空の蒼 海の碧 山の翠

佐倉 蘭

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⑩ ♡

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   幼なじみのマヤーは、この頃めっきり娘らしい身体からだつきになり、そのふくよかな胸やくびれた腰、たっぷりした尻が、夜な夜な島の若衆たちの右手に欲望を果たさせる源となっていた。

   ところが、ティーラは違った。

   もちろん、彼とて精気盛んな若衆の一人だから、自らの手で欲望を逃させることはたびたびあったが、その際に思い描く相手がマヤーであることは一度もなかった。
   血のつながりはまったくないが、彼にとっては「妹」以外の何者でもなかったからだ。


   今、彼は生い茂る草むらの上で、互いになにも身につけぬ姿でチチと抱きあい、互いの口を吸いあっていた。

   目の前のチチはまだ乳房のふくらみもさほどなく、腰つきもまだまだ頼りなげにもかかわらず、彼の股の間のものはこれまでになく勢いよく猛っていた。

   彼はまだ女を抱いたことはなかったが、若衆宿などの集まりでは年長者からあれこれ聞いていたし、同じ年頃の者たちが集まれば、いつの間にかその話になっていた。

   耳学問であるが——実践するときが、とうとうやってきたのだ。

   彼はチチのちいさな乳房の先っぽに吸いついた。

「……ぅん……ふぅ……」

   ティーラの唇を全身で受けるチチの肌が、どんどん輝きを増し、熱っぽくなり、湿り気も帯びてきた。
   乳白色の肌に彼の唇が吸いついた跡だけが、桜貝のような色に染められて、点々と続いていく。

   二人の荒々しい息遣いだけが、辺りの湖一帯にこだまする。

   下腹部にたどり着いた彼は、彼女の棒切れのようなか細い足を開いた。
   そして現れた淡い下生えは、彼女の髪と同じく、やはりどんな色にも染まっていなかった。

   彼は湿ったその奥にある裂け目を、両指で押し広げ、胎内なかを見た。
   初めて見る女の恥部に息を飲む。色こそ赤っぽかったが、ひくひくと、うごめくその姿は、あわびそっくりだった。

 ティーラは、鮑の中央にある、小鳥のくちばしに似た肉片を口に含んだ。

——潮の味がする。

「……ぁあっ……」
 
   チチが一声、いなないた。


゜゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*:.。. .。.:*・゜゚


   ひとしきり彼女のそこを舌や指で味わったあと、いよいよ自分のそそり勃つものを、彼女の裂け目の中へと収めようと思い、ティーラは上体を起こした。

   だが、この華奢な腰で——しかもその胎内なかはティーラの指を一本挿れてみただけでもきゅうきゅうなのに……
   こんな棍棒のようにでかくて固いものを受け容れられるのか、と急に心配になってきた。

   そんなふうにティーラが躊躇ためらっていると、チチの方も上体を起こし、今度は彼が下になるように馬乗りになってきた。
  樹々の枝と枝の隙間からこぼれてくる陽光が、彼女の腰まである長い髪を銀色に見せる。

   日焼けして筋肉隆々の彼の身体からだをするすると、滑るように下って、チチのちいさな顔はティーラの下腹部までやってきた。

   少しの間、自分が持っているものとあまりに形が違うので、怪訝な顔をしていたが、そのうちに意を決して、チチは先刻まで自分がやってもらっていたように、彼のそこをちろっと舐めてみた。

   思わず、ティーラの口から堪えきれぬ吐息が漏れた。
   すると、彼女は今度はもっと大胆になり、口に含んで、ぺちゃぺちゃとしゃぶり始めた。

   ティーラはチチの甘くやわらかい舌のあまりの気持ちよさに、身悶えた。
この世にいながら、あの世でしか味わえない快楽がここにある、と思った。

   しかし、彼の「快楽」はこんなものではなかった。

   チチは馬乗りの態勢に戻り、自らの手で、ティーラのそこを自らの裂け目にあわせたかと思うと、身体を下ろすその力を使って、その奥へといざなった。

   彼女の表情が苦悶にゆがみ、
「……ぅんぐ……っ」
   その声から痛々しげな唸り声があがる。

   けれども、彼女は痛みを堪えたままティーラのものを、やがてすっぽりとその胎内なかに収めてしまった。

   彼女の胎内なかはぎゅうぎゅうに締めつけられて、狭く、熱い。
   さらにざらざらとした「壁」が、彼のもの全体に、えも云われぬ刺激を与えた。


   しばらくして、痛みが身体からだになじんできたのか、チチはゆーっくりと腰を動かし始めた。
   さらに前後だけではなく、左右、そして円を描くように、腰を動かしだした。

   彼女のなめらかなその腰の動きにあわせて、長い髪が白蛇のように舞った。
   自然に両方の手も天高く上がっていく。

   チチの姿は、男のものを胎内なかくわえ込んでいるにもかかわらず、まるで神に奉納する舞のようだった。
   二つの乳房の突端は、すでに限界まで大きく膨らんでいた。

   ティーラは思わず、大きな手のひらで下から掬うように鷲掴みにし、荒々しく揉みしだいた。

「……ぁあ……ぅん……はぁ……ぅん……」

   目を瞑って喘ぎ声をあげながら、男のものを味わうことに陶酔している姿なのに、なぜか木漏れ日の光の中で、チチは神々しいまでに輝いている。

   ティーラは、徐々に、あの世でも味わえないほどの快楽の頂に登っていった。

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