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あなたの運命の人に逢わせてあげます
Chapter 8 ② ♡
しおりを挟む今まさに男の怒張を自身の膣内に迎え入れる、というときの女の表情が好きだ。その女の、本人ですら知り得ない、素の顔が露わになると思うからだ。
もっと奥に向かって、ぐうぅーっとおれのモノを押し込めば、美咲が背をしならせて、甘く呻く。彼女の端正な顔が、この瞬間、苦悶の形相に歪む。
だが、その中に淫靡な歓喜も混じっていたのを、おれは見逃さなかった。一瞬のうちに、相反する表情を見せた美咲は、神々しいまでに美しかった。
あの頃、好きで好きで堪らなかった美咲が、たった今——おれの腕の中にいる。
「…………くうぅ……っ………!」
おれは腰の動きを止めるとともに、一気に張り詰めたモノを弛緩させて、薄い膜の中へ白い精子を迸らせた。
゜゜・*:.。. .。.:*・゜゜・*:.。. .。.:*・゜゜
終わったあと、隣で身を横たえた美咲がつぶやいた。
「……あたしね……魚住くんにお礼言わなきゃって、ずっと思ってたんだ」
おれは美咲の肩を抱き、自分の腕の中に引き寄せた。
「なんだよ。もしかして……今のが『お礼』だったのか?」
おれは美咲の耳元で悪戯っぽく訊いた。彼女はすぐさま、「まさか」と無邪気に笑って否定した。
おれたちが出逢ったあの頃、美咲は人生の中でかなり辛い時期を過ごしていたのだそうだ。
あの頃、彼女の父親が病を患って、入院していたと言う。おれはそれを今、初めて知った。
「あたし、世にも暗~い子どもだったでしょ」
美咲は自嘲気味に笑った。
美咲の母親は働いて家計を支えながら、自分の夫の看病もしなければならなかった。余裕のない母親の気持ちの捌け口は、たった一人の娘である美咲に来た。
「……今なら、おかあさんの辛かった気持ち、よく理解るんだけど」
美咲はおれの腕の中でつぶやいた。
あの頃、彼女が母親から浴びせられた言葉はことごとく、子どもの人格を傷つけ、将来にまで影響を及ぼす、「トラウマ」になるものだった。中には、子どもが自ら命を断ってもおかしくない言葉も含まれていたらしい。長じて大学で児童心理学を専攻した美咲は、それを知った。
「あたし、あの頃、学校にいるときだけがホッとできる時間だったんだ。……魚住くんが毎日……あたしにおもしろい話をしてくれた……あの時間だけが……」
美咲はおれの腕の中で肩を震わせた。
おれの心にまた……抑え切れないものが込み上げてきた。射精して萎えていたはずのモノがまた、見る見るうちに天を向いて張り詰めていく。
「美咲……」
おれは初めて、彼女を下の名前で呼んだ。
そして、美咲を仰向けにして、また馬乗りになった。おれにすっぽり覆われた美咲は、弱々しくて頼りなげだった。だから、大事に、大切に、まるでガラス細工に触れるように、そお…っと扱おうと思った。
だが、そう思う心とは裏腹に——
突然、「大事な、大切なもの」だからこそ、逆に美咲のことを「滅茶苦茶に壊してしまいたい」という衝動に駆られた。
おれはいきなり、彼女の脚に手をかけて左右に開こうとした。美咲が怪訝な顔をした。その理由はわかっている。ベッドの側に備え付けられていたゴムは、たった一つだ。そして、それはもう役目を終えて、今はゴミ箱の中だった。
「 ……ダメだよ……」
美咲が不安な面持ちでおれを拒み、身をずらそうとした。しかし、それが却って、おれの欲情を極限まで膨張させることになった。
身長差が三〇センチ近くもある小さな美咲を、ガッチリと固めて身動きを制限してから、
「先刻、結構いっぱい出たし。絶対、膣内では出さないから。……約束する、大丈夫!」
おれは言い切った。
「それに、先刻は早過ぎた。あれがおれの実力だとは思われたくない」
おれは目力を込めて言った。
「……だからってねぇ……」
美咲は呆れ果て過ぎて、情けない声になっていた。
そんな美咲を顧みることなく、おれは彼女の両太ももを持ち上げ左右にがばりと割り、その拍子にくぱっと開いた彼女の膣口に、すっかり復活したおれの怒張をぴたりとつけた。
ソコは、先刻の交合の「余韻」で、ぬるりと湿っていた。
——美咲もまだ、濡れている。
おれは、欲望に塗れガチガチになった怒張の先端で、美咲の割れ目の中のかわいらしい突起をころころと転がす。
さらに、くちゅ…くちゅ…と浅いところで出し入れして何度か馴染ませたあと、もう一度、彼女の膣の奥へずぶりと突き入れた。
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