悪役令嬢を演じて王子を救ってみせます!

涼華

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第一章 

生きづらさ

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「生きづらい」


物心ついたときから、
常にこの言葉がつきまとった。


「ハナちゃんて、
なんか見てて腹立つんだよね」

覚えているなかで、一番最初の記憶だ。

どうやら私は周りの子達いわく、
根っからのいじめられっ子体質らしい。

集団というものは、誰か仲間外れをつくりたがる。自然の原理だ。

自信がなく、おどおどしていて、
思ってることがあっても意見を言えない私はきまってターゲットにされた。

その上気も弱く臆病だから、
何も言い返せずにいるうちに、
どんどんイジメは酷くなった。

唯一幼馴染みのミクは私の味方でいてくれたが、
いじめられっ子の私のせいで大切な友人に迷惑はかけられない。

ミクは私と違っていつもクラスの中心にいる人気者で、
私のような子とも仲良くしてくれるくらい性格も良く、美人で成績も優秀。 

全てに恵まれた子だ。

たまに廊下ですれ違うと、
多くの仲間たくさんの友達に囲まれて楽しそうに笑っていて、
私とは別世界の子のように遠く離れた存在に感じる。

私もこんな子になりたかった…と
彼女を見ると少し嫉妬さえも覚える。

私の人生は、終わりのない暗闇をひたすら彷徨っているようで、
いつしかかすかな希望も消えた。

私はどこに行ってもみんなから煙たがられる、惨めな存在でしかないんだ。

それからは、好かれることも集団に馴染むことも諦めて、
身を潜めるようにして教室の隅で過ごすようになった。


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感想 1

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