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第1章 幼少期編
19話 竜がいたっ!!
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魔の森を走ること約2時間。
「ふんふんふ~ん……ほっ!」
剣を振るって襲い掛かってくる魔物を斬る。
「るんるんる~ん……はっ!」
魔法を放って襲い掛かってくる魔物を吹っ飛ばす。
「ふぅ~」
鼻歌を歌いながら、休むことなくここまで走り続けて来たわけだけど。
まさかほとんど休む間もなく数分ごとに次々と魔物に襲われることになるとは…… さすがは冒険者ギルドが定めるS級危険領域!
うんうん、人が安易に足を踏み入れたらダメな魔境と呼ばれるだけのことはあるわ。
まっ! 私にはこの程度なら余裕だけど!!
亜空間に放り込んでる魔物の数ももう279体だし。
「ふふん!」
とはいえ……お兄様達の授業で習った話によると、森の中心部に近づけば近づくほど強大な魔物が生息してるらしいし。
そろそろ気を引き締めていかないと!
「よし!」
パシッ!
「……痛い」
気合を入れるために自分のほっぺを叩くのはよく見るシーンだけど……結構、痛かった……
「シャァァッ!!」
「よっ!」
背後から飛び掛かってきた全長10メートルはある大蛇を回転して避けて、そのまま首を落とす。
「これで280体目っと!」
まぁ、お兄様達に出された最終試験はこの魔の森を踏破して反対側にある超大国。
帝国までたどり着くことだから、倒した魔物の数なんてカウントしてても関係ないんだけど。
「さてと! じゃあ行きますか!!」
むふふ! エレンお兄様の話では、この森を横断するのに私の足でも3日程はかかるっていってたけど。
1日で走破してやるっ!!
「にゅふふっ!」
帝国の冒険者ギルドで待っているお兄様達の驚く顔が楽しみだわ!!
「ガルゥゥッ!!」
炎を全身に纏った巨大な虎。
「ガァッ!!」
羽ばたき1つで暴風を操る怪鳥。
「グォォッ!!」
魔法を使ってくる大樹。
「ふふふ! さぁ、魔物共よ! かかってくるがいい!!
そして、私の力を思い知れっ!!」
襲い掛かってくる魔物達を優雅に、されど力強く圧倒しながらS級危険領域の魔の森を疾駆する!
ここまで結構良いペースで来てるし。
そろそろ、森の深層に入る頃だと思うんだけど……
「ん?」
おかしい。
魔法を使う大樹、エルダートレントを討伐してから、かれこれ10分ほどは走ってるのに一向に魔物に襲われない。
まぁ、森の中心部……深層に行けば行くほど、強大な魔物が生息していて、それに比例して個体数は少なくなるらしいし。
おかげでかなりの速度で進めてるし、襲われない方が楽だから良いんだけど。
「ふむ」
ここは冒険者ギルドが定めたS級危険領域。
そんな魔の森を10分間も走っていて、魔物に襲われるどころか、1匹も魔物を見ないなんて有り得ない。
「う~ん」
私を中心に半径200メートルの範囲に展開している魔力感知にも一切魔物の反応がないし。
これはいったい……よし、ちょっと魔力感知の範囲を広げて……
「っ!!」
私の前方約500メートル。
魔力感知の端にあったこの反応!
全身の毛が逆立つようなこの感じ……
「これが原因か!」
つまりは、この反応の持ち主が原因で周囲の魔物達が逃げてたから魔物に遭遇しなかったってわけだ。
魔の森の深層にいる魔物達が逃げ出すって……
「まぁ、この巨大な魔力なら仕方ないかもだけど」
私も鳥肌が止まらないし。
なんていうか……本能が逃げろって、これ以上は近づくなって叫んでる感じがする。
けど……
「ふふっ! 面白い!!
行ってやろうじゃない!」
この先にいる存在は確実に今の私よりも圧倒的な格上。
本当ならここは逃げるのが正解なんだろうけど…… 私はいずれ最強に至る存在!!
今ここで逃げるわけにはいかないっ!
敵が今の私よりも圧倒的な力を持つ格上なんだったら、私は今! この場所で限界を超えてやるわ!!
「ふぅ~」
さて、鬼が出るか蛇が出るか。
まぁ、どっちでもここが私にとって最初の死線であることには違いないんだけど……いざ!
「おぉ~」
なるほど。
そりゃあ深層の魔物達が逃げ出すわけだわ……
『ふふふ、逃げずに私の元まで来るとは。
よく来たな、人間の娘よ』
白く輝くような鱗に、巨大な翼。
圧倒的な力の圧に、どこか神聖さすら感じさせる不思議な雰囲気。
なんか綺麗で美しい真っ白な竜がいたっ!!
「ふんふんふ~ん……ほっ!」
剣を振るって襲い掛かってくる魔物を斬る。
「るんるんる~ん……はっ!」
魔法を放って襲い掛かってくる魔物を吹っ飛ばす。
「ふぅ~」
鼻歌を歌いながら、休むことなくここまで走り続けて来たわけだけど。
まさかほとんど休む間もなく数分ごとに次々と魔物に襲われることになるとは…… さすがは冒険者ギルドが定めるS級危険領域!
うんうん、人が安易に足を踏み入れたらダメな魔境と呼ばれるだけのことはあるわ。
まっ! 私にはこの程度なら余裕だけど!!
亜空間に放り込んでる魔物の数ももう279体だし。
「ふふん!」
とはいえ……お兄様達の授業で習った話によると、森の中心部に近づけば近づくほど強大な魔物が生息してるらしいし。
そろそろ気を引き締めていかないと!
「よし!」
パシッ!
「……痛い」
気合を入れるために自分のほっぺを叩くのはよく見るシーンだけど……結構、痛かった……
「シャァァッ!!」
「よっ!」
背後から飛び掛かってきた全長10メートルはある大蛇を回転して避けて、そのまま首を落とす。
「これで280体目っと!」
まぁ、お兄様達に出された最終試験はこの魔の森を踏破して反対側にある超大国。
帝国までたどり着くことだから、倒した魔物の数なんてカウントしてても関係ないんだけど。
「さてと! じゃあ行きますか!!」
むふふ! エレンお兄様の話では、この森を横断するのに私の足でも3日程はかかるっていってたけど。
1日で走破してやるっ!!
「にゅふふっ!」
帝国の冒険者ギルドで待っているお兄様達の驚く顔が楽しみだわ!!
「ガルゥゥッ!!」
炎を全身に纏った巨大な虎。
「ガァッ!!」
羽ばたき1つで暴風を操る怪鳥。
「グォォッ!!」
魔法を使ってくる大樹。
「ふふふ! さぁ、魔物共よ! かかってくるがいい!!
そして、私の力を思い知れっ!!」
襲い掛かってくる魔物達を優雅に、されど力強く圧倒しながらS級危険領域の魔の森を疾駆する!
ここまで結構良いペースで来てるし。
そろそろ、森の深層に入る頃だと思うんだけど……
「ん?」
おかしい。
魔法を使う大樹、エルダートレントを討伐してから、かれこれ10分ほどは走ってるのに一向に魔物に襲われない。
まぁ、森の中心部……深層に行けば行くほど、強大な魔物が生息していて、それに比例して個体数は少なくなるらしいし。
おかげでかなりの速度で進めてるし、襲われない方が楽だから良いんだけど。
「ふむ」
ここは冒険者ギルドが定めたS級危険領域。
そんな魔の森を10分間も走っていて、魔物に襲われるどころか、1匹も魔物を見ないなんて有り得ない。
「う~ん」
私を中心に半径200メートルの範囲に展開している魔力感知にも一切魔物の反応がないし。
これはいったい……よし、ちょっと魔力感知の範囲を広げて……
「っ!!」
私の前方約500メートル。
魔力感知の端にあったこの反応!
全身の毛が逆立つようなこの感じ……
「これが原因か!」
つまりは、この反応の持ち主が原因で周囲の魔物達が逃げてたから魔物に遭遇しなかったってわけだ。
魔の森の深層にいる魔物達が逃げ出すって……
「まぁ、この巨大な魔力なら仕方ないかもだけど」
私も鳥肌が止まらないし。
なんていうか……本能が逃げろって、これ以上は近づくなって叫んでる感じがする。
けど……
「ふふっ! 面白い!!
行ってやろうじゃない!」
この先にいる存在は確実に今の私よりも圧倒的な格上。
本当ならここは逃げるのが正解なんだろうけど…… 私はいずれ最強に至る存在!!
今ここで逃げるわけにはいかないっ!
敵が今の私よりも圧倒的な力を持つ格上なんだったら、私は今! この場所で限界を超えてやるわ!!
「ふぅ~」
さて、鬼が出るか蛇が出るか。
まぁ、どっちでもここが私にとって最初の死線であることには違いないんだけど……いざ!
「おぉ~」
なるほど。
そりゃあ深層の魔物達が逃げ出すわけだわ……
『ふふふ、逃げずに私の元まで来るとは。
よく来たな、人間の娘よ』
白く輝くような鱗に、巨大な翼。
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