10 / 11
if輝くんが……
しおりを挟む転校初日……。
高い塀を乗り越えて、胡散臭い顔の男に声をかけられた。
どうやら、この学園の副会長らしい。
とりあえず、胡散臭い顔は気持ち悪いので正直に言った。
そしたら、結構懐かれて、友達と言ってくれた。
~
この学園の食堂に行くと、生徒会のメンバーがやってきた。
その中に1人、ほかよりは地味に見える男がいた。
書記や会計。庶務に副会長が俺に話しかけても、顔一つ変えなかった。
だが、会長が俺の唇を奪った時、「心底傷つきました」って顔をした。
何故か、俺はその顔を愛おしいと思った。
もし、俺があいつの大事なものを汚した時あいつはどんな顔をするんだろうか?
俺は、その顔見たさに、生徒会の奴らと行動した。
別に、苦ではなかった。だが、あいつは俺の欲しい顔をしてはくれなかった。
ある日、あいつは仕事をしていないと言ってみた。
その時の、あいつの顔は、最っ高にいい顔だった。
それ以来、あいつはいい顔をする回数が増えた。
だが、あの日だけは違った……。
まるで壊れた人形のようだった。
俺は気になり、あいつの居ない時身内に頼んで部屋を開けてもらった。
そこにあったのは、ロープと便箋そして水仙の花が置いてあった。
俺はまさかと思い、ロープに切り口を入れ最後まで締まらないよう細工をした。
~
あいつは、一命を取り留めたらしい。切り口にも気づかなかった事から相当だったのだろう。
俺は、あいつのあの顔が見たいのに、死んでしまわれては困る。
もっと……もっと……。
あの日以来、会長が俺の所に来なくなった。どうやら、会長はあいつの大事なヤツでよりを戻したらしい。
今すぐ壊すのも面白い……。だが、俺も自殺まで追い込んだ事の罪悪感はある。
だから。今はまだ──────────。
~
俺は、あいつの部屋に訪れた。あいつの地雷を踏むように喋ってみる。
案の定、あいつは俺に最っ高の顔を向けてくれる。
あぁ。愛おしい……。
俺は、あいつに素の俺で喋ってみた。驚いた顔で俺を見る。
そしてあいつは、ビクビクしながら俺と喋る。
やっぱり、こいつは最高だ……。
絶対に逃がさない──────────。
俺だけの玩具にしてやるよ──────────。
由利──────────。
0
お気に入りに追加
31
あなたにおすすめの小説
僕がサポーターになった理由
弥生 桜香
BL
この世界には能力というものが存在する
生きている人全員に何らかの力がある
「光」「闇」「火」「水」「地」「木」「風」「雷」「氷」などの能力(ちから)
でも、そんな能力にあふれる世界なのに僕ーー空野紫織(そらの しおり)は無属性だった
だけど、僕には支えがあった
そして、その支えによって、僕は彼を支えるサポーターを目指す
僕は弱い
弱いからこそ、ある力だけを駆使して僕は彼を支えたい
だから、頑張ろうと思う……
って、えっ?何でこんな事になる訳????
ちょっと、どういう事っ!
嘘だろうっ!
幕開けは高校生入学か幼き頃か
それとも前世か
僕自身も知らない、思いもよらない物語が始まった
王道にはしたくないので
八瑠璃
BL
国中殆どの金持ちの子息のみが通う、小中高一貫の超名門マンモス校〈朱鷺学園〉
幼少の頃からそこに通い、能力を高め他を率いてきた生徒会長こと鷹官 仁。前世知識から得た何れ来るとも知れぬ転校生に、平穏な日々と将来を潰されない為に日々努力を怠らず理想の会長となるべく努めてきた仁だったが、少々やり過ぎなせいでいつの間にか大変なことになっていた_____。
これは、やりすぎちまった超絶カリスマ生徒会長とそんな彼の周囲のお話である。
学園の天使は今日も嘘を吐く
まっちゃ
BL
「僕って何で生きてるんだろ、、、?」
家族に幼い頃からずっと暴言を言われ続け自己肯定感が低くなってしまい、生きる希望も持たなくなってしまった水無瀬瑠依(みなせるい)。高校生になり、全寮制の学園に入ると生徒会の会計になったが家族に暴言を言われたのがトラウマになっており素の自分を出すのが怖くなってしまい、嘘を吐くようになる
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初投稿です。文がおかしいところが多々あると思いますが温かい目で見てくれると嬉しいです。
いとしの生徒会長さま
もりひろ
BL
大好きな親友と楽しい高校生活を送るため、急きょアメリカから帰国した俺だけど、編入した学園は、とんでもなく変わっていた……!
しかも、生徒会長になれとか言われるし。冗談じゃねえっつの!
独占欲強い系の同居人
狼蝶
BL
ある美醜逆転の世界。
その世界での底辺男子=リョウは学校の帰り、道に倒れていた美形な男=翔人を家に運び介抱する。
同居生活を始めることになった二人には、お互い恋心を抱きながらも相手を独占したい気持ちがあった。彼らはそんな気持ちに駆られながら、それぞれの生活を送っていく。
代わりでいいから
氷魚彰人
BL
親に裏切られ、一人で生きていこうと決めた青年『護』の隣に引っ越してきたのは強面のおっさん『岩間』だった。
不定期に岩間に晩御飯を誘われるようになり、何時からかそれが護の楽しみとなっていくが……。
ハピエンですがちょっと暗い内容ですので、苦手な方、コメディ系の明るいお話しをお求めの方はお気を付け下さいませ。
他サイトに投稿した「隣のお節介」をタイトルを変え、手直ししたものになります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる