上 下
10 / 460
第1章 幼少期編

10話 ステータス!

しおりを挟む
 お父様達にも戦闘服姿を見せて、褒めてもらったし。
 朝ご飯を食べたあと、ちょっと休憩を挟んで準備は万端!!
 というわけで、お兄様達に先導されてやって来ました!  訓練場っ!!

 我がルスキューレ公爵家の王都にある広大なお屋敷、いわゆるタウンハウスの敷地内にある私設騎士団の訓練場。
 今日はその一角を借りて訓練を行うわけだけど……

 当然、蝶よ花よと育てられてる公爵令嬢である私がここに来たことなんて一度もなくて今日が初めてこの訓練場に来た……って、みんな思ってるんだろうな~。

「ふふっ」

 まぁ確かに、そんじょそこらの普通の貴族令嬢なら訓練場に足を踏み入れたことなんて一度もないだろう。
 けど……私は違う!  なにせ、私の秘密の特訓はこの訓練場を使って行っていたわけだし。

 最初はこっそりとバレないように忍び込んだけど……すぐにバレた、訓練場に忍び込んで10分もしないでバレた。
 流石は私達を警護するために領地から王都までついて来てくれてる我らがルスキューレ家に仕える騎士達の中でも精鋭の騎士達である。

 けど、そこは公爵令嬢としての地位を存分に利用して、お父様達には黙っているように威厳たっぷりな態度で騎士達に厳命した!
 おかげでお父様達にはバレてないし、今となっては騎士達とも打ち解けて一緒に訓練をしたりしている仲である。
 この訓練場はもはや私の庭と言っても過言ではないのだ!!

「では、これより訓練に入ろうと思います」

「はい!  エレンお兄様!!」

 お兄様達のお話を聞いたり、冒険小説を読んだりして前から魔法や剣を使って戦うことに憧れてはいたけど。
 前世の記憶にあるアニメやマンガの数々を思い出してその気持ちはより強まった。

 そして今日は1週間も待ちに待った修行の開始日!
 昨日は楽しみで……ぐっすり寝たけど、とにかく!  この1週間、とても楽しみにしてたのだ。
 これが楽しくないわけがない!  けど……

「バルト見ろ!!  ソフィーが!  ソフィーが可愛すぎてツラいっ!!」

「ソフィーちゃん、頑張って!」

 アルトお兄様は魔法と、その知識。
 エレンお兄様は剣術と、冒険者として必要なスキルとかを教えてくれるとのことだけど……なんでお父様とお母様も一緒について来てるんだろ?

 お仕事しなくて良いのかな……?  う~ん、まぁ考えてもわからないし別に良いや!
 ふふふ、お兄様達だけじゃなくてお父様とお母様にも私の凄さを見せつけて心配性なみんなを安心させてあげるわ!!

「元気があってよろしい。
 けど、はしゃぎ過ぎて倒れないようにね?」

「むっ、もうお兄様!  バカにしないでください」

 そんなことで倒れるはずがないのに!

「あはは、ごめんごめん。
 そんなに頬を膨らませないで、ね?」

「は~い。
 それで、最初は何から始めるのですか?」

「まぁまぁ、そう焦らない。
 まず最初は……アルト兄さん、準備は?」

「問題ない。
 いつでも大丈夫だよ」

 エレンお兄様の言葉の途中で転移して現れたアルトお兄様。
 転移魔法を当然のように使いこなすとは……さすがは3年前、若干15歳で賢者の称号を得た天才!
 すごいけど……アルトお兄様が転移で持ってきたであろう、2つの巨大な水晶はいったい……?

「あの、それは?」

「これは鑑定の儀で使われる神器と魔力量計測器の魔石だよ。
 これからソフィーには本当なら10歳になった時に行うステータスの鑑定、そして魔力量計測を行なってもらいます」

「おぉ~!」

 王族も貴族も平民も関係なく。
 強制ではないけどほとんど全ての人が10歳になったときに受ける鑑定の儀式と、自身の魔力量を知ることができる魔力量計測。

 まぁ、魔力量計測は良いとして、お兄様達から大きな水晶を使うって聞いてたけど……
 これが、この世界の主神とされている全ての魔法を司る魔法神ティフィア様が授けたとされるステータス鑑定の神器!

「じゃあ、まずはステータスの鑑定から始めよう。
 ソフィー、その水晶に触ってみて」

「はい!」

 ふふふ……数々の廃人ゲーマーをして無理ゲーだ、鬼畜ゲーだと言わしめた難易度を誇る魔王討伐を成し遂げる英雄。
 勇者であるセドリック殿下と聖女達にすら対等に渡り合う超絶高スペックな悪役令嬢たる私のすごさを刮目せよ!!



 名前:ソフィア・ルスキューレ
 種族:人間ヒューマン
 称号:「公爵令嬢」「お転婆令嬢」「ルスキューレ家の天使」「転生者」「愛子」
 加護:「ーーーの加護」


 ・ユニークスキル
「探究者」

 ・エクストラスキル
「叡智」「魔導」

 ・耐性
「魔法攻撃耐性」「物理攻撃耐性」「状態異常耐性」
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢ですが最強ですよ??

鈴の音
ファンタジー
乙女ゲームでありながら戦闘ゲームでもあるこの世界の悪役令嬢である私、前世の記憶があります。 で??ヒロインを怖がるかって?ありえないw ここはゲームじゃないですからね!しかも、私ゲームと違って何故か魂がすごく特別らしく、全属性持ちの神と精霊の愛し子なのですよ。 だからなにかあっても死なないから怖くないのでしてよw 主人公最強系の話です。 苦手な方はバックで!

異世界転生 転生後は自由気ままに〜

猫ダイスキー
ファンタジー
ある日通勤途中に車を運転していた青野 仁志(あおの ひとし)は居眠り運転のトラックに後ろから追突されて死んでしまった。 しかし目を覚ますと自称神様やらに出会い、異世界に転生をすることになってしまう。 これは異世界転生をしたが特に特別なスキルを貰うでも無く、主人公が自由気ままに自分がしたいことをするだけの物語である。 小説家になろうで少し加筆修正などをしたものを載せています。 更新はアルファポリスより遅いです。 ご了承ください。

黄金蒐覇のグリード 〜力と財貨を欲しても、理性と対価は忘れずに〜

黒城白爵
ファンタジー
 とある異世界を救い、元の世界へと帰還した玄鐘理音は、その後の人生を平凡に送った末に病でこの世を去った。  死後、不可思議な空間にいた謎の神性存在から、異世界を救った報酬として全盛期の肉体と変質したかつての力である〈強欲〉を受け取り、以前とは別の異世界にて第二の人生をはじめる。  自由気儘に人を救い、スキルやアイテムを集め、敵を滅する日々は、リオンの空虚だった心を満たしていく。  黄金と力を蒐集し目指すは世界最高ランクの冒険者。  使命も宿命も無き救世の勇者は、今日も欲望と理性を秤にかけて我が道を往く。 ※ 更新予定日は【月曜日】と【金曜日】です。 ※第301話から更新時間を朝5時からに変更します。

“絶対悪”の暗黒龍

alunam
ファンタジー
暗黒龍に転生した俺、今日も女勇者とキャッキャウフフ(?)した帰りにオークにからまれた幼女と出会う。  幼女と最強ドラゴンの異世界交流に趣味全開の要素をプラスして書いていきます。  似たような主人公の似たような短編書きました こちらもよろしくお願いします  オールカンストキャラシート作ったら、そのキャラが現実の俺になりました!~ダイスの女神と俺のデタラメTRPG~  http://www.alphapolis.co.jp/content/cover/402051674/

拝啓、お父様お母様 勇者パーティをクビになりました。

ちくわ feat. 亜鳳
ファンタジー
弱い、使えないと勇者パーティをクビになった 16歳の少年【カン】 しかし彼は転生者であり、勇者パーティに配属される前は【無冠の帝王】とまで謳われた最強の武・剣道者だ これで魔導まで極めているのだが 王国より勇者の尊厳とレベルが上がるまではその実力を隠せと言われ 渋々それに付き合っていた… だが、勘違いした勇者にパーティを追い出されてしまう この物語はそんな最強の少年【カン】が「もう知るか!王命何かくそ食らえ!!」と実力解放して好き勝手に過ごすだけのストーリーである ※タイトルは思い付かなかったので適当です ※5話【ギルド長との対談】を持って前書きを廃止致しました 以降はあとがきに変更になります ※現在執筆に集中させて頂くべく 必要最低限の感想しか返信できません、ご理解のほどよろしくお願いいたします ※現在書き溜め中、もうしばらくお待ちください

異世界転生は、0歳からがいいよね

八時
ファンタジー
転生小説好きの少年が神様のおっちょこちょいで異世界転生してしまった。 神様からのギフト(チート能力)で無双します。 初めてなので誤字があったらすいません。 自由気ままに投稿していきます。

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!

暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい! 政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。

処理中です...