

「災害級は村を容易に壊滅させ、都市に被害を出す程度の力を持つ存在。
 厄災級は都市に甚大な被害をもたらす存在。
 災禍級は単独で都市を滅ぼせる存在。
 そして天災級は国家を滅ぼせる存在って位置づけだ」

 ちなみに、昨日私が倒した下位悪魔レッサーデーモンはAランク、厄災級の存在で結構ヤバい相手なのだ。
 まぁ、私の敵じゃないけど!!

「まぁ、これが世間一般的なランク付けだが、実はその上が存在する」

「特Sランク、神災級」

「さすがは公爵家の御令嬢にして、第一王子の婚約者だな」

「ふふん!」

 無論!  冒険者になるにあたってその程度の知識は身につけているのだ!!
 まぁ、基本的にそんな存在は人前に姿を表すことはないから例外的な扱いを受けてるだけで国家によって秘匿されてるわけでもないし、一般人でも知ってる人は知ってるんだけど。

「神災級は単独で人類を滅亡させられるだけの力を持つとされる存在。
 いわゆる神話に語られるような存在のことですね」

「そうだ。
 が、まぁぶっちゃけ、神災級の存在なんて数百年前の聖魔大戦以来は一度も確認されていないからな。
 一応規則で説明してるだけで、これは別に気にする必要はない」

「あら、そんな事はないわよ?
 私もギルドのランクで言うと神災級になるしね」

「えっ?」

 そうだったんだ。
 う~ん、けど確かに竜王の姿ですら力を抑えて弱体化した姿だっていってたし。
 ルミエ様が神災級ってことは納得できる!  ルミエ様すごいっ!!

「ふふっ、人間達が気づいていないだけで、神災級の存在なんて結構そこらじゅうにいるわよ?
 人街に来て遊んでるヤツもそれなりにいるわ」

「へぇ~」

 でもまぁ、ルミエ様みたいに人間の姿になれるんだったら人街にいても気づかないか。
 だって、完全に力を抑えたルミエ様はどこからどう見てもか弱い美女にしか見えないし。

 ルミエ様いわく、自身の魔素エネルギーを完全に支配下に置いてコントロールすることはルミエ様クラスになってくるとできて当然らしい。
 他の神災級の存在が人間の街で遊んでいても不思議じゃない。

「今さらっとヤバい事を言われた気がするんだが、気のせいかな?」

「残念ながら気のせいでも聞き間違いでもありませんね。
 私もハッキリと聞きましたから」

「ふぅ~……ま、まぁアレだ!  ミレーネくん、今の話は俺達の胸の中にしまっておこうじゃないか!!
 どうせ上に報告しても頭がおかしくなったと思われるだけだ」 

「はぁ、わかりました。
 ただし、後でこの件が露見して、上からお叱りを受けても私は知りませんからね」

「えっ……」

「では、ソフィーさん、ルミエ様。
 続きまして、迷宮ダンジョンについてのご説明をさせていただきます」

「はい!」

「頼むわ」

「ご存知だとは思いますが、出現理由や原理などは不明ですが現在七つ存在する最大規模のダンジョン、七大迷宮をはじめ各地にダンジョンが存在しています。
 一応ダンジョンにも上から順にS、A、B、C、D、E、Fとランクが付けられており、一部のダンジョンでは冒険者ランクによる入場規制があります」

「まっ、Aランクのソフィーちゃんとルミエ様なら殆どのダンジョンに潜れるけどな」

「七大迷宮もですか?」

「問題ないぞ。
 七大迷宮は昔、四大国を筆頭に国際会議で入場制限を設けない事が決定されてるからな。
 それこそ冒険者じゃなくても入口で申請を出せば誰でも入る事ができる。
 そのかわり、例え死んだとしても全て自己責任ってわけだ」

「なるほど……」

 冒険者といえば迷宮ダンジョン攻略!
 いつかはダンジョンに行って、七大迷宮を制覇したいと思ってたし。
 Sランクに定められてる迷宮だけど入場に制限がないなら今度行ってみよう!!

「とまぁ、規則の基本説明はこのくらいにして、実はAランク冒険者の2人に話があったんだ。
 2人にギルドからの緊急依頼を受けてもらいたい」

「っ!」

 緊急依頼っ!
 なんか冒険者って感じがしていいっ!!

「これは……」

 グレンさんがおもむろに机の上に広げた1枚の紙。
 ギルドの緊急依頼書に書かれてる内容は……

「昨日の夜この王都ノリアナの近郊に突如、迷宮ダンジョンが出現したんだが……2人とも早速、迷宮ダンジョンに潜ってみないか?」 
 
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