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第1章 幼少期編
15話 襲来
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「むふふっ!」
「お嬢様、はしたないですよ」
むっ、ファナに注意されてしまった。
確かに今の笑い方は公爵令嬢には相応しくなかったかもしれないけど……
「いいの、だって誰かに見られてるわけじゃないし」
そりゃあ私だってまだ5歳とはいえルスキューレ公爵家の娘!
お兄様達との修行と並行して淑女教育も受けてるし、公の場ではそれ相応の立ち振る舞いを心がける。
でも、今は自分の部屋にいて私とファナしかいないわけだし、細かいことは気にしないのだ!!
「それに……今日は初めての実戦訓練だもん!」
お兄様達の修行を始めて1ヶ月!
この1ヶ月、辛いことも、嬉しいことも、楽しいことも色々あった。
それこそ語るも涙、聞くも涙のエピソードの数々!
初日に訓練場の周りを3周ランニングしただけで死に体になってたのは良い思い出……まぁ、今でもランニングは嫌いだけど。
ランニングの後、お昼ご飯と休憩を挟んでやった魔力操作の練習では賢者であるアルトお兄様が驚くほどすぐに魔力操作を完璧にこなして見せた!
「お嬢様……」
「もう、そんな心配そうな顔をしなくても大丈夫」
この1ヶ月。
ランニングや筋力トレーニング、素振りとか魔法の勉強などなど、しっかりと基礎をやり込み。
お兄様達の模擬戦もいっぱいやって私は強くなった! たぶん……
それに、今日向かうのは最弱の魔物として名高いスライムしか出ない森だし。
アルトお兄様とエレンお兄様も一緒に行くんだから、そんなに心配しなくても大丈夫なのに。
「ですが、万が一にもお嬢様に何かあったかと思うと……」
う~ん、お父様達もだけどファナも過保護だからなぁ~。
ファナは私が修行してるところを見てて、私がこの1ヶ月で強くなったことを知ってるはずなのに……さて、どうしたものか……
コンコン
「ん?」
「少々お待ちください」
「わかった」
何の用だろ? この後の予定はお兄様達との実戦訓練しかないはずだけど……お兄様達ならノックはしてもすぐに入って来て抱き締めてくる。
私の部屋をノックしてちゃんと取り継ぎするってことは、お兄様達じゃない。
「お嬢様、少々問題が発生したようです」
「問題?」
私を溺愛してて、過保護で、ちょっと残念なところがあるけど、その実力は確かなお兄様達に何かあったとは思えないんだけど……お兄様達なら死んでもコロっと生き返りそうだし。
「はい、実はお嬢様に来客だそうです」
「私に?」
友達の令嬢達なら事前に会う約束をするし。
お兄様達との修行と並行して淑女教育は受けてるとはいえ、まだ社交界デビューもしてない私に突然の来客なんて一体誰だろ?
「はい……」
ファナもなんか微妙な表情をしてるし……本当に誰?
「ただいま旦那様と奥様が応接室で対応なさっているそうなので、お嬢様も準備が整い次第来るようにとのことです」
「むぅ~」
せっかく、これから初めての実戦だったのに……!!
「わかった。
それで誰なの?」
まぁ、誰でも関係ないけど。
事前の約束もなく突然押しかけて来るような非常識なヤツめ! 私の実戦訓練を邪魔してくれたお礼は必ずしてやるわ!!
「それが……」
「お待ちをっ!!」
ファナの言葉を遮って廊下から鳴り響く悲鳴のようなこの声……
「落ち着いてくださいっ!!」
「これが落ち着いていられるか!
ずっと寝込んでしまっていた僕の婚約者にやっと会えるんだ!!」
なんか非常に嫌な予感がするんだけど。
だんだんと騒ぐ声が近付いて来てるような気がするんだけど……
バンッ!
「ご令嬢のお部屋に勝手に入るなど!」
「ソフィア嬢っ!!」
開け放たれた扉から私の名前を叫びながら入ってきたのは……金髪碧眼の少年。
「良かった、もう元気になったのですね」
私を見て嬉しそうに微笑むこの少年は……
「セドリック殿下……」
「お久しぶりです。
またお会いできて嬉しいですよ」
「お嬢様、はしたないですよ」
むっ、ファナに注意されてしまった。
確かに今の笑い方は公爵令嬢には相応しくなかったかもしれないけど……
「いいの、だって誰かに見られてるわけじゃないし」
そりゃあ私だってまだ5歳とはいえルスキューレ公爵家の娘!
お兄様達との修行と並行して淑女教育も受けてるし、公の場ではそれ相応の立ち振る舞いを心がける。
でも、今は自分の部屋にいて私とファナしかいないわけだし、細かいことは気にしないのだ!!
「それに……今日は初めての実戦訓練だもん!」
お兄様達の修行を始めて1ヶ月!
この1ヶ月、辛いことも、嬉しいことも、楽しいことも色々あった。
それこそ語るも涙、聞くも涙のエピソードの数々!
初日に訓練場の周りを3周ランニングしただけで死に体になってたのは良い思い出……まぁ、今でもランニングは嫌いだけど。
ランニングの後、お昼ご飯と休憩を挟んでやった魔力操作の練習では賢者であるアルトお兄様が驚くほどすぐに魔力操作を完璧にこなして見せた!
「お嬢様……」
「もう、そんな心配そうな顔をしなくても大丈夫」
この1ヶ月。
ランニングや筋力トレーニング、素振りとか魔法の勉強などなど、しっかりと基礎をやり込み。
お兄様達の模擬戦もいっぱいやって私は強くなった! たぶん……
それに、今日向かうのは最弱の魔物として名高いスライムしか出ない森だし。
アルトお兄様とエレンお兄様も一緒に行くんだから、そんなに心配しなくても大丈夫なのに。
「ですが、万が一にもお嬢様に何かあったかと思うと……」
う~ん、お父様達もだけどファナも過保護だからなぁ~。
ファナは私が修行してるところを見てて、私がこの1ヶ月で強くなったことを知ってるはずなのに……さて、どうしたものか……
コンコン
「ん?」
「少々お待ちください」
「わかった」
何の用だろ? この後の予定はお兄様達との実戦訓練しかないはずだけど……お兄様達ならノックはしてもすぐに入って来て抱き締めてくる。
私の部屋をノックしてちゃんと取り継ぎするってことは、お兄様達じゃない。
「お嬢様、少々問題が発生したようです」
「問題?」
私を溺愛してて、過保護で、ちょっと残念なところがあるけど、その実力は確かなお兄様達に何かあったとは思えないんだけど……お兄様達なら死んでもコロっと生き返りそうだし。
「はい、実はお嬢様に来客だそうです」
「私に?」
友達の令嬢達なら事前に会う約束をするし。
お兄様達との修行と並行して淑女教育は受けてるとはいえ、まだ社交界デビューもしてない私に突然の来客なんて一体誰だろ?
「はい……」
ファナもなんか微妙な表情をしてるし……本当に誰?
「ただいま旦那様と奥様が応接室で対応なさっているそうなので、お嬢様も準備が整い次第来るようにとのことです」
「むぅ~」
せっかく、これから初めての実戦だったのに……!!
「わかった。
それで誰なの?」
まぁ、誰でも関係ないけど。
事前の約束もなく突然押しかけて来るような非常識なヤツめ! 私の実戦訓練を邪魔してくれたお礼は必ずしてやるわ!!
「それが……」
「お待ちをっ!!」
ファナの言葉を遮って廊下から鳴り響く悲鳴のようなこの声……
「落ち着いてくださいっ!!」
「これが落ち着いていられるか!
ずっと寝込んでしまっていた僕の婚約者にやっと会えるんだ!!」
なんか非常に嫌な予感がするんだけど。
だんだんと騒ぐ声が近付いて来てるような気がするんだけど……
バンッ!
「ご令嬢のお部屋に勝手に入るなど!」
「ソフィア嬢っ!!」
開け放たれた扉から私の名前を叫びながら入ってきたのは……金髪碧眼の少年。
「良かった、もう元気になったのですね」
私を見て嬉しそうに微笑むこの少年は……
「セドリック殿下……」
「お久しぶりです。
またお会いできて嬉しいですよ」
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