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第1章 幼少期編

12話 壊れちゃった!?

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「ユニークスキル・探究者……」 

 勉強したり、見たり、直接触れたり、体験して理解することで私自身の力とすることができる。

「むふっ!」

 それはつまり!  他の人達のスキルや長年や鍛錬で身につけた技術を……アルトお兄様が使う魔法も!  エレンお兄様の剣術も! 
 そして……前世の記憶の中にある数々の技を再現して、私自身の力にできるということでは!?

「にゅふふっ!!」

「もう、ソフィーちゃん。
 そんな変な声で笑っちゃダメよ?」

「あっ、ごめんなさい」

 私としたことが、ついつい声に出ちゃったわ。

「それにしても……アルトとエレンとはまた違った変わった能力ね」

「お兄様達もユニークスキルを?」

「ええ、後で直接2人から聞いてみると良いわ」

 ほほう、さすがは私のお兄様達!
 当然のようにユニークスキルを持っているとは。

「ちなみに、私のユニークスキルは炎熱姫と言ってね」

「えっ」

 お母様、今なんと?

「ふふ、こう見えて炎に関する事についてはアルトよりも私の方が上なのよ?
 けど、この歳で姫だなんて少し恥ずかしいから、お父様達やこの家の使用人達は知ってるけど他の人達には内緒よ」

「わかりました……けど!  お母様は綺麗だから恥ずかしがることなんてありません!!」

 娘の私から見ても、子供を3人も産んだとは思えないほどに綺麗だもん!!
 お母様は今年で36歳だけど、20代前半と……いや!  10代だと言われても納得できるし!!

「ふふふ、ありがとう」

「ふへへ」

 お母様に優しく抱きしめられて、頭を撫でられてしまった。

「さぁソフィー、他のスキルの確認もしてしまいましょう」

「うん」

 じゃあ、どんどん行ってみよう!



 エクストラスキル・叡智
 思考能力および速度が上昇する思考加速、演算能力が上昇する森羅万象の権能を有する。
 事象に対する理解力が向上する。



「おぉ~」

 私のユニークスキルである探究者とめっちゃ相性がいいっ!!
 っと、悦に浸るのは後にして……

「次は~」



 エクストラスキル・魔導
 一部を省く他全ての魔法に対する適性を持つ。
 魔力、魔法に対する親和性が飛躍的に向上する。



 魔力と魔法に対する親和性?  よくわからないけど、つまりは魔法が得意になるってことかな?

「これはアルトと同じね」

「アルトお兄様もこのエクストラスキルを持っているのですか?」

「そうよ、後でアルトから色々と話を聞くと良いわ」

「わかりました!」

 何気に今のステータス鑑定は修行を始める前の事前準備。
 早くアルトお兄様とエレンお兄様に話を聞いて修行を始めたいし。
 残りは一気に確認しちゃおう!



 耐性・魔法攻撃耐性
 魔法攻撃に対する耐性。
 ーーーの加護により獲得。


 耐性・物理攻撃耐性
 物理攻撃に対する耐性。
 ーーーの加護により獲得。


 耐性・状態異常耐性
 状態異常に対する耐性。
 ーーーの加護により獲得。



「加護?」

 そういえば、ステータスに加護っていうのがあったけど……

「流石は加護……耐性スキルを3つも獲得できるなんて」

「お母様、加護って……」

「加護はこの世界に住う神々や、それに連なる上位存在が与えてくださるの。
 加護を持つと言う事は、加護を与えてくださった存在から気に掛けられている、または愛されている証と言われているわ」

「へぇ~」

「ふふっ、加護持ちは愛子とも呼ばれているのよ。
 ほらソフィーちゃんのステータスにも愛子の称号があるでしょう?」

「うん」

「今から100年ほど前にね、とある上位存在が加護を与えた愛子を利用して国を発展させるために、愛子を無理やり王子と結婚させようとした国があったわ。
 けど、無理やり王族と婚姻を結ばされた愛子が嘆き悲しんだ結果、その国は上位存在の怒りを買って滅びてしまった」

「っ!」

「それほどに愛子の影響力は強くて、愛子が現れたら愛子の意向を汲んで国を挙げて手厚く保護するのが常識なのよ」

 国を挙げて……

「愛子ってすごいんですね」

「そうなのっ!  加護を持っているだなんて、流石は私の天使だわっ!!」

 おぉう……いつもは残念なお父様達を諌めているお母様が珍しく残念なお母様になってしまった。
 けど……


 名前:ソフィー・ルスキューレ
 種族:人間ヒューマン
 称号:「公爵令嬢」「お転婆令嬢」「ルスキューレ家の天使」「転生者」「愛子」
 加護:「ーーーの加護」


 ・ユニークスキル
「探究者」

 ・エクストラスキル
「叡智」「魔導」

 ・耐性
「魔法攻撃耐性」「物理攻撃耐性」「状態異常耐性」



「ふむ」

 どうして、加護の名前の部分が表記されずに読めないようになってるんだろ?
 う~ん、まぁ考えたところでわからないから別に良いかな?

「あら、難しい顔をしてどうしたの?」

 あっ、お母様、復活したんですね。

「いえ、なんでもないです」

「そう?  それなら良いけど。
 ヴェルトは……まだ放心してるようだし、仕方ないわね。
 ソフィーちゃん、先に魔力量も計測してしまいまょう」

「わかりました!」

「ふふ、じゃあ次はこっちの魔力量計測の魔石に触って」

「はい!」

 ステータスは色々と想定外だったけど。
 乙女ゲームでの私の魔力量は勇者であるセドリック殿下や聖女すら凌駕する!  らしい。
 今度こそ、ビシッと私の威厳ある姿を見せつけてやるわ!!

「ふぅ~……えい!」

 水晶……魔力計測用の魔石に触れた瞬間。
 昼間だというのに、目が眩む程に水晶が眩く光り輝き……


 ピシッ!


 イヤな音と共に魔石に幾つもの亀裂が走って……粉々に砕け散った。

「……」

 こ、壊れちゃった!?
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