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Chapter 12
ヒミツの隠れ家に逃げます ③
しおりを挟む「公園ですけど、ブルースの言う様に、木を植えてゆっくり散歩の出来る道と、走り回れる広場、ゆっくり出来る様に木陰にベンチも置きましょう。
それから子供が遊べる遊具も設置したいと思います」
「「「遊具?」」」
「例えば……」
公園と言えば、ブランコ、滑り台、ジャングルジムにシーソーと鉄棒、砂場にサルワタリ(雲梯)タイコ橋、登り棒、高低を付けた丸太が埋まっていたり、タイヤが埋められていたり。
丸くて回るやつはなんと言いましたっけ?
ぶら下がって回るやつはとか、向かい合って座るブランコ?とかも有りましたよね。
でもいくつかの遊具は危険だからと、公園から姿を消しましたよね。
砂場さえ不衛生だとか言って無くなったりもしていると聞いた様な。
子供の安全は分かりますけど、危ない物を全て取り除くのは、個人的にどうかと思います。
痛みを知って危険を理解すると言う事も有るのではないかと………、今はそう言った話ではないですね。
図に描きながら説明をして、ジャングルジムは、隙間を行き来し高い所へ登る遊具だと理解されて採用、丸太を埋めて、バランスをとりながら上り降りして素早く進むと言うのも話だけで伝わって採用。
「このサルワタリと言うものは、腕力を養う訓練施設なのか?」
「このノボリボウは高い木の実を取る訓練にもなるよね」
とのブルースとコニーの問いかけに、一瞬そうかもと頷いてしまいました。
サルワタリと登り棒も採用。
公園と言えば、のブランコと滑り台は絵と言葉だけでは伝えきれず、シーソーも併せて実物を作ってみることになり、庭へ出ます。
外は薄暗くなっていますけど、アインのライトの魔法で明るいです。
庭の木にロープを結び、簡易ブランコを作ってみました。
「実際には座る所は板で座りやすくします」
「これは浮遊感が楽しいですね」
……アインにブランコ………あまり見たくなかった気が……………。
滑り台は土魔法で1.5メートル程の高さのものを作りました。
土で簡単に作った物なので、お尻の下に板を置き滑ってもらいました。
「骨組みを鉄で作って、強度を出したいです。
錆びない様に軽金属(アルミニューム)を混ぜて作るのが良いでしょうね。
滑る面をローラーにするのもアリかと思います。
高さや角度を変えればスピード感も増しますよ」
「あははは!これは面白い!
崖から滑り降りる遊びはやった事有るけど、これなら崖がなくてもどこでも設置できて遊べるね」
コニーに滑り台は似合います。
シーソーは、横にした丸太に板を渡し、片一方にブルース、反対側にシナトラが座ります。
「……父ちゃん、座ってどうするの?」
ブルースの方が重くてシナトラが浮いた状態です。
「ブルース、程々の力で地面を蹴ってください」
「うむ、こうか?」
「うわー!」
程々と言ったのに、力が入ったのか、シナトラがお尻を強く打ち付けました……。
そして反動と重さでブルースの座っている方が下り、今度はブルースがお尻を打ち付けます。
「………………」
「………………………」
「……………………………………………これは要らないかな」
思ったようにギッコンバッコン行きませんし、ゴムなどの衝撃を吸収するものが無いと、危険そうですね。
シーソーはナシという事で。
結果、ブランコ、滑り台、ジャングルジム、サルワタリ、棒登り、それに色んな高さの丸太を埋めた物(アスレチックと言えばいいのですかね)を数ヶ所作ることにしました。
部屋に戻り話の続きです。
「後は公園と言えば噴水と言うイメージなのですけど…」
「ふんすい?」
「……池から水が噴き出す物?」
「水が噴き出してどうするの?」
「見て楽しむのです。癒し?とか涼しげだったり?」
噴水は色んな場所にありましたし、あまり深く考えた事が無いんですけど、景観と涼をとる物ですよね?
「噴き出す魔法ですか……一定の時間になると作動する付与を与えた魔石を使うのですか?」
アインに聞かれましたけど、え?噴水ってどうやって噴き出してるの?
少なくても魔法じゃ無いですよね?
タイマーセットでしょうか、それとも朝晩誰かが蛇口でも捻っているのでしょうか?
わからないので、話に乗っておきましょう。
「そうですね、付与は私ができますから、大きめの魔石に一定の時間になると水を出る様にして、水が噴き出す筒を作った池を作りましょう。
水は水路を作って川に合流する様にすれば良いですよね」
この世界には日時計や水時計位しか無い様ですから、時報代わりにするのも良いですよね。
10時(休憩時間)12時(昼)15時(おやつの時間)18時(仕事終わりの目安)の4回、噴水が上がる様にしましょう。
噴水のデザインまで話し合った頃には、遅い時間になっていましたので解散となりました。
引っ越しの日時や、引越し先の整地、公園づくりの為の職人や、遊具づくりの発注など、細かい事はまた後日です。
公園の整地は私が魔法でやるとして、木を植えたり遊具を設置したりは職人さんへ任せます。
遊具は鍛治師さんと大工さん?それとも細工師さんでしゃうか。
軽金属はまずは私が作ってみて、量産するには職人さんを養成した方がいいですよね。
まだまだ使う場面も出てくるでしょうから。
あー、やっぱり人が足りないですよね。
ギルドへ行かなければ……。
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