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11マッチママ 最終章
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11マッチママ 最終章
久々にケンタ、晃平そして蛯子の三人で夕食をする事になり、ススキノの小さな小料理屋
リンちゃんという店で飲んだ。 そこのママさんは痩せて穏やかな感じのする女将だった。
が時折人を射貫くようなするどい目をした。 詐欺師蛯子はなにを感じたのかママさんと
目を合わせようとしない。 ある時ケンタが蛯子に理由を聞いてみた。
するとひと言「あのひと怖い」
「えっ?」ケンタは聞き直した。
「目が怖い」
ケンタとと晃平は思わず声を出して笑った。
晃平が「ママさん、こいつ詐欺師蛯子っていう名前なんだけど、ママさんの目が怖いって
下向いてしまったよ。 失礼でしょ」
ママはにこやかに「マッチっていいます。 宜しく…… 私も昼間は詐欺師してま~す」
三人はママさんの人柄に和んだ。 久々に蛯子の笑顔を見た気がした。
ママさんを気に入ったのか師蛯子は得意の蛯子節を発揮して皆を笑わせた。
晃平が「ねえ、京子ちゃんでも誘う?」
蛯子のテンションが急に下がった。
それから数日が過ぎケンタはひとりakubiでコーヒーを飲んでいた。 そこに後ろから女性の声がした。
「こんにちは……」リンちゃんのマッチさんだった。
「あれリンちゃんのママ……」
「ケンタさん久しぶり偶然ね。 私akubiのコーヒーが好きでよくここ来るのよね、
ケンタさんもよくここに来るの?」
「いや僕はどちらかというと札駅のミルキーコーヒー派かな」
「先日はありがとうございました。 また皆さんで来てね」
「はい、是非また寄らしてください」
マッチさんがいきなり真顔になり「気に障ったらごめんなさい。
ケンタさんは何か特殊なことやってるの? 例えばヨガとか禅とか?」
ケンタはビックリした。
「僕、宗教苦手だからどこにも属してないよ」
「実は私、他人の意識の形が視えるのよね。 人って意識に形があってオーラとチョット違うんだけど、
その形は意識によって全然違うの。 ケンタさんがヨガとか禅を組んでる人の形に視えたから……
いきなりごめんなさい」
「意識の形……? ですか……」
「そう、形は丸が基本なんだけど歪みや輝き度なんかが人の意識によって全然違うのよ。
ケンタさんはそういうことないの? 人の作った物や本を書いた人の、その時の意識が不思議と視えちゃうの」
マチコは続けた「先日、店に三人でこられたでしょ。 初めての人ってどうしても視ちゃうのよね。
普段は見ようとしないから見えないけど、お初の客さんは視ちゃうの。
そしたらケンタさんは今まで視たこともない輝きと綺麗な形だったのね。 とっても印象的だったの。 今
度ゆっくり話してみたいと思ったの。 願い叶ったわ。 なんかお話ししてくれない?」
「…… 僕が話すことなんて……」といいながら石のことを語って聞かせた。
「……」マチコママはしばらく黙した。
「そんな世界もあるのね……」
「私もその石、是非貸して欲しいな~」
ケンタは「マチコママは大丈夫だよ、石に頼らなくても出来ると思うよ。
石に頼ると石がないと出来ないって思っちゃうんだよね。 石も方法のひとつなんだけど、
石に頼らないほうがいいと思うけどコツを教えるよ。
僕の場合は、まず大きく深呼吸を三回し、楽な姿勢で意識を眉間に集中し息を整える。
次に自分の観てみたい世界を心に強く思い浮かべる。 そして意識は完全にその世界に入ること。
コツは瞬間的に意識をその世界に飛ばすこと。 時間は絶対かけない。
刹那!それがコツ。 あと、もうひとつの方法は自分のガイドに頼んでその世界に誘導願う方法。
これはあくまで僕の場合なんだけど、その人その人によって個性や癖があると思うんだ。
他の人に試したことないから自信ないけど」
「私に出来るかしら?」
「そう思うことは禁物。 否定的考えは本来持っている能力に制限や限界を付けるから。
例えばママに駄目だったら石があるからねって、いったらママは出来なかったら
石を借りればいいと思っちゃうでしょ? 僕がそう言い方をするとママは石という
保険をかけちゃうんだよね。 するとママは出来なくても石があるという意識になる。
言葉は時として人の心を誘導するし、付けなくてもいい制限を植え付けるから……
生意気云ってごめんねママ」なおもケンタは続けた。
「石に頼らなくても出来ます。 僕が断言します。 ママは僕の意識を認めたんでしょ? 信じて下さい」
「なんかいつの間にか先生と生徒になった感じ」ママが笑った。
それからひと月ほどしてケンタは一人でリンちゃんに顔を出した。
「いらっしゃい」
「ママ来たよ」
ママは挨拶もそこそこに語り出した。
「それが出来たのよ。 但しこっちの意識はちゃんとあるのよね。 でも向こうの世界にもあるの。
つまり同時に私が二人存在するのよ。不思議……」
「体外離脱なんだけど魂が二割はこっちの世界に残って、残り八割が別世界を観てるんだよね。
僕もそうだよ。 ママ、コツをつかんだね。 あとは慣れだね。もっとハッキリとしてくるよ。
それにどんどん使う癖付けないともとに戻るからね」
「ケンタさんに教わってから毎日トリップが楽しいのよ! ありがとう。 今日は全部私のおごり。
まずはビールで乾杯!」
「ママ、ダークな世界はお奨めしないからね。 戻ってからも暗い気持ちのままになるから」
「了解」
「ところで今日は晃平さんと詐欺師蛯子さんは一緒じゃないの?」
「今日は京子ちゃんという女友達とここで待ち合せなんだ」
「思い出した! この前、蛯子さん、その名前出したら急におとなしくなった人の名前だ……」
「そっ、その京子ちゃん。 ママにだけ話すけど京子ちゃんが例の石持ってて、何年か前に金星に行った
経験あるんだ。 それはいんだけどその金星に出入り禁止くらった地球人なんだよね。
すんげえキャラの女性なんだ。 そんな彼女と待ち合せ……」
マチコママはお目に掛かりてくてワクワクした。 店の格子戸が開きベレー帽をかぶった京子が入ってきた。
ママが「いらっしゃいませ!ケンタさんのお友達?」
「はい」女性っぽく言った。
「あら、可愛いかたね」
「皆さんにそう言われま~す」
ケンタは久々にむかついた……
ケンタが「なんにする?」
「まずはビール!」
「画家はどう?」
「いまいちってとこかな?」
「なんで? 例の意識と重なってないの?」
「やってるんだけど絵の世界って複雑みたいなのよ。 音楽だと聞く人に素直に伝わるけど、
絵の場合は名前が物いうみたいなのね。 つまり何々先生に師事してましたっていうと、
絵を見てそれなりの評価もらえるけど、独学ですっていうと態度が変わるのよ。
もう少しタッチの勉強をしろとかなんとか偉そうなのよ。
ある時、東山魁夷風の意識に重なって書いたの、傑作だった。 そしたら絵そのものよりも誰に
師事したかとか、日展はどうだとかなんか、作品そのものより肩書きが好きみたい。
絵の評価なんて二の次みたいなとこあるの。 そんな日本が嫌で海外で活動する芸術家が多いんだって。
名が売れると逆輸入してチヤホヤ。 私もまさか東山魁夷に学んでますっていえないでしょう、
あっちの世界の人だから…… 何とか画壇の何々派みたいな。 画壇って肩書きばっかで腹立つわよね!
まったく!」
ママが「お客様、画家なの?」
「さっきまでね」
「えっ……? さっきまで……?」ケンタは目を丸くして言った。
「いま、ケンタの顔見て辞めようと思った。 どうせ今話した事情で半分あきらめていたし、すっきり。
今日はケンタしっかり酒付き合いなさいね…… 私、今日は飲むから」
「わかったよ付き合うよ。 でも、京子ちゃんでも普通に落ち込むことあるんだね?」
ケンタは口を滑らしたと思った。
「なにてめえ…… こらケンタ!」
ママは笑って見ていた。
「この娘さんおもしろい。 私ねぇケンタさんから色んな世界の話し聞いたのね。
だから貴女にも会って色々聞きたかったのよ。 ママもまだ全然初心者だけど経験してるのよ。
私、京子さんのような女性の話し相手が出来てよかった」
「あっ京子ちゃん、紹介し遅れたけどこちらこの店のマッチママ」
「私京子です、よろぴくね」
京子は続けて「今夜は飲むぞ~~」
その数年後、日本では東山魁夷の再来か? と京子の絵が評判になっていた。
でも京子は絵には既に絵には魅力がなく小説を書いていた。
THE END
久々にケンタ、晃平そして蛯子の三人で夕食をする事になり、ススキノの小さな小料理屋
リンちゃんという店で飲んだ。 そこのママさんは痩せて穏やかな感じのする女将だった。
が時折人を射貫くようなするどい目をした。 詐欺師蛯子はなにを感じたのかママさんと
目を合わせようとしない。 ある時ケンタが蛯子に理由を聞いてみた。
するとひと言「あのひと怖い」
「えっ?」ケンタは聞き直した。
「目が怖い」
ケンタとと晃平は思わず声を出して笑った。
晃平が「ママさん、こいつ詐欺師蛯子っていう名前なんだけど、ママさんの目が怖いって
下向いてしまったよ。 失礼でしょ」
ママはにこやかに「マッチっていいます。 宜しく…… 私も昼間は詐欺師してま~す」
三人はママさんの人柄に和んだ。 久々に蛯子の笑顔を見た気がした。
ママさんを気に入ったのか師蛯子は得意の蛯子節を発揮して皆を笑わせた。
晃平が「ねえ、京子ちゃんでも誘う?」
蛯子のテンションが急に下がった。
それから数日が過ぎケンタはひとりakubiでコーヒーを飲んでいた。 そこに後ろから女性の声がした。
「こんにちは……」リンちゃんのマッチさんだった。
「あれリンちゃんのママ……」
「ケンタさん久しぶり偶然ね。 私akubiのコーヒーが好きでよくここ来るのよね、
ケンタさんもよくここに来るの?」
「いや僕はどちらかというと札駅のミルキーコーヒー派かな」
「先日はありがとうございました。 また皆さんで来てね」
「はい、是非また寄らしてください」
マッチさんがいきなり真顔になり「気に障ったらごめんなさい。
ケンタさんは何か特殊なことやってるの? 例えばヨガとか禅とか?」
ケンタはビックリした。
「僕、宗教苦手だからどこにも属してないよ」
「実は私、他人の意識の形が視えるのよね。 人って意識に形があってオーラとチョット違うんだけど、
その形は意識によって全然違うの。 ケンタさんがヨガとか禅を組んでる人の形に視えたから……
いきなりごめんなさい」
「意識の形……? ですか……」
「そう、形は丸が基本なんだけど歪みや輝き度なんかが人の意識によって全然違うのよ。
ケンタさんはそういうことないの? 人の作った物や本を書いた人の、その時の意識が不思議と視えちゃうの」
マチコは続けた「先日、店に三人でこられたでしょ。 初めての人ってどうしても視ちゃうのよね。
普段は見ようとしないから見えないけど、お初の客さんは視ちゃうの。
そしたらケンタさんは今まで視たこともない輝きと綺麗な形だったのね。 とっても印象的だったの。 今
度ゆっくり話してみたいと思ったの。 願い叶ったわ。 なんかお話ししてくれない?」
「…… 僕が話すことなんて……」といいながら石のことを語って聞かせた。
「……」マチコママはしばらく黙した。
「そんな世界もあるのね……」
「私もその石、是非貸して欲しいな~」
ケンタは「マチコママは大丈夫だよ、石に頼らなくても出来ると思うよ。
石に頼ると石がないと出来ないって思っちゃうんだよね。 石も方法のひとつなんだけど、
石に頼らないほうがいいと思うけどコツを教えるよ。
僕の場合は、まず大きく深呼吸を三回し、楽な姿勢で意識を眉間に集中し息を整える。
次に自分の観てみたい世界を心に強く思い浮かべる。 そして意識は完全にその世界に入ること。
コツは瞬間的に意識をその世界に飛ばすこと。 時間は絶対かけない。
刹那!それがコツ。 あと、もうひとつの方法は自分のガイドに頼んでその世界に誘導願う方法。
これはあくまで僕の場合なんだけど、その人その人によって個性や癖があると思うんだ。
他の人に試したことないから自信ないけど」
「私に出来るかしら?」
「そう思うことは禁物。 否定的考えは本来持っている能力に制限や限界を付けるから。
例えばママに駄目だったら石があるからねって、いったらママは出来なかったら
石を借りればいいと思っちゃうでしょ? 僕がそう言い方をするとママは石という
保険をかけちゃうんだよね。 するとママは出来なくても石があるという意識になる。
言葉は時として人の心を誘導するし、付けなくてもいい制限を植え付けるから……
生意気云ってごめんねママ」なおもケンタは続けた。
「石に頼らなくても出来ます。 僕が断言します。 ママは僕の意識を認めたんでしょ? 信じて下さい」
「なんかいつの間にか先生と生徒になった感じ」ママが笑った。
それからひと月ほどしてケンタは一人でリンちゃんに顔を出した。
「いらっしゃい」
「ママ来たよ」
ママは挨拶もそこそこに語り出した。
「それが出来たのよ。 但しこっちの意識はちゃんとあるのよね。 でも向こうの世界にもあるの。
つまり同時に私が二人存在するのよ。不思議……」
「体外離脱なんだけど魂が二割はこっちの世界に残って、残り八割が別世界を観てるんだよね。
僕もそうだよ。 ママ、コツをつかんだね。 あとは慣れだね。もっとハッキリとしてくるよ。
それにどんどん使う癖付けないともとに戻るからね」
「ケンタさんに教わってから毎日トリップが楽しいのよ! ありがとう。 今日は全部私のおごり。
まずはビールで乾杯!」
「ママ、ダークな世界はお奨めしないからね。 戻ってからも暗い気持ちのままになるから」
「了解」
「ところで今日は晃平さんと詐欺師蛯子さんは一緒じゃないの?」
「今日は京子ちゃんという女友達とここで待ち合せなんだ」
「思い出した! この前、蛯子さん、その名前出したら急におとなしくなった人の名前だ……」
「そっ、その京子ちゃん。 ママにだけ話すけど京子ちゃんが例の石持ってて、何年か前に金星に行った
経験あるんだ。 それはいんだけどその金星に出入り禁止くらった地球人なんだよね。
すんげえキャラの女性なんだ。 そんな彼女と待ち合せ……」
マチコママはお目に掛かりてくてワクワクした。 店の格子戸が開きベレー帽をかぶった京子が入ってきた。
ママが「いらっしゃいませ!ケンタさんのお友達?」
「はい」女性っぽく言った。
「あら、可愛いかたね」
「皆さんにそう言われま~す」
ケンタは久々にむかついた……
ケンタが「なんにする?」
「まずはビール!」
「画家はどう?」
「いまいちってとこかな?」
「なんで? 例の意識と重なってないの?」
「やってるんだけど絵の世界って複雑みたいなのよ。 音楽だと聞く人に素直に伝わるけど、
絵の場合は名前が物いうみたいなのね。 つまり何々先生に師事してましたっていうと、
絵を見てそれなりの評価もらえるけど、独学ですっていうと態度が変わるのよ。
もう少しタッチの勉強をしろとかなんとか偉そうなのよ。
ある時、東山魁夷風の意識に重なって書いたの、傑作だった。 そしたら絵そのものよりも誰に
師事したかとか、日展はどうだとかなんか、作品そのものより肩書きが好きみたい。
絵の評価なんて二の次みたいなとこあるの。 そんな日本が嫌で海外で活動する芸術家が多いんだって。
名が売れると逆輸入してチヤホヤ。 私もまさか東山魁夷に学んでますっていえないでしょう、
あっちの世界の人だから…… 何とか画壇の何々派みたいな。 画壇って肩書きばっかで腹立つわよね!
まったく!」
ママが「お客様、画家なの?」
「さっきまでね」
「えっ……? さっきまで……?」ケンタは目を丸くして言った。
「いま、ケンタの顔見て辞めようと思った。 どうせ今話した事情で半分あきらめていたし、すっきり。
今日はケンタしっかり酒付き合いなさいね…… 私、今日は飲むから」
「わかったよ付き合うよ。 でも、京子ちゃんでも普通に落ち込むことあるんだね?」
ケンタは口を滑らしたと思った。
「なにてめえ…… こらケンタ!」
ママは笑って見ていた。
「この娘さんおもしろい。 私ねぇケンタさんから色んな世界の話し聞いたのね。
だから貴女にも会って色々聞きたかったのよ。 ママもまだ全然初心者だけど経験してるのよ。
私、京子さんのような女性の話し相手が出来てよかった」
「あっ京子ちゃん、紹介し遅れたけどこちらこの店のマッチママ」
「私京子です、よろぴくね」
京子は続けて「今夜は飲むぞ~~」
その数年後、日本では東山魁夷の再来か? と京子の絵が評判になっていた。
でも京子は絵には既に絵には魅力がなく小説を書いていた。
THE END
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