19 / 44
三章2
しおりを挟む
彼へのいとおしさが込みあげてきて、思わずふっと口元が緩む。アデリナは甘えるように、カイの背中にこつんと額をつけた。
「ごめん。そういう女性がいたりしたのかなって……ちょっと嫉妬しちゃったの」
「女に贈り物をしたいだなんて思ったのは、お前が初めてだ」
背中で答える彼の耳がほんのりと赤く染まっているのに気がついて、アデリナは目を細める。それに、本当は知っている。カイは女性をアクセサリーのように軽く扱うような男ではない。強引に始まった初夜ですら、結局はアデリナの身体を思いやってくれたじゃないか。
「うん。じゃあ遠慮なく、おねだりしていい?」
珍しくアデリナが素直になると、カイはくるりと振り返り彼女の頬にキスを落とした。
店内には手頃な価格のアクセサリーがたくさん並ぶ。本物のジュエリーとはもちろん違うが、これはこれでまた別の魅力があるのだ。
「ガラス玉……か?」
本物しか知らないカイはやや戸惑っているが、アデリナは気にせず商品を手に取る。
「かわいい! こっちも素敵ね」
カイはあきれたように肩をすくめて、「まぁ、楽しそうでなによりだ」と父親みたいな台詞を吐いた。
さきほど食べた砂糖菓子のように淡く優しい色の石が並ぶ指輪、アンティーク調のブレスレット、眺めているだけで心が浮き立つ。
「あれは……」
少し視線をあげたアデリナが目を留めたのは、ガラスケースのなかに入ったネックレスだ。小さな深紅の石があしらわれていて上品だ。
(そういえば、クリスティア姉さまはルビーが大好きで本当によく似合っていたな)
大好きな姉の姿を懐かしく思い出す。どちらかといえば母親似のアデリナと違い、クリスティアは父親似だった。赤みがかった髪を持つ彼女は、情熱的でセクシーな赤色を好んでいた。
「このへんは本物みたいだな」
カイの言うとおり、このガラスケースにおさめられたアクセサリーはどれも本物の宝石があしらわれているようだった。下段の商品とは値段も一桁違う。
「お前にはこっちが似合うと思うけどな」
カイはガラスケースの商品を眺めながら、そんなふうに言ってくれる。カイは店員を呼んで、ガラスケースを開けてもらうよう頼んだ。高額商品が売れるかもと踏んだ女性店主は途端に愛想がよくなる。
「これほどの美女には、やはり本物がお似合いですよ~」
「あぁ、俺もそう思う」
店主のお世辞を真に受けて、カイはうなずく。カイはルビーのネックレスを店主から受け取り、アデリナに差し出した。
「これが気に入ったのか?」
アデリナはネックレスを見つめながら、首を横に振る。
「ううん。私じゃなくて、ルビーはクリスティア姉さまが――」
言ってしまってから、アデリナははっと口をつぐんだ。カイの前で、あえて彼女の話題を出す必要などないのにうっかりしていた。ふたりの間を気まずい空気が流れた。
「クリスティアは……お前の姉の名だったな。変な気を使うな」
寂しげな笑顔で言って、カイは商品棚に視線を戻す。
「――うん」
そう言われても、これ以上クリスティアの話題を続けようとは思えなくて、アデリナは黙った。クリスティアにはきっとよく似合うであろうルビーを自分が試してみる気にはなれず、アデリナはそっとそれを店主に返す。
「あぁ、ほら。アデリナにはこっちが似合う」
振り返った彼の笑顔はいつもどおりで、アデリナはほっと安堵する。
(私が思うほどには、カイはもう過去を気にしてないのかもしれない)
彼にならって、アデリナもできるだけ前を向こうと小さくうなずく。
「どれ?」
明るい声で言って、カイに寄り添う。
「こっちの青い石」
カイが選んだのは大粒のサファイアが輝く華やかなブローチだった。アデリナのプラチナブロンドとアイスブルーの瞳にさぞかし映えることだろう。屋敷でドレスを用意してくれたときにも思ったことだが、彼はアデリナに似合うものをよく知っている。
「ありがとうございました! またぜひに」
ほくほく顔の女店主に見送られながら、ふたりは店を出る。
結局、すごく高価なものを買ってもらっちゃって……本当にありがとう。ずっと大切にするわ」
アデリナの言葉に、にやりと笑った彼の瞳が妖しく輝く。
「礼はもっと別の形でもらいたいな」
アデリナはきょとんとして彼を見返す。
「別って?」
「アデリナからのキスが欲しい」
かっと、アデリナの頬が熱くなる。あたふたと落ち着きなく視線をさまよわせながら、小さく答える。
「キス……なんて、いつも勝手に」
好きなときに好きなだけしているじゃないか。アデリナが目で訴えると、カイは楽しそうに目を細める。
「だからこそ、だ」
「でも、こんな人の多い場所でっ」
賑やかな大通りは、ふたりと同じようにバカンスに訪れている客でいっぱいだ。カイは待ってましたとばかりにくくっと肩を揺らすと、アデリナの手を引き、裏通りへ連れ込んだ。
「ほら、ここなら誰もいない。人目があるのが問題だったんだろ」
(――はめられた!)
だが、今さら気がついてももう遅い。カイはアデリナを壁際にじりじりと追いつめ、逃げ場を奪う。整いすぎているほどに綺麗で……いとおしくてたまらない彼の顔が間近に迫ってくる。アデリナは観念して覚悟を決めた。
「い、一度だけね」
ドキドキとはやる鼓動を感じながら、アデリナは彼に唇を寄せた。柔らかく、温かい。あんなに恥ずかしいと思っていたのに、いざキスをしてしまえば、今度はこのぬくもりを永遠に失いたくないと願ってしまう。唇を割って、カイの舌が侵入してくる。甘く焦らすように動くそれにアデリナの身体は熱を帯びる。
「んうっ」
銀糸を引いて、彼の唇が離れていく。名残惜しくて、アデリナはすがるような瞳を彼に向ける。カイはふっと薄く笑んだ。
「そんな顔をされると、この場で無理やりしたくなるな」
そして、アデリナの顎を持ちあげもう一度深く口づけた。さっきよりずっと激しく情熱的なキスだ。彼の膝がアデリナの太腿に割って入る。大きな手がドレスの裾をたくしあげ、素肌をいやらしく撫で回す。息も絶えだえにアデリナは訴えた。
「ダ、ダメよ。こんなはしたない……」
外で、なんて貴族の子弟のすることではない。だが、言葉とは裏腹にアデリナの最奥はしっとりと潤んでいた。身体は素直に彼を求めて、熱くなっている。
「本当にダメだと思っているか、身体に聞いてみようか」
ぺろりと舌なめずりして、カイは指先を奥へと進める。薄布ごしに指を往復させ、アデリナの羞恥心を煽る。
「あ、ああっ」
彼女の身体がどうなっているか、カイはもう見抜いている。アデリナに顔を寄せ、低い声で耳打ちする。
「聞こえるか? お前が俺を欲しがって啼く声が」
カイはするりと指を滑りこませると、彼女の秘所を直接まさぐった。淫らな水音がアデリナの脳を直接刺激する。つぷりと指先を進め、なかのいいところでカイは指を折る。その瞬間に、アデリナの身体はびくびくと大きく震えた。アデリナは白い喉をのけ反らせて、快楽に耐える。
「もっ、許して。お願い……」
涙にぬれた瞳でふるふると首を振る。カイはすっと指を引くと、アデリナのこめかみにキスを落とす。
「涙は……反則だろ」
「だ、だって」
これ以上はとても耐えられそうにない。理性を失った獣になってしまいそうだ。
「わかったよ。その代わり、今夜は覚悟しておけ」
「ごめん。そういう女性がいたりしたのかなって……ちょっと嫉妬しちゃったの」
「女に贈り物をしたいだなんて思ったのは、お前が初めてだ」
背中で答える彼の耳がほんのりと赤く染まっているのに気がついて、アデリナは目を細める。それに、本当は知っている。カイは女性をアクセサリーのように軽く扱うような男ではない。強引に始まった初夜ですら、結局はアデリナの身体を思いやってくれたじゃないか。
「うん。じゃあ遠慮なく、おねだりしていい?」
珍しくアデリナが素直になると、カイはくるりと振り返り彼女の頬にキスを落とした。
店内には手頃な価格のアクセサリーがたくさん並ぶ。本物のジュエリーとはもちろん違うが、これはこれでまた別の魅力があるのだ。
「ガラス玉……か?」
本物しか知らないカイはやや戸惑っているが、アデリナは気にせず商品を手に取る。
「かわいい! こっちも素敵ね」
カイはあきれたように肩をすくめて、「まぁ、楽しそうでなによりだ」と父親みたいな台詞を吐いた。
さきほど食べた砂糖菓子のように淡く優しい色の石が並ぶ指輪、アンティーク調のブレスレット、眺めているだけで心が浮き立つ。
「あれは……」
少し視線をあげたアデリナが目を留めたのは、ガラスケースのなかに入ったネックレスだ。小さな深紅の石があしらわれていて上品だ。
(そういえば、クリスティア姉さまはルビーが大好きで本当によく似合っていたな)
大好きな姉の姿を懐かしく思い出す。どちらかといえば母親似のアデリナと違い、クリスティアは父親似だった。赤みがかった髪を持つ彼女は、情熱的でセクシーな赤色を好んでいた。
「このへんは本物みたいだな」
カイの言うとおり、このガラスケースにおさめられたアクセサリーはどれも本物の宝石があしらわれているようだった。下段の商品とは値段も一桁違う。
「お前にはこっちが似合うと思うけどな」
カイはガラスケースの商品を眺めながら、そんなふうに言ってくれる。カイは店員を呼んで、ガラスケースを開けてもらうよう頼んだ。高額商品が売れるかもと踏んだ女性店主は途端に愛想がよくなる。
「これほどの美女には、やはり本物がお似合いですよ~」
「あぁ、俺もそう思う」
店主のお世辞を真に受けて、カイはうなずく。カイはルビーのネックレスを店主から受け取り、アデリナに差し出した。
「これが気に入ったのか?」
アデリナはネックレスを見つめながら、首を横に振る。
「ううん。私じゃなくて、ルビーはクリスティア姉さまが――」
言ってしまってから、アデリナははっと口をつぐんだ。カイの前で、あえて彼女の話題を出す必要などないのにうっかりしていた。ふたりの間を気まずい空気が流れた。
「クリスティアは……お前の姉の名だったな。変な気を使うな」
寂しげな笑顔で言って、カイは商品棚に視線を戻す。
「――うん」
そう言われても、これ以上クリスティアの話題を続けようとは思えなくて、アデリナは黙った。クリスティアにはきっとよく似合うであろうルビーを自分が試してみる気にはなれず、アデリナはそっとそれを店主に返す。
「あぁ、ほら。アデリナにはこっちが似合う」
振り返った彼の笑顔はいつもどおりで、アデリナはほっと安堵する。
(私が思うほどには、カイはもう過去を気にしてないのかもしれない)
彼にならって、アデリナもできるだけ前を向こうと小さくうなずく。
「どれ?」
明るい声で言って、カイに寄り添う。
「こっちの青い石」
カイが選んだのは大粒のサファイアが輝く華やかなブローチだった。アデリナのプラチナブロンドとアイスブルーの瞳にさぞかし映えることだろう。屋敷でドレスを用意してくれたときにも思ったことだが、彼はアデリナに似合うものをよく知っている。
「ありがとうございました! またぜひに」
ほくほく顔の女店主に見送られながら、ふたりは店を出る。
結局、すごく高価なものを買ってもらっちゃって……本当にありがとう。ずっと大切にするわ」
アデリナの言葉に、にやりと笑った彼の瞳が妖しく輝く。
「礼はもっと別の形でもらいたいな」
アデリナはきょとんとして彼を見返す。
「別って?」
「アデリナからのキスが欲しい」
かっと、アデリナの頬が熱くなる。あたふたと落ち着きなく視線をさまよわせながら、小さく答える。
「キス……なんて、いつも勝手に」
好きなときに好きなだけしているじゃないか。アデリナが目で訴えると、カイは楽しそうに目を細める。
「だからこそ、だ」
「でも、こんな人の多い場所でっ」
賑やかな大通りは、ふたりと同じようにバカンスに訪れている客でいっぱいだ。カイは待ってましたとばかりにくくっと肩を揺らすと、アデリナの手を引き、裏通りへ連れ込んだ。
「ほら、ここなら誰もいない。人目があるのが問題だったんだろ」
(――はめられた!)
だが、今さら気がついてももう遅い。カイはアデリナを壁際にじりじりと追いつめ、逃げ場を奪う。整いすぎているほどに綺麗で……いとおしくてたまらない彼の顔が間近に迫ってくる。アデリナは観念して覚悟を決めた。
「い、一度だけね」
ドキドキとはやる鼓動を感じながら、アデリナは彼に唇を寄せた。柔らかく、温かい。あんなに恥ずかしいと思っていたのに、いざキスをしてしまえば、今度はこのぬくもりを永遠に失いたくないと願ってしまう。唇を割って、カイの舌が侵入してくる。甘く焦らすように動くそれにアデリナの身体は熱を帯びる。
「んうっ」
銀糸を引いて、彼の唇が離れていく。名残惜しくて、アデリナはすがるような瞳を彼に向ける。カイはふっと薄く笑んだ。
「そんな顔をされると、この場で無理やりしたくなるな」
そして、アデリナの顎を持ちあげもう一度深く口づけた。さっきよりずっと激しく情熱的なキスだ。彼の膝がアデリナの太腿に割って入る。大きな手がドレスの裾をたくしあげ、素肌をいやらしく撫で回す。息も絶えだえにアデリナは訴えた。
「ダ、ダメよ。こんなはしたない……」
外で、なんて貴族の子弟のすることではない。だが、言葉とは裏腹にアデリナの最奥はしっとりと潤んでいた。身体は素直に彼を求めて、熱くなっている。
「本当にダメだと思っているか、身体に聞いてみようか」
ぺろりと舌なめずりして、カイは指先を奥へと進める。薄布ごしに指を往復させ、アデリナの羞恥心を煽る。
「あ、ああっ」
彼女の身体がどうなっているか、カイはもう見抜いている。アデリナに顔を寄せ、低い声で耳打ちする。
「聞こえるか? お前が俺を欲しがって啼く声が」
カイはするりと指を滑りこませると、彼女の秘所を直接まさぐった。淫らな水音がアデリナの脳を直接刺激する。つぷりと指先を進め、なかのいいところでカイは指を折る。その瞬間に、アデリナの身体はびくびくと大きく震えた。アデリナは白い喉をのけ反らせて、快楽に耐える。
「もっ、許して。お願い……」
涙にぬれた瞳でふるふると首を振る。カイはすっと指を引くと、アデリナのこめかみにキスを落とす。
「涙は……反則だろ」
「だ、だって」
これ以上はとても耐えられそうにない。理性を失った獣になってしまいそうだ。
「わかったよ。その代わり、今夜は覚悟しておけ」
0
お気に入りに追加
740
あなたにおすすめの小説
【完結】【R18】女騎士はクールな団長のお役に立ちたい!
misa
恋愛
アマーリエ・ヴェッケンベルグは「脳筋一族」と言われる辺境伯家の長女だ。王族と王都を守る騎士団に入団して日々研鑽に励んでいる。アマーリエは所属の団長であるフリードリッヒ・バルツァーを尊敬しつつも愛している。しかし美貌の団長に自分のような女らしくない子では釣り合わないと影ながら慕っていた。
ある日の訓練で、アマーリエはキスをかけた勝負をさせられることになったが、フリードリッヒが駆けつけてくれ助けてくれた。しかし、フリードリッヒの一言にアマーリエはかっとなって、ヴェッケンベルグの家訓と誇りを胸に戦うが、負けてしまいキスをすることになった。
女性騎士として夜会での王族の護衛任務がある。任務について雑談交じりのレクチャーを受けたときに「薔薇の雫」という媚薬が出回っているから注意するようにと言われた。護衛デビューの日、任務終了後に、勇気を出してフリードリッヒを誘ってみたら……。
幸せな時間を過ごした夜、にわかに騒がしく団長と副長が帰ってきた。何かあったのかとフリードリッヒの部屋に行くと、フリードリッヒの様子がおかしい。フリードリッヒはいきなりアマーリエを抱きしめてキスをしてきた……。
*完結まで連続投稿します。時間は20時
→6/2から0時更新になります
*18禁部分まで時間かかります
*18禁回は「★」つけます
*過去編は「◆」つけます
*フリードリッヒ視点は「●」つけます
*騎士娘ですが男装はしておりません。髪も普通に長いです。ご注意ください
*キャラ設定を最初にいれていますが、盛大にネタバレしてます。ご注意ください
*誤字脱字は教えていただけると幸いです
箱入り令嬢と秘蜜の遊戯 -無垢な令嬢は王太子の溺愛で甘く蕩ける-
瀬月 ゆな
恋愛
「二人だけの秘密だよ」
伯爵家令嬢フィオレンツィアは、二歳年上の婚約者である王太子アドルフォードを子供の頃から「お兄様」と呼んで慕っている。
大人たちには秘密で口づけを交わし、素肌を曝し、まだ身体の交わりこそはないけれど身も心も離れられなくなって行く。
だけどせっかく社交界へのデビューを果たしたのに、アドルフォードはフィオレンツィアが夜会に出ることにあまり良い顔をしない。
そうして、従姉の振りをして一人こっそりと列席した夜会で、他の令嬢と親しそうに接するアドルフォードを見てしまい――。
「君の身体は誰のものなのか散々教え込んだつもりでいたけれど、まだ躾けが足りなかったかな」
第14回恋愛小説大賞にエントリーしています。
もしも気に入って下さったなら応援投票して下さると嬉しいです!
表紙には灰梅由雪様(https://twitter.com/haiumeyoshiyuki)が描いて下さったイラストを使用させていただいております。
☆エピソード完結型の連載として公開していた同タイトルの作品を元に、一つの話に再構築したものです。
完全に独立した全く別の話になっていますので、こちらだけでもお楽しみいただけると思います。
サブタイトルの後に「☆」マークがついている話にはR18描写が含まれますが、挿入シーン自体は最後の方にしかありません。
「★」マークがついている話はヒーロー視点です。
「ムーンライトノベルズ」様でも公開しています。
腹黒伯爵の甘く淫らな策謀
茂栖 もす
恋愛
私、アスティア・オースティンは夢を見た。
幼い頃過ごした男の子───レイディックと過ごした在りし日の甘い出来事を。
けれど夢から覚めた私の眼前には、見知らぬ男性が居て───そのまま私は、純潔を奪われてしまった。
それからすぐ、私はレイディックと再会する。
美しい青年に成長したレイディックは、もう病弱だった薄幸の少年ではなかった。
『アスティア、大丈夫、僕が全部上書きしてあげる』
そう言って強姦された私に、レイディックは手を伸ばす。甘く優しいその声は、まるで媚薬のようで、私は抗うことができず…………。
※R−18部分には、♪が付きます。
※他サイトにも重複投稿しています。
婚約者の王子に殺された~時を巻き戻した双子の兄妹は死亡ルートを回避したい!~
椿蛍
恋愛
大国バルレリアの王位継承争いに巻き込まれ、私とお兄様は殺された――
私を殺したのは婚約者の王子。
死んだと思っていたけれど。
『自分の命をあげますから、どうか二人を生き返らせてください』
誰かが願った声を私は暗闇の中で聞いた。
時間が巻き戻り、私とお兄様は前回の人生の記憶を持ったまま子供の頃からやり直すことに。
今度は死んでたまるものですか!
絶対に生き延びようと誓う私たち。
双子の兄妹。
兄ヴィルフレードと妹の私レティツィア。
運命を変えるべく選んだ私たちは前回とは違う自分になることを決めた。
お兄様が選んだ方法は女装!?
それって、私達『兄妹』じゃなくて『姉妹』になるってことですか?
完璧なお兄様の女装だけど、運命は変わるの?
それに成長したら、バレてしまう。
どんなに美人でも、中身は男なんだから!!
でも、私達はなにがなんでも死亡ルートだけは回避したい!
※1日2回更新
※他サイトでも連載しています。
【完結】君こそが僕の花 ーー ある騎士の恋
冬馬亮
恋愛
こちらの話は、『あなたの愛など要りません』の外伝となります。
メインキャラクターの一人、ランスロットの恋のお話です。
「女性は、花に似ていると思うんだ。水をやる様に愛情を注ぎ、大切に守り慈しむ。すると更に女性は美しく咲き誇るんだ」
そうランスロットに話したのは、ずっと側で自分と母を守ってくれていた叔父だった。
12歳という若さで、武の名門バームガウラス公爵家当主の座に着いたランスロット。
愛人宅に入り浸りの実父と訣別し、愛する母を守る道を選んだあの日から6年。
18歳になったランスロットに、ある令嬢との出会いが訪れる。
自分は、母を無視し続けた実父の様になるのではないか。
それとも、ずっと母を支え続けた叔父の様になれるのだろうか。
自分だけの花を見つける日が来る事を思いながら、それでもランスロットの心は不安に揺れた。
だが、そんな迷いや不安は一瞬で消える。
ヴィオレッタという少女の不遇を目の当たりにした時に ーーー
守りたい、助けたい、彼女にずっと笑っていてほしい。
ヴィオレッタの為に奔走するランスロットは、自分の内にあるこの感情が恋だとまだ気づかない。
※ なろうさんでも連載しています
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
かつて私を愛した夫はもういない 偽装結婚のお飾り妻なので溺愛からは逃げ出したい
おうぎまちこ(あきたこまち)
恋愛
※また後日、後日談を掲載予定。
一代で財を築き上げた青年実業家の青年レオパルト。彼は社交性に富み、女性たちの憧れの的だった。
上流階級の出身であるダイアナは、かつて、そんな彼から情熱的に求められ、身分差を乗り越えて結婚することになった。
幸せになると信じたはずの結婚だったが、新婚数日で、レオパルトの不実が発覚する。
どうして良いのか分からなくなったダイアナは、レオパルトを避けるようになり、家庭内別居のような状態が数年続いていた。
夫から求められず、苦痛な毎日を過ごしていたダイアナ。宗教にすがりたくなった彼女は、ある時、神父を呼び寄せたのだが、それを勘違いしたレオパルトが激高する。辛くなったダイアナは家を出ることにして――。
明るく社交的な夫を持った、大人しい妻。
どうして彼は二年間、妻を求めなかったのか――?
勘違いですれ違っていた夫婦の誤解が解けて仲直りをした後、苦難を乗り越え、再度愛し合うようになるまでの物語。
※本編全23話の完結済の作品。アルファポリス様では、読みやすいように1話を3〜4分割にして投稿中。
※ムーンライト様にて、11/10~12/1に本編連載していた完結作品になります。現在、ムーンライト様では本編の雰囲気とは違い明るい後日談を投稿中です。
※R18に※。作者の他作品よりも本編はおとなしめ。
※ムーンライト33作品目にして、初めて、日間総合1位、週間総合1位をとることができた作品になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる