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君たち、それでいいの?
しおりを挟むそして、舞台は千葉県の激安アパートにて。
「いよいよだな」
「ああ、いよいよだ」
狭い部屋で生唾ごっくんして向かい合っている二人の名前は、谷崎慎仁と櫻井宏樹。大学時代に出会い、お互いにオタクで女性が苦手という後ろめたい個性が一致したため意気投合しすぐに親友になった。どちらも田舎から都会に来ていて、家族と離れて数年。今や、一番の理解者となり得ている。
さて、現在7月17日午後10時。そして、谷崎慎仁の誕生日は7月18日。彼は二時間後の誕生日という祝福すべき日を恐れ過ごしていた。
彼は、29歳童貞。
誕生日を迎えるまでに童貞を捨てないと、軍に連行されそのままずっと右手が恋人、オナホだけの快楽しか知らない人間になってしまう。寧ろ、童貞のバイブル、エロゲをやり放題しに自ら進んで連行される者もいたが谷崎は、そこまで落ちぶれてはいなかった。どうしても童貞を捨てたい、だが女性は怖い。
そうして、残った少ない手がコレだった。
「こっちの準備は終わった。臨戦態勢に入っている」
「俺は、実はまだちょっと不安だ。いくら慣らしたといってもお前のは童貞に不釣り合いなほどデカイし・・・尻が切れたらどうしようって・・・」
「っ、大丈夫だ。この日のために俺らは何回も擬似セックスしてきただろ!昨日だって前を触らずに後ろだけでイけたじゃないか!」
「それは、そうだけど。いざ、本当のセックスとなると・・・・」
「大丈夫!絶対に痛い思いはさせない」
それは、櫻井とのアナルセックスで童貞を捨てるという暴挙だ。なんで櫻井が自分の処女を散らせる行為を許したのかというと単純に櫻井も29歳童貞だから。ただし誕生日は、四ヶ月先。
困っていた二人は、お互いの処女を出しあうことにしていて。単純に谷崎の誕生日が早かった為先に処女を受け渡すことになったのだ。
「で、でもさぁ」
「絶対に大丈夫。お前昨日イき過ぎてたから覚えてないのかもしんないけど、ずっと気持ちいいってあんあん喘いでたぞ?」
「まじで!?」
「マジ。正直AVよりえエロかったし、すげえ股間にきて我慢すんの大変だった。お前、才能あるよ」
「お、おおう。ありがとう?」
その至る日の童貞卒業処女喪失の為に二人は涙ぐましい努力をしてきた。なるべく円滑に進むようアナルセックスについて調べまくり、男の性感体を熟知させた。
お互いにゲイではないため、裸を見ても勃つことが出来ず、最初は各々の持ってきたエロゲで勃たせてから擬似セックスを行ってきたが、童貞のエロへの学習能力も素晴らしく気が付けば、服を脱ぐ時点で期待から勃つようになっていた。
実のことを言うと、お互いのことを意識するだけで鼓動が高鳴り、股間にテントができてしまっていたのだが39歳童貞、それを相手への好意でなく(現在進行形でお互いに初恋をしていることに気付いていない)エロへの期待だと勘違いしていた。39歳童貞は、初恋も未経験な今時珍しいピュアボーイなのだ。
さっきも言ったがこの二人はオタクだ。
どんなことにも一直線、細部の細部まで真剣にがモットーであるため、意図せず、受けである櫻井を完璧な淫乱ネコに育てあげていた。
どうやら、乳首をいじると良いらしいと聞けば櫻井の乳首を徹底的に苛め、感じすぎて常時絆創膏を付けていないと服の擦れで完勃ちしてしまうほどに開発した。
二人はやり過ぎていることに気付いていない。
なにやら、受ける方がパイパンにすると攻めの下毛が敏感なところにあたり、痒気持ちいいらしいから櫻井のけをそりをパイパンにした。
二人はやり過ぎていることに気付いていない。
勿論、前立腺を弄ると良いらしいと聞けば、コレまた徹底的に櫻井の前立腺を苛め抜き、最早アナルを弄らないとイけない淫乱な体にした。
二人はやり過ぎていることに気付いていない。
そして、これはアナルセックスだけに止まらない。普通のセックスを経験したことのない童貞二人。初めては良い思い出にしたい、と。その為には気持ち良くなりたいと必要のないことにまで凝りだした。
フェラにバイブにディルド、尿道カテーテルに尿道バイブ、イきまくっちゃうお薬やSMセット。乳首に電流を流すアダルトグッツ。果ては、イった後すぐに亀頭を擦ると潮吹きするらしいと聞きお風呂場で試した。当たり前のように全て櫻井が受けており、たった一回のためにそこまで努力しなくて良いことを二人はまだ気付いていない。
谷崎の誕生日を迎える頃には、櫻井の体はその道のプロよりも感じまくる体になっていた。
二人はその事実に気付いていない。
「じゃあ、始める」
「うん」
櫻井の体には真っ赤な縄で縛られていて、一見SMプレイに見えるそれは、櫻井の「怖くなって、抵抗したら悪いから」という理由でつけられた。どうせ縛るなるなら、ちゃんと縛ろうと亀甲縛りをしたが、櫻井の基本引きこもっていて真っ白な肌にはよく映えて。
女性のような豊満な乳房でなくとも、ピンと尖った乳首かあれば艶やかに見える。
乳房がない代わりにぺニスに巻き付いた赤は櫻井のまだ使われたことのないピンクをより強調させ、谷崎は再度口に溜まった唾を飲み込み、完勃ちした股間を無視した。そして、愛撫を開始する。ただし谷崎が櫻井に一方的に行う愛撫だ。
まずは、首筋。最初はくすぐったかった此処もいつしか舐められる度にぞくぞくして、快感が流れるように体を伝い腰を擽らせる。
「宏樹、腰ふってる」
「ん、くすぐったいの」
その微弱な快感は、櫻井には快感とわからない。ただ、腰がくすぐったくて堪らなくなるのだ。
遂に、落ちてきた口は胸の突起にたどり着き。昨日も散々弄ったそこはまだ、腫れていてピン、とたちあがっている。
「あ、んん、ちょっと乳首ダメ!!」
「なんで、感じてるじゃん」
「だからだよ!昨日もやったから触られるとヒリヒリする、し、あっ、だ、ちょっと!!」
「でも宏樹、痛いくらいのほうが気持ち良く喘いでるし」
「なっ!?そんなことないし!」
「そうだし」
「あっ、ああ、やめ・・・。だ、だからあんまりやり過ぎると乳首、元に戻んなくなるかもしんないだろ!?」
「・・・戻んない?」
櫻井の言っていることが分からず、やっと乳首をこねるのを止めた谷崎は、首をかしげた。
「最近、お前に弄られ過ぎて乳首、ずっとたったまんまなんだよっ!!」
「・・・何。そのエロゲ」
「エロゲじゃねぇし!!」
開発し過ぎて常時たったまんまでいつも感じちゃう。調べた実際のセックスでは聞いたこともないが、エロゲの設定としては聞いたことがある。
この時、初めて谷崎の心の中に「もしかして、俺ら頑張り過ぎたか?」と疑問が湧いたが、櫻井はエロくて可愛くなったし都合がいいから、と見なかったことにした。
「あん!!だか、ら!!」
「分かってる。触んないから、舐めるだけ」
確かに、擬似セックスを初めてから、感じやすくぽってりとした乳首を谷崎は気に入っていて可愛らしく、愛しく思うようになっていた。
ヒリヒリ痛かった乳首は谷崎の生暖かい唾液によって温められ、血行が良くなり、痛痒くなる。それは、ただ痛い時よりも耐えがたく。
「やめてぇぇえ!!かゆい、かゆい、かゆいから舐めな、いでぇ!!」
「分かった」
「んやぁぁあぁっ!!か、噛むのもだめぇ、」
少し確信犯なところもあるが、思ったよりも良い喘ぎに調子に乗った谷崎は、噛んでみたのだが凄い反応が返って来た。櫻井のペニスは我慢汁でびしょびしょになっている。
「宏樹、俺が童貞だからって馬鹿にしてるだろ?乳首でそこまでの反応・・・・」
「うっ・・・」
「ご、ごめん」
そんな風に疑われるくらいに乱れまくっていた自分にショックを隠せない櫻井。まだ、童貞なのに乳首が感じ過ぎて引かれるって・・・・。軽く涙目な櫻井に気付いた谷崎はマジもんの反応だったのか、と謝りつつ興奮は増していた。
「泣くなよ。乳首はもう弄らないって」
「うっうっう。乳首が感じ過ぎて生活できなくなったら慎仁のせいだからな!」
「うん。責任取る」
「へっ!?」
谷崎の無意識な爆弾発言は、再開した谷崎自身の手によって流された。時計は11時を指している。もし怖気ずいて挿入出来なかった場合を考えて、挿入を始めることにしたのだ。そもそも、童貞卒業の為だけだったら乳首を弄る必要はないのだが、やっぱり二人はそのことに気付いていない。
櫻井のツルツルの下半身は赤い縄で縛られているから弄ることが出来ず、すぐに解されたアナルに手を延ばした。アナルは既にひくひくと谷崎の指を誘っている。
「ここまで解さなくても。俺やりたかったのに・・・」
「あ、ぁあっ。だって、今日は期限当日だし早めにやれた方がいいかなって」
「そうか、じゃ今度からはやらせて」
「ぅん」
恋人のように解させてもいいのか、とか次もあるか、なんてツッコミどころが沢山あるが、相手の手を頬に寄せ微笑み合いながら挿入させようとする光景は、思いあっている恋人以外に何者でもない。
櫻井が覚悟が出来たように頷いたのを見て谷崎はやっと、本来出口である入口にペニスを運んだ。
「いくよ」
「うん、来て」
ずずず、とアナルに入る光景はゲイビデオで何回も目にしてきたがやはり、目を見張るものだった。谷崎のぺニスは、インドアのくせに無駄に高い背と無駄に良いがたいに比例してビックサイズとなっている。
「んっ」
「あん!!」
その上、勃起で大きくなったそれは、それでも今までの成果故、櫻井のアナルに埋め込むことが出来た。健気に穴を拡げる様子を見て、櫻井は胸がきゅんと痛むのを感じる。
時間をかけて谷崎のぺニスを櫻井のアナルに全て嵌め込んだとき、二人の胸にじんわりとした幸せと喜び、谷崎を、櫻井を、自分の深いところで感じれることの幸福さが支配していた。
「・・・・宏樹、突然だけどお前のことが好きみたいだ」
そして、やっと気付く自分の恋心。
谷崎の告白に櫻井のアナルがきゅうっと締まり、ぺニスを圧迫した。乳首攻めの時に涙目になっていた両目は、今はもう涙が溢れだしていて。
「俺も、俺もきっと・・・・じゃない、絶対慎二のことが好き・・」
櫻井の自分の恋心を認めたセリフで体内のぺニスの質量が一気に増した。
「ひんっ!!」
「ご、ごめん。嬉しくて、つい」
「ん、いいよ。俺もその、嬉しいして・・・今の興奮したってことなんだろ?」
「うん」
「じゃ、許す。その代わり、チューして?」
ちゅ、チュー。もうすぐ30歳童貞が口にするには幼い言葉。狙っているわけでもなく可愛らしい我儘で放った言葉は確実に山崎のハートを撃ち抜いた。
それまでお互いを意識していなかったのに、体の関係を持っただけでぞっこんになってしまう29歳ちょろイン、ならぬちょロー達。
二人はこの時、初めてキスをした。
大胆なことをしてきた二人だがそれは、アナルセックスを研究したからで、なんの手本もなく行う愛情表現はしたことがない。だから、今日初めて予定外にしたキスは、上手いとは言えずぎこちないバードキスだった。
「なんか恥ずい」
「今更」
今更過ぎる照れ。
29歳の初恋の初恋人、自ら考えて行ったスキンシップは胸を高鳴らせた。
「動くよ」
「うん」
腰を前後に動かし、ナカの壁に擦り付けながらの動作はまだ不馴れで。上手いとは言えなかったが櫻井の体は完璧に開発してある。それでも激しく感じることが出来た。
「あっ!!慎仁、いく、いく!!イきたいよぉ、これほどいてぇ」
「ナカでいけるじゃん」
「そ、れとは別、なのおぉ」
「・・・可愛い」
初めての挿入でありながらも谷崎は、余裕を持ち、乱れた櫻井をうっとりと眺めた。
が、そうとはいっても初めてだ。そうは、もたない。
「ん、もういく」
「あっ、あっああ!!」
櫻井は、もうイッテるらしくナカが痙攣して、顔も虚ろに壊れたように喘いでいる。谷崎は、時分がイクと同時にぺニスを戒めていた縄を取り去った。
短く息を呑む。
ぴゅっ。
櫻井の体内、奥深い所に精液が注がれた。
「え、コンドームは?」
「あっ、忘れてた・・・」
「馬鹿」
「ごめん」
「いいよ、中だし嬉しい」
「!!じゃいっぱい子種注いでやるよ」
幸い、童貞だから病気もない。いや、童貞だからこそコンドームをし忘れるドンミスをしたのだが、今や思いを寄せ会う二人には結果オーライだった。
その後も続く、二人のセックス。
ふと、気付いたときには12時を過ぎていた。
「あ」
谷崎は童貞卒業したことを思いだし、粟肌たってる櫻井を見て、急に自分がやり過ぎていると理解する。
「ごめん、やり過ぎた」
「ん、ふふふ謝ってばっか」
「しょうがないだろ、初めてなんだから」
「そうだけど、謝らなくて良い。俺も気持ちいいし」
「宏樹」
「それに、・・・ひかないでくれる?」
そして、櫻井がしたのは親友の谷崎にもしたことのないディープな告白。
「実は、俺無理矢理系のエロゲ好きなんだ」
「それって・・・」
「あの、だからちょっと無理矢理気味の方が良いって言うか、引くなよ?」
「!!ひくわけない、エロくて可愛い」
本当に谷崎は、感動していた。
初めて知った櫻井の性癖、それは自身の性癖にピッタリで。
「俺も、俺も実はエロゲのバイブルは『搾乳学園~白目ラメェの牝牛を調教しよう~』だから!!」
「へっ!?」
谷崎が言ったエロゲの名前は、エロゲ研究家の童貞達にもエグ過ぎると一時期話題になったもので。タイトルそのまま、学園の女子生徒を白目になるまであへあへさせて、赤ちゃん言葉を使わせるよう調教するものである。
櫻井もやってみたがエグ過ぎて、止めてしまったそれ。
「感動だ。俺たち性癖もバッチリマッチしてるじゃないか」
「え、いや」
「無理矢理がいいんなら俺にも都合がいい」
「あの」
「俺も宏樹を頑張ってラメェ系に調教するから宏樹もたっぷり嫌がってくれ」
櫻井は、自分の軽い性癖を告白したことを後悔していた。今、自分は飛んでもないモノを目覚めさせてしまったんじゃないか。
冷や汗をかいても、もう遅い。谷崎の目は、爛々と輝いている。
「ふへへへ、お前が無理矢理系がいいなら俺も我慢する必要はない。朝まで調教して立派な牝牛にしてやるよ」
「ら、ラメェええぇぇぇえ!!!!!」
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