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二章6
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アデリナはそう考えなおしたのだが、予定していた半月を過ぎてもカイは戻ってこなかった。もうすぐひと月になろうかというところで、アデリナはようやくカイの近況を知ることができた。その情報をもたらしてくれたのはシャロットだった。彼女の家はオーギュスト家とは親しいのだ。
「暴動が思ったより大規模って、大丈夫なの?」
「それがね、どうもスリュー地方の役人の多くが暴徒側に取り込まれていたみたいなの。だから、正確な情報が帝都まであがってきていなくて、鎮圧に向かった騎士団は到着してみて初めて暴徒側の全容を知ったみたいよ」
シャロットは子どもとは思えぬ理解力でアデリナにすらすらと状況を説明してくれる。
要約すると、カイたちは聞いていたよりずっと大規模な暴徒軍を鎮圧しなければならない状況らしい。
「援軍は送らないのかしら?」
アデリナが聞くとシャロットは首を振った。
「お父さまによると……地方役人に寝返られたなんて陛下にとっては恥でしかないから、援軍を送るのを渋っているそうよ。援軍を送ると一般市民にまでバレちゃう恐れがあるから」
その話を聞いてからというもの、アデリナは眠れぬ夜を過ごしていた。カイの身になにかあったら……そう思うと、身体が震えて恐怖に押しつぶされそうになる。
そうして三晩を数えて迎えた朝に、カイはようやく帰還した。サーシャの報告に、アデリナは転げ落ちるように階段を駆けおりた。
息を切らせながら顔をあげて、ひと月ぶりのカイの顔を確かめる。少し痩せたように見えるが、どこにも怪我はなさそうだ。アデリナはほっと安堵して膝から崩れるように床にへたり込んだ。涙がポロポロと頬を伝い、アデリナのスカートにシミを作った。
カイはアデリナの前にかがみ込み、怪訝そうに首をかしげた。
「なぜ泣く? なにか企んでいるのか」
その言葉にアデリナの顔はかっと赤く染まった。悲しみと怒りの入り混じった瞳でカイを見あげる。
「私には……あなたの無事をただ喜ぶことも許されないの?」
「アデリナ」
肩にかけられたカイの手を思いきり振り払うと、アデリナは階段を駆けあがり自室へ逃げ込んだ。部屋に鍵をかけると、ベッドに突っ伏して声を殺して泣いた。
(無事でよかった。もう誰にも死んでほしくない。そう思っただけなのに……)
カイが憎い、彼への憎しみはそう簡単には消せないだろう。だが、それでも彼に生きていてほしい。誰かを失う苦しみはもう二度と味わいたくない。
カタンと音がして、誰かがアデリナの部屋の扉に身体を預けたことを気配で察した。アデリナが黙っていると、扉の向こうから声が届いた。
「開けなくていい。このままでいいから、聞いてくれ」
カイの声だった。彼はためらいがちに言葉を紡ぐ。
「ひどい言葉をかけて悪かった。もしアデリナが本心から俺の帰りを喜んでくれているなら、うれしく思う」
アデリナは答えなかった。それでも、カイは扉の向こうにとどまっているようだ。アデリナはゆっくりと扉に近づき、鍵を開けて少しだけ扉を引く。
バツの悪そうなカイの顔がそこにあった。アデリナは声を絞り出すようにして彼に思いを伝えた。
「シャロットから状況を聞いて……心配で不安で気が狂うかと思った。私を嫌いでも憎んでいても、なんでもいいから、生きていてよ。お願いだから死んだりしないでっ」
小刻みに震えているアデリナの肩にカイは遠慮がちに手を伸ばす。そっと触れたかと思うと、すぐに力強く抱きすくめアデリナの身体をそのたくましい胸で受け止めた。
「悪かった。……お前はもうここにはいないと思っていた。出迎えてくれてありがとう」
アデリナの涙が止まるまで、カイはそうして彼女を抱き締め続けた。
「でも、本音を言えば企みも確かにあったわ」
カイを自室に招きいれると、アデリナは照れたような笑みを浮かべた。カイは背中に回した手で扉を閉め、かちゃりと鍵を回した。
「どんな企みだ?」
いたずらっぽい瞳でアデリナを見つめる。
「涙を見せたら、カイがほだされてくれるんじゃないかって」
アデリナは正直に打ち明けた。カイの無事がアデリナを少しだけ素直にさせた。
「あなたのいない夜は寂しくて仕方なかったの」
カイは黙り込んだ。だが、彼の耳が赤く染まっているのを見つけてアデリナは目を細めた。カイはアデリナの腕を引くと、くるりと自身と立ち位置を入れ替えた。アデリナの背中を扉に押しつけ、彼女の動きを封じた。
「カイ?」
アデリナが上目遣いに顔を見ると、熱をはらんだ瞳がアデリナを見返した。
「お前が泣くほど嫌なら我慢しようと思った。それなのにあの夜、薬につけこんで俺は無理やりお前を抱いた」
カイはそのことに罪悪感を抱いていたようだ。後悔していることが伝わってくる表情だった。
「もしかして、それで私をさけていたの?」
「お前も俺をさけていただろう。卑怯な真似をして軽蔑されたんだと思った」
傷つき弱りきった表情でカイはぽつりとこぼした。アデリナと彼はそれなりに長い付き合いだが、彼が弱さを見せたのはこれが初めてのような気がした。アデリナは彼のその弱さをとてもいとおしいと感じた。そして、その思いのままに彼の背中に腕を回してきゅっと強く抱き締めた。
「違う。あの夜は薬だけのせいじゃない、私がカイを欲しいと思ったの」
「アデリナ……」
ふたりの眼差しが絡み合い、とけていく。
「それにいつか泣いたのも、カイとの行為が嫌だったからじゃない。うまく説明できないけど、それは違うの」
カイはゆっくりとアデリナに顔を近づける。鼻先が触れ合ったところで、低くささやいた。
「なら、俺はもう我慢しない」
優しく唇が重なる。これまでのキスとは確実になにかが違う。互いの思いを交換し合うような深い口づけだった。カイはそのまま、アデリナの額や頬に慈しむような優しいキスを降らせた。アデリナの胸に温かいものが広がっていく。
「もう私の身体には飽きてしまったのかと思った」
アデリナがぽつりとこぼすと、カイは自嘲気味に笑う。
「飽きる? それは永遠にないだろうな」
アデリナの首筋に唇を寄せ、白い肌に赤いしるしを刻みつける。たわむれるような甘いキスはどんどん情熱を帯びていき、深いものに変わっていく。アデリナは耐えきれず声をあげた。
「んっ。カイは……私が憎くはないの?」
「憎い。エバンスの名は死ぬまで憎いだろうな。だが、俺はお前とこうなることをずっと待ち望んでいたような気もする」
「それは、どういう……」
その言葉の真意をアデリナは知りたいと思ったが、カイはかすかに口元を緩めただけで答えてはくれない。
「もう、おしゃべりはおしまいだ」
そう言って、アデリナの身体をくるりと回すと扉に手をつかせた。背中から彼女を抱き締め、うなじにキスを落とす。きつく吸いあげられると、アデリナの肌はぞわりと粟立つ。前に回された彼の手が胸元のボタンを外していく。隙間から手が差し入れられ、やわやわと彼女の肌をもてあそぶ。
「待って、カイ。せめてベッドへ」
アデリナは小さく抗議の声をあげた。ここでは廊下に音が漏れてしまうかもしれない。だが、カイの手が止まることはなく、ぴんととがった先端をなぶるように弾いた。
「ひあっ」
「悪いがその頼みは聞けないな。今はこの短い距離すら惜しい」
カイはその場でアデリナを生まれたままの姿にし、時間をかけて全身をたっぷりと愛撫する。とろけるように甘く優しく、愛し尽くされ、アデリナはもう立っているのがやっとだった。とめどなくあふれる透明な液体がアデリナの足元に小さな水たまりを作っていた。
「カ、イ……」
こんなにも優しく愛されるのは初めてで、アデリナは少し戸惑っていた。うれしいようなくすぐったいような……そして恐ろしくもあった。自分がどうなってしまうかわからない、アデリナにとっては恋も愛も未知のものなのだ。
くすりとカイが笑ったのを、アデリナは背中で感じた。
「なに?」
「こういうのと、もっと激しいの、どちらが好みだ? どうされたい?」
難しすぎる質問だった。カイしか知らないアデリナに、そんなに豊富な知識があるはずもない。
「わからない。ただ……どんなふうにでも、カイに触れられると心も身体もおかしくなっていく。私じゃないみたいに」
とろけきったアデリナの入口を、カイの指が何度も往復する。なかで彼が指を折ると、そこはくちゅりと卑猥な音を立てる。膝ががくがくと震え、アデリナの頭でなにかが弾ける。
「ん、ああっ」
「いくらでもおかしくなれ。俺しか知らないお前をもっと見たい」
「暴動が思ったより大規模って、大丈夫なの?」
「それがね、どうもスリュー地方の役人の多くが暴徒側に取り込まれていたみたいなの。だから、正確な情報が帝都まであがってきていなくて、鎮圧に向かった騎士団は到着してみて初めて暴徒側の全容を知ったみたいよ」
シャロットは子どもとは思えぬ理解力でアデリナにすらすらと状況を説明してくれる。
要約すると、カイたちは聞いていたよりずっと大規模な暴徒軍を鎮圧しなければならない状況らしい。
「援軍は送らないのかしら?」
アデリナが聞くとシャロットは首を振った。
「お父さまによると……地方役人に寝返られたなんて陛下にとっては恥でしかないから、援軍を送るのを渋っているそうよ。援軍を送ると一般市民にまでバレちゃう恐れがあるから」
その話を聞いてからというもの、アデリナは眠れぬ夜を過ごしていた。カイの身になにかあったら……そう思うと、身体が震えて恐怖に押しつぶされそうになる。
そうして三晩を数えて迎えた朝に、カイはようやく帰還した。サーシャの報告に、アデリナは転げ落ちるように階段を駆けおりた。
息を切らせながら顔をあげて、ひと月ぶりのカイの顔を確かめる。少し痩せたように見えるが、どこにも怪我はなさそうだ。アデリナはほっと安堵して膝から崩れるように床にへたり込んだ。涙がポロポロと頬を伝い、アデリナのスカートにシミを作った。
カイはアデリナの前にかがみ込み、怪訝そうに首をかしげた。
「なぜ泣く? なにか企んでいるのか」
その言葉にアデリナの顔はかっと赤く染まった。悲しみと怒りの入り混じった瞳でカイを見あげる。
「私には……あなたの無事をただ喜ぶことも許されないの?」
「アデリナ」
肩にかけられたカイの手を思いきり振り払うと、アデリナは階段を駆けあがり自室へ逃げ込んだ。部屋に鍵をかけると、ベッドに突っ伏して声を殺して泣いた。
(無事でよかった。もう誰にも死んでほしくない。そう思っただけなのに……)
カイが憎い、彼への憎しみはそう簡単には消せないだろう。だが、それでも彼に生きていてほしい。誰かを失う苦しみはもう二度と味わいたくない。
カタンと音がして、誰かがアデリナの部屋の扉に身体を預けたことを気配で察した。アデリナが黙っていると、扉の向こうから声が届いた。
「開けなくていい。このままでいいから、聞いてくれ」
カイの声だった。彼はためらいがちに言葉を紡ぐ。
「ひどい言葉をかけて悪かった。もしアデリナが本心から俺の帰りを喜んでくれているなら、うれしく思う」
アデリナは答えなかった。それでも、カイは扉の向こうにとどまっているようだ。アデリナはゆっくりと扉に近づき、鍵を開けて少しだけ扉を引く。
バツの悪そうなカイの顔がそこにあった。アデリナは声を絞り出すようにして彼に思いを伝えた。
「シャロットから状況を聞いて……心配で不安で気が狂うかと思った。私を嫌いでも憎んでいても、なんでもいいから、生きていてよ。お願いだから死んだりしないでっ」
小刻みに震えているアデリナの肩にカイは遠慮がちに手を伸ばす。そっと触れたかと思うと、すぐに力強く抱きすくめアデリナの身体をそのたくましい胸で受け止めた。
「悪かった。……お前はもうここにはいないと思っていた。出迎えてくれてありがとう」
アデリナの涙が止まるまで、カイはそうして彼女を抱き締め続けた。
「でも、本音を言えば企みも確かにあったわ」
カイを自室に招きいれると、アデリナは照れたような笑みを浮かべた。カイは背中に回した手で扉を閉め、かちゃりと鍵を回した。
「どんな企みだ?」
いたずらっぽい瞳でアデリナを見つめる。
「涙を見せたら、カイがほだされてくれるんじゃないかって」
アデリナは正直に打ち明けた。カイの無事がアデリナを少しだけ素直にさせた。
「あなたのいない夜は寂しくて仕方なかったの」
カイは黙り込んだ。だが、彼の耳が赤く染まっているのを見つけてアデリナは目を細めた。カイはアデリナの腕を引くと、くるりと自身と立ち位置を入れ替えた。アデリナの背中を扉に押しつけ、彼女の動きを封じた。
「カイ?」
アデリナが上目遣いに顔を見ると、熱をはらんだ瞳がアデリナを見返した。
「お前が泣くほど嫌なら我慢しようと思った。それなのにあの夜、薬につけこんで俺は無理やりお前を抱いた」
カイはそのことに罪悪感を抱いていたようだ。後悔していることが伝わってくる表情だった。
「もしかして、それで私をさけていたの?」
「お前も俺をさけていただろう。卑怯な真似をして軽蔑されたんだと思った」
傷つき弱りきった表情でカイはぽつりとこぼした。アデリナと彼はそれなりに長い付き合いだが、彼が弱さを見せたのはこれが初めてのような気がした。アデリナは彼のその弱さをとてもいとおしいと感じた。そして、その思いのままに彼の背中に腕を回してきゅっと強く抱き締めた。
「違う。あの夜は薬だけのせいじゃない、私がカイを欲しいと思ったの」
「アデリナ……」
ふたりの眼差しが絡み合い、とけていく。
「それにいつか泣いたのも、カイとの行為が嫌だったからじゃない。うまく説明できないけど、それは違うの」
カイはゆっくりとアデリナに顔を近づける。鼻先が触れ合ったところで、低くささやいた。
「なら、俺はもう我慢しない」
優しく唇が重なる。これまでのキスとは確実になにかが違う。互いの思いを交換し合うような深い口づけだった。カイはそのまま、アデリナの額や頬に慈しむような優しいキスを降らせた。アデリナの胸に温かいものが広がっていく。
「もう私の身体には飽きてしまったのかと思った」
アデリナがぽつりとこぼすと、カイは自嘲気味に笑う。
「飽きる? それは永遠にないだろうな」
アデリナの首筋に唇を寄せ、白い肌に赤いしるしを刻みつける。たわむれるような甘いキスはどんどん情熱を帯びていき、深いものに変わっていく。アデリナは耐えきれず声をあげた。
「んっ。カイは……私が憎くはないの?」
「憎い。エバンスの名は死ぬまで憎いだろうな。だが、俺はお前とこうなることをずっと待ち望んでいたような気もする」
「それは、どういう……」
その言葉の真意をアデリナは知りたいと思ったが、カイはかすかに口元を緩めただけで答えてはくれない。
「もう、おしゃべりはおしまいだ」
そう言って、アデリナの身体をくるりと回すと扉に手をつかせた。背中から彼女を抱き締め、うなじにキスを落とす。きつく吸いあげられると、アデリナの肌はぞわりと粟立つ。前に回された彼の手が胸元のボタンを外していく。隙間から手が差し入れられ、やわやわと彼女の肌をもてあそぶ。
「待って、カイ。せめてベッドへ」
アデリナは小さく抗議の声をあげた。ここでは廊下に音が漏れてしまうかもしれない。だが、カイの手が止まることはなく、ぴんととがった先端をなぶるように弾いた。
「ひあっ」
「悪いがその頼みは聞けないな。今はこの短い距離すら惜しい」
カイはその場でアデリナを生まれたままの姿にし、時間をかけて全身をたっぷりと愛撫する。とろけるように甘く優しく、愛し尽くされ、アデリナはもう立っているのがやっとだった。とめどなくあふれる透明な液体がアデリナの足元に小さな水たまりを作っていた。
「カ、イ……」
こんなにも優しく愛されるのは初めてで、アデリナは少し戸惑っていた。うれしいようなくすぐったいような……そして恐ろしくもあった。自分がどうなってしまうかわからない、アデリナにとっては恋も愛も未知のものなのだ。
くすりとカイが笑ったのを、アデリナは背中で感じた。
「なに?」
「こういうのと、もっと激しいの、どちらが好みだ? どうされたい?」
難しすぎる質問だった。カイしか知らないアデリナに、そんなに豊富な知識があるはずもない。
「わからない。ただ……どんなふうにでも、カイに触れられると心も身体もおかしくなっていく。私じゃないみたいに」
とろけきったアデリナの入口を、カイの指が何度も往復する。なかで彼が指を折ると、そこはくちゅりと卑猥な音を立てる。膝ががくがくと震え、アデリナの頭でなにかが弾ける。
「ん、ああっ」
「いくらでもおかしくなれ。俺しか知らないお前をもっと見たい」
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